条件付き確率・原因の確率
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要点
条件付き確率 P(B|A) = P(A∩B)/P(A) が意味しているのは、全体を A に縮めてから、その中で B の占める割合を測るということである。分母が全体から A に変わる、ただそれだけの操作にすぎない。難しく感じる原因はほぼ一つで、問題文のどちらが条件でどちらが結果かを取り違えることにある。『〜であったとき』と書かれているほうが条件、つまり分母になる。この読み取りさえ正確なら、あとは割り算である。
こんなときに使う
- 『〜であったとき、〜である確率』→ 前者が条件(分母)
- 『〜と分かった。では〜だった確率は』→ 原因の確率。全確率の公式で分母を作る
- 玉を戻さずに続けて取り出す → 条件付き確率の積で処理する
- 状態を分けて考える必要がある → 確率漸化式への入口
- 検査の陽性・不良品の混入など、原因を逆算する設定 → ベイズ型
手順
- 1. どちらが条件(分母)かを問題文から確定させる
- 2. P(A∩B) と P(A) をそれぞれ求める
- 3. P(B|A) = P(A∩B) / P(A) で割る
- 4. 原因を逆算する型では、全確率の公式 P(A) = ΣP(Aかつ各原因) で分母を作る
- 5. 検算:条件付き確率も 0 以上 1 以下に収まるか確認する
例題
袋に赤玉3個、白玉2個が入っている。玉を1個ずつ2回続けて取り出す(取り出した玉は戻さない)。2回目が赤であったとき、1回目も赤であった確率を求めよ。
解答
- 事象を A:2回目が赤、B:1回目が赤 とおく。求めるのは P(B|A)。
- 【分子 P(A∩B):1回目も2回目も赤】
- (3/5) × (2/4) = 6/20 = 3/10
- 【分母 P(A):2回目が赤】
- 1回目が赤のとき: (3/5)×(2/4) = 3/10
- 1回目が白のとき: (2/5)×(3/4) = 6/20 = 3/10
- これらは排反なので P(A) = 3/10 + 3/10 = 6/10 = 3/5
- 【割る】
- P(B|A) = (3/10) ÷ (3/5) = (3/10) × (5/3) = 1/2
- ∴ 1/2
- 検算:P(A) = 3/5 は『1回目が赤である確率』と同じ値になっている。
- 何回目に取り出しても赤である確率は変わらない(対称性)ので、これは正しい。
別解・ほかの見方
- 樹形図を描き、条件に当てはまる枝の確率の比を取る(視覚的で間違えにくい)
- 全確率の公式で分母を作る(原因が3つ以上あるときはこれが必須)
- ベイズの定理は公式として覚える必要はない。定義から2行で導ける
- 対称性を使う(上の問題では『2回目が赤』の確率が1回目と等しいことがすぐ分かる)
落とし穴
- 条件と結果を取り違え、分母を間違える(この単元の失点のほぼ全て)
- 非復元抽出なのに独立として掛け算する
- 分母を全体のままにしてしまい、条件で絞るのを忘れる
- P(A∩B) と P(B|A) を混同する
- 分母にどの事象を置くかを取り違える
なぜ大事か
状態を分けて考える発想の入口。漸化式の立式に直結する
東大での出方
条件付き確率が単独で大問になることは少ないが、確率漸化式の立式は実質的にこの計算になっている。『n回後に状態Xにいるとき、次に状態Yへ移る確率』はまさに条件付き確率であり、ここが曖昧だと遷移図が書けない。
確認問題
- 2個のサイコロを投げ、出た目の和が偶数であったとき、両方とも偶数である確率を求めよ
- 上の袋の問題で、1回目が赤であったとき2回目も赤である確率を求めよ(答えを見比べると面白い)
- 袋Aには赤2白1、袋Bには赤1白3が入っている。袋を等確率で選んで1個取り出したら赤だった。袋Aを選んでいた確率を求めよ
発展
3つ以上の原因がある場合の逆算。全確率の公式で分母を作る手順が本質的に効いてくる。医療検査の偽陽性の議論(有病率が低いと陽性でも実際に病気である確率は低い)は、この計算の最も有名な応用。
前提になるノード
このノードを前提にするノード
「確率」のノード
- 確率の定義(同様に確からしい・根元事象の設定)
- 独立試行・反復試行
- 条件付き確率・原因の確率
- 確率漸化式
- 期待値
解説は自作です。誤りに気づいたら お問い合わせ(/contact/)から教えてください。