受験数学マップ

【東大型】複素数平面と図形

東大レイヤー / 出題テーマ / 東大での重要度 ★★★★☆

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要点

複素数平面の強みは、回転と拡大を掛け算1つで書けることに尽きる。ベクトルでも座標でも書ける問題を、複素数なら数行で処理できる場面があり、その見極めが得点差になる。特に、回転が絡む図形条件と、|z| や arg で書かれた軌跡は複素数平面の独壇場である。逆に、実部・虚部に分解して計算を始めると式が膨張するので、できるだけ z のまま、あるいは共役 z̄ を使って処理するのが原則になる。

こんなときに使う

手順

  1. 1. 図形の条件を、絶対値・偏角・共役のいずれかで書く
  2. 2. 実部と虚部に分けたくなっても、まず z のまま処理できないか考える
  3. 3. 軌跡なら、w = f(z) を z について解き直し(逆に解く)、z の条件に代入する
  4. 4. 得られた w の条件を図形として読む
  5. 5. 除外点を確認する(分母が 0 になる点、対応しない点)

例題

|z| = 1 かつ z ≠ 1 を満たす複素数 z に対し、w = (z + 1)/(z − 1) とおく。z が動くとき、w はどのような図形を描くか。
解答
  1. 実部・虚部に分けると計算が膨張する。w を z について解き直すのが定石。
  2. 【逆に解く】
  3. w(z − 1) = z + 1
  4. wz − w = z + 1
  5. z(w − 1) = w + 1
  6. w = 1 のときこの式は 0 = 2 となり不合理なので w ≠ 1。よって
  7.  z = (w + 1)/(w − 1)
  8. 【条件 |z| = 1 に代入する】
  9. |(w + 1)/(w − 1)| = 1
  10. すなわち |w + 1| = |w − 1|
  11. 【図形として読む】
  12. これは『w が点 −1 と点 1 から等距離にある』という条件。
  13. つまり w は 2点 −1, 1 を結ぶ線分の垂直二等分線、すなわち虚軸上にある。
  14. 【逆に、虚軸上の点はすべて現れるか(十分性)】
  15. w = it(t は実数)とすると z = (it + 1)/(it − 1)。
  16. |z| = |it + 1| / |it − 1| = √(1 + t²) / √(1 + t²) = 1 となり条件を満たす。
  17. また z = 1 となるのは it + 1 = it − 1、すなわち 1 = −1 のときで、これは起こらない。
  18. よって z ≠ 1 も満たされる。
  19. ∴ w は虚軸全体を描く。
  20. 【要点】w を z で表したまま考えず、z を w で表し直して既知の条件に代入する。
  21. この『逆に解く』手順は、複素数平面の軌跡問題のほぼ全てで使える。

別解・ほかの見方

落とし穴

なぜ大事か

回転・軌跡・n乗根。ベクトルや座標より圧倒的に短く書ける場面を見抜く

東大での出方

東大では複素数平面が単独の大問になる年と、まったく出ない年がある。出るときは回転か軌跡のどちらかで、いずれも『複素数のまま処理できるか』が問われる。ベクトルや座標でも解けるが計算量が数倍になる、という設計になっていることが多い。

確認問題

発展

回転と拡大を組み合わせた変換(1次分数変換)が、円を円または直線に写すという性質。高校範囲では一般論は扱わないが、個別の問題で『円が直線に写った』という現象に出会ったときに驚かなくなる。

前提になるノード

「出題テーマ」のノード

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