受験数学マップ

減点されない答案の書き方

東大レイヤー / メタ技能 / 東大での重要度 ★★★★★

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要点

同じ実力でも、答案の書き方だけで15〜25点は変わる。採点者は読み手であり、書いた本人の頭の中は見えない。だから必要なのは、宣言・根拠・結論の3つを揃えることに尽きる。文字を置いたら『〜とおく』と宣言し、使った定理には名前を書き、最後に『∴』で結論を明示する。計算だけが並んでいる答案は、たとえ正しくても何を求めているのかが伝わらず、部分点を拾えない。

こんなときに使う

手順

  1. 1. 問題文の条件を自分の記号に翻訳し、置いた文字をすべて宣言する
  2. 2. 図が描けるなら描く。座標設定の根拠(対称性など)も一言添える
  3. 3. 方針を最初に1行書く(『〜を示すため、差を取って微分する』)
  4. 4. 場合分けは見出しを立て、各場合の結論を書く
  5. 5. 使った定理の名前を明記する
  6. 6. 最後に『∴』で結論を書く。単位や範囲も忘れずに

例題

同じ内容を、伝わらない答案と伝わる答案で書き比べてみる。題材は「x > 0 で x > log(1+x) を示せ」。
解答
  1. 【伝わらない答案】
  2.  f' = 1 − 1/(1+x) = x/(1+x) > 0
  3.  f(0) = 0
  4.  よって成り立つ
  5. → f が何なのか宣言されていない。x > 0 という条件をどこで使ったかも不明。
  6.  計算は合っているが、読み手には論理が追えない。
  7. 【伝わる答案】
  8.  f(x) = x − log(1 + x) とおく。定義域は x > −1 であり、以下 x ≧ 0 で考える。
  9.  示したいのは x > 0 で f(x) > 0 である。
  10.  f′(x) = 1 − 1/(1 + x) = x/(1 + x)
  11.  x > 0 のとき分子・分母ともに正なので f′(x) > 0。
  12.  よって f は x ≧ 0 で単調増加。
  13.  また f(0) = 0 − log 1 = 0。
  14.  単調増加で f(0) = 0 だから、x > 0 では f(x) > 0。
  15.  ∴ x > 0 のとき x > log(1 + x) (証明終)
  16. 【違い】
  17. ・f を宣言した(何を調べているかが分かる)
  18. ・定義域を書いた
  19. ・示したいことを最初に述べた
  20. ・単調増加と f(0) = 0 を結びつけた(ここが論理の要)
  21. ・∴ で結論を明示した
  22. 内容は同じでも、後者は途中で計算を間違えても部分点が来る。前者は来ない。

別解・ほかの見方

落とし穴

なぜ大事か

同じ実力で15〜25点変わる領域。図・宣言(〜とおく)・結論の明示の3点

東大での出方

東大の採点基準は非公表だが、開示得点と自己採点のずれの多くはここに由来する。特に論証問題では、結論が合っていることより過程が通っていることが重視される。過去問を解いたら、答え合わせだけでなく『この答案は他人が読めるか』を必ず点検すること。

確認問題

発展

採点者の立場で自分の答案を読む訓練。可能なら他人に読んでもらい、どこで詰まったかを聞く。これが最も効率のよい改善方法になる。

前提になるノード

このノードを前提にするノード

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