受験数学マップ

場合分けを漏らさない・同値性を保つ記述

東大レイヤー / メタ技能 / 東大での重要度 ★★★★★

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要点

東大の採点は論理の飛躍に厳しく、答えが合っていても過程で落ちる。押さえるべきは2点しかない。場合分けが排反かつ網羅的であること、そして式変形が同値であることである。特に危ないのが、両辺を2乗する・両辺に文字を掛ける・分母を払うといった操作で、これらは同値ではない。必要条件だけで進んだのなら、最後に必ず十分性を確認する。この確認を書くかどうかが、そのまま点差になる。

こんなときに使う

手順

  1. 1. 場合分けの基準を明示する(『x < 0 のとき』のように見出しを立てる)
  2. 2. 排反か(重複していないか)を確認する
  3. 3. 網羅的か(漏れがないか)を確認する。境界値をどちらに入れたかも明示
  4. 4. 同値でない変形をしたら、その場に印をつけておく
  5. 5. 最後に十分性を確認する(求めた解を元の式に戻す)
  6. 6. 各場合の結論を統合して、最終的な答えを書く

例題

方程式 √(x + 2) = x を解け。
解答
  1. 【よくある答案】
  2. 両辺を2乗して x + 2 = x²
  3. x² − x − 2 = 0、(x − 2)(x + 1) = 0
  4. よって x = 2, −1  ← ここで終えると誤り
  5. 【なぜ誤りか】
  6. 「A = B」から「A² = B²」は言えるが、逆は言えない(A = −B でも A² = B² になる)。
  7. つまり2乗は同値変形ではなく、必要条件しか得られていない。
  8. 実際 x = −1 を元の式に代入すると √1 = 1 だが右辺は −1 で、成り立たない。
  9. 【正しい書き方その1:十分性を確認する】
  10. 2乗して得た候補 x = 2, −1 を元の式に代入して確かめる。
  11.  x = 2 のとき √4 = 2 ○
  12.  x = −1 のとき √1 = 1 ≠ −1 ✕
  13. ∴ x = 2
  14. 【正しい書き方その2:最初から同値変形にする】
  15. √(x+2) = x ⇔ x ≧ 0 かつ x + 2 = x² (左辺は 0 以上なので右辺も 0 以上が必要)
  16.       ⇔ x ≧ 0 かつ (x − 2)(x + 1) = 0
  17.       ⇔ x = 2
  18. この書き方なら十分性の確認が要らない。東大の答案としてはこちらが望ましい。
  19. (真数条件 x + 2 ≧ 0 は x = x² − 2 ≧ 0 から自動的に従う)

別解・ほかの見方

落とし穴

なぜ大事か

東大の採点は論理の飛躍に厳しい。合っている答えでも過程で落ちる

東大での出方

東大は同値性の意識を直接測ってくる。特に軌跡・領域・方程式の解の議論では、必要条件だけで進むと必ず余分な解が混じる設計になっている。答えが合っているのに点が来ないという経験の大半は、ここが原因。

確認問題

発展

同値でない変形を意図的に使い、あとで十分性を確認するほうが速い場面もある。どちらが速いかを判断できるようになると、時間の使い方が変わる。

前提になるノード

このノードを前提にするノード

「メタ技能」のノード

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