【東大型】空間図形の最大最小
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要点
空間の最大最小は、ベクトルで立式し、変数を減らし、最後に微分または平方完成で処理する——という長い一本道を最後まで走り切る体力が問われる。途中で計算が汚くなって手が止まるのが典型的な失敗で、その原因はほぼ座標の取り方にある。対称性を活かした座標を選べば式は驚くほど簡単になり、選び損ねれば同じ問題が別物のように重くなる。だから書き始める前に、座標設定に30秒使う価値がある。
こんなときに使う
- 空間内の2点間の距離の最小 → 両方をパラメータで表し、2変数関数にする
- ねじれの位置にある2直線の最短距離 → 共通垂線、または2変数の平方完成
- 点と平面の距離 → 公式、または垂線の足を内積で求める
- 正四面体・立方体 → 対称性のよい座標を選ぶ(原点を重心に取ると式が簡単になる)
- 1変数に落ちたら微分、2変数のままなら平方完成を2回
手順
- 1. 対称性が最も活きる座標を設定する(ここで難易度が半分になる)
- 2. 動く点をパラメータで表す(線分上なら s, t ∈ [0,1])
- 3. 求めたい量を、そのパラメータの式で表す
- 4. 距離なら2乗のまま扱う(√ を残さない)
- 5. 2変数なら片方ずつ平方完成する。1変数に落ちるなら微分する
- 6. パラメータの動く範囲内に最小値があるか確認する
例題
1辺の長さが 1 の正四面体 ABCD において、点 P は辺 AB 上を、点 Q は辺 CD 上を動く。線分 PQ の長さの最小値を求めよ。
解答
- 【座標設定】立方体の頂点を使うと、正四面体の座標が驚くほど簡単になる。
- A(1, 1, 1)、B(1, −1, −1)、C(−1, 1, −1)、D(−1, −1, 1)
- 各辺の長さは、例えば AB = |(0, −2, −2)| = 2√2。つまりこれは1辺 2√2 の正四面体。
- 最後に 1/(2√2) 倍して、1辺 1 の場合に直す。
- 【点をパラメータで表す】
- P は辺 AB 上: P = A + s(B − A) = (1, 1 − 2s, 1 − 2s) (0 ≦ s ≦ 1)
- Q は辺 CD 上: Q = C + t(D − C) = (−1, 1 − 2t, −1 + 2t) (0 ≦ t ≦ 1)
- 【距離の2乗を計算する】√ を付けたまま扱わない。
- Q − P = (−2, (1 − 2t) − (1 − 2s), (−1 + 2t) − (1 − 2s))
- = (−2, 2s − 2t, 2s + 2t − 2)
- |PQ|² = 4 + 4(s − t)² + 4(s + t − 1)²
- 【最小化する】
- 第2項と第3項はどちらも 0 以上なので、両方が同時に 0 にできれば最小。
- s − t = 0 かつ s + t − 1 = 0 ⇔ s = t = 1/2
- これは 0 ≦ s, t ≦ 1 の範囲内にある。
- このとき |PQ|² = 4、つまり |PQ| = 2。
- 【1辺 1 に換算する】
- 1辺 2√2 のとき最小値 2 なので、1辺 1 のときは 2/(2√2) = 1/√2 = √2/2
- ∴ 最小値は √2/2
- 【確認】s = t = 1/2 は AB と CD の中点。正四面体では対辺の中点を結ぶ線分が
- 両方の辺に垂直(共通垂線)になるので、幾何的にも整合する。
別解・ほかの見方
- 共通垂線を幾何的に求める(対称性から中点どうしを結ぶと分かれば計算不要)
- ベクトルの内積で垂直条件を2本立てて連立する
- 1変数に落として微分する(片方の点が固定されている場合)
- 正四面体は立方体に埋め込むと座標が簡単になる(この問題の要点)
- 距離ではなく距離の2乗を扱う(√ を最後まで残さない)
落とし穴
- 座標の取り方が悪く、式が汚いまま突き進む(最大の失敗要因)
- √ を付けたまま最小化しようとする
- パラメータの範囲(0 ≦ s ≦ 1)を確認せず、範囲外の点で最小値を主張する
- 2変数の平方完成で、片方を定数扱いしたまま結論を出す
- 対称性に気づかず、力任せに計算する
- 変数の取り方が悪く式が汚くなったまま突き進む
なぜ大事か
ベクトルで立式→1変数に落として微分、という長い一本道を最後まで走り切る体力
東大での出方
東大では、空間ベクトルと微分を組み合わせた最大最小が定期的に出る。計算量が多いので、途中で方針が正しいか不安になるが、座標設定が良ければ式は必ず整理される。式が汚いまま進んでいると感じたら、座標を取り直す判断も含めて訓練しておくこと。
確認問題
- 1辺 1 の立方体 ABCD-EFGH で、辺 AB 上の点 P と辺 GH 上の点 Q について PQ の最小値を求めよ
- 点 (1, 1, 1) と平面 x + y + z = 0 の距離を、公式と垂線の足の両方で求めよ
- 正四面体の対辺の中点を結ぶ線分が、両方の辺に垂直であることを示せ
発展
動く点が3つ以上ある場合、または曲面上を動く場合。変数が増えるので、対称性で減らす技術がそのまま得点力になる。
前提になるノード
「出題テーマ」のノード
- 【東大型】確率の状態設計
- 【東大型】整数の論証
- 【東大型】通過領域・存在条件
- 【東大型】立体の体積
- 【東大型】複素数平面と図形
- 【東大型】評価と極限の融合
- 【東大型】空間図形の最大最小
- 【東大型】関数の決定・不等式の成立条件
解説は自作です。誤りに気づいたら お問い合わせ(/contact/)から教えてください。