慣性力(加速する観測者から見る)
着眼点加速度 \vec a で動く観測者から見ると、すべての物体に -m\vec a(加速度と逆向き)の慣性力がはたらいているように見える。慣性力を加えれば、その観測者の中でつりあいの式が使える。
\vec F_{\mathrm{i}}=-m\vec a
使う場面: 加速する電車・エレベーターの中の現象。地上から運動方程式で解いても同じ答えになるので、楽なほうを選ぶ。
例題
1
水平に 2.0\ \mathrm{m/s^2} で加速している電車の天井からおもりをつるすと、糸は鉛直から傾いて静止して見えた。傾きの角 \theta について \tan\theta を求めよ。g=9.8\ \mathrm{m/s^2} とする。
解答
電車内から見ると、重力 mg(下)、慣性力 ma(後ろ向き)、張力がつりあう。
\tan\theta=\dfrac{ma}{mg}=\dfrac{2.0}{9.8}=0.204\cdots
\tan\theta=0.20(後ろ向きに傾く)
\tan\theta=\dfrac{ma}{mg}=\dfrac{2.0}{9.8}=0.204\cdots
\tan\theta=0.20(後ろ向きに傾く)
2
上向きに 2.0\ \mathrm{m/s^2} で加速するエレベーター内で、質量 50\ \mathrm{kg} の人が体重計に乗っている。慣性力を使って体重計の目盛り(押す力)を求めよ。g=9.8\ \mathrm{m/s^2} とする。
解答
エレベーター内から見ると、重力 490\ \mathrm{N} と慣性力 50\times2.0=100\ \mathrm{N}(下向き)、垂直抗力 N がつりあう。
N=490+100=590
5.9\times10^2\ \mathrm{N}(地上からの運動方程式と同じ結果)
N=490+100=590
5.9\times10^2\ \mathrm{N}(地上からの運動方程式と同じ結果)
注意慣性力は加速する観測者から見るときだけ入れる。地上から運動方程式を立てるときに慣性力も入れると二重に数えることになる。