捕集法と乾燥剤の選び方
着眼点捕集は「水に溶けるか」→「空気より重いか(分子量29と比較)」の順に判断。乾燥剤は酸と塩基をぶつけないが原則。
- 酸性の乾燥剤(濃硫酸、十酸化四リン \ce{P4O10}):塩基性の \ce{NH3} には使えない。濃硫酸は \ce{H2S} も酸化してしまうので不可。
- 塩基性の乾燥剤(酸化カルシウム、ソーダ石灰):酸性の気体(\ce{Cl2, HCl, CO2, SO2, H2S, NO2})には使えない。
- 中性の乾燥剤(塩化カルシウム):ほぼ何にでも使えるが、\ce{NH3} だけは不可(\ce{NH3} と結合して吸収してしまう)。
| 捕集法 | 条件 | 主な気体 |
|---|---|---|
| 水上置換 | 水に溶けにくい | \ce{H2, O2, N2, NO, CO, CH4, C2H4} |
| 上方置換 | 水に溶け、空気より軽い | \ce{NH3}(ほぼこれだけ) |
| 下方置換 | 水に溶け、空気より重い | \ce{Cl2, HCl, H2S, SO2, NO2, CO2} |
例題
1
酸化マンガン(IV)と濃塩酸から塩素を得る。発生した気体を洗気びん2本に通して純粋な乾いた塩素を得るには、どの順に何を通すか。捕集法も答えよ。
解答
①水:揮発してきた \ce{HCl} を除く → ②濃硫酸:水蒸気を除く。
順序を逆にすると、②で乾かしたあと①で再び水蒸気が混じる。
塩素は水に溶け空気より重い(分子量71)ので下方置換。
順序を逆にすると、②で乾かしたあと①で再び水蒸気が混じる。
塩素は水に溶け空気より重い(分子量71)ので下方置換。
確認問題
1
\ce{NH3} を乾燥させるのに塩化カルシウムを使えない理由は?
答え
\ce{CaCl2} が \ce{NH3} と結合して(\ce{CaCl2.8NH3} をつくる)吸収してしまうため。
2
\ce{H2S} の乾燥に濃硫酸が使えない理由は?
答え
\ce{H2S} は還元剤で、濃硫酸に酸化されてしまうため(酸塩基の問題ではない)。