コイルを含む回路(スイッチの直後と十分後)
着眼点スイッチを入れた直後、コイルの電流は直前の値のまま(はじめ0なら断線と同じ)。十分時間がたつと、抵抗0のコイルはただの導線。
- 直後: 電流は直前と同じ値。はじめ0なら0。
- 十分後: 電流が一定なのでコイルの電圧0(導線)。
- スイッチを切った直後: コイルは直前の電流を流し続けようとし、ほかの抵抗に大きな電圧が出ることがある。
例題
1
起電力 6.0\ \mathrm{V} の電池、3.0\ \Omega の抵抗、抵抗0のコイル、スイッチを直列につなぐ。スイッチを入れた直後のコイルの電圧と、十分時間がたったときの電流を求めよ。
解答
直後は電流0なので抵抗の電圧0、コイルの電圧は 6.0\ \mathrm{V}。十分後はコイルの電圧0で I = 6.0/3.0 = 2.0\ \mathrm{A}。
2
起電力 6.0\ \mathrm{V} の電池とスイッチと R_1 = 2.0\ \Omega を直列にし、その先に、抵抗0で 0.50\ \mathrm{H} のコイルと R_2 = 10\ \Omega を並列にしたものをつなぐ。十分時間がたってからスイッチを切った。切った直後の R_2 の電圧と、その後 R_2 で発生するジュール熱の総量を求めよ。
解答
十分後、コイルは導線なので R_2 には電流が流れず、コイルに 6.0/2.0 = 3.0\ \mathrm{A}。
切った直後、コイルの 3.0\ \mathrm{A} はコイルと R_2 の輪を流れ続ける。R_2 の電圧 10\times3.0 = 30\ \mathrm{V}(電池の起電力より大きい)。
ジュール熱はコイルのエネルギーすべて: \frac12\times0.50\times3.0^2 = 2.25 \approx 2.3\ \mathrm{J}。
切った直後、コイルの 3.0\ \mathrm{A} はコイルと R_2 の輪を流れ続ける。R_2 の電圧 10\times3.0 = 30\ \mathrm{V}(電池の起電力より大きい)。
ジュール熱はコイルのエネルギーすべて: \frac12\times0.50\times3.0^2 = 2.25 \approx 2.3\ \mathrm{J}。
ポイントコンデンサーと対にして覚える。コンデンサーは「電圧が急に変わらない」、コイルは「電流が急に変わらない」。
注意スイッチを切った直後の R_2 の電流は、切る前の R_2 の電流(0)ではなく、コイルの電流(3.0\ \mathrm{A})が向きを保って流れ込む。向きは「コイルの中の電流の向きが変わらない」ことから図で追う。