⑤ Σの基本公式(k, k², k³, 等比)
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要点
Σk = n(n+1)/2、Σk² = n(n+1)(2n+1)/6、Σk³ = {n(n+1)/2}²、Σc = nc、Σr^(k−1) = (rⁿ − 1)/(r − 1)(r≠1)。これらは全部『(k+1)の何乗 − kの何乗』を足すと隣同士が消える、という同じ仕組みで出てくる。和の計算は『展開してこの部品に分解する』か『差の形にして消す(⑦⑧⑨)』かの二択。
こんなときに使う
- Σの中身が k の多項式 → 展開して部品に分解
- k(k+1)、k(k+1)(k+2) のような連続整数の積 → 展開せず差の形 k(k+1)(k+2) − (k−1)k(k+1) = 3k(k+1) を使うと速い
- 等比の和で公比が文字 → r = 1 と r ≠ 1 で場合分け
手順
- 1. Σの中身を k の多項式に展開する
- 2. 定数・k・k²・k³ の項ごとに公式を当てる
- 3. 共通因数 n(n+1) などでくくってから整理する(展開しきると因数分解に戻すのが大変)
- 4. n=1 または n=2 を代入して、元の和と一致するか確かめる
例題
Σ[k=1〜n] k(k+1) を求めよ。
解答
- k(k+1) = k² + k なので、和は n(n+1)(2n+1)/6 + n(n+1)/2
- n(n+1)/6 でくくると n(n+1)/6 · {(2n+1) + 3} = n(n+1)(2n+4)/6
- ∴ n(n+1)(n+2)/3
- 別解:k(k+1)(k+2) − (k−1)k(k+1) = 3k(k+1) を k=1〜n で足すと右辺の和の3倍が n(n+1)(n+2) になる
- 検算:n=2 で 2 + 6 = 8、2·3·4/3 = 8 ○
別解・ほかの見方
- Σ[k=1〜n] k(k+1)(k+2) = n(n+1)(n+2)(n+3)/4。連続整数の積の和は『1つ増やして個数で割る』
- 下端が1でない和は Σ[k=m〜n] = Σ[k=1〜n] − Σ[k=1〜m−1]
落とし穴
- Σ[k=1〜n] 3 = 3 としてしまう
- Σ(k²) と (Σk)² を混同する
- 等比の和で r = 1 の場合を書き忘れる
- 全部展開してから因数分解できずに時間を失う
- Σ[k=1〜n] c = c と書く(正しくは nc)/等比の和で r=1 の場合分けを落とす
なぜ大事か
すべての和の計算の部品。覚えるだけでなく『差の形』から作り直せると忘れても困らない
東大での出方
部品として毎年使う。格子点の数え上げ(Σk²)、確率の期待値、数IIIの区分求積の前段階など。
確認問題
- Σ[k=1〜n] (2k − 1)² を求めよ(答:n(2n−1)(2n+1)/3)
- Σk³ = (Σk)² を n=3 で確かめよ
発展
Σk² の公式を (k+1)³ − k³ = 3k² + 3k + 1 を足し合わせて自分で導けるか。試験中に公式を忘れても復元できる。
前提になるノード
このノードを前提にするノード
- ③ 階差数列 a(n+1)−a(n)=f(n)
- ④ 和S(n)から一般項を逆算
- ⑥ (等差)×(等比)の和:S−rS
- ⑦ 部分分数分解で隣同士を消す
- ㉓ 群数列(項数と末項の通算番号)
- Σ計算・部分分数分解による差の形(望遠鏡和)
「数列」のノード
- ①② 等差数列・等比数列
- ③ 階差数列 a(n+1)−a(n)=f(n)
- ④ 和S(n)から一般項を逆算
- ⑤ Σの基本公式(k, k², k³, 等比)
- ⑥ (等差)×(等比)の和:S−rS
- ⑦ 部分分数分解で隣同士を消す
- ⑧ ルートの和は有理化して差の形
- ⑨ 対数の和は log の差に分解して消す
- ㉓ 群数列(項数と末項の通算番号)
- Σ計算・部分分数分解による差の形(望遠鏡和)
- 階差数列・Sとaの関係
- 数学的帰納法(通常・強化・二段仮定)
- 格子点の数え上げ
解説は自作です。誤りに気づいたら お問い合わせ(/contact/)から教えてください。