⑮ 隣接3項間 a(n+2)+p·a(n+1)+q·a(n)=0
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要点
x² + px + q = 0 の解を α, β とすると、a(n+2) − α·a(n+1) = β{a(n+1) − α·a(n)} と書ける(解と係数の関係)。つまり『a(n+1) − α·a(n)』は公比 β の等比数列で、α と β を入れ替えたものも成り立つ。2本の式を引けば a(n+1) が消えて a(n) が出る。重解(α = β)のときは1本しか作れないので、a(n+1) − α·a(n) = c·αⁿ⁻¹ を⑪(共鳴型)で解く。
こんなときに使う
- a(n+2) が a(n+1) と a(n) の1次式で書かれている
- フィボナッチ型の数え上げ(タイルの敷き詰め、階段の上り方)
- 連立漸化式(⑯)を1本にまとめた結果
手順
- 1. 特性方程式 x² + px + q = 0 を解き α, β を得る
- 2. a(n+1) − α·a(n) = (a(2) − α·a(1))·βⁿ⁻¹ と a(n+1) − β·a(n) = (a(2) − β·a(1))·αⁿ⁻¹ を作る
- 3. α ≠ β なら2式を引いて a(n+1) を消し、(β − α)a(n) = … から a(n) を出す
- 4. α = β なら1本の式を αⁿ⁺¹ で割って等差数列(⑪の共鳴型)として解く
- 5. a(1), a(2), a(3) で検算する
例題
a(1) = 1、a(2) = 4、a(n+2) = 5a(n+1) − 6a(n) の一般項を求めよ。
解答
- x² − 5x + 6 = 0 より x = 2, 3
- a(n+1) − 2a(n) = (4 − 2)·3ⁿ⁻¹ = 2·3ⁿ⁻¹
- a(n+1) − 3a(n) = (4 − 3)·2ⁿ⁻¹ = 2ⁿ⁻¹
- 上から下を引くと a(n) = 2·3ⁿ⁻¹ − 2ⁿ⁻¹
- 検算:a(3) = 20 − 6 = 14、2·9 − 4 = 14 ○
別解・ほかの見方
- 重解:a(n+2) = 4a(n+1) − 4a(n) なら a(n+1) − 2a(n) = (a(2) − 2a(1))·2ⁿ⁻¹ を 2ⁿ⁺¹ で割って等差数列にする。答えは (An + B)·2ⁿ の形
- 答えを A·αⁿ + B·βⁿ と決め打ちし、a(1), a(2) で A, B を決める(記述では根拠が必要)
- α, β が無理数(フィボナッチ)でも同じ手順。整数性を問われたら漸化式のまま帰納法で示す方が楽
落とし穴
- 等比数列の初項を a(2) − α·a(1) ではなく a(1) にする
- 引き算で (β − α) で割るのを忘れる
- 重解で2本作れないことに気づかず止まる
- 特性方程式を x² + px + q のつもりで x² − px − q の符号で立てる
- 重解のときに同じやり方で2本作ろうとして詰まる/初項を a(2) − α·a(1) にし忘れる
なぜ大事か
特性方程式の2解 α, β で2本の等比型を作り、連立して a(n) を出す。重解は⑪の共鳴型になる
東大での出方
数え上げ(タイル、色塗り、文字列)を漸化式にすると3項間になることが多い。東大は立式させる側を問うので、ここは解けて当然の部分。
確認問題
- a(1) = 1、a(2) = 1、a(n+2) = a(n+1) + 2a(n) の一般項を求めよ(答:{2ⁿ − (−1)ⁿ}/3)
- a(1) = 1、a(2) = 4、a(n+2) = 4a(n+1) − 4a(n) の一般項を求めよ(答:a(n) = n·2ⁿ⁻¹)
発展
なぜ αⁿ, βⁿ が解になるのか:a(n) = xⁿ を代入すると x² + px + q = 0 が出る。線形漸化式の解は、この基本解の重ね合わせ(線形代数の固有ベクトル)。
前提になるノード
このノードを前提にするノード
「漸化式」のノード
- ⑩ 特性方程式型 a(n+1)=p·a(n)+q
- ⑪ 指数型 a(n+1)=p·a(n)+rⁿ(rⁿ⁺¹で割る)
- ⑫ nの多項式型 a(n+1)=p·a(n)+(An+B)
- ⑬ 分数型(逆数をとる) a(n+1)=a(n)/(p·a(n)+q)
- ⑭ 積・累乗型(対数をとる) a(n+1)=q·a(n)^p
- ⑮ 隣接3項間 a(n+2)+p·a(n+1)+q·a(n)=0
- ⑯ 連立漸化式(和と差・消去)
- ⑰ 和S(n)と一般項の混在型
- ⑱ 一次分数変換型 a(n+1)=(p·a(n)+q)/(r·a(n)+s)
- ⑲ 三角関数置換型 a(n+1)=2a(n)²−1
- ⑳ 偶奇分け((−1)ⁿ型・2つ飛び)
- ㉑ 周期・余り(mod)を書き出して見つける
- 漸化式の型別処理(等比型・特性方程式・分数型・連立)
- ㉔ 推測+数学的帰納法(誘導のない漸化式)
解説は自作です。誤りに気づいたら お問い合わせ(/contact/)から教えてください。