受験数学マップ

合同式(mod)

数学A / 整数 / 東大での重要度 ★★★★★

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要点

整数問題で『割った余り』を持ち出す理由は、無限個の整数を有限個のグループに潰せるからにほかならない。mod m で考えるとは、整数全体を m 個の箱に分けて、箱の名前だけで計算することを指す。積と和が箱のまま計算できる(合同式が積・和で保たれる)ことが唯一にして最大の武器で、逆に割り算だけは自由にできない、という一点さえ押さえれば道具として完成する。

こんなときに使う

手順

  1. 1. 何で割るか(mod をいくつに取るか)を決める。これが8割
  2. 2. 決め方:問題に出てくる数の素因数、平方数なら 3・4・8、周期性なら実験して決める
  3. 3. 各文字を mod m での余りで場合分けする(m個の場合、対称性で減ることもある)
  4. 4. 合同式のまま計算し、両辺の取りうる値を比較して矛盾を出す/条件を絞る
  5. 5. 割り算をした箇所がないか点検する(gcd(a,m)=1 のときしか a で割れない)

例題

x, y, z を自然数とするとき、x² + y² = 3z² を満たすものは存在しないことを示せ。
解答
  1. 平方数を3で割った余りを調べる。整数 n は n ≡ 0, 1, 2 (mod 3) のいずれかで、
  2. n ≡ 0 なら n² ≡ 0、n ≡ ±1 なら n² ≡ 1 (mod 3)。よって平方数は mod 3 で 0 か 1 のみ。
  3. x² + y² ≡ 0 (mod 3) が必要(右辺が3の倍数だから)。
  4. 0 と 1 の2つの和で 0 (mod 3) になるのは 0 + 0 のときだけ。
  5. よって x ≡ 0 かつ y ≡ 0 (mod 3)、すなわち x = 3a, y = 3b と書ける。
  6. 代入して 9a² + 9b² = 3z² より 3(a² + b²) = z²。よって z² は3の倍数、3は素数だから z も3の倍数で z = 3c。
  7. 3(a² + b²) = 9c² より a² + b² = 3c²。
  8. これは元と同じ形で、a < x, b < y, c < z。同じ操作を繰り返せば自然数が無限に減り続けることになり矛盾(無限降下法)。
  9. ∴ 自然数解は存在しない。

別解・ほかの見方

落とし穴

なぜ大事か

整数論証の共通言語。周期性・剰余での分類は東大整数の主戦場

東大での出方

東大の整数は合同式・因数分解・評価の3手段のどれを選ぶかを問う形で出る。単独の大問になる年が多く、誘導が薄いのが特徴。(1)で小さい場合を実験させ、(2)で一般の証明という構成が多い。

確認問題

発展

mod の複数取り(mod 4 と mod 9 を同時に見て絞る)。中国剰余定理の考え方は範囲外だが、2つの条件を並べて絞るだけなら高校範囲で書ける。

前提になるノード

このノードを前提にするノード

「整数」のノード

解説は自作です。誤りに気づいたら お問い合わせ(/contact/)から教えてください。

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