展開・因数分解の型
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要点
展開・因数分解は数学全体で最も反復回数の多い操作であり、ここでの手の速さと正確さが、数III積分や複素数計算など後段のすべての作業時間を左右する。公式は覚えるだけでなく、なぜその形になるかを一度展開して確認しておくと、符号ミスや型の取り違えが激減する。特に3乗の公式と対称式がらみの因数分解は、単独では地味だが、後の単元で突然必要になる場面が多い。
こんなときに使う
- (a±b)²、(a+b)(a−b)の形を見たら瞬時に展開できるか確認する
- 3次式(x³±1、x³±8など)は3乗の和・差の公式を疑う
- 3文字の対称な式は基本対称式(和・積)への還元を考える
- 複2次式や係数が汚い式は、平方の差の形を作れないか試す
手順
- 1. 式の次数と項の数から使う公式の候補を絞る
- 2. 3乗が絡むなら a³±b³=(a±b)(a²∓ab+b²) を試す
- 3. 3文字対称なら a+b+c、ab+bc+ca などの基本対称式に置き換える
- 4. 因数分解できたら展開して元の式に戻るか検算する
例題
x³ − 27 を因数分解せよ。
解答
- x³ − 27 = x³ − 3³ の形なので、a³−b³=(a−b)(a²+ab+b²) を使う。
- a=x, b=3 として (x−3)(x²+3x+9)。
- 検算:展開すると x³+3x²+9x−3x²−9x−27=x³−27 で一致。
別解・ほかの見方
- 因数定理で先に1つの解を見つけてから割り算する方法もあるが、3乗の公式が使える形なら公式のほうが速い
- 複2次式は t=x² と置換してから因数分解する
落とし穴
- a³+b³ と a³−b³ で中間の符号(∓ab)を取り違える
- 展開して検算する習慣がないまま次に進み、符号ミスに気づかない
- 3文字対称式・複2次式の因数分解が反射で出ない
なぜ大事か
式変形の速度そのもの。ここが遅いと数III積分で毎回時間を失う
東大での出方
単独の出題は少ないが、積分の被積分関数を整理する場面や、整数問題で積の形に持ち込む場面で、ここの速さがそのまま試験時間の余裕になる。
確認問題
- x³+8 を因数分解せよ
- a³−b³+a−b を因数分解せよ(共通因数に注意)
発展
4次式の因数分解(複2次式でない場合)。適切に平方の差の形を作れないか工夫する練習は、数IIIの部分分数分解の準備になる。
前提になるノード
このノードを前提にするノード
「数と式」のノード
- 展開・因数分解の型
- 対称式・交代式
- 実数・絶対値・平方根の扱い
- 1次不等式・連立不等式
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