高校化学ノートの着眼点まとめ(全228項目)
各項目の「着眼点」(問題文のどこを見て、どう解き始めるか)を、単元ごとに1ページへ並べました。項目名を押すと、その項目のページに進みます。必須・差がつく・不要の3段階つき。
理論化学
🧪 物質の構成
純物質と混合物必須
「1種類の物質だけか」で判定。化学式が1つで書けるなら純物質。名前が「〜水」「〜酸(の水溶液)」「空気」なら疑う。
何の性質の差を使うか(粒の大きさ・沸点・溶解度・昇華性・溶媒への溶けやすさ・吸着のしやすさ)で選ぶ。
蒸留装置の注意点必須
装置図の正誤問題で問われるのは毎回同じ5点。図を見たらこの5点を順に指で確認する。
ろ過・再結晶の操作差がつく
ろ過は器具の当て方、再結晶は「溶解度が温度で大きく変わる物質ほど向く」の一点。
「実際に取り出せる物質そのもの」なら単体、「成分として含まれる種類」なら元素。
同じ元素の単体で性質が違うもの。出てくるのはほぼ S・C・O・P の4元素。
炎色反応必須
7元素の色を表で丸暗記。白金線に試料をつけてガスバーナーの外炎に入れる。
成分元素の検出必須
「何を加えて」「何が見えたら」その元素か、のセットで覚える。
三態と状態変化差がつく
状態変化の名前6つと、変化中は温度が一定になること。
物理変化と化学変化差がつく
別の物質ができたら化学変化。状態が変わるだけ・溶けるだけなら物理変化。
熱運動と絶対温度差がつく
粒子は温度が高いほど激しく熱運動する。絶対温度は T\,[\mathrm{K}] = t\,[{}^\circ\mathrm{C}] + 273。
R_f = \dfrac{\text{原点から斑点の中心までの距離}}{\text{原点から溶媒の先端までの距離}}
⚛️ 原子の構造と周期表
左上が質量数、左下が原子番号。原子番号=陽子数(=中性の原子の電子数)、中性子数=質量数−原子番号。
同位体と原子量必須
同位体=陽子数が同じで中性子数が違う原子(化学的性質はほぼ同じ)。原子量は同位体の相対質量を存在比で平均した値。
放射性同位体と半減期差がつく
半減期ごとに量が半分。「何分の1になったか」を \left(\frac{1}{2}\right)^n で表し、n を求める。
K殻2、L殻8、M殻は(原子番号20まででは)8で次のN殻へ。最外殻電子のうち結合に関わるのが価電子(貴ガスは0)。
原子は近くの貴ガスと同じ電子配置になるように電子を出し入れする。同じ電子配置なら、陽子が多いほど小さい。
電子殻をさらに s・p・d 軌道に分けて、遷移元素の電子配置や第一イオン化エネルギーの凹凸を説明する考え方。
縦が族(性質が似る)、横が周期(電子殻の数)。左下ほど金属性、右上ほど非金属性(貴ガスを除く)。
原子から電子1個を取り去って1価の陽イオンにするエネルギー。小さいほど陽イオンになりやすい。
電子親和力差がつく
原子が電子1個を受け取って1価の陰イオンになるときに放出するエネルギー。大きいほど陰イオンになりやすい。
電気陰性度必須
共有結合している原子が共有電子対を引きつける強さ。右上ほど大きい(貴ガスは除いて考える)。最大は F。
原子半径の傾向差がつく
同じ族は下ほど大きい(電子殻が増える)。同じ周期は右ほど小さい(陽子が増えて電子を強く引く)。
第一イオン化エネルギーの細かい凹凸(Be > B、N > O)不要
同じ周期で右ほど大きくなる中で、2族→13族、15族→16族でいったん下がる。
🔗 化学結合
金属元素+非金属元素ならイオン結合、非金属元素どうしなら共有結合、金属元素だけなら金属結合。
陽イオンと陰イオンの電荷の合計が0になる最も簡単な整数比で書く。名前は陰イオン→陽イオンの順に読む。
不対電子どうしで電子対を共有する。原子価(H 1、O 2、N 3、C 4)が構造式の線の本数。
配位結合と錯イオン差がつく
一方の原子の非共有電子対を、相手が一方的に受け入れてできる共有結合。できてしまえば普通の共有結合と区別できない。
金属結合と金属の性質差がつく
価電子が自由電子として金属全体を動き回り、陽イオンどうしを結びつける。性質はすべて自由電子で説明する。
分子の形必須
中心原子のまわりの電子対(共有・非共有の両方)がなるべく離れる向きに並ぶ。形は原子の並びだけで呼ぶ。
結合に極性があっても、形が対称で打ち消し合えば無極性分子。判定は「結合の極性」→「形」の2段階。
①水素結合があるか(F・O・N に結合した H)→ ②分子量が大きいか → ③極性があるか、の順に比べる。
分子の形を軌道の混ざり方で説明する考え方。CH₄ は sp³、エチレンは sp²、アセチレンは sp。
粒子と結びつける力で4つに分ける。融点の高さと電気伝導性の有無がよく問われる。
ダイヤモンドと黒鉛の違い差がつく
炭素原子1個あたりの共有結合が4本か3本か。残りの価電子1個が黒鉛の電気伝導性の理由。
氷の構造と水の密度差がつく
氷は水素結合ですき間の多い構造をつくるので、液体の水より密度が小さい(氷が水に浮く)。
体心立方・面心立方・六方最密の配位数と粒子数、充填率・密度の計算。
⚖️ 物質量
化学式に含まれる原子の原子量をすべて足す。分子からなる物質は分子量、イオン結晶・金属は式量と呼ぶ。
どんな量もいったん mol に直してから計算する。粒子数・質量・気体の体積の3つが入口。
与えられた量 → mol → 求める量、の2段階で。分子中の原子の数を聞かれたら最後に個数倍する。
1 mol の化学式単位の中に、各粒子が何 mol 入っているかを化学式の添え字から読む。
標準状態の気体 1 mol は 22.4 L なので、密度 [g/L] に 22.4 を掛ければモル質量になる。
混合気体の平均分子量差がつく
各成分の分子量を物質量の割合(=同温同圧での体積の割合)で平均する。
ステアリン酸を水面に1層だけ広げ、膜の面積÷1分子の断面積で分子数を出し、物質量で割る。
質量パーセント濃度の分母は「溶液」の質量、モル濃度の分母は「溶液」の体積(L)。溶媒ではない。
溶液 1 L(=1000 mL)を取り出したと考え、密度で質量 → 溶質の質量 → mol と順に出す。
希釈の計算必須
薄めても溶質の物質量は変わらない。前後で「濃度×体積」が等しい。
「水 1 L に溶かす」ではなく「溶かしてから水を加えて全体を 1 L にする」。そのための器具がメスフラスコ。
水和物を使った溶液の調製と溶解度差がつく
水和物 1 mol の中に無水物が 1 mol 入っている。水和水は溶かすと溶媒の水になる。
溶媒 1 kg あたりの溶質の物質量 [mol/kg]。温度で体積が変わっても値が変わらない。
⚗️ 化学反応式と量的関係
最も複雑な物質の係数を1とおき、そこに含まれる原子から順に両辺をそろえる。O と H は最後。分数が出たら全体を整数倍。
未定係数法差がつく
目算で合わないときは係数を a, b, c, \ldots とおき、元素ごとに方程式を立てる。どれか1つを1とおいて解く。
イオン反応式差がつく
反応に関わったイオンだけで書く。原子の数に加えて、両辺の電荷の合計もそろえる。
係数比=物質量比必須
反応式の係数は分子(粒子)の数の比=物質量の比。気体どうしなら同温同圧での体積の比にもなる。質量の比ではない。
量的計算の4手順必須
①反応式を書く ②与えられた量を mol に ③係数比で求める物質の mol ④求める単位(g, L, 個)に直す。
過不足のある反応必須
それぞれの物質量を係数で割って小さいほうが「足りないほう」。生成物の量は足りないほうで決まる。
気体どうしの反応で同温同圧なら、mol に直さずに体積のまま係数比で計算できる(気体反応の法則)。
反応した成分の量を反応式から逆算し、試料全体の質量で割る。不純物は反応しないものとして扱う。
一方を少しずつ加えると、生成物の量は増えてから一定になる。折れ曲がる点が「ちょうど過不足なく反応した点」。
混合気体の反応差がつく
成分の量を x, y とおき、「全体の量」と「生じた物質の量」で連立方程式を立てる。
混合物(固体)の組成を求める差がつく
質量の式と、発生した気体の物質量の式の2本で連立する。
多段階の反応(全体で何 mol から何 mol か)差がつく
各段階の反応式をつなげて「原料1 mol から製品が何 mol できるか」だけを出す。途中の物質の量は求めなくてよい。
質量保存(ラボアジエ)、定比例(プルースト)、倍数比例(ドルトン)、気体反応(ゲーリュサック)、分子説(アボガドロ)。
🧫 酸と塩基
アレニウス: 水に溶けて \ce{H+}(\ce{H3O+})を出すのが酸、\ce{OH-} を出すのが塩基。ブレンステッド: \ce{H+} を渡すのが酸、受け取るのが塩基。
強酸・強塩基は数が少ないので丸暗記し、それ以外は弱いと判断する。価数は出せる \ce{H+} / \ce{OH-} の数。
[\ce{H+}] = 酸の濃度 × 価数 × 電離度。強酸は電離度 1 とみなす。
pH の求め方必須
[\ce{H+}]=1.0\times10^{-n} なら pH =n。塩基は先に [\ce{OH-}] を出し、[\ce{H+}][\ce{OH-}]=1.0\times10^{-14} で直す。
希釈したときの pH差がつく
強酸を10倍に薄めると pH は1大きくなる。ただし酸をいくら薄めても pH は7を超えない(塩基なら7を下回らない)。
酸と塩基を混ぜたあとの pH差がつく
\ce{H+} と \ce{OH-} の物質量を比べ、余ったほうを混合後の全体積で割る。体積が足し算になることを忘れない。
中和の量的関係必須
酸が出す \ce{H+} の物質量 = 塩基が出す \ce{OH-} の物質量。強弱は関係ない。
濃度を変えてはいけない器具(ホールピペット・ビュレット)は使う液で共洗い。中に入れる量が決まっている器具(メスフラスコ・コニカルビーカー)は水でぬれたままでよい。
名前の「酸性塩」「塩基性塩」は化学式の形による分類で、水溶液の液性とは関係ない。液性は「もとの酸と塩基の強いほう」で決まる。
中和点の pH は「できた塩の液性」。中和点付近の pH の急な変化の中に変色域が入る指示薬を選ぶ。
逆滴定(気体の吸収)差がつく
気体の塩基(\ce{NH3})を過剰の酸に吸収させ、残った酸を塩基で滴定する。「酸の \ce{H+} = \ce{NH3} + 滴定した \ce{OH-}」。
二段階中和(炭酸ナトリウム)差がつく
\ce{Na2CO3} は \ce{HCl} と2段階で反応する。第1中和点はフェノールフタレイン、第2中和点はメチルオレンジで見る。
K_a=\frac{[\ce{H+}][\ce{CH3COO-}]}{[\ce{CH3COOH}]} を使って弱酸や緩衝液の pH を求める。
ルイスの酸・塩基不要
非共有電子対を受け取るのが酸、与えるのが塩基という、さらに広い定義。
🔋 酸化還元
酸化・還元の定義必須
最終的には「電子」と「酸化数」で判定する。酸化と還元は必ず同時に起こる。
単体は0、化合物は合計0、イオンは合計がイオンの電荷。H は +1、O は −2 を基準に残りを出す。
同じ元素の原子が異なる状態で含まれると、平均として分数の酸化数になる。
左辺(反応前)と右辺(反応後)の物質だけ覚え、残りは次の項目の手順で毎回つくる。
①反応前後の物質を書く ②O の数を \ce{H2O} で合わせる ③H の数を \ce{H+} で合わせる ④電荷を \ce{e-} で合わせる。
電子の数をそろえて2式を足し、\ce{e-} を消す(イオン反応式)。化学反応式にするには、省いた対イオンを両辺に足す。
相手がより強い酸化剤なら還元剤として、より強い還元剤なら酸化剤としてはたらく。
酸化剤が受け取る \ce{e-} の物質量 = 還元剤が渡す \ce{e-} の物質量。中和の「価数」の位置に「受け渡す電子の数」が入る。
ヨウ素滴定差がつく
酸化剤に過剰の \ce{KI} を加えて \ce{I2} を出し、その \ce{I2} をチオ硫酸ナトリウムで滴定する。指示薬はデンプン(青紫色が消えたら終点)。
水中の有機物を酸化するのに使った \ce{KMnO4} の量を、同じ電子数の \ce{O2} の質量 [mg/L] に換算した値。
並び順を覚え、「水・酸との反応」の区切り位置をセットにする。
イオン化傾向が大きい金属を、小さい金属のイオンの水溶液に入れると、小さいほうが析出する。逆は起こらない。
電池のしくみ(ダニエル電池)差がつく
イオン化傾向が大きい金属が負極(酸化される・電子を出す)、小さいほうが正極(還元が起こる)。電子は負極から導線を通って正極へ。
金属の製錬差がつく
金属は鉱石の中で酸化物などの陽イオンの状態。製錬は還元して単体を取り出すこと。イオン化傾向が大きい金属ほど還元が難しい。
💨 気体と状態変化
状態変化の名前と、その間は温度が一定になること。加熱曲線の水平部分は「熱が状態変化だけに使われている」区間。
状態図(三重点・臨界点)差がつく
横軸温度・縦軸圧力の図で、3本の線(融解曲線・蒸気圧曲線・昇華圧曲線)に囲まれた領域が固体・液体・気体。点がどの領域にあるかで状態が決まる。
蒸気圧と沸騰必須
飽和蒸気圧は温度だけで決まり、容器の体積や他の気体の有無に関係しない。沸騰は「飽和蒸気圧=外圧」になったとき。
「全部気体だと仮定して圧力を計算 → 飽和蒸気圧と比べる」の2段階。仮定の圧力が飽和蒸気圧を超えたら、実際の圧力は飽和蒸気圧で、残りは液体。
物質量が一定の気体で、条件が「前」と「後」の2つあれば、この式。温度は必ず絶対温度(セルシウス温度 + 273)で入れる。
条件が1つ(ある瞬間の状態)なら pV=nRT。物質量を質量で書き換えると分子量・密度が出る。
各成分が「単独で容器全体を占めたときの圧力」が分圧。分圧の比=物質量の比、全圧=分圧の和。
水上置換で集めた気体差がつく
捕集した気体には水蒸気が混ざっている。目的の気体の分圧 = 大気圧 − その温度の水の飽和蒸気圧。
同温・同体積なら分圧は物質量に比例する。反応式の係数比を、分圧のまま「反応前・変化量・反応後」の表で追える。
理想気体と実在気体のずれ差がつく
ずれの原因は2つだけ。分子間力(体積を小さくする方向)と分子自身の体積(大きくする方向)。
実在気体の補正を式にしたもの。a は分子間力、b は分子の体積の補正。
💧 溶液と溶解
極性の似たものどうしがよく溶ける。水(極性溶媒)にはイオン結晶・極性分子、ヘキサン(無極性溶媒)には無極性分子。
換算は「溶液 1 L(または溶媒 1 kg)を仮定して、溶質の質量と物質量を出す」で必ず解ける。
溶解度は「水 100 g に溶ける溶質の最大質量(g)」。飽和溶液は「水 100 g + 溶質 S g」の比で、どの量でも比例計算できる。
析出する結晶が水和水を含むと、溶液から水も一緒に抜ける。析出量を x と置き、「残った溶液が低温の飽和溶液」という式を立てる。
溶ける気体の物質量は、その気体の分圧に比例する(温度一定、溶解度の小さい気体)。気体は温度が高いほど溶けにくい。
蒸気圧降下(なぜ沸点が上がるか)差がつく
不揮発性の溶質を溶かすと溶液の蒸気圧は下がる。だから外圧に達する温度(沸点)が上がる。グラフでは溶液の蒸気圧曲線が純溶媒の右下にくる。
\Delta t = K m。m は質量モル濃度、電解質なら電離後の粒子の総数で。
凝固点降下から分子量を求める差がつく
\Delta t = K\dfrac{w/M}{W}(w 溶質 g、W 溶媒 kg)を M について解く。
冷却曲線の読み方差がつく
過冷却のあと温度が少し上がる。純溶媒は凝固中に温度一定、溶液は凝固中も温度が下がり続ける(溶媒だけが凍って濃くなるため)。
浸透圧必須
半透膜を通って溶媒が濃いほうへ移動する。それを止めるのに必要な圧力が浸透圧で、気体の状態方程式と同じ形。
溶液の蒸気圧 = 純溶媒の蒸気圧 × 溶媒のモル分率。
直径およそ 10^{-9}〜10^{-7}\ \mathrm{m} の粒子。ろ紙は通るが半透膜(セロハン)は通らない。性質は用語と現象を1対1で結ぶ。
🔥 化学反応とエネルギー
発熱反応は \Delta H < 0、吸熱反応は \Delta H > 0。反応式の右に ΔH を書き、物質の状態を必ず添える。
名前ごとに「何を 1 mol とするか」が決まっている。式を書くときはその物質の係数を1にする。
q = mc\Delta t で熱量を出し、反応した物質量で割る。最後に発熱なら負号を付ける。
実験では熱が逃げるので、最高温度をそのまま使わない。温度が下がっていく直線部分を反応開始時刻まで延長した値を使う。
状態の違いと ΔH差がつく
同じ反応でも生成物が液体か気体かで ΔH が変わる。差は蒸発エンタルピー。
ΔH は最初と最後の状態だけで決まる。求めたい式に出てくる物質を、与えられた式から「消したい物質が消えるように」足し引きする。
生成エンタルピーなら「生成物 − 反応物」、燃焼エンタルピーなら「反応物 − 生成物」。向きが逆になる点だけ注意。
結合を切るのに吸収、できるときに放出。ΔH =(反応物の結合エネルギーの和)−(生成物の結合エネルギーの和)。すべて気体のときに使える。
縦軸にエンタルピー、物質の組を横線で描く。発熱反応は下向きの矢印。図にすれば足し引きの向きが目で見える。
発熱量から混合物の組成差がつく
各成分の物質量を x, y と置き、「物質量の合計」と「発熱量の合計」の連立方程式。
光のエネルギーを吸収して進む反応(光化学反応)と、反応のエネルギーを光として出す現象(化学発光)を区別する。
イオン結晶をばらばらの気体イオンにするのに必要なエネルギー。直接測れないので、ヘスの法則の回り道で求める。
反応が自然に進むかどうかは ΔH だけでは決まらない。乱雑さ(エントロピー)が増える変化も起こりやすい。
⚖️ 反応速度と化学平衡
速度=単位時間あたりの濃度変化。速くする要因は「濃度(圧力)を上げる・温度を上げる・触媒・固体の表面積を大きくする」の4つ。
1つの濃度だけを変えた2つの実験を比べる。濃度2倍で速度が4倍なら2次、2倍なら1次、変わらなければ0次。
反応物が越える山の高さが活性化エネルギー E_a。触媒は山を低くするだけで、ΔH(スタートとゴールの高さの差)と平衡の位置は変えない。
アレニウスの式不要
速度定数の温度依存を表す式。E_a が大きいほど温度の影響が大きい。
平衡時のモル濃度を「生成物 ÷ 反応物」で、係数を指数にして掛ける。K は温度だけで決まる。
変化量を x と置いて表を作り、K の式に代入して解く。解が2つ出たら、物質量が負にならないほうを選ぶ。
圧平衡定数 Kp差がつく
気体の反応では濃度の代わりに分圧で書ける。分圧 = 全圧 × モル分率。
加えた変化を打ち消す向きに平衡が移動する。条件ごとに向きを機械的に決められるようにする。
水溶液中では常に [\ce{H+}][\ce{OH-}] = K_w。25℃ では K_w = 1.0\times10^{-14} なので \mathrm{pH} + \mathrm{pOH} = 14。
電離度 \alpha が小さい(1 - \alpha \fallingdotseq 1)とみなして、[\ce{H+}] = \sqrt{cK_a}。
弱酸と同じ形で [\ce{OH-}] = \sqrt{cK_b}。最後に pOH を 14 から引くのを忘れない。
弱酸 \ce{HA} の K_a と、その共役塩基 \ce{A-} の K_b を掛けると K_w。片方が分かればもう片方が出る。
2価の弱酸(炭酸)の段階的な電離差がつく
第1電離の K_1 は第2電離の K_2 よりずっと大きい。pH は第1電離だけで決まり、[\ce{CO3^2-}] \fallingdotseq K_2 になる。
緩衝液の pH必須
弱酸とその塩(または弱塩基とその塩)の混合液。酢酸イオンの濃度は塩の濃度、酢酸の濃度は加えた酸の濃度とみなす。
加えた \ce{H+} はそのまま塩の陰イオンと反応して弱酸に変わる。物質量を足し引きしてから、緩衝液の式に入れ直す。
弱酸と強塩基の塩は塩基性、強酸と弱塩基の塩は酸性。計算は加水分解定数 K_h = K_w/K_a を使って弱塩基と同じ形にする。
滴定曲線の4か所で使う式が変わる。開始点は弱酸、途中は緩衝液、中和点は加水分解、過剰域は強塩基。
指示薬自体が弱酸 \ce{HIn} で、\ce{HIn} と \ce{In-} の色が違う。濃度比がおよそ 10 倍以上かたよると片方の色に見えるので、変色域は \mathrm{p}K_a の前後およそ 1。
混ぜた直後のイオン濃度の積が K_{sp} を超えたら沈殿が生じる。等量混合なら濃度は半分になる。
溶解度積から溶解度を求める差がつく
溶けた量を s mol/L とおき、各イオン濃度を s で表して K_{sp} の式に入れる。係数が2のイオンは 2s になり、さらに2乗される。
2段階の電離をまとめると [\ce{S^2-}] は [\ce{H+}]^2 に反比例。酸性では [\ce{S^2-}] が小さく、溶解度積の非常に小さい硫化物(\ce{CuS} など)だけが沈殿する。
1.0\times10^{-8}\ \mathrm{mol/L} の塩酸は pH 8 にはならない。酸の \ce{H+} が水の電離による \ce{H+} と同じくらい少ないので、両方を数える必要がある。
🔋 電池と電気分解
負極 = 電子を出す(酸化)= イオン化傾向の大きい金属。正極 = 電子を受け取る(還元)。電子は外部回路を負極 → 正極へ流れる(電流は逆)。
ダニエル電池必須
亜鉛板を硫酸亜鉛水溶液に、銅板を硫酸銅(Ⅱ)水溶液に浸し、素焼き板で仕切る。負極で \ce{Zn} が溶け、正極で \ce{Cu} が析出する。
ボルタ電池差がつく
亜鉛板と銅板を希硫酸に浸したもの。正極(銅)で起こるのは銅の析出ではなく水素の発生。
放電で両極とも \ce{PbSO4} になり質量が増える。電子 2 mol あたり、負極 +96 g、正極 +64 g、硫酸 2 mol 消費・水 2 mol 生成。
燃料電池差がつく
水素の燃焼反応のエネルギーを電気として取り出す。負極に \ce{H2}、正極に \ce{O2}。生成物は水だけ。
実用電池の一覧差がつく
一次電池(使い切り)か二次電池(充電できる)か、負極と正極の活物質を表で押さえる。
陰極(電源の負極側)では還元、陽極(電源の正極側)では酸化。下の表を上から順に当てはめる。
前項のルールを当てはめた結果を一覧で確認する。「水溶液・電極」の2つを見れば決まる。
電気量 Q = It → 電子の物質量 Q/F → 半反応式の係数比で生成物の物質量。この3段で全部解ける。
塩化ナトリウム水溶液を陽イオン交換膜で仕切って電気分解。\ce{Na+} だけが膜を通って陰極側へ移り、陰極側に \ce{NaOH} がたまる。
電解槽の直列・並列差がつく
直列ならどの槽にも同じ電子の量が流れる。並列なら各槽の電子の量の和が全体の量。
電解精錬は「粗銅を陽極、純銅を陰極」。アルミニウムはイオン化傾向が大きく水溶液からは得られないので、融解した塩を電気分解する。
各電極の電位の差として起電力を求める考え方。高校の教科書では発展扱い。
無機化学
🧪 非金属元素
試薬を丸暗記せず反応の型(弱酸の遊離・揮発性酸の遊離・弱塩基の遊離・酸化還元・分解)で分けると、反応式が自分で書ける。
捕集は「水に溶けるか」→「空気より重いか(分子量29と比較)」の順に判断。乾燥剤は酸と塩基をぶつけないが原則。
色がつく気体は少ない(\ce{Cl2} 黄緑・\ce{NO2} 赤褐・\ce{O3} 淡青)。検出は「何と反応して何が見えるか」をセットで。
原子番号が小さいほど酸化力が強い(\ce{F2 > Cl2 > Br2 > I2})。強い方が弱い方のイオンを酸化して単体を追い出す。
フッ素だけ例外:\ce{HF} は弱酸・沸点が高い・ガラスを溶かす、\ce{AgF} は水に溶ける。
非金属の酸化物は酸性酸化物、典型金属(陽性の強いもの)の酸化物は塩基性酸化物、両性元素(Al, Zn, Sn, Pb)は両性酸化物。
\ce{H2S} は強い還元剤。\ce{SO2} は普段は還元剤だが、\ce{H2S} が相手のときだけ酸化剤。
接触法の触媒は酸化バナジウム(V) \ce{V2O5}。濃硫酸の性質は「不揮発性・吸湿性・脱水作用・(熱濃硫酸の)酸化作用」の4つ。
アンモニア(ハーバー・ボッシュ法)と硝酸(オストワルト法)必須
\ce{NH3} は四酸化三鉄 \ce{Fe3O4} が主成分の触媒、\ce{HNO3} は白金 \ce{Pt} 触媒。オストワルト法は3式を1式にまとめると計算が一瞬。
リンとその化合物差がつく
炭素の同素体と CO・CO₂差がつく
ケイ素・二酸化ケイ素とシリカゲル差がつく
\ce{SiO2} → 水ガラス → ケイ酸 → シリカゲル の流れで覚える。
非金属の工業的製法と触媒まとめ差がつく
工業的製法は名前・触媒・最終生成物の3点セットで。
🔩 金属元素
単体は水と激しく反応して \ce{H2}、だから灯油中に保存。化合物は「潮解(NaOH)」「風解(炭酸ナトリウム十水和物)」「加熱分解(\ce{NaHCO3})」の3つを区別する。
アンモニアソーダ法(ソルベー法)差がつく
溶けにくい \ce{NaHCO3} を沈殿させて取り出すのが要。\ce{NH3} は回収して再利用するので、全体の式に \ce{NH3} は出てこない。
アルカリ土類金属(2族):Be・Mg と Ca・Ba の違い必須
2族はBe・Mg だけ仲間外れ:炎色反応なし、常温の水と反応しにくい、水酸化物が水に溶けにくい、硫酸塩が水に溶ける。
単体も酸化物も水酸化物も、酸にも強塩基にも溶ける。強塩基に溶けるとヒドロキシド錯イオンになる。
Al はイオン化傾向が大きく水溶液の電気分解では得られない。氷晶石に溶かしたアルミナを溶融塩電解する。計算は「\ce{Al^3+ + 3e- -> Al}」の係数3が全て。
\ce{Fe^2+} は淡緑色・\ce{Fe^3+} は黄褐色。検出試薬は「2価には3価のシアニド錯体、3価には2価のシアニド錯体」と数字が入れ替わる。
\ce{Cu^2+} は青色。NaOH で青白色沈殿、アンモニア水を過剰にすると深青色の溶液。加熱すると黒の \ce{CuO}。
\ce{Ag+} に NaOH を加えると水酸化物ではなく酸化銀 \ce{Ag2O}(褐色)。アンモニア水過剰で無色の \ce{[Ag(NH3)2]+}。
「どの陰イオンを加えたら、どの陽イオンが沈むか」で覚える。\ce{Cl-} は Ag・Pb だけ、\ce{SO4^2-} は Ba・Ca・Pb、硫化物は酸性か塩基性かで分かれる。
同じ「少量で沈殿」でも、NaOH 過剰で溶けるのは両性(Al・Zn・Pb)、アンモニア水過剰で溶けるのはアンミン錯体をつくる(Cu・Ag・Zn)。両方で溶けるのは Zn だけ。
錯イオンの名前・形・色差がつく
名前は「配位数(ジ・テトラ・ヘキサ)+配位子名+中心金属(価数)」、陰イオンなら最後に「酸イオン」。形は配位数でほぼ決まる。
試薬を加える順番に意味がある。塩酸 → 酸性で \ce{H2S} → 煮沸・硝酸 → アンモニア水過剰 → 塩基性で \ce{H2S} → 炭酸アンモニウム → 炎色反応。
炎色反応必須
白金線に試料をつけてガスバーナーの外炎に入れる。アルカリ金属・Ca・Sr・Ba・Cu が色を示す。Be・Mg は示さない。
正方形の \ce{[MA2B2]} 型や正八面体の \ce{[MA4B2]} 型には、同じ配位子が隣り合うシス形と向かい合うトランス形がある。
有機化学
🍶 脂肪族化合物
\ce{CO2} の質量から C、\ce{H2O} の質量から H を出し、O は引き算。物質量の比を最も簡単な整数比にして組成式、分子量で何倍かを決めて分子式。
まず不飽和度(二重結合・環の数)を出して骨格の種類を決め、炭素骨格 → 官能基の位置の順に数える。
シス・トランスは二重結合の両側の炭素それぞれに異なる2つの原子(団)がつくとき。鏡像異性体は不斉炭素原子(4つの異なる原子・原子団と結合した C)があるとき。
アルカン:置換反応差がつく
\ce{C_nH_{2n+2}}。単結合だけで反応性は低いが、光を当てるとハロゲンと置換反応する。
\ce{C_nH_{2n}}。二重結合に付加反応。臭素水の赤褐色が消えれば不飽和結合がある証拠。
アセチレン \ce{HC#CH} は炭化カルシウムと水でつくる。何を付加するかで生成物が決まる、表で覚える。
オゾン分解は \ce{C=C} を切って両側を \ce{C=O} にする。マルコフニコフ則は、HX の付加で H がH の多い側の炭素につく傾向。
OH のついた炭素に結合する炭素の数で第一級・第二級・第三級。第一級 → アルデヒド → カルボン酸、第二級 → ケトン、第三級は酸化されにくい。
アルデヒド・ケトンと検出反応(銀鏡・フェーリング・ヨードホルム)必須
アルデヒド基 \ce{-CHO} は還元性:銀鏡反応・フェーリング液の還元。\ce{CH3CO-} または \ce{CH3CH(OH)-} をもつとヨードホルム反応。
カルボン酸は炭酸より強い弱酸。だから炭酸水素ナトリウムと反応して \ce{CO2} を出す。
カルボン酸+アルコール ⇄ エステル+水(濃硫酸が触媒、可逆)。塩基で加水分解するけん化は不可逆(カルボン酸の塩になるから)。
油脂の構造とけん化価・ヨウ素価差がつく
油脂はグリセリン1分子+脂肪酸3分子のエステル。けん化に KOH は3 mol。ヨウ素価は C=C の数を測る。
セッケン \ce{RCOONa} は弱酸と強塩基の塩なので水溶液は弱塩基性。硬水中では \ce{Ca^2+}・\ce{Mg^2+} と沈殿をつくり泡立たない。合成洗剤はこの弱点がない。
🌸 芳香族化合物
6つの C–C 結合はすべて同じ長さ(単結合と二重結合の中間)で安定。だから付加より置換が起こりやすい。付加は特別な条件のときだけ。
試薬と条件を表でセットにして覚える。ニトロ化は「濃硝酸+濃硫酸」、スルホン化は「濃硫酸だけ」。
側鎖の酸化と芳香族カルボン酸差がつく
ベンゼン環に直接ついた炭素の側鎖は、長さに関係なく \ce{KMnO4} で \ce{-COOH} になる。側鎖の数=COOH の数。
すでにある置換基によって、次の置換が入る位置が決まる。\ce{-OH,\ -NH2,\ -CH3,\ -Cl} は o・p 位、\ce{-NO2,\ -COOH,\ -SO3H} は m 位に入りやすい。
フェノールの性質必須
ベンゼン環に OH が直接ついたもの。炭酸より弱い酸:NaOH とは反応するが \ce{NaHCO3} とは反応しない。塩化鉄(III)で紫系に呈色。
フェノールの製法(クメン法など)差がつく
工業的にはクメン法:ベンゼン+プロペン → クメン → 酸化 → 分解でフェノールとアセトンが同時にできる。
サリチル酸とその誘導体(アセチルサリチル酸・サリチル酸メチル)必須
サリチル酸はOH と COOH の両方をもつ。OH をアセチル化 → アセチルサリチル酸(解熱鎮痛剤)、COOH をエステル化 → サリチル酸メチル(消炎鎮痛剤)。
ニトロベンゼンをスズと濃塩酸で還元 → アニリン塩酸塩 → NaOH で遊離。アニリンは弱塩基で、さらし粉で赤紫色。
アニリン+亜硝酸ナトリウム+塩酸を氷で冷やしながら(5℃以下)反応 → 塩化ベンゼンジアゾニウム。温めると分解してフェノールと \ce{N2}。ナトリウムフェノキシドとカップリングで橙赤色のアゾ化合物。
塩にすると水層へ移るのが原理。酸の強さ「塩酸 > カルボン酸 > 炭酸 > フェノール」を使い、塩酸 → \ce{NaHCO3} → NaOH の順に水溶液を加えて1つずつ水層に移す。
二置換ベンゼンは o・m・p の3種類。分子式から「側鎖1本か2本か」をまず分ける。
🧵 高分子化合物
単糖は \ce{C6H12O6}。水溶液中で環状構造と鎖状構造が平衡にあり、鎖状構造がもつ還元性の基のため単糖はすべて還元性を示す。
二糖 \ce{C12H22O11} は単糖2つが脱水縮合(グリコシド結合)したもの。スクロースだけ還元性なし(還元性を示す部分どうしで結合しているため)。
デンプンは α-グルコース、セルロースは β-グルコース が縮合重合したもの。\ce{(C6H10O5)_{n}}。還元性はない。
同じ炭素に \ce{-NH2} と \ce{-COOH} がつく α-アミノ酸 \ce{R-CH(NH2)-COOH}。結晶や水溶液中では双性イオン。電荷の総和が0になる pH が等電点。
アミノ酸どうしのアミド結合をペプチド結合という。タンパク質の検出は4つの呈色反応を「何を検出しているか」とセットで。
核酸(DNA・RNA)差がつく
単量体はヌクレオチド(塩基+糖+リン酸)。DNA と RNA の違いは糖・塩基・鎖の数の3点。
重合の種類必須
原料の形で重合の種類が決まる。C=C をもつ → 付加重合、官能基を2つもつ → 縮合重合、環状 → 開環重合、フェノール・尿素・メラミン+ホルムアルデヒド → 付加縮合。
重合度 n=\dfrac{\text{分子量}}{\text{繰り返し単位の式量}}。結合の数は繰り返し単位あたりいくつかを先に数える。
名前・原料・結合・重合の種類を1行ずつ表で覚える。ビニロンだけは「酢酸ビニル → ポリ酢酸ビニル → ポリビニルアルコール → アセタール化」と工程が長い。
ビニロンのアセタール化の計算差がつく
OH 2個とホルムアルデヒド 1分子が反応して水が1分子取れる。OH 2個あたり質量は +12(\ce{HCHO} 30 − \ce{H2O} 18)。
鎖状 → 熱で軟らかくなる(熱可塑性)、立体網目状 → 熱で硬くなり元に戻らない(熱硬化性)。熱硬化性はホルムアルデヒドとの付加縮合でつくるものと覚える。
天然ゴムと合成ゴム・加硫差がつく
天然ゴムはイソプレンの付加重合体(シス形)。重合後も C=C が残る。硫黄を加えて加硫すると架橋して弾性が増す。
イオン交換樹脂差がつく
陽イオン交換樹脂は \ce{-SO3H} をもち、溶液中の陽イオンを \ce{H+} と交換する。陰イオン交換樹脂は溶液中の陰イオンを \ce{OH-} と交換する。
吸水性高分子=ポリアクリル酸ナトリウム(紙おむつ)、生分解性高分子=ポリ乳酸(微生物で分解)、導電性高分子=ポリアセチレン(ヨウ素などを加えると電気を通す)。