⑳ 偶奇分け((−1)ⁿ型・2つ飛び)
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要点
a(n+1) + a(n) = f(n) のような式は、n を1つずらして引くと a(n+2) − a(n) = f(n+1) − f(n) となり『2つ飛びの階差数列』になる。奇数番目 a(1), a(3), … と偶数番目 a(2), a(4), … は別々の数列として解き、最後に (−1)ⁿ を使って1本にまとめる。(−1)ⁿ が入った式も、偶奇で場合分ければ (−1)ⁿ が ±1 の定数になる。
こんなときに使う
- (−1)ⁿ が式に入っている
- a(n+1) + a(n) = …、a(n+1)·a(n) = … のように隣同士の和や積
- a(n+2) と a(n) だけの関係(1つ飛び)
- 数列を書き並べると、偶数番目と奇数番目で別々の規則がある
手順
- 1. a(n+1) + a(n) 型なら n をずらして引き、a(n+2) と a(n) の関係にする
- 2. 奇数番目 n = 2m − 1 と偶数番目 n = 2m に分け、それぞれの初項から解く
- 3. 偶数番目の初項 a(2) は元の式から計算する
- 4. m を n に戻し(m = (n+1)/2 または n/2)、必要なら (−1)ⁿ で1本にまとめる
- 5. n = 1, 2, 3 で検算する
例題
a(1) = 1、a(n+1) + a(n) = 2n の一般項を求めよ。
解答
- n をずらした a(n+2) + a(n+1) = 2(n+1) から元の式を引くと a(n+2) − a(n) = 2
- a(2) = 2·1 − a(1) = 1
- 奇数番目:a(1) = 1 から2ずつ増えるので a(2m−1) = 2m − 1。つまり n が奇数なら a(n) = n
- 偶数番目:a(2) = 1 から2ずつ増えるので a(2m) = 2m − 1。つまり n が偶数なら a(n) = n − 1
- まとめると a(n) = n − (1 + (−1)ⁿ)/2
- 検算:a(2) + a(1) = 1 + 1 = 2 ○、a(3) + a(2) = 3 + 1 = 4 ○
別解・ほかの見方
- a(n+1) = a(n) + (−1)ⁿ·n のような階差型は、Σ(−1)ᵏk を偶奇で分けて計算する
- a(n+1) + a(n) = f(n) を (−1)ⁿ⁺¹ を掛けて c(n) = (−1)ⁿa(n) とおくと階差型にもできる
- a(n+1)·a(n) = cⁿ 型は対数を取るか、割って a(n+2)/a(n) = c にする
落とし穴
- 偶数番目の初項 a(2) を求め忘れる
- a(2m) を求めた後に m = n/2 に戻し忘れる
- (1 + (−1)ⁿ)/2 と (1 − (−1)ⁿ)/2 の取り違え(n=1 で確かめる)
- 偶数番目と奇数番目で初項を取り違える/最後に1本にまとめるときの式
なぜ大事か
(−1)ⁿ や a(n+1)+a(n) の形は、nの偶奇で別々の数列に分けると単純になる
東大での出方
単独での難度は低いが、確率漸化式で偶数回と奇数回で状態が入れ替わる設定や、周期2の振動で使う。
確認問題
- a(1) = 1、a(n+1) = −a(n) + 3 の一般項を偶奇で求めよ(答:奇数で1、偶数で2)
- Σ[k=1〜n] (−1)ᵏk を n の偶奇で求めよ(答:偶数なら n/2、奇数なら −(n+1)/2)
発展
(1 + (−1)ⁿ)/2 は『偶数なら1、奇数なら0』を返す関数。場合分けの答えを1本の式に書く道具として覚えておく。
前提になるノード
「漸化式」のノード
- ⑩ 特性方程式型 a(n+1)=p·a(n)+q
- ⑪ 指数型 a(n+1)=p·a(n)+rⁿ(rⁿ⁺¹で割る)
- ⑫ nの多項式型 a(n+1)=p·a(n)+(An+B)
- ⑬ 分数型(逆数をとる) a(n+1)=a(n)/(p·a(n)+q)
- ⑭ 積・累乗型(対数をとる) a(n+1)=q·a(n)^p
- ⑮ 隣接3項間 a(n+2)+p·a(n+1)+q·a(n)=0
- ⑯ 連立漸化式(和と差・消去)
- ⑰ 和S(n)と一般項の混在型
- ⑱ 一次分数変換型 a(n+1)=(p·a(n)+q)/(r·a(n)+s)
- ⑲ 三角関数置換型 a(n+1)=2a(n)²−1
- ⑳ 偶奇分け((−1)ⁿ型・2つ飛び)
- ㉑ 周期・余り(mod)を書き出して見つける
- 漸化式の型別処理(等比型・特性方程式・分数型・連立)
- ㉔ 推測+数学的帰納法(誘導のない漸化式)
解説は自作です。誤りに気づいたら お問い合わせ(/contact/)から教えてください。