長文の前に
長文でつまずく原因の多くは、単語ではなく「構造」と「論理」の見落とし。演習に入る前に、ここを一通り頭に入れておく。
A. 文の骨組みを取る
すべての文は、動詞 → 主語 → 修飾を外す の順で取る。これが全部の土台。
- 動詞を探す。動詞は見つけやすい(前置詞句や節の中の動詞は後回し)。
- その動詞の主語を探す。主語が長いときは、動詞から逆にさかのぼる。
- 修飾(前置詞句 ( )、節 [ ])を外す。残ったものが骨組み。
- 骨組みが取れてから、修飾を戻して訳す。
[The idea (that sleep improves memory)] has been supported (by many studies).
睡眠が記憶を高めるという考えは、多くの研究に裏づけられてきた。
ポイント:主語が長いとき(節や that 節を含むとき)は、動詞の直前までが主語のかたまり。動詞から前に戻って、かたまりの始まりを探す。
差がつく前から読む(意味の切れ目に / を入れる)
着眼点英文は、後ろから戻らずに、前から順に意味をとれる。
英文は意味のかたまりごとに / を入れ、前から順に理解していく。返り読み(後ろから前に戻る読み方)を減らすと、速く読めて、内容も頭に残る。
Many students / believe / that reading a passage twice / takes too much time, / but / it often saves time / in the end.
多くの学生は/信じている/文章を2回読むのは/時間がかかりすぎると/しかし/それはむしろ時間の節約になる/結局は
使い分け:読むときは前から(内容をつかむ)、訳すときは日本語として自然に整える(答案)。両方できるようにしておく。
線引き:全文をきれいに訳しながら読まなくてよい。設問に関わる箇所だけ、精読(正確な和訳)に切り替える。
主語が長くなるのを避けるため、it を仮の主語に置いて、本当の主語(that 節・to 不定詞)を後ろに回す形。
It is important to check your answers.
答えを見直すことが重要だ。
It has been shown that sleep improves memory.
睡眠が記憶を高めることが示されている。
見抜き方:文頭の It の後に is / has been + 形容詞・過去分詞が続き、後ろに that 節・to ~ があれば形式主語。訳は「〜ということは…だ」と、後ろから訳す。
「〜なのは A だ」と A を強調する形。形式主語と見た目が同じなので、区別が必要。
It was the teacher that solved the problem.
その問題を解いたのは、先生だった。
見抜き方:It is 〜 that を外して、文が完全に成立するなら強調構文(The teacher solved the problem. が成立)。形式主語だと、外したときに文が壊れる。
SVOC などの文型は、「動詞の後ろに何が来るか」を予測するための道具。
線引き:文型の名前を答える練習や、境界例の分類(第3文型か第4文型か迷うもの)に時間を使わなくてよい。骨組みが取れて、訳せれば十分。
B. 節を見抜く
節 = S+V を含むかたまり。1文に節が複数あるとき、「どこからどこまでが1つの節か」を見つけるのが構造把握の中心。
| 種類 | はたらき | 導く語 | 訳の例 |
| 名詞節 | S・O・C になる | that, whether, if, what, how, when, where, why | 〜ということ/〜かどうか |
| 形容詞節 | 名詞を後ろから修飾(関係詞節) | who, which, that, whose, when, where | 〜する(名詞) |
| 副詞節 | 時・理由・条件・譲歩を表す | when, because, if, although, while | 〜のとき/〜なので |
見抜き方:その節を「これ」に置き換えられれば名詞節。直前の名詞を説明していれば形容詞節。ほかはたいてい副詞節。
| 種類 | 後ろの形 | 例 |
| 指示代名詞(あの・それ) | 名詞が1つ続く/単独 | I bought that book. |
| 関係代名詞 | 主語か目的語が欠けている | the book that [I read __] |
| 接続詞(名詞節) | S+V が完全にそろう/動詞や文頭の後ろ | I think that [he is right]. |
| 同格の that | 完全な文。前に fact, idea, news, belief など | the fact that [he left] |
| 副詞節(so that など) | so that / such … that | He spoke slowly so that we could follow. |
見抜き方の順番:①後ろが完全か欠けているかを見る → 欠けていれば関係代名詞。②完全なら、前に何があるかを見る(動詞なら名詞節、fact などの名詞なら同格)。③文頭の That S V は「〜ということは」と主語になる名詞節。
必須what / how / when などが作る名詞節
what S V =「Sが〜すること・もの」。how S V =「どのように…するか」。動詞の目的語や主語、前置詞の目的語になる。
How a person writes reflects what he himself is.
人がどう書くかは、その人自身がどんな人かを映し出す。
見抜き方:疑問詞の後ろがS+V の順(疑問文の語順ではない)なら、間接疑問=名詞節。節全体を「かたまり」として、S・O・C のどれかを決める。
目的格の関係詞は省略できる。名詞の後ろに S+V がいきなり続いたら、関係詞が省略されている。
the book (that) I read yesterday
私が昨日読んだ本
見抜き方:「名詞+名詞+動詞」のように名詞が2つ続いたら、間に関係詞を補って読む。
after / before / until / since / as などは、接続詞にも前置詞にもなる。
We waited until the rain stopped. / We waited until late at night.
私たちは雨が止むまで待った。/ 私たちは夜遅くまで待った。
見抜き方:後ろが S+V なら接続詞(節)、名詞だけなら前置詞(句)。節なら、その中に必ず主語と動詞がある。
C. 見落としやすい仕組み
時・条件・譲歩の副詞節では、主語が主節と同じとき、S+be が省略されることがある。
While (I was) walking home, I met an old friend.
家に歩いて帰る途中、旧友に会った。
見抜き方:when / while / if / though の後ろに、動詞の ing 形や過去分詞、形容詞が直接来たら、S be の省略を疑う。if necessary / if possible / when needed のように、it is が省略された形もある。
Never / Little / Hardly / Not only / Only + 副詞(句・節)が文頭に来ると、後ろが疑問文の語順になる。
Only then did I understand the rule.
そのときになって初めて、私はそのルールを理解した。
見抜き方:文頭の否定語のあとに、助動詞や be が先に来たら倒置。「Only + 副詞」は「〜して初めて」と訳すとよい。
If S 過去形, S would ~ は「今の事実と違う仮定」。If S had p.p., S would have p.p. は「過去の事実と違う仮定」。
If I had more time, I would read the passage twice.
もっと時間があれば、その文章を2回読むのだが。
見抜き方:動詞が過去形なのに、意味が今のことなら仮定法。If が消えてWere / Had が文頭に出る倒置もある。
「If を使わない仮定(without / but for / otherwise など)」を、別の形に書き換える練習の細部や、If 節と主節の時制が食い違う複雑な形。
線引き:長文を読むうえでは、基本の2パターンと、without / but for / otherwise の意味が読めれば足りる。書き換えの暗記は後回し。混合型や、条件が隠れた仮定法は、構文ライブラリで確認する。
人ではないものが主語になる文は、直訳すると不自然になる。主語を「原因・手段」として副詞的に訳し、目的語(人)を主語にして訳す。
Ten minutes' drive brought us to the lake.
(直訳)10分のドライブが私たちを湖に連れていった。→(自然)10分ドライブすると、湖に着いた。
見抜き方:make, enable, allow, prevent, bring, show などの動詞に注目。「〜のおかげで」「〜によって」「〜すると」と訳す。
D. 論理を読む
構造が取れたら、次は「話の流れ」。論理を示す語が、話の向きを教えてくれる。
| はたらき | 語 | 読み方 |
| 逆接 | but, however, yet, still, nevertheless, on the contrary | 後ろが筆者の主張になりやすい |
| 順接・結論 | therefore, thus, so, as a result, in short, in conclusion | 前の内容のまとめ・結果 |
| 言い換え | that is, in other words, namely, i.e. | 前の内容を別の言葉で |
| 例示 | for example, for instance, such as | 例。要点をつかんでから、軽く読む |
| 追加 | moreover, in addition, furthermore, besides | 同じ向きの情報を足す |
| 対比 | on the other hand, in contrast, by contrast, while, whereas | 前後で内容が逆 |
| 譲歩 | although, though, of course, admittedly, it is true that | 「たしかに〜だが」。逆接とセット |
読み方:マーカーに○をつけながら読むと、話の向きが変わる場所が見える。設問の答えは、逆接・結論・言い換えの周辺にあることが多い。
必須指示語(this / that / it / such)が指すもの
- this / these + 名詞:直前の内容を名詞でまとめ直したもの(this trend、this fact)。
- it / they:直前の名詞。ただし形式主語の it は後ろの that 節・to ~ を指す。
- such + 名詞:「そのような」。前の内容と同種のもの。
探し方:直前の1〜2文を見る。指す内容を入れて意味が通るかを確かめる。設問では、指す内容を日本語で具体的に書く。
- 譲歩→逆接→主張:Some people think A. However, B. → 筆者の主張は B。
- 抽象→具体:主張を先に言い、あとで例で説明する。
- 問題提起→解決:疑問文(?)で始まり、次の文が答え。
読み方:各段落の最初の1〜2文と、最後の文に要点が出やすい。具体例は要点の裏づけなので、時間がないときは軽く読む(設問で例が問われることもある)。
E. 単語との付き合い方
差がつく知らない単語は「品詞」と「文脈」で予想する
- その語の品詞を、文中の位置から決める(主語なら名詞、be の後なら形容詞など)。
- プラス・マイナスのどちらの意味かを、前後の逆接・順接から決める。
- 意味が予想できたら、そのまま読み進める。
線引き:全部の単語を訳せなくても、骨組みが取れれば得点できる。「不要リスト」の単語の項目も参照。
本文の下に「(注)」として意味が載っている語は、出題側が「知らなくてよい」と判断した語。
線引き:注の語は覚えなくてよい。意味は注で確認して、そのまま読み進める。
確認問題
クリックすると答えが開く。答えを見る前に、頭の中で答えを決めてから開く。
次の文の主語・動詞・補語を答えなさい。
The reason why many students fail to finish the passage is that they read every word carefully.
S:The reason why many students fail to finish the passage / V:is / C:that they read every word carefully
動詞 is の直前までが主語のかたまり。訳:多くの学生が文章を最後まで読めない理由は、1語ずつ丁寧に読んでしまうことだ。
2つの that は、それぞれ何か。
I know that he is honest. / This is the book that I bought.
前者:接続詞(名詞節) / 後者:関係代名詞
前者は that の後ろが完全(he is honest)。後者は bought の目的語が欠けている。
次の英文のあとに続く内容は、どちらの向きになるか。
Many people think it is easy to learn English. However, …
「英語の学習は簡単だ」という考えに反する内容(筆者の主張)
However(逆接)以降が筆者の主張になりやすい。
It is difficult to answer this question quickly. の真主語を答えなさい。
to answer this question quickly
形式主語 It の中身は to 不定詞。訳:この質問にすばやく答えるのは難しい。