受験数学マップ

包除原理・余事象で数える

数学A / 場合の数 / 東大での重要度 ★★★★☆

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要点

数えにくいものを直接数えないという判断が、数え上げの実力を最も分ける。『少なくとも1つ』は余事象、『A または B』は包除原理。包除原理の本質は、重複して数えた分を引き、引きすぎた分を足す、という交互の補正である。集合が3つなら、単独の和 − 2つの共通部分の和 + 3つすべての共通部分、という形になる。符号を間違えないための最も確実な方法は、ベン図を描いて各領域が何回数えられているかを確認することである。

こんなときに使う

手順

  1. 1. 直接数えるのと余事象を数えるのとで、どちらが楽か比べる
  2. 2. 余事象を使うなら、全体の個数を確定させてから引く
  3. 3. 包除原理は |A∪B| = |A| + |B| − |A∩B|
  4. 4. 3つなら |A∪B∪C| = (単独の和) − (2つの共通の和) + |A∩B∩C|
  5. 5. ベン図で、各領域がちょうど1回ずつ数えられているか確認する

例題

1 から 100 までの整数のうち、2 でも 3 でも割り切れないものは何個か。
解答
  1. A を 2 の倍数の集合、B を 3 の倍数の集合とする。
  2. |A| = ⌊100/2⌋ = 50
  3. |B| = ⌊100/3⌋ = 33
  4. |A∩B| = 6 の倍数の個数 = ⌊100/6⌋ = 16
  5. |A∪B| = 50 + 33 − 16 = 67 (2 または 3 で割り切れるもの)
  6. 求めるのはその余事象なので
  7. 100 − 67 = 33 個
  8. 【なぜ 16 を引くのか】
  9. 6 の倍数は A でも B でも数えられており、2回数えられている。
  10. 1回分を引いて、ちょうど1回になるように補正している。
  11. 検算:100以下で 2 でも 3 でも割り切れない数は、6 で割った余りが 1 または 5 のもの。
  12. 1〜96 に 16 周期ぶんで各2個 = 32 個、97〜100 では 97 と 100 のうち 97 のみ(97 = 6·16+1)。
  13. 32 + 1 = 33 ○

別解・ほかの見方

落とし穴

なぜ大事か

「直接数えない」判断。完全順列や東大の色分け問題の主武器

東大での出方

東大では、色の塗り分けや条件つきの数え上げで使う。直接数えると場合分けが爆発する設定をわざと作ってあり、包除原理や余事象に切り替えられるかどうかで所要時間が数倍変わる。

確認問題

発展

包除原理を確率で使う形(P(A∪B∪C) の展開)。さらに、条件が n 個ある場合の一般形と、そこから完全順列の個数が n!·Σ(−1)^k/k! と表せることを追ってみると、極限 1/e との関係まで見えてくる。

前提になるノード

「場合の数」のノード

解説は自作です。誤りに気づいたら お問い合わせ(/contact/)から教えてください。

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