⑰ 和S(n)と一般項の混在型
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要点
S(n) を含む関係式は、n を n+1 にずらした式と元の式を引くと S(n+1) − S(n) = a(n+1) で和が消える。あとは a だけの漸化式(⑩など)になる。ただし最初の a(1) は、元の式に n=1 を入れて S(1) = a(1) から別に求める。どの式がどの n で成り立つかを毎回書くのが減点を防ぐコツ。
こんなときに使う
- S(n) = 2a(n) − n のように、和と一般項が1つの式に混在
- a(n+1) = 2S(n) + 1 のように、和で次の項が決まる
- 『初項から第n項までの和を S(n) とする』と前置きがある漸化式
手順
- 1. 元の式に n=1 を入れ、S(1) = a(1) から a(1) を求める
- 2. n を n+1 にずらした式を書く
- 3. 2式を引き、S(n+1) − S(n) = a(n+1) で S を消す
- 4. 得られた a の漸化式を解く(成り立つ n の範囲に注意)
- 5. S(2) などで検算する
例題
数列 {a(n)} の初項から第n項までの和 S(n) が S(n) = 2a(n) − n を満たす。一般項を求めよ。
解答
- n=1:a(1) = 2a(1) − 1 より a(1) = 1
- S(n+1) = 2a(n+1) − (n+1) と S(n) = 2a(n) − n を引く
- a(n+1) = 2a(n+1) − 2a(n) − 1 より a(n+1) = 2a(n) + 1
- α = −1 より a(n) + 1 = 2·2ⁿ⁻¹ = 2ⁿ
- ∴ a(n) = 2ⁿ − 1
- 検算:S(2) = 1 + 3 = 4、2a(2) − 2 = 4 ○
別解・ほかの見方
- a(n+1) = 2S(n) + 1 型:ずらした a(n) = 2S(n−1) + 1(n≧2)と引いて a(n+1) − a(n) = 2a(n)。この式は n≧2 でしか成り立たないので a(2) を別に計算し、a(2) を初項にする
- S(n) について解いた方が楽な場合もある:a(n) = S(n) − S(n−1) を代入して S の漸化式にする
落とし穴
- a(1) を元の式から求めず、漸化式だけで止まる
- ずらした式が n≧2 でしか成り立たないのに、a(1) から等比数列を始めてしまう
- S(n+1) − S(n) を a(n) と書く(a(n+1) が正しい)
- ずらした式が成り立つ n の範囲(n≧2)と、a(1) を別に求めることを忘れる
なぜ大事か
S(n) が入った式は、nをずらして引けば S が消えて普通の漸化式になる
東大での出方
単独での出題は少ないが、和の条件付き数列で論証の丁寧さが採点される。
確認問題
- a(1) = 1、a(n+1) = 2S(n) + 1 の一般項を求めよ(答:a(n) = 3ⁿ⁻¹)
- S(n) = n²·a(n)、a(1) = 1 のとき a(n) を求めよ(答:2/{n(n+1)})
発展
S(n) = n²a(n) 型では a(n)/a(n−1) = (n−1)/(n+1) という積の形になり、掛け合わせると約分で消える(⑨と同じ望遠鏡)。
前提になるノード
「漸化式」のノード
- ⑩ 特性方程式型 a(n+1)=p·a(n)+q
- ⑪ 指数型 a(n+1)=p·a(n)+rⁿ(rⁿ⁺¹で割る)
- ⑫ nの多項式型 a(n+1)=p·a(n)+(An+B)
- ⑬ 分数型(逆数をとる) a(n+1)=a(n)/(p·a(n)+q)
- ⑭ 積・累乗型(対数をとる) a(n+1)=q·a(n)^p
- ⑮ 隣接3項間 a(n+2)+p·a(n+1)+q·a(n)=0
- ⑯ 連立漸化式(和と差・消去)
- ⑰ 和S(n)と一般項の混在型
- ⑱ 一次分数変換型 a(n+1)=(p·a(n)+q)/(r·a(n)+s)
- ⑲ 三角関数置換型 a(n+1)=2a(n)²−1
- ⑳ 偶奇分け((−1)ⁿ型・2つ飛び)
- ㉑ 周期・余り(mod)を書き出して見つける
- 漸化式の型別処理(等比型・特性方程式・分数型・連立)
- ㉔ 推測+数学的帰納法(誘導のない漸化式)
解説は自作です。誤りに気づいたら お問い合わせ(/contact/)から教えてください。