④ 和S(n)から一般項を逆算
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要点
S(n) − S(n−1) は『n番目までの和』から『n−1番目までの和』を引いたものだから a(n)。ただし n=1 のとき S(0) は定義されていない(和が空なので0と考えるのが自然だが、与えられた式に n=0 を入れた値が0とは限らない)。だから n=1 だけ a(1) = S(1) で別に求める。不一致は『式が S(0) ≠ 0 を返す』ときに起きる。
こんなときに使う
- 『初項から第n項までの和が S(n) = …』と和の式が与えられた
- S(n) と a(n) が混ざった関係式 → まず n を1つずらして引く(⑰)
- S(n) の式の定数項が0でない → n=1 で食い違うと身構える
手順
- 1. a(1) = S(1) を計算する
- 2. n≧2 のとき a(n) = S(n) − S(n−1) を計算する
- 3. 2 の式に n=1 を入れて 1 と比較する
- 4. 一致すれば1本にまとめ、一致しなければ a(1) と n≧2 の式を分けて答える
例題
初項から第n項までの和が S(n) = n² + 2n + 3 である数列 {a(n)} の一般項を求めよ。
解答
- a(1) = S(1) = 1 + 2 + 3 = 6
- n≧2 のとき a(n) = S(n) − S(n−1) = (n² + 2n + 3) − ((n−1)² + 2(n−1) + 3) = 2n + 1
- 2n + 1 に n=1 を入れると 3 で、a(1) = 6 と一致しない
- ∴ a(1) = 6、a(n) = 2n + 1(n≧2)
- 確認:S(2) = 4 + 4 + 3 = 11 = 6 + 5 ○
別解・ほかの見方
- 積で与えられる場合(a(1)a(2)…a(n) = T(n))も同じ発想で a(n) = T(n)/T(n−1)(n≧2)
- S(n) が等比型 S(n) = 3ⁿ − 1 なら a(n) = 2·3ⁿ⁻¹ で n=1 も一致する(定数項が −1 で S(0) = 0 になるため)
落とし穴
- n≧2 を書かずに a(n) = S(n) − S(n−1) を全nで使う
- 不一致なのに無理に1本の式にまとめる
- S(n−1) の展開で符号を間違える
- a(n) = S(n) − S(n−1) を n=1 でも使ってしまう
なぜ大事か
和の式しか分からない数列、和を含む漸化式(⑰)の土台。n=1 だけ別扱いという条件処理の型
東大での出方
単独では出ない。和の条件や⑰の和と一般項の混在型で、n=1 の扱いが採点される。
確認問題
- S(n) = 2ⁿ のとき a(n) を求めよ(答:a(1)=2、a(n)=2ⁿ⁻¹(n≧2))
- S(n) = n³ のとき a(n) を求め、n=1 で一致するか確かめよ
発展
S(n) に n=0 を代入して0になるかどうかで、計算する前に不一致を予言できる。
前提になるノード
このノードを前提にするノード
「数列」のノード
- ①② 等差数列・等比数列
- ③ 階差数列 a(n+1)−a(n)=f(n)
- ④ 和S(n)から一般項を逆算
- ⑤ Σの基本公式(k, k², k³, 等比)
- ⑥ (等差)×(等比)の和:S−rS
- ⑦ 部分分数分解で隣同士を消す
- ⑧ ルートの和は有理化して差の形
- ⑨ 対数の和は log の差に分解して消す
- ㉓ 群数列(項数と末項の通算番号)
- Σ計算・部分分数分解による差の形(望遠鏡和)
- 階差数列・Sとaの関係
- 数学的帰納法(通常・強化・二段仮定)
- 格子点の数え上げ
解説は自作です。誤りに気づいたら お問い合わせ(/contact/)から教えてください。