受験数学マップ

【東大型】関数の決定・不等式の成立条件

東大レイヤー / 出題テーマ / 東大での重要度 ★★★★☆

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要点

『すべての x で成り立つ』と『ある x で成り立つ』は、まったく違う条件である。前者(∀)は最小値・最大値の問題に翻訳され、後者(∃)は解の存在条件に翻訳される。この翻訳ができれば、条件つきの不等式は関数の値域を調べる標準問題に落ちる。東大はこの読み分けを、文章の中に紛れ込ませる形で問うてくる。だから問題文を読んだら、まず ∀ か ∃ かを確定させてから式を書き始めること。

こんなときに使う

手順

  1. 1. ∀ か ∃ かを確定させる(ここを間違えると全部無駄になる)
  2. 2. 定数を分離できるか試す(a ≧ g(x) の形にする)
  3. 3. 分離できたら、g の最大値または最小値を求める
  4. 4. 分離できなければ、差を取って微分する
  5. 5. 定義域の端での挙動(極限)を必ず調べる
  6. 6. 等号が成立する点を確認する

例題

すべての x > 0 に対して log x ≦ ax が成り立つような正の定数 a の最小値を求めよ。
解答
  1. 【∀ であることを確認】『すべての x > 0 に対して』なので ∀ の問題。
  2. したがって最大値・最小値の問題に翻訳できる。
  3. 【定数を分離する】x > 0 なので両辺を x で割ってよい。
  4.  log x ≦ ax ⇔ (log x)/x ≦ a
  5. これがすべての x > 0 で成り立つ条件は
  6.  a ≧ (関数 f(x) = (log x)/x の最大値)
  7. 【f の最大値を求める】
  8. f(x) = (log x)/x (x > 0)
  9. f′(x) = { (1/x)·x − (log x)·1 } / x² = (1 − log x)/x²
  10. f′(x) = 0  ⇔  log x = 1  ⇔  x = e
  11.  0 < x < e のとき log x < 1 なので f′ > 0(増加)
  12.  x > e のとき log x > 1 なので f′ < 0(減少)
  13. よって x = e で最大となり、最大値は f(e) = (log e)/e = 1/e。
  14. 【端の挙動も確認しておく】
  15. x → +0 のとき log x → −∞ なので f(x) → −∞。
  16. x → ∞ のとき f(x) → 0(分母のほうが速く増える)。
  17. したがって x = e での値が全体の最大値で間違いない。
  18. 【結論】a ≧ 1/e が条件。
  19. ∴ a の最小値は 1/e
  20. 【確認】a = 1/e のとき、x = e で log e = 1、ax = e/e = 1 となり等号が成立する。
  21. つまり y = x/e は曲線 y = log x の接線になっている。図で見ると納得しやすい。

別解・ほかの見方

落とし穴

なぜ大事か

『すべてのxで成り立つ』『あるxで成り立つ』の違いを最小値・最大値に翻訳する

東大での出方

東大は ∀ と ∃ の読み分けを、問題文の日本語に埋め込んで問う。『任意の』『常に』は ∀、『存在する』『少なくとも1つ』は ∃。数III の関数と組み合わせると難易度が上がるが、翻訳さえできれば増減表を書く標準問題になる。

確認問題

発展

条件が2重になっている場合(『すべての x に対して、ある y が存在して〜』)。∀∃ の順序が入れ替わると意味が変わるので、どちらが外側かを厳密に読む必要がある。

前提になるノード

「出題テーマ」のノード

解説は自作です。誤りに気づいたら お問い合わせ(/contact/)から教えてください。

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