⑦ 部分分数分解で隣同士を消す
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要点
1/{k(k+1)} = 1/k − 1/(k+1) のように『f(k) − f(k+1)』の形に書ければ、和は f(1) − f(n+1) だけが残る(望遠鏡和)。分母の因数が2つ離れていれば (1/2)(1/k − 1/(k+2)) となり、消え残りが前後に2個ずつ出る。残る項の数は『分母の因数の間隔』に等しい。
こんなときに使う
- 分母が k の積に因数分解できる分数の和
- 4k² − 1 = (2k−1)(2k+1) のように因数分解できる形が隠れている
- 数IIIで Σ 1/{k(k+1)} の極限(無限級数)
手順
- 1. 分母を因数分解する
- 2. 1/{(k+a)(k+b)} = 1/(b−a) · {1/(k+a) − 1/(k+b)} に分ける(係数 1/(b−a) を忘れない)
- 3. k = 1, 2, 3 と最後の2〜3項を書き並べ、消える組を線で結ぶ
- 4. 残った項だけを集める
- 5. n=1 で検算する
例題
Σ[k=1〜n] 1/{k(k+2)} を求めよ。
解答
- 1/{k(k+2)} = (1/2){1/k − 1/(k+2)}
- 書き並べると (1/1 − 1/3) + (1/2 − 1/4) + (1/3 − 1/5) + … + (1/(n−1) − 1/(n+1)) + (1/n − 1/(n+2))
- 前から 1/1, 1/2、後ろから −1/(n+1), −1/(n+2) が残る
- ∴ (1/2){1 + 1/2 − 1/(n+1) − 1/(n+2)} = 3/4 − (2n+3)/{2(n+1)(n+2)}
- 検算:n=1 で 1/3。3/4 − 5/12 = 1/3 ○
別解・ほかの見方
- 3因数 1/{k(k+1)(k+2)} = (1/2){1/(k(k+1)) − 1/((k+1)(k+2))}:両端の因数で差を作る
- k/(k+1)! = 1/k! − 1/(k+1)! のように階乗でも差の形が作れる
落とし穴
- 係数 1/2 を付け忘れる(最頻出)
- 1つ飛ばしで消えるのに、残る項を1個ずつしか書かない
- n が小さいときに書き並べで使った項が存在しない(n=1)ことに気づかず式が崩れる
- 係数(1/2 など)を付け忘れる/1つ飛ばしで消えるとき残る項の数を間違える
なぜ大事か
分数の和を閉じた形にする唯一の手段。数IIIの無限級数の収束計算に直結する
東大での出方
数IIIの無限級数・区分求積の準備として頻出。東大では和を閉じた形にできるか判断させる場面で使う。
確認問題
- Σ[k=1〜n] 1/(4k² − 1) を求めよ(答:n/(2n+1))
- Σ[k=1〜∞] 1/{k(k+1)(k+2)} を求めよ(答:1/4)
発展
差の形にできない和(Σ 1/k など)は閉じた形にならない。その場合は積分で評価する(数III:区分求積・積分と不等式)。
前提になるノード
このノードを前提にするノード
「数列」のノード
- ①② 等差数列・等比数列
- ③ 階差数列 a(n+1)−a(n)=f(n)
- ④ 和S(n)から一般項を逆算
- ⑤ Σの基本公式(k, k², k³, 等比)
- ⑥ (等差)×(等比)の和:S−rS
- ⑦ 部分分数分解で隣同士を消す
- ⑧ ルートの和は有理化して差の形
- ⑨ 対数の和は log の差に分解して消す
- ㉓ 群数列(項数と末項の通算番号)
- Σ計算・部分分数分解による差の形(望遠鏡和)
- 階差数列・Sとaの関係
- 数学的帰納法(通常・強化・二段仮定)
- 格子点の数え上げ
解説は自作です。誤りに気づいたら お問い合わせ(/contact/)から教えてください。