同じものを含む順列・円順列・じゅず順列
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要点
『割る』という操作の意味は、同値類で数えているということに尽きる。同じものを含む順列で n!/(p!q!…) と割るのは、全部区別して並べたあと、区別を消すと同じになるものが p!q!… 個ずつ現れるからである。円順列で n! を n で割るのも、回転して一致するものが n 個ずつあるから。この見方があれば公式は不要になり、さらに重要なことに、割ってはいけない場合(回転しても一致しないものが混ざる場合)を自分で判断できるようになる。
こんなときに使う
- 同じ文字・同じ色が含まれる → 全部区別して並べ、同じものの個数の階乗で割る
- 円形に並べる → 回転を同一視。n で割る、または1つを固定する
- 裏返しても同じ(じゅず、ネックレス)→ さらに 2 で割る
- 『1つを固定する』方法のほうが、割り算より事故が少ない
- 最短経路の数え上げ → 『右3回・上2回』の並べ方に読み替える
手順
- 1. まず全部を区別して並べる(n! 通り)
- 2. 区別を消したとき、何個ずつが同じものになるかを数える
- 3. その個数で割る
- 4. 円順列は『1人を固定して残りを並べる』と考えると、割り算が不要になる
- 5. 小さい場合を書き出して検算する
例題
文字 A, A, B, B, B, C を1列に並べる方法は何通りか。
解答
- 【解法1:区別して並べてから割る】
- 6文字を全部区別して並べると 6! = 720 通り。
- ここで A 2個の区別を消すと、同じ並びが 2! = 2 個ずつ現れる。
- 同様に B 3個の区別を消すと 3! = 6 個ずつ現れる。
- よって 720 / (2! × 3!) = 720 / 12 = 60 通り
- 【解法2:位置を選ぶ】
- 6個の位置のうち、A を置く2箇所を選ぶ: C(6,2) = 15
- 残り4箇所から B を置く3箇所を選ぶ: C(4,3) = 4
- 残り1箇所に C が入る: 1
- 15 × 4 × 1 = 60 通り
- 2通りの数え方が一致した。数え上げでは、この二重確認が最も確実な検算になる。
別解・ほかの見方
- 位置を選ぶ方式(解法2)。同じものが3種類以上でも同じ手順で処理できる
- 円順列は1つを固定する((n−1)! と覚えるのではなく、固定すると考える)
- 最短経路:右に p 回、上に q 回進む並べ方 (p+q)!/(p!q!) に帰着する
- 同じものを含む円順列は単純に割れないことがある(回転で自分自身に戻る配置が存在するため)
落とし穴
- 回転して一致しないものが混ざっているのに、機械的に n で割る
- じゅず順列で、左右対称な配置まで 2 で割ってしまう
- 同じものの個数を数え間違える
- 円順列で『1つ固定』と『n で割る』を両方やってしまう
- 回転・裏返しで割れない場合に機械的に割る
なぜ大事か
「割る」操作の正当化(同値類で数える)を理解する場
東大での出方
単独出題は少ないが、確率の分母として、また格子上の最短経路の数え上げとして頻出する。特に最短経路は、東大の格子点問題や確率の移動問題の下地になっている。
確認問題
- 碁盤の目状の道路で、左下から右上(右へ3区画、上へ2区画)へ行く最短経路は何通りか
- 男子3人と女子3人が円卓に座るとき、男女が交互になる並び方は何通りか
- SUUGAKU の7文字を並べる方法は何通りか
発展
回転や裏返しで一致するものを正しく数える一般論(バーンサイドの補題)は高校範囲外だが、『自分自身と一致する配置は割れない』という感覚だけは持っておくと、色の塗り分け問題で事故を防げる。
前提になるノード
このノードを前提にするノード
「場合の数」のノード
- 数え上げの原則(和の法則・積の法則・辞書式)
- 順列・組合せ
- 同じものを含む順列・円順列・じゅず順列
- 組分け・重複組合せ(仕切り)
- 包除原理・余事象で数える
解説は自作です。誤りに気づいたら お問い合わせ(/contact/)から教えてください。