受験数学マップ

範囲で絞る(不等式評価で有限化)

数学A / 整数 / 東大での重要度 ★★★★★

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要点

整数問題の手段は合同式・因数分解・評価の3つで、このうち評価は最も発想を要求する。やっていることは単純で、無限にある候補を不等式で有限個に閉じ込め、あとは全部調べるだけである。鍵になるのは、対称性のある方程式で『a ≦ b ≦ c としてよい』と大小を仮定し、最も小さい文字の上界を出すこと。この一言を置くかどうかで、調べる場合の数が数十分の一になる。逆にこれを置かないと、いつまでも場合が減らずに手が止まる。

こんなときに使う

手順

  1. 1. 対称性があれば a ≦ b ≦ c と仮定する(一般性を失わない、と根拠つきで書く)
  2. 2. 最小の文字に注目し、不等式で上界を出す(最小のものが最も大きく効くことを使う)
  3. 3. 有限個に絞れたら、各値について全部調べる
  4. 4. 各場合で残りの文字を決定する
  5. 5. 最後に仮定を外し、並べ替えをすべて書き出す

例題

1/x + 1/y + 1/z = 1 を満たす自然数の組 (x, y, z) をすべて求めよ。
解答
  1. 式は x, y, z について対称なので、x ≦ y ≦ z としてよい(最後に並べ替えを考える)。
  2. 【x の範囲を絞る】
  3. x ≦ y ≦ z より 1/x ≧ 1/y ≧ 1/z だから、1 = 1/x + 1/y + 1/z ≦ 3/x。よって x ≦ 3。
  4. また 1/x < 1 が必要(他の項が正なので)だから x ≧ 2。∴ x = 2 または 3。
  5. 【x = 2 のとき】1/y + 1/z = 1/2。
  6. y ≦ z より 1/2 ≦ 2/y、よって y ≦ 4。また 1/y < 1/2 より y > 2。∴ y = 3 または 4。
  7. y = 3 → 1/z = 1/2 - 1/3 = 1/6、z = 6
  8. y = 4 → 1/z = 1/2 - 1/4 = 1/4、z = 4
  9. 【x = 3 のとき】1/y + 1/z = 2/3。
  10. y ≦ z より 2/3 ≦ 2/y、よって y ≦ 3。また y ≧ x = 3。∴ y = 3。
  11. 1/z = 2/3 - 1/3 = 1/3、z = 3
  12. ∴ x ≦ y ≦ z のもとで (x,y,z) = (2,3,6), (2,4,4), (3,3,3)
  13. 一般には、これらの並べ替えがすべて解。
  14. 検算:1/2+1/3+1/6 = 3/6+2/6+1/6 = 1 ○ 1/2+1/4+1/4 = 1 ○ 1/3×3 = 1 ○

別解・ほかの見方

落とし穴

なぜ大事か

整数問題の三大手段(合同・因数分解・評価)の最後。東大はここを試す

東大での出方

東大の整数は誘導が薄く、3手段のどれを使うかの選択から問われる。評価は最も発想を要するため差がつきやすい。単独の大問として出るほか、確率や数列との融合問題で『有限個であること』を示す部分に埋め込まれることもある。

確認問題

発展

評価と無限降下の組み合わせ。『解が存在するとすれば、より小さい解が必ず作れる』という構造を見つけると、自然数の整列性から矛盾が出る。x²+y²=3z² の非存在証明がその典型。

前提になるノード

このノードを前提にするノード

「整数」のノード

解説は自作です。誤りに気づいたら お問い合わせ(/contact/)から教えてください。

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