受験数学マップ

【東大型】確率の状態設計

東大レイヤー / 出題テーマ / 東大での重要度 ★★★★★

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要点

東大の確率は、何を状態と見るかを自分で決めさせてくる。そして状態の分類さえ正しく決まれば、残りの計算は易しいことがほとんどである。良い分類の条件は2つしかない。第一に、互いに排反で網羅的であること。第二に、同じ状態に属するなら、そこから先の遷移確率が等しいこと。第二の条件を満たさない粗い分類が最大の敗因で、これは『分類したつもりで、実は違うものを混ぜている』という形で現れる。逆に、対称性を使えば状態を大幅に減らせることが多く、ここに気づけるかどうかで計算量が数倍変わる。

こんなときに使う

手順

  1. 1. n=1, 2 を実際に書き出し、何が起こりうるかを掴む
  2. 2. 『ここから先の動き方が同じ』ものをまとめて1つの状態にする
  3. 3. 状態が互いに排反かつ網羅的か確認する(確率の和が1になるか)
  4. 4. 遷移図を描き、各状態から出る矢印と確率を全部書く
  5. 5. 漸化式を立てる(状態が3つ以上なら連立、和=1で1本消せる)
  6. 6. 対称性でさらに状態を減らせないか、ここでもう一度考える
  7. 7. 解いたあと n=1, 2 を代入し、手で数えた値と一致するか検算する

例題

正四面体 ABCD の頂点上を点Pが動く。1回の操作で、Pは今いる頂点と辺で結ばれた3つの頂点のいずれかへ等確率で移動する。最初 A にいるとき、n回の操作後に A にいる確率 p_n を求めよ。
解答
  1. 正四面体では、どの頂点も他の3頂点すべてと辺で結ばれている。
  2. また B, C, D は A から見て完全に対等なので、『A にいる』『A 以外にいる』の2状態で足りる(対称性)。
  3. n回後に A にいる確率を p_n とすると、A 以外にいる確率は 1 - p_n。
  4. A にいるとき:次の1手で必ず A を出るので、A に留まる寄与は 0。
  5. A 以外にいるとき:その頂点から移動できる3頂点のうち A はちょうど1つなので、A へ移る確率は 1/3。
  6. よって p_(n+1) = (1/3)(1 - p_n)、p_0 = 1。
  7. 特性方程式 α = (1/3)(1 - α) より 3α = 1 - α、α = 1/4。
  8. p_(n+1) - 1/4 = -(1/3)(p_n - 1/4) となり、p_n - 1/4 = (3/4)·(-1/3)^n。
  9. ∴ p_n = 1/4 + (3/4)(-1/3)^n
  10. 検算:p_0 = 1/4 + 3/4 = 1 ○。p_1 = 1/4 - 1/4 = 0 ○(1回で必ず A を出る)。
  11. p_2 = 1/4 + (3/4)(1/9) = 1/4 + 1/12 = 1/3 ○(A以外の頂点から3つのうち1つが A)。
  12. n→∞ で p_n → 1/4。4頂点が対等になるので直感とも合う。

別解・ほかの見方

落とし穴

なぜ大事か

設定が複雑で、何を状態と見るかを自分で決めさせる。分類さえ決まれば計算は易しい

東大での出方

サイコロ、カードの並べ替え、格子上や多面体上の点の移動、トーナメントなど、設定を変えて繰り返し出題される東大の主力テーマ。(1) 小さい n の具体値 →(2) 漸化式 →(3) 極限、という3段の誘導が定番で、(1) の数え方がそのまま (2) の状態設計のヒントになっている。

確認問題

発展

状態の個数が n に依存して増える設定では漸化式が立たない。その場合は直接数え上げるか、別のパラメータについて漸化式を立て直す。どちらも無理なら、実験して予想し帰納法で示す。

前提になるノード

このノードを前提にするノード

「出題テーマ」のノード

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