🧮
数と式
展開・因数分解、平方根の計算、絶対値、一次不等式、集合と命題。すべての単元の計算の土台。
展開と因数分解
着眼点公式を当てはめる前に「同じかたまりが作れないか」を見る。4つの積は組み合わせて共通部分を作る。
(a\pm b)^2=a^2\pm 2ab+b^2,\quad (a+b)(a-b)=a^2-b^2(x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab(a\pm b)^3=a^3\pm 3a^2b+3ab^2\pm b^3(a\pm b)(a^2\mp ab+b^2)=a^3\pm b^3
例題
解答
(a-b)^3 の公式で a=x,\ b=2。x^3-3\cdot x^2\cdot 2+3\cdot x\cdot 2^2-2^3=x^3-6x^2+12x-8
2(x+1)(x+2)(x+3)(x+4) を展開せよ。
解答
定数項の和が等しくなる組 (1,4),(2,3) で組む。(x+1)(x+4)=x^2+5x+4,\quad (x+2)(x+3)=x^2+5x+6t=x^2+5x とおくと (t+4)(t+6)=t^2+10t+24。=(x^2+5x)^2+10(x^2+5x)+24=x^4+10x^3+35x^2+50x+24(検算: x=1 で左辺 2\cdot3\cdot4\cdot5=120、右辺 1+10+35+50+24=120)
ポイント展開の答えは x=1 を代入して左右を比べると数秒で検算できる。
注意(a-b)^3 の符号は「+,-,+,-」と交互。-3a^2b と +3ab^2 を取り違えやすい。
着眼点共通因数→公式→たすき掛けの順に試す。2文字なら一方の文字について整理してからたすき掛け。
acx^2+(ad+bc)x+bd=(ax+b)(cx+d)x^2 の係数を a\times c、定数項を b\times d に分け、交差した積の和 ad+bc が x の係数になる組を探す。
例題
解答
6=2\times3,\ -2=(-1)\times2 で、交差の和 2\cdot2+3\cdot(-1)=1。6x^2+x-2=(2x-1)(3x+2)
2x^2+xy-2y^2+2x+7y-3 を因数分解せよ。
解答
x について整理する。x^2+(y+2)x-(2y^2-7y+3)=x^2+(y+2)x-(2y-1)(y-3)和が y+2、積が -(2y-1)(y-3) になる2式は 2y-1 と -(y-3)=-y+3(和 y+2)。=(x+2y-1)(x-y+3)(展開して元に戻ることを確認)
ポイント定数項部分(y だけの式)を先に因数分解しておくのが2文字のコツ。
注意最後に展開して戻すまでが因数分解。符号ミスはここでしか見つからない。
着眼点文字が多くて手が止まったら、次数が一番低い文字について整理する。1次の文字があれば一気に共通因数が見える。
例題
解答
y について1次なので y で整理する。y(x-2)+(x^2-3x+2)=y(x-2)+(x-1)(x-2)=(x-2)(x+y-1)
2a^2(b-c)+b^2(c-a)+c^2(a-b) を因数分解せよ。
解答
すべて2次なので a について整理する。(b-c)a^2-(b^2-c^2)a+(b^2c-bc^2)=(b-c)\{a^2-(b+c)a+bc\}=(b-c)(a-b)(a-c)輪環の順にそろえて -(a-b)(b-c)(c-a)。
(検算: a=0,b=1,c=2 で元の式 =0+2-4=-2、答え =-(-1)(-1)(2)=-2)
注意答えを (a-b)(b-c)(c-a) の形にそろえるときの符号に注意。a-c=-(c-a)。
着眼点x,y を入れ替えても変わらない式は、x+y と xy だけで書ける。値を直接代入しない。
x^2+y^2=(x+y)^2-2xyx^3+y^3=(x+y)^3-3xy(x+y)x^2+\frac{1}{x^2}=\left(x+\frac1x\right)^2-2
例題
1x+\dfrac1x=3 のとき、x^2+\dfrac1{x^2} と x^3+\dfrac1{x^3} を求めよ。
解答
x^2+\frac1{x^2}=3^2-2=7x^3+\frac1{x^3}=3^3-3\cdot1\cdot3=18(x\cdot\frac1x=1 が積)
2x=\sqrt3+\sqrt2,\ y=\sqrt3-\sqrt2 のとき x^3+y^3 を求めよ。
解答
x+y=2\sqrt3,\ xy=3-2=1。x^3+y^3=(2\sqrt3)^3-3\cdot1\cdot2\sqrt3=24\sqrt3-6\sqrt3=18\sqrt3
ポイントx,y が分母に根号を含むときは、先に有理化してから和と積を作る。
a^3+b^3+c^3-3abc=(a+b+c)(a^2+b^2+c^2-ab-bc-ca)
例題
解答
c=-1 とみると -3abc=-3xy(-1)=3xy、c^3=-1 で公式の形。(x+y-1)(x^2+y^2+1-xy+x+y)(検算: x=y=1 で左辺 4、右辺 1\times4=4)
ポイント不要の理由: 共通テスト・地方国公立では、この形がそのまま出ることは少ない。例外: 難関大・私大の因数分解や、3数の不等式の証明(相加相乗の別証明)を狙う場合は覚える。
実数と平方根
着眼点分母が \sqrt a\pm\sqrt b なら符号を変えたものを掛ける。項が3つなら2つを1組にして2回に分ける。
\frac{1}{\sqrt a-\sqrt b}=\frac{\sqrt a+\sqrt b}{a-b}
例題
1\dfrac{1}{\sqrt5-\sqrt3} の分母を有理化せよ。
解答
\frac{\sqrt5+\sqrt3}{(\sqrt5-\sqrt3)(\sqrt5+\sqrt3)}=\frac{\sqrt5+\sqrt3}{2}
2\dfrac{1}{1+\sqrt2+\sqrt3} の分母を有理化せよ。
解答
(1+\sqrt2)+\sqrt3 とみて (1+\sqrt2)-\sqrt3 を掛ける。\text{分母}=(1+\sqrt2)^2-3=2\sqrt2\frac{1+\sqrt2-\sqrt3}{2\sqrt2}=\frac{\sqrt2+2-\sqrt6}{4}(数値: どちらも約 0.2412)
注意分子にも同じものを掛け忘れない。最後に約分できるか確認する。
確認問題
1\dfrac{\sqrt3}{2-\sqrt3} を有理化せよ。
答え
\sqrt3(2+\sqrt3)=2\sqrt3+3(分母は 4-3=1)
着眼点\sqrt{a^2} は a ではなく |a|。中身の符号が変わる点で区切って場合分けする。
\sqrt{a^2}=|a|=\begin{cases}a & (a\ge0)\\ -a & (a<0)\end{cases}
例題
1a=-3 のとき \sqrt{a^2} を求めよ。
解答
\sqrt{9}=3=|a|=-a。a のままだと -3 になり誤り。
2P=\sqrt{x^2-4x+4}+\sqrt{x^2+2x+1} を x の範囲で場合分けして簡単にせよ。
解答
P=|x-2|+|x+1|。区切りは x=-1,\ 2。
x<-1: P=-(x-2)-(x+1)=-2x+1
-1\le x<2: P=-(x-2)+(x+1)=3
x\ge2: P=(x-2)+(x+1)=2x-1
(検算: x=0 で 2+1=3、x=3 で 1+4=5=2\cdot3-1)
注意中身を2乗の形((x-2)^2 など)に直してから |\ | を付ける。直さないまま外すミスが多い。
着眼点「小数部分」は (\text{元の数})-(\text{整数部分}) という式で表す。0.414… のように書かない。
n\le x<n+1 となる整数 n が整数部分。小数部分は x-n(0\le x-n<1)。
例題
1\sqrt7 の整数部分 a と小数部分 b を求めよ。
解答
4<7<9 より 2<\sqrt7<3。a=2,\ b=\sqrt7-2。
2\dfrac{1}{\sqrt3-1} の小数部分を b とするとき、b^2+b の値を求めよ。
解答
有理化して \dfrac{\sqrt3+1}{2}。1.7<\sqrt3<1.8 より 1.35<\dfrac{\sqrt3+1}2<1.4 なので整数部分は 1。b=\frac{\sqrt3+1}{2}-1=\frac{\sqrt3-1}{2}b^2=\frac{4-2\sqrt3}{4}=\frac{2-\sqrt3}{2},\quad b^2+b=\frac{2-\sqrt3+\sqrt3-1}{2}=\frac12
ポイント整数部分は「2乗してはさむ」。\sqrt3\fallingdotseq1.73,\ \sqrt5\fallingdotseq2.24 は覚えておく。
着眼点中の根号の前を「2\sqrt{\ }」の形にし、足して a+b、掛けて ab になる2数を探す。
\sqrt{(a+b)+2\sqrt{ab}}=\sqrt a+\sqrt b\sqrt{(a+b)-2\sqrt{ab}}=\sqrt a-\sqrt b\quad(a>b>0)
例題
1\sqrt{5+2\sqrt6} を簡単にせよ。
解答
足して5、掛けて6 → 3,2。\sqrt3+\sqrt2。
2\sqrt{4-\sqrt{15}} を簡単にせよ。
解答
2 がないので分母分子に2を作る。\sqrt{\frac{8-2\sqrt{15}}{2}}=\frac{\sqrt5-\sqrt3}{\sqrt2}=\frac{\sqrt{10}-\sqrt6}{2}(数値: どちらも約 0.356)
注意マイナスのときは大きい方を前に。\sqrt3-\sqrt5 と書くと負になり誤り。
絶対値と一次不等式
着眼点1つだけなら公式で外す。2つ以上あれば中身が0になる点で区切って場合分けし、各範囲に入るか確認する。
| 形(b>0) | 外し方 |
|---|
| |X|=b | X=\pm b |
| |X|<b | -b<X<b |
| |X|>b | X<-b または X>b |
例題
解答
-5<2x-3<5 → -2<2x<8 → -1<x<4。
解答
区切りは x=-2,\ 1。
x<-2: -(x-1)-(x+2)=5 → -2x-1=5 → x=-3(範囲内)
-2\le x<1: -(x-1)+(x+2)=3\ne5 → 解なし
x\ge1: (x-1)+(x+2)=5 → x=2(範囲内)
答 x=-3,\ 2
注意場合分けで出た解が、その場合の範囲に入っているかを必ず確認する。
着眼点負の数で割ると不等号の向きが逆。整数解の個数を問われたら数直線に端点を書き、等号が入るかを端で確かめる。
例題
解答
3x-6>5x+4 → -2x>10 → x<-5(-2 で割るので向きが逆)。
2x>2 と x<a を同時に満たす整数がちょうど3個となる a の範囲を求めよ。
解答
整数は 3,4,5 の3個で、6 は含まない。5 を含む → a>5。6 を含まない → a\le6。5<a\le6(a=6 なら x<6 で 3,4,5 の3個、a=5 なら 3,4 の2個)
注意端点 a=6 のように等号が入るかは、その値を実際に入れて数えて決める。
確認問題
1連立不等式 2x-1<x+5,\ 3x+2\ge x-4 の整数解の個数は。
答え
-3\le x<6 で -3,\dots,5 の9個
集合と命題
着眼点「または」は和集合、「かつ」は共通部分。「どちらでもない」は全体から和集合を引く。
n(A\cup B)=n(A)+n(B)-n(A\cap B)\overline{A\cup B}=\overline A\cap\overline B,\qquad \overline{A\cap B}=\overline A\cup\overline B
例題
11から100までの整数で、2または3で割り切れるものの個数は。
解答
2の倍数50個、3の倍数33個、6の倍数16個。50+33-16=67
21から100までの整数で、2でも3でも割り切れないものの個数は。
解答
\overline A\cap\overline B=\overline{A\cup B} なので 100-67=33。
ポイントベン図を描いて「共通部分の個数」から書き込むと迷わない。
着眼点p\Rightarrow q が真なら「矢印の出発点が十分、行き先が必要」。偽を言うには反例を1つ挙げる。
| p\Rightarrow q | q\Rightarrow p | p は q であるための |
|---|
| 真 | 偽 | 十分条件(必要条件でない) |
| 偽 | 真 | 必要条件(十分条件でない) |
| 真 | 真 | 必要十分条件 |
| 偽 | 偽 | どちらでもない |
例題
解答
x=2\Rightarrow x^2=4 は真。x^2=4\Rightarrow x=2 は偽(反例 x=-2)。十分条件であるが必要条件でない。
解答
|x|<1 は -1<x<1。これは x<1 に含まれるので \Rightarrow は真。逆は x=-5 が反例で偽。十分条件であるが必要条件でない。
ポイント範囲の条件は数直線で「狭い方⇒広い方」が真。狭い方が十分条件。
確認問題
答え
必要条件であるが十分条件でない(反例 x=1,y=0)
着眼点結論が「〜でない」「無理数」「少なくとも一方」なら、直接より対偶か背理法が楽。
命題 p\Rightarrow q の対偶 \overline q\Rightarrow\overline p は真偽が一致する。「かつ」の否定は「または」、「または」の否定は「かつ」。
例題
1整数 n について「n^2 が3の倍数ならば n は3の倍数」を示せ。
解答
対偶「n が3の倍数でないならば n^2 は3の倍数でない」を示す。n=3k\pm1(k は整数)とおくと n^2=9k^2\pm6k+1=3(3k^2\pm2k)+1 で3で割って1余る。よって対偶が真なので元の命題も真。
2「x+y>2 ならば x>1 または y>1」を示せ。
解答
対偶は「x\le1 かつ y\le1 ならば x+y\le2」。辺々足せば x+y\le2 で明らかに真。よって元の命題も真。
注意背理法は「結論を否定して矛盾を導く」。対偶と混同して、仮定まで否定しない。
📈
二次関数
平方完成で頂点を出し、軸と定義域の位置関係・判別式・端点の符号で考える単元。
グラフと式
着眼点すべての出発点。x^2 の係数でくくり、x の係数の半分の2乗を足して引く。
y=ax^2+bx+c=a\left(x+\frac{b}{2a}\right)^2-\frac{b^2-4ac}{4a}頂点 \left(-\dfrac{b}{2a},\ -\dfrac{b^2-4ac}{4a}\right)、軸 x=-\dfrac{b}{2a}。a>0 で下に凸、a<0 で上に凸。
例題
解答
2(x^2-4x)+5=2\{(x-2)^2-4\}+5=2(x-2)^2-3頂点 (2,\ -3)。
解答
-(x^2-3x)+1=-\left\{\left(x-\tfrac32\right)^2-\tfrac94\right\}+1=-\left(x-\tfrac32\right)^2+\tfrac{13}{4}頂点 \left(\tfrac32,\ \tfrac{13}4\right)。(検算: x=\tfrac32 を代入すると -\tfrac94+\tfrac92+1=\tfrac{13}4)
ポイント検算は「頂点の x 座標を元の式に代入して y 座標が合うか」。
注意くくり出した係数を、引いた定数にも掛け忘れる(上の例1で 2\times(-4) を忘れる)ミスが最多。
確認問題
答え
3(x+1)^2-4 より (-1,\ -4)
着眼点与えられた条件で式の置き方を選ぶ。頂点・軸なら標準形、3点なら一般形、x 軸との交点なら分解形。
| 条件 | 置き方 |
|---|
| 頂点 (p,q) または軸 x=p | y=a(x-p)^2+q |
| 通る3点 | y=ax^2+bx+c |
| x 軸と (\alpha,0),(\beta,0) で交わる | y=a(x-\alpha)(x-\beta) |
例題
1頂点が (1,2) で点 (3,10) を通る放物線の式を求めよ。
解答
y=a(x-1)^2+2 に (3,10) を代入。10=4a+2 → a=2。y=2(x-1)^2+2\ (=2x^2-4x+4)
23点 (0,1),(1,0),(-1,6) を通る放物線の式を求めよ。
解答
y=ax^2+bx+c とおく。(0,1) より c=1。
a+b+1=0,\ a-b+1=6 を足して 2a+2=6 → a=2,\ b=-3。y=2x^2-3x+1(検算: x=-1 で 2+3+1=6)
ポイント点に x=0 を含むものがあれば、まずそれで c を決めると連立が1本減る。
着眼点式を移動するなら x\to x-p,\ y\to y-q と置き換える。頂点だけ動かすほうが速い場面も多い。
| 移動 | 置き換え |
|---|
| x 方向に p、y 方向に q | x\to x-p,\ y\to y-q |
| x 軸対称 | y\to -y |
| y 軸対称 | x\to -x |
| 原点対称 | x\to -x,\ y\to -y |
例題
1y=x^2-4x+1 を x 方向に2、y 方向に -3 平行移動した式は。
解答
y+3=(x-2)^2-4(x-2)+1 より y=x^2-8x+10(頂点で確認: 元の頂点 (2,-3) → (4,-6)、x^2-8x+10=(x-4)^2-6 で一致)
2y=x^2+4x+1 を原点に関して対称移動した式は。
解答
-y=(-x)^2+4(-x)+1 → y=-x^2+4x-1。
注意平行移動は「x-p」でマイナス。右に2なら x\to x-2。
着眼点グラフから a,b,c の符号を読むときは「凸の向き→y 切片→軸の位置」の順。
| 式 | グラフのどこを見るか |
|---|
| a | 下に凸なら a>0、上に凸なら a<0 |
| c | y 切片の符号 |
| b | 軸 -\dfrac{b}{2a} の符号と a の符号から決める |
| b^2-4ac | x 軸との共有点 2個なら正、1個なら0、なしなら負 |
| a+b+c | x=1 のときの y の値 |
| a-b+c | x=-1 のときの y の値 |
例題
1下に凸で、軸が y 軸より右、y 切片が負の放物線 y=ax^2+bx+c について a,b,c の符号は。
解答
下に凸 → a>0。y 切片負 → c<0。軸 -\dfrac{b}{2a}>0 と a>0 より b<0。
ポイントb は単独では読めない。「軸が右なら a,b は異符号」と覚える。
最大・最小
着眼点頂点が定義域の中にあるかを見る。最大・最小は「頂点」と「両端」の3か所のどれか。
手順: (1) 平方完成 (2) 軸と定義域を数直線に描く (3) 頂点と両端の y を比べる。
例題
1y=x^2-4x+3\ (0\le x\le3) の最大値・最小値を求めよ。
解答
y=(x-2)^2-1。軸 x=2 は定義域内。
最小値 -1\ (x=2)。
端: x=0 で 3、x=3 で 0。軸から遠い x=0 の方が大きい。最大値 3\ (x=0)。
2y=-x^2+2x+3\ (-2\le x\le2) の最大値・最小値を求めよ。
解答
y=-(x-1)^2+4。上に凸で軸 x=1 は定義域内 → 最大値 4\ (x=1)。
端: x=-2 で -4-4+3=-5、x=2 で 3。最小値 -5\ (x=-2)。
ポイント下に凸なら「軸から遠い端が最大」。端の値を両方計算しなくても判断できる。
着眼点最小(下に凸)は「軸が定義域の左・中・右」の3通り。最大は「軸が定義域の中央より左か右か」の2通り。
例題
1f(x)=x^2-2ax+3\ (0\le x\le2) の最小値を求めよ。
解答
f(x)=(x-a)^2+3-a^2、軸 x=a。
a<0: 最小値 f(0)=3
0\le a\le2: 最小値 f(a)=3-a^2
a>2: 最小値 f(2)=7-4a
解答
定義域の中央は x=1。軸から遠い端が最大。
a<1: 最大値 f(2)=7-4a
a=1: 最大値 f(0)=f(2)=3
a>1: 最大値 f(0)=3
(境目 a=1 で 7-4=3 と一致することを確認)
ポイント場合分けの境目で両方の式の値が一致するかを見ると、場合分けの誤りに気づける。
注意答えは「a の範囲ごとに」まとめて書く。範囲の書き漏れ(a=1 など)に注意。
着眼点今度は軸が固定で、定義域 a\le x\le a+1 が動く。定義域を左から右へスライドさせて考える。
例題
1f(x)=x^2-2x\ (a\le x\le a+1) の最小値を求めよ。
解答
f(x)=(x-1)^2-1、軸 x=1 は固定。
a+1<1(a<0): 定義域が軸より左 → 最小値 f(a+1)=(a+1)^2-2(a+1)=a^2-1
a\le1\le a+1(0\le a\le1): 最小値 -1
a>1: 定義域が軸より右 → 最小値 f(a)=a^2-2a
(境目 a=0 で -1、a=1 で -1 と一致)
ポイント最大値なら、定義域の中央 a+\tfrac12 と軸 1 を比べる2通り。
着眼点文字を消すか置き換えて1変数の二次関数にする。そのとき新しい変数の範囲を必ず書く。
例題
1x\ge0,\ y\ge0,\ x+y=2 のとき x^2+y^2 の最大値・最小値を求めよ。
解答
y=2-x、y\ge0 より 0\le x\le2。x^2+(2-x)^2=2x^2-4x+4=2(x-1)^2+2最小値 2\ (x=y=1)、最大値 4\ (x=0,y=2 または x=2,y=0)。
2y=(x^2-2x)^2-2(x^2-2x)+3 の最小値を求めよ。
解答
t=x^2-2x=(x-1)^2-1 より t\ge-1。y=t^2-2t+3=(t-1)^2+2t=1 は t\ge-1 に含まれるので最小値 2(x^2-2x=1 → x=1\pm\sqrt2)。
注意y=2-x から出る x の範囲(0\le x\le2)を落とすと最大値が出ない。
x,y が独立に動くとき、まず x について平方完成し、残りを y について平方完成する。
例題
1x^2-2xy+2y^2-4y+5 の最小値を求めよ。
解答
(x-y)^2+y^2-4y+5=(x-y)^2+(y-2)^2+1x-y=0,\ y-2=0 すなわち x=y=2 のとき最小値 1。
(検算: 4-8+8-8+5=1)
ポイント不要の理由: 共通テスト・地方国公立の基本問題では、条件式で1変数にする型(差がつく)の方が圧倒的に多い。例外: 私大や難関大の小問で単独で出ることがあるので、その志望なら一度解いておく。
方程式・不等式
着眼点実数解の個数=グラフと x 軸の共有点の個数。放物線と直線なら、連立して y を消した二次方程式の判別式。
D=b^2-4ac,\qquad \frac D4=b'^2-ac\ (b=2b'\ \text{のとき})
| D | 実数解 | x 軸との共有点 |
|---|
| D>0 | 異なる2つ | 2個 |
| D=0 | 重解 x=-\dfrac{b}{2a} | 1個(接する) |
| D<0 | なし | 0個 |
例題
1x^2+2kx+k+6=0 が重解をもつ k と、そのときの重解を求めよ。
解答
\dfrac D4=k^2-(k+6)=(k-3)(k+2)=0 → k=3,\ -2。重解は x=-k。
k=3 のとき x=-3、k=-2 のとき x=2。
2放物線 y=x^2 と直線 y=2x+m の共有点の個数を調べよ。
解答
x^2-2x-m=0、\dfrac D4=1+m。
m>-1: 2個、m=-1: 1個(接する)、m<-1: 0個。
ポイントx の係数が偶数なら D/4 を使うと計算が軽い。
確認問題
1x^2-4x+k=0 が実数解をもつ k の範囲は。
答え
D/4=4-k\ge0 より k\le4(「実数解をもつ」は重解も含むので \ge)
着眼点x^2 の係数を正にしてから、グラフが x 軸より上か下かで読む。解の公式で出す端点にも注意。
| a>0 のとき | D>0(解 \alpha<\beta) | D=0(重解 \alpha) | D<0 |
|---|
| ax^2+bx+c>0 | x<\alpha,\ \beta<x | \alpha 以外のすべての実数 | すべての実数 |
| ax^2+bx+c\ge0 | x\le\alpha,\ \beta\le x | すべての実数 | すべての実数 |
| ax^2+bx+c<0 | \alpha<x<\beta | 解なし | 解なし |
| ax^2+bx+c\le0 | \alpha\le x\le\beta | x=\alpha | 解なし |
例題
解答
両辺に -1 を掛けて x^2-4x+1\le0(向きが逆)。x^2-4x+1=0 の解は x=2\pm\sqrt3。2-\sqrt3\le x\le2+\sqrt3
注意-1 を掛けたら不等号の向きを逆に。D\le0 のときは表で確認する(「解なし」と「すべての実数」を取り違えやすい)。
着眼点常に正 ⇔ 下に凸で x 軸と共有点なし(a>0 かつ D<0)。x^2 の係数が文字なら0の場合を別に調べる。
\text{すべての }x\text{ で } ax^2+bx+c>0 \iff a>0\ \text{かつ}\ D<0\quad(a\ne0)
例題
1すべての実数 x で x^2+2ax+a+2>0 となる a の範囲は。
解答
\dfrac D4=a^2-a-2=(a-2)(a+1)<0 → -1<a<2。
2すべての実数 x で kx^2-2kx+3>0 となる k の範囲は。
解答
k=0 のとき 3>0 で成り立つ。
k\ne0 のとき k>0 かつ \dfrac D4=k^2-3k<0 → 0<k<3。
合わせて 0\le k<3。
注意「二次不等式」と書いていなければ x^2 の係数が0の場合も含める。
着眼点「2つの解がともに k より大きい」は3点セット(D・軸・f(k))。「k をはさむ」は f(k)<0 の1本だけ。
| 条件(a>0) | 必要十分条件 |
|---|
| 2解がともに k より大 | D\ge0、軸 >k、f(k)>0(異なる2解なら D>0) |
| 2解がともに k より小 | D\ge0、軸 <k、f(k)>0 |
| k が2解の間 | f(k)<0 |
例題
1x^2-2ax+a+2=0 が異なる2つの正の解をもつ a の範囲は。
解答
f(x)=x^2-2ax+a+2 とおく。
\dfrac D4=a^2-a-2>0 → a<-1,\ 2<a
軸 x=a>0
f(0)=a+2>0 → a>-2
共通部分 a>2。(確認: a=3 で x^2-6x+5=(x-1)(x-5))
2同じ方程式で、1つの解が1より大きく、他の解が1より小さい a の範囲は。
解答
f(1)=1-2a+a+2=3-a<0 → a>3。
(確認: a=4 で f(1)=-1<0)
ポイント必ずグラフを描いてから条件を立てる。3条件のどれが抜けても反例が作れる。
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図形と計量
三角比の値と相互関係、正弦定理・余弦定理の使い分け、面積と空間図形の計量。
三角比
着眼点半径 r の円周上の点 (x,y) で定義すると、0^\circ\sim180^\circ まで同じ式で扱える。鈍角では \cos,\tan が負。
\sin\theta=\frac yr,\quad \cos\theta=\frac xr,\quad \tan\theta=\frac yx
| \theta | \sin\theta | \cos\theta | \tan\theta |
|---|
| 0^\circ | 0 | 1 | 0 |
| 30^\circ | \frac12 | \frac{\sqrt3}2 | \frac1{\sqrt3} |
| 45^\circ | \frac{\sqrt2}2 | \frac{\sqrt2}2 | 1 |
| 60^\circ | \frac{\sqrt3}2 | \frac12 | \sqrt3 |
| 90^\circ | 1 | 0 | なし |
| 120^\circ | \frac{\sqrt3}2 | -\frac12 | -\sqrt3 |
| 135^\circ | \frac{\sqrt2}2 | -\frac{\sqrt2}2 | -1 |
| 150^\circ | \frac12 | -\frac{\sqrt3}2 | -\frac1{\sqrt3} |
| 180^\circ | 0 | -1 | 0 |
ポイント表を暗記するより、半径1の半円に 30^\circ,45^\circ,60^\circ の直角三角形を描いて座標を読む方が忘れない。
確認問題
1\sin135^\circ+\cos150^\circ の値は。
答え
\dfrac{\sqrt2}2-\dfrac{\sqrt3}2=\dfrac{\sqrt2-\sqrt3}{2}
着眼点1つの値から残り2つを出すときは、まず \theta が鋭角か鈍角かで符号を決める。
\sin^2\theta+\cos^2\theta=1,\qquad \tan\theta=\frac{\sin\theta}{\cos\theta},\qquad 1+\tan^2\theta=\frac{1}{\cos^2\theta}\sin(180^\circ-\theta)=\sin\theta,\quad \cos(180^\circ-\theta)=-\cos\theta,\quad \tan(180^\circ-\theta)=-\tan\theta\sin(90^\circ-\theta)=\cos\theta,\quad \cos(90^\circ-\theta)=\sin\theta
例題
1\theta が鈍角で \sin\theta=\dfrac13 のとき、\cos\theta,\ \tan\theta を求めよ。
解答
\cos^2\theta=1-\dfrac19=\dfrac89、鈍角なので \cos\theta<0。\cos\theta=-\frac{2\sqrt2}3,\qquad \tan\theta=\frac{1/3}{-2\sqrt2/3}=-\frac{1}{2\sqrt2}=-\frac{\sqrt2}4
20^\circ\le\theta\le180^\circ、\tan\theta=-2 のとき \sin\theta,\ \cos\theta を求めよ。
解答
\tan\theta<0 より鈍角で \cos\theta<0。\frac1{\cos^2\theta}=1+4=5,\quad \cos\theta=-\frac{1}{\sqrt5}=-\frac{\sqrt5}5\sin\theta=\tan\theta\cos\theta=\frac{2\sqrt5}5
注意\sin\theta だけ与えられたときは鋭角・鈍角の2通りがありうる。条件文で範囲を必ず確認する。
着眼点\sin\theta は高さ(y 座標)、\cos\theta は横(x 座標)。半円に直線を引いて交点の角を読む。2種類混ざれば \sin^2+\cos^2=1 で1種類にそろえる。
例題
10^\circ\le\theta\le180^\circ で \sin\theta=\dfrac{\sqrt3}2 を解け。
解答
高さ \dfrac{\sqrt3}2 の直線と半円の交点は2つ。\theta=60^\circ,\ 120^\circ。
20^\circ\le\theta\le180^\circ で 2\cos^2\theta-\sin\theta-1=0 を解け。
解答
\cos^2\theta=1-\sin^2\theta を代入し、s=\sin\theta\ (0\le s\le1) とおく。2(1-s^2)-s-1=0\ \to\ 2s^2+s-1=0\ \to\ (2s-1)(s+1)=00\le s\le1 より s=\dfrac12。\theta=30^\circ,\ 150^\circ。
(検算: \theta=30^\circ で 2\cdot\frac34-\frac12-1=0)
注意置き換えたら範囲を書く。0^\circ\le\theta\le180^\circ では 0\le\sin\theta\le1、-1\le\cos\theta\le1。
確認問題
10^\circ\le\theta\le180^\circ で \cos\theta<-\dfrac12 を解け。
答え
120^\circ<\theta\le180^\circ
差がつく\sin\theta+\cos\theta の値から式の値
着眼点和が分かったら2乗して積 \sin\theta\cos\theta を出す。あとは数と式の対称式と同じ。
(\sin\theta+\cos\theta)^2=1+2\sin\theta\cos\theta
例題
1\sin\theta+\cos\theta=\dfrac12 のとき、\sin\theta\cos\theta と \sin^3\theta+\cos^3\theta を求めよ。
解答
\dfrac14=1+2\sin\theta\cos\theta → \sin\theta\cos\theta=-\dfrac38。\sin^3\theta+\cos^3\theta=(\sin\theta+\cos\theta)(1-\sin\theta\cos\theta)=\frac12\cdot\frac{11}8=\frac{11}{16}
2上の条件で 0^\circ\le\theta\le180^\circ のとき、\sin\theta-\cos\theta を求めよ。
解答
\sin\theta\cos\theta<0 と \sin\theta\ge0 より \cos\theta<0、よって \sin\theta-\cos\theta>0。(\sin\theta-\cos\theta)^2=1-2\cdot\left(-\frac38\right)=\frac74,\qquad \sin\theta-\cos\theta=\frac{\sqrt7}2
注意\sin\theta-\cos\theta は2乗から出すので、符号を別に決める理由を書く。
正弦定理・余弦定理
着眼点「向かい合う辺と角のペア」が1組そろっていて、外接円の半径か別のペアを求めるときに使う。
\frac{a}{\sin A}=\frac{b}{\sin B}=\frac{c}{\sin C}=2R\quad(R\text{ は外接円の半径})
例題
1\triangle ABC で a=6,\ A=60^\circ のとき、外接円の半径 R を求めよ。
解答
2R=\frac{6}{\sin60^\circ}=\frac{6}{\sqrt3/2}=\frac{12}{\sqrt3}=4\sqrt3,\qquad R=2\sqrt3
2a=4,\ A=45^\circ,\ B=60^\circ のとき b を求めよ。
解答
b=\frac{a\sin B}{\sin A}=\frac{4\cdot\frac{\sqrt3}2}{\frac{\sqrt2}2}=\frac{4\sqrt3}{\sqrt2}=2\sqrt6
ポイント\sin A:\sin B:\sin C=a:b:c。角の正弦の比が与えられたら辺の比に読みかえる。
着眼点2辺とその間の角 → 残りの辺。3辺 → 角の \cos。\cos の符号で鋭角・直角・鈍角が分かる。
a^2=b^2+c^2-2bc\cos A,\qquad \cos A=\frac{b^2+c^2-a^2}{2bc}
例題
1b=3,\ c=5,\ A=120^\circ のとき a を求めよ。
解答
a^2=9+25-2\cdot3\cdot5\cdot\left(-\frac12\right)=34+15=49,\qquad a=7
2a=7,\ b=5,\ c=8 のとき A を求めよ。
解答
\cos A=\frac{25+64-49}{2\cdot5\cdot8}=\frac{40}{80}=\frac12,\qquad A=60^\circ
ポイント最大の角は最大の辺の対角。鈍角かどうかは最大辺について \cos の符号(b^2+c^2-a^2 の符号)だけ見ればよい。
注意\cos A が負のとき(鈍角)、-2bc\cos A はプラスになる。符号ミスに注意。
着眼点与えられた3つの量の組み合わせで決める。迷ったら「分かっている量と求めたい量をすべて含む式」を選ぶ。
| 分かっているもの | 求めるもの | 使う定理 |
|---|
| 2角と1辺 | 他の辺 | 正弦定理(3つ目の角は 180^\circ から) |
| 1組の対辺と対角 | 外接円の半径 | 正弦定理 |
| 2辺とその間の角 | 残りの辺 | 余弦定理 |
| 3辺 | 角 | 余弦定理(\cos の形) |
| 2辺とその間でない角 | 残りの辺 | 余弦定理で二次方程式(解が2つになりうる) |
例題
1\sin A:\sin B:\sin C=3:5:7 のとき、最大の角の大きさを求めよ。
解答
正弦定理より a:b:c=3:5:7。a=3k,\ b=5k,\ c=7k とおく。最大の角は C。\cos C=\frac{9k^2+25k^2-49k^2}{2\cdot3k\cdot5k}=\frac{-15}{30}=-\frac12,\qquad C=120^\circ
ポイント比で与えられたら k を使って辺を置く。k は \cos の計算で消える。
着眼点2辺と「間でない角」が与えられると、三角形が2通りありうる。余弦定理で二次方程式を立てると両方自然に出る。
例題
1\triangle ABC で a=2,\ c=\sqrt6,\ A=45^\circ のとき b を求めよ。
解答
余弦定理 a^2=b^2+c^2-2bc\cos A より 4=b^2+6-2\sqrt6\,b\cdot\frac{\sqrt2}2=b^2-2\sqrt3\,b+6b^2-2\sqrt3\,b+2=0,\qquad b=\sqrt3\pm1どちらも正なので b=\sqrt3+1,\ \sqrt3-1 の2通り。
(正弦定理で確認: \sin C=\dfrac{c\sin A}{a}=\dfrac{\sqrt3}2 で C=60^\circ,120^\circ の2通り)
注意正弦定理で \sin C から角を出すと鈍角の解を落としやすい。両方が三角形になるか(角の和 <180^\circ)を確認する。
着眼点角の式を辺の式に直す。\sin A は \dfrac a{2R}、\cos A は余弦定理で置きかえて、辺だけの式にして整理する。
例題
1a\cos B=b\cos A を満たす \triangle ABC はどんな三角形か。
解答
a\cdot\frac{c^2+a^2-b^2}{2ca}=b\cdot\frac{b^2+c^2-a^2}{2bc}両辺に 2c を掛けて c^2+a^2-b^2=b^2+c^2-a^2 → a^2=b^2 → a=b。
BC=CA の二等辺三角形。
2\sin^2A=\sin^2B+\sin^2C を満たす三角形は。
解答
\sin A=\dfrac a{2R} などを代入して (2R)^2 を払うと a^2=b^2+c^2。A=90^\circ の直角三角形。
注意答えは「どの辺が等しいか」「どの角が直角か」まで書く。
面積と応用
着眼点面積は「2辺と間の角」。3辺だけなら、余弦定理で \cos → \sin → 面積の順。内接円の半径は面積から逆算する。
S=\frac12bc\sin A,\qquad S=\frac12r(a+b+c)\quad(r\text{ は内接円の半径})
例題
1b=4,\ c=5,\ A=60^\circ の三角形の面積を求めよ。
解答
S=\frac12\cdot4\cdot5\cdot\frac{\sqrt3}2=5\sqrt3
2a=5,\ b=7,\ c=8 の三角形の面積 S と内接円の半径 r を求めよ。
解答
\cos B=\frac{a^2+c^2-b^2}{2ac}=\frac{25+64-49}{80}=\frac12,\quad B=60^\circS=\frac12\cdot5\cdot8\cdot\frac{\sqrt3}2=10\sqrt3r=\frac{2S}{a+b+c}=\frac{20\sqrt3}{20}=\sqrt3
ポイント3辺から面積を出すときは、\cos がきれいになる角(例2では B)を選ぶと楽。
着眼点\triangle ABC=\triangle ABD+\triangle ADC と面積で式を立てると、AD が一次方程式で出る。
例題
1AB=3,\ AC=6,\ A=120^\circ の \triangle ABC で、\angle A の二等分線と BC の交点を D とする。AD を求めよ。
解答
AD=x とおく。\angle BAD=\angle DAC=60^\circ。\frac12\cdot3\cdot6\sin120^\circ=\frac12\cdot3x\sin60^\circ+\frac12\cdot6x\sin60^\circ\frac{9\sqrt3}2=\frac{9\sqrt3}{4}x,\qquad x=2(別解での検算: BC=3\sqrt7、BD:DC=3:6 より BD=\sqrt7。\cos B=\frac{2}{\sqrt7} から AD^2=9+7-12=4)
ポイントBD:DC=AB:AC(角の二等分線の性質・数学A)と組み合わせる問題も多い。
着眼点対角の和が 180^\circ なので \cos C=-\cos A、\sin C=\sin A。対角線を2つの三角形の余弦定理で2通りに表して等式を作る。
例題
1円に内接する四角形 ABCD で AB=2,\ BC=3,\ CD=1,\ DA=2 のとき、\cos A、対角線 BD、面積 S を求めよ。
解答
\triangle ABD と \triangle CBD で余弦定理。C=180^\circ-A より \cos C=-\cos A。BD^2=4+4-8\cos A=9+1+6\cos A-14\cos A=2 → \cos A=-\dfrac17。BD^2=8+\frac87=\frac{64}7,\qquad BD=\frac{8}{\sqrt7}=\frac{8\sqrt7}7\sin A=\sin C=\sqrt{1-\frac1{49}}=\dfrac{4\sqrt3}7。S=\frac12\cdot2\cdot2\sin A+\frac12\cdot3\cdot1\sin C=\frac72\cdot\frac{4\sqrt3}7=2\sqrt3
注意角 A をはさむ2辺は AB,AD、角 C をはさむ2辺は CB,CD。組を間違えないよう図に書き込む。
着眼点立体は「平面で切った三角形」を取り出して考える。高さは頂点から底面への垂線の足(正四面体なら底面の外心)を見つける。
体積 V=\dfrac13\times(\text{底面積})\times(\text{高さ})。高さが出しにくいときは、体積を別の底面で2通りに表して高さを逆算する。
例題
解答
頂点から底面に下ろした垂線の足は、底面の正三角形の外心。外接円の半径は正弦定理より R=\dfrac{6}{2\sin60^\circ}=2\sqrt3。h=\sqrt{6^2-(2\sqrt3)^2}=\sqrt{24}=2\sqrt6底面積 \dfrac{\sqrt3}4\cdot36=9\sqrt3。V=\frac13\cdot9\sqrt3\cdot2\sqrt6=6\sqrt{18}=18\sqrt2
2OA=OB=OC=2 で、OA,OB,OC が互いに垂直な三角錐 OABC がある。O から平面 ABC に下ろした垂線の長さを求めよ。
解答
底面を \triangle OAB とみると V=\dfrac13\cdot\dfrac12\cdot2\cdot2\cdot2=\dfrac43。
AB=BC=CA=2\sqrt2 より \triangle ABC=\dfrac{\sqrt3}4(2\sqrt2)^2=2\sqrt3。
\dfrac13\cdot2\sqrt3\cdot h=\dfrac43 より h=\frac{2}{\sqrt3}=\frac{2\sqrt3}3
ポイント正四面体の体積 \dfrac{\sqrt2}{12}a^3 は検算用に覚えておく(a=6 で 18\sqrt2)。
S=\sqrt{s(s-a)(s-b)(s-c)},\qquad s=\frac{a+b+c}2
例題
1a=5,\ b=7,\ c=8 の三角形の面積をヘロンの公式で求めよ。
解答
s=10。S=\sqrt{10\cdot5\cdot3\cdot2}=\sqrt{300}=10\sqrt3(余弦定理経由の結果と一致)
ポイント不要の理由: 教科書では発展扱いで、記述式で使うと根拠を問われうる。余弦定理→\sin→面積で必ず出せる。例外: 共通テストなどマーク式で、3辺が整数のときの検算・時短には便利。
📊
データの分析
代表値・四分位・分散・相関係数を「定義どおりに計算する」「変換したらどう動くか」の2本柱で押さえる。
代表値と散らばりの見方
着眼点データは必ず小さい順に並べてから中央値を取る。個数が偶数なら真ん中2つの平均。
データ x_1, x_2, \dots, x_n に対して
\overline{x}=\frac{x_1+x_2+\cdots+x_n}{n}
- 中央値:小さい順に並べて真ん中の値(n が偶数なら中央2つの平均)
- 最頻値:最も個数が多い値(度数分布表では度数最大の階級の階級値)
例題
1データ 3,\ 5,\ 5,\ 6,\ 8,\ 9,\ 13 の平均値・中央値・最頻値を求めよ。
解答
合計 3+5+5+6+8+9+13=49 より平均値 49\div 7=7。
7個なので中央値は4番目の 6。最頻値は2回現れる 5。
答 平均値7、中央値6、最頻値5
2データ 2,\ 4,\ 4,\ 7,\ 9,\ 10,\ 12,\ 16 に値 a を1つ加えたら、平均値が 9 になった。a を求めよ。また、加えた後の中央値を求めよ。
解答
元の合計は 64。加えた後は9個で平均 9 なので合計 81。
64+a=81 より a=17。
並べると 2,4,4,7,9,10,12,16,17 で、5番目の 9 が中央値。
答 a=17、中央値 9
ポイント平均値は外れ値に引っぱられるが、中央値は引っぱられにくい。「どちらが実態を表すか」を問う選択肢で使う。
注意並べ替えずに真ん中を取るミスが一番多い。値を1つ加える・除く問題では個数(奇偶)が変わる点にも注意。
着眼点中央値でデータを前半・後半に分け、それぞれの中央値が Q_1,\ Q_3。個数が奇数なら中央値そのものはどちらにも入れない。
- 小さい順に並べ、中央値 Q_2 を求める
- Q_2 より下の半分の中央値が第1四分位数 Q_1、上の半分の中央値が第3四分位数 Q_3
\text{四分位範囲}=Q_3-Q_1,\qquad \text{四分位偏差}=\frac{Q_3-Q_1}{2}例題
1データ 2,3,5,6,8,10,11,13,15 の Q_1,\ Q_2,\ Q_3 と四分位範囲を求めよ。
解答
9個なので Q_2 は5番目の 8。
下半分 2,3,5,6 の中央値 Q_1=\dfrac{3+5}{2}=4。
上半分 10,11,13,15 の中央値 Q_3=\dfrac{11+13}{2}=12。
答 Q_1=4,\ Q_2=8,\ Q_3=12、四分位範囲 8
2データ 1,4,4,6,7,9,10,12,15,18 の四分位範囲と四分位偏差を求めよ。
解答
10個なので Q_2=\dfrac{7+9}{2}=8。
下半分 1,4,4,6,7 の中央値 Q_1=4、上半分 9,10,12,15,18 の中央値 Q_3=12。
四分位範囲 12-4=8、四分位偏差 8\div 2=4。
答 四分位範囲8、四分位偏差4
注意個数が奇数のとき中央値を前半・後半の両方に入れてしまうミスに注意(教科書の定義では入れない)。
着眼点箱ひげ図は5つの値(最小・Q_1・Q_2・Q_3・最大)だけの情報。「何番目の値か」に翻訳して人数を数える。
左のひげの端=最小値、箱の左端=Q_1、箱の中の線=中央値、箱の右端=Q_3、右のひげの端=最大値。
データの個数が 4m 個なら、Q_1 は m 番目と m+1 番目の平均、Q_2 は 2m 番目と 2m+1 番目の平均、Q_3 は 3m 番目と 3m+1 番目の平均。
ヒストグラムとの対応は「中央値の位置」と「山の偏り(ひげの長い側に裾が伸びる)」で判断する。
例題
1ある箱ひげ図で、最小値30、Q_1=50、中央値62、Q_3=70、最大値95であった。範囲と四分位範囲を求めよ。
解答
範囲 95-30=65、四分位範囲 70-50=20。
答 範囲65、四分位範囲20
2前問のデータが40人分の得点だとする。(1) 60点以上の人は少なくとも何人いるか。(2) 70点以上の人は少なくとも何人いるか。
解答
40人なので中央値は20番目と21番目の平均。中央値が62だから21番目は62点以上で、21〜40番目の20人は62点以上。
(20番目は60点未満の可能性があるので、これ以上は言えない)
Q_3 は30番目と31番目の平均なので、31番目は70点以上。31〜40番目の10人は70点以上。
答 (1) 20人 (2) 10人
ポイント「〜と言えるか」型の正誤問題は、反例になるデータ(真ん中2つをわざとずらす)を1つ考えると速い。
注意箱ひげ図から平均値は読めない。「箱の幅が広い=人数が多い」も誤り(各区間はほぼ同じ人数)。
確認問題
1箱ひげ図から「平均値は中央値より大きい」と断定できるか。
答え
断定できない。箱ひげ図は5つの値しか持たず、平均値の情報がない。
着眼点四分位範囲の1.5倍だけ箱の外に出た値を外れ値とする(教科書の基準)。
x \le Q_1-1.5(Q_3-Q_1)\quad\text{または}\quad x \ge Q_3+1.5(Q_3-Q_1)
を満たす値を外れ値とする。外れ値がある場合、箱ひげ図ではひげを外れ値の手前までにして外れ値を点で描くことがある。
例題
1Q_1=20,\ Q_3=30 のデータで、値 3,\ 6,\ 44,\ 48 のうち外れ値はどれか。
解答
四分位範囲 10、1.5\times 10=15。
下の基準 20-15=5、上の基準 30+15=45。
5 以下の 3、45 以上の 48 が外れ値。
答 3と48
注意問題文に基準が書かれていればそれに従う(共通テストでは毎回明記される形が多いので、読み落とさない)。
分散・標準偏差
着眼点定義(偏差の2乗の平均)と、計算用の公式「2乗の平均 − 平均の2乗」の2つを使い分ける。
s^2=\frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n}(x_k-\overline{x})^2=\overline{x^2}-\left(\overline{x}\right)^2,\qquad s=\sqrt{s^2}
平均値が整数で偏差が小さいときは定義どおり、平均が半端なときや「2乗の平均」が与えられたときは右の公式。
例題
1データ 2,4,6,8,10 の分散と標準偏差を求めよ。
解答
平均 6。偏差は -4,-2,0,2,4、2乗の和は 16+4+0+4+16=40。
分散 40\div 5=8、標準偏差 \sqrt{8}=2\sqrt{2}。
答 分散8、標準偏差 2\sqrt{2}
2データ 1,3,4,6,6 の分散を、公式 \overline{x^2}-(\overline{x})^2 で求めよ。
解答
\overline{x}=20\div5=4。
\overline{x^2}=(1+9+16+36+36)\div5=98\div5=19.6。
s^2=19.6-16=3.6。
(検算:偏差 -3,-1,0,2,2 の2乗和 18、18\div5=3.6)
答 3.6
注意標準偏差を求めて終わりの問題で、分散のまま答えるミスに注意。単位も「元のデータと同じ」になるのは標準偏差。
確認問題
15個のデータの平均が5、分散が4のとき、各値の2乗の平均は?
答え
\overline{x^2}=s^2+(\overline{x})^2=4+25=29
着眼点足し算 b は平均だけずらし、散らばりには効かない。掛け算 a は分散に a^2、標準偏差に |a| で効く。
\overline{y}=a\overline{x}+b,\qquad s_y^2=a^2s_x^2,\qquad s_y=|a|\,s_x
例題
1変量 x の平均が60、分散が25である。y=2x-10 の平均・分散・標準偏差を求めよ。
解答
平均 2\times60-10=110、分散 2^2\times25=100、標準偏差 10。
答 110、100、10
2ある地点の気温(℃)の平均が20、標準偏差が5である。華氏 F=1.8C+32 に直したときの平均と標準偏差を求めよ。また u=-3C+1 の分散を求めよ。
解答
平均 1.8\times20+32=68、標準偏差 1.8\times5=9。
u の分散は (-3)^2\times5^2=225。
答 平均68、標準偏差9、u の分散225
注意a が負のとき標準偏差を a s_x(負)にしてしまうミス。標準偏差は必ず |a| 倍。
着眼点分散どうしを平均してはいけない。「合計」と「2乗の合計」に戻して足す。
- 各グループの合計 = 人数 \times 平均
- 各グループの2乗の合計 = 人数 \times(\text{分散}+\text{平均}^2)
- 全体で合わせて、\overline{x^2}-(\overline{x})^2
例題
1Aグループ6人は平均50・分散16、Bグループ4人は平均60・分散36である。10人全体の平均と分散を求めよ。
解答
合計 6\times50+4\times60=540、平均 54。
2乗の合計 6(16+2500)+4(36+3600)=15096+14544=29640。
\overline{x^2}=2964、分散 2964-54^2=2964-2916=48。
答 平均54、分散48
ポイント検算:全体の分散=(グループ内の分散の加重平均)+(グループ平均の散らばり)。上の例では \frac{6\cdot16+4\cdot36}{10}+\frac{6\cdot4^2+4\cdot6^2}{10}=24+24=48。
相関
着眼点表を作って「x の偏差」「y の偏差」「積」「2乗」を列ごとに足すのが最速で確実。
s_{xy}=\frac{1}{n}\sum (x_k-\overline{x})(y_k-\overline{y}),\qquad r=\frac{s_{xy}}{s_x s_y}\quad(-1\le r\le 1)
1/n は分子分母で消えるので、r=\dfrac{\sum(\text{偏差の積})}{\sqrt{\sum(x\text{偏差})^2}\sqrt{\sum(y\text{偏差})^2}} で計算してよい。
例題
1標準偏差 s_x=4,\ s_y=5、共分散 s_{xy}=-12 のとき相関係数を求めよ。
解答
r=\dfrac{-12}{4\times5}=-0.6。答 -0.6
25組のデータ (x,y)=(1,2),(2,4),(3,5),(4,4),(5,5) の相関係数を求めよ(小数第2位まで)。
解答
\overline{x}=3,\ \overline{y}=4。
x の偏差 -2,-1,0,1,2、y の偏差 -2,0,1,0,1。
積の和 4+0+0+0+2=6、x 偏差の2乗和 10、y 偏差の2乗和 4+0+1+0+1=6。
r=\dfrac{6}{\sqrt{10}\sqrt{6}}=\dfrac{6}{2\sqrt{15}}=\dfrac{\sqrt{15}}{5}\approx0.77。
答 約0.77
注意相関係数が -1\sim1 を超えたら計算ミス。共分散は負になり得るが、分散・標準偏差は負にならない。
着眼点右上がり→正の相関、右下がり→負の相関。直線に近いほど |r| が1に近い。
- r が1に近い:強い正の相関/-1 に近い:強い負の相関/0に近い:直線的な相関はほとんどない
- 相関があっても因果関係があるとは限らない(第3の要因に注意)
- r は「直線的な」関係の強さ。放物線状に強い関係があっても r\approx0 になり得る
例題
1散布図の点がほぼ右下がりの直線上に並んでいる。相関係数として最も近いものを選べ:-0.9,\ -0.3,\ 0.3,\ 0.9
解答
右下がりで直線に近いので強い負の相関。答 -0.9
2「アイスの売上と水難事故の件数に正の相関がある。よってアイスを食べると水難事故が増える」という主張の問題点を述べよ。
解答
気温(夏)という第3の要因が両方を増やしている可能性があり、相関から因果は言えない。
ポイント共通テストでは「散布図に45°線(y=x)」が引かれ、「y>x の人数」を数えさせる形もある。線の上側か下側かで判断する。
着眼点相関係数は単位に依存しない。a,\ c の符号が同じなら不変、異なれば符号だけ反転。
u=ax+b,\ v=cy+d とすると
s_{uv}=ac\,s_{xy},\qquad r_{uv}=\frac{ac}{|ac|}\,r_{xy}例題
1x,\ y の共分散が6、相関係数が0.6である。u=2x+3,\ v=-y+5 の共分散と相関係数を求めよ。
解答
共分散 2\times(-1)\times6=-12。ac=-2 < 0 なので相関係数は符号が反転して -0.6。
答 共分散 -12、相関係数 -0.6
注意共分散は ac 倍で変わるのに、相関係数は(符号以外)変わらない。混同しやすい。
着眼点「偶然だとしたら、こんな結果はどれくらい起こりにくいか」を確率で測り、基準(多くは5%)より小さければ偶然ではないと判断する。
- 否定したい仮説(例:コインは公正、p=\frac12)を立てる
- その仮説のもとで、観測結果以上に極端な結果の起こる確率を求める(反復試行の確率やシミュレーション結果を使う)
- 基準より小さい → 仮説は正しくなかったと判断。基準以上 → 「仮説が誤りとは言えない」(正しいと証明したわけではない)
例題
1コインを10回投げたら表が9回出た。「表と裏は同様に確からしい」という仮説を、基準5%で判断せよ(表が9回以上の確率で考える)。
解答
表が9回以上の確率は \dfrac{{}_{10}\mathrm{C}_9+{}_{10}\mathrm{C}_{10}}{2^{10}}=\dfrac{11}{1024}\approx0.011。
0.05 より小さいので、仮説は誤りと判断する。
答 公正とは言えない(表が出やすいと判断)
解答
8回以上の確率 \dfrac{45+10+1}{1024}=\dfrac{56}{1024}\approx0.055。
0.05 以上なので仮説を誤りとは判断できない。
答 公正でないとは言えない
注意「基準以上だった=仮説が正しいと示された」と書くのは誤り。結論は「誤りとは言えない」。
着眼点平均0・標準偏差1に揃えるのが標準化 z=\dfrac{x-\overline{x}}{s}。偏差値は 50+10z。
z=\frac{x-\overline{x}}{s_x},\qquad \text{偏差値}=50+10z
例題
1平均60点・標準偏差12点のテストで78点を取った。偏差値を求めよ。
解答
z=\dfrac{78-60}{12}=1.5、偏差値 50+15=65。答 65
ポイント不要の理由:教科書本文では扱いが小さく、出題されても「変量の変換」の知識で解ける。例外:共通テストの誘導で偏差値の式が与えられる場合は、変量の変換として処理すれば足りる。
🎲
場合の数と確率
「区別して数える」を徹底し、余事象・反復試行・条件付き確率・推移(漸化式)まで型で解く。
場合の数
着眼点「または(同時に起こらない)」なら足す、「続けて/同時に選ぶ」なら掛ける。迷ったら樹形図を3段だけ描く。
- 和の法則:A と B が同時に起こらないとき、場合の数は a+b
- 積の法則:A の各場合に対して B が b 通りずつあるとき a\times b
例題
1大小2個のさいころを投げる。目の和が4の倍数になる場合は何通りか。
解答
和が4:(1,3),(2,2),(3,1) の3通り。
和が8:(2,6),(3,5),(4,4),(5,3),(6,2) の5通り。
和が12:(6,6) の1通り。
同時に起こらないので和の法則で 3+5+1=9。
答 9通り
2(a+b)(p+q+r)(x+y) を展開すると項は何個できるか。
解答
各かっこから1つずつ選んで掛けるので、積の法則で 2\times3\times2=12。どの項も文字の組が異なるので同類項はない。
答 12個
注意「大小2個」とあれば区別あり。区別のないさいころでも、確率では区別して数える(後述)。
必須順列 _n\mathrm{P}_r(隣接・非隣接・数字の並び)
着眼点制約の強い場所から先に決める(先頭の0、偶数なら一の位)。隣り合う→まとめて1つ、隣り合わない→後から隙間に入れる。
{}_{n}\mathrm{P}_{r}=n(n-1)\cdots(n-r+1)=\frac{n!}{(n-r)!}
- 隣り合う:まとめて1個とみなし並べる → 中の並びを掛ける
- 隣り合わない:他を先に並べ、両端を含む隙間に入れる
例題
10,1,2,3,4,5 の6個の数字から異なる3個を使って3桁の整数を作る。全部で何個か。そのうち偶数は何個か。
解答
百の位は0以外の5通り、十の位は残り5通り、一の位は4通りで 5\times5\times4=100 個。
偶数:一の位が0なら 百 5通り×十 4通り=20個。一の位が2か4なら、百の位は0と一の位の数以外の4通り、十の位4通りで 2\times4\times4=32 個。
合計 20+32=52。
答 100個、偶数52個
2男子3人・女子2人が1列に並ぶ。(1) 女子2人が隣り合う並び方 (2) 女子2人が隣り合わない並び方
解答
(1) 女子2人を1組とみて4個を並べる 4!=24、組の中の並び 2!=2。24\times2=48 通り。
(2) 男子3人を並べる 3!=6。両端を含む4か所の隙間から2か所を選んで女子を並べる {}_{4}\mathrm{P}_{2}=12。6\times12=72 通り。
(検算:48+72=120=5!)
答 (1) 48通り (2) 72通り
注意0を含む数字の問題で、先頭の0を除き忘れるミス。偶数の条件と0の条件が重なるので「一の位が0か否か」で場合分けする。
必須組合せ _n\mathrm{C}_r(選ぶだけ・図形・最短経路)
着眼点並べ方を区別しないなら C。最短経路は「右 a 回・上 b 回の並べ方」なので _{a+b}\mathrm{C}_a。
{}_{n}\mathrm{C}_{r}=\frac{{}_{n}\mathrm{P}_{r}}{r!}=\frac{n!}{r!\,(n-r)!},\qquad {}_{n}\mathrm{C}_{r}={}_{n}\mathrm{C}_{n-r}
- 特定の人を含む:その人を先に入れて残りから選ぶ
- ○○を通る最短経路:(そこまで)×(そこから)
例題
110人から委員を3人選ぶ方法は何通りか。また、特定の人Aを含む選び方は何通りか。
解答
{}_{10}\mathrm{C}_{3}=\dfrac{10\cdot9\cdot8}{3\cdot2\cdot1}=120 通り。
Aを含む:残り9人から2人 {}_{9}\mathrm{C}_{2}=36 通り。
答 120通り、36通り
2碁盤目状の道で、点 (0,0) から点 (5,3) まで右か上にだけ進む最短経路は何通りか。また点 (2,1) を通るものは何通りか。
解答
右5回・上3回の並べ方なので {}_{8}\mathrm{C}_{3}=56 通り。
(0,0)\to(2,1):{}_{3}\mathrm{C}_{1}=3 通り。(2,1)\to(5,3):右3回・上2回で {}_{5}\mathrm{C}_{2}=10 通り。
3\times10=30 通り。
答 56通り、30通り
確認問題
1正八角形の頂点を3つ結んでできる三角形の個数は?
答え
{}_{8}\mathrm{C}_{3}=56 個(どの3点も一直線上にない)
答え
{}_{8}\mathrm{C}_{2}-8=28-8=20 本(2点を結ぶ線分から辺を除く)
着眼点同じ人数の組が k 個あり、組に名前がないなら k! で割る。名前(部屋A・Bなど)があれば割らない。
まず組に名前があるとして順に選ぶ({}_{n}\mathrm{C}_{a}\times{}_{n-a}\mathrm{C}_{b}\times\cdots)。そのあと、人数が同じで区別のない組の入れ替えの分 k! で割る。
例題
16人を2人ずつA,B,Cの3部屋に分ける方法と、2人ずつ3組に分ける方法はそれぞれ何通りか。
解答
部屋あり:{}_{6}\mathrm{C}_{2}\times{}_{4}\mathrm{C}_{2}\times{}_{2}\mathrm{C}_{2}=15\times6\times1=90 通り。
組に区別なし:同じ人数の組が3つなので 90\div3!=15 通り。
答 90通り、15通り
29人を (1) 4人・3人・2人の3組 (2) 3人ずつの3組 に分ける方法は何通りか。
解答
(1) 人数がすべて異なるので組は自然に区別される。{}_{9}\mathrm{C}_{4}\times{}_{5}\mathrm{C}_{3}=126\times10=1260 通り。
(2) {}_{9}\mathrm{C}_{3}\times{}_{6}\mathrm{C}_{3}=84\times20=1680 を 3! で割り 280 通り。
答 (1) 1260通り (2) 280通り
注意「4人・4人・2人」なら割るのは 2!(同じ人数の組が2つ)。全部を 3! で割るミスに注意。
着眼点全部を区別して n! 通り並べ、同じもの同士の入れ替え分で割る。
\frac{n!}{p!\,q!\,r!\cdots}\qquad(p+q+r+\cdots=n)
最短経路の数 {}_{a+b}\mathrm{C}_{a}=\dfrac{(a+b)!}{a!\,b!} も「→ a 個と ↑ b 個の並べ方」としてこの公式の特別な場合。
例題
1BANANA の6文字を1列に並べる方法は何通りか。
解答
A が3個、N が2個、B が1個。\dfrac{6!}{3!\,2!\,1!}=\dfrac{720}{12}=60。
答 60通り
2BANANA の6文字の並べ方のうち、2つのNが隣り合わないものは何通りか。
解答
Nが隣り合うもの:NN を1文字とみて B, A, A, A, NN の並べ方 \dfrac{5!}{3!}=20。
隣り合わないもの 60-20=40。
答 40通り
着眼点円は回転で同じになるので1人を固定して残りを並べる。裏返しも同じ(じゅず・首飾り)ならさらに2で割る。
\text{円順列}=(n-1)!,\qquad \text{じゅず順列}=\frac{(n-1)!}{2}\ (n\ge3)
例題
16人が円形のテーブルに座る方法は何通りか。また、特定の2人A,Bが隣り合う座り方は何通りか。
解答
(6-1)!=120 通り。
A,Bをまとめて1人とみると5人の円順列 4!=24、A,Bの並び 2 通りで 48 通り。
答 120通り、48通り
2男子3人・女子3人が円形に、男女が交互になるように座る方法は何通りか。また、色の異なる6個の玉で首飾りを作る方法は何通りか。
解答
男子3人の円順列 (3-1)!=2。男子の間の3か所に女子を並べる 3!=6。2\times6=12 通り。
首飾り:\dfrac{(6-1)!}{2}=60 通り。
答 12通り、60通り
注意1人固定したあとに「固定した人の位置」まで並べてしまうと n! になって誤り。
着眼点1人ずつ「どの部屋に入るか」を選ぶので (\text{部屋数})^{(\text{人数})}。空き部屋を禁じるなら、空きがある場合を引く。
n 種類から重複を許して r 個並べる:n^r
r 人を3部屋A,B,Cに空き部屋なしで入れる:
3^r-3\cdot2^r+3\cdot1^r
(全体 − 「ちょうど1部屋が空く」 − 「2部屋が空く」を、包除原理で整理した形)
例題
14人を2つの部屋A,Bに入れる。空き部屋がないような入れ方は何通りか。また、4人を(区別のない)2つのグループに分ける方法は何通りか。
解答
全体 2^4=16、全員Aか全員Bの2通りを除いて 14 通り。
グループに区別がないとA,Bの入れ替えで同じになるので 14\div2=7 通り。
答 14通り、7通り
25人を3つの部屋A,B,Cに空き部屋がないように入れる方法は何通りか。
解答
全体 3^5=243。
Aが空く入れ方は 2^5=32(B,Cだけを使う。全員同じ部屋も含む)。B,Cも同様で計 3\times32=96。
ところが「全員B」は「Aが空く」「Cが空く」の両方で数えているなど、1部屋にまとまる3通りを2回ずつ引いている。そこで3を足し戻す。
243-96+3=150。
答 150通り
注意3^5-3\cdot2^5 で止めると、全員が1部屋に入る場合を引きすぎたまま。
着眼点「n 種類から重複を許して r 個取る」=「○ r 個と仕切り|(n-1) 本の並べ方」。
{}_{n}\mathrm{H}_{r}={}_{n+r-1}\mathrm{C}_{r}
x+y+z=r の0以上の整数解の個数も同じ形:○ r 個と|2本で {}_{r+2}\mathrm{C}_{2}。
例題
1x+y+z=8 を満たす0以上の整数の組 (x,y,z) は何組か。
解答
○8個と|2本の並べ方なので {}_{10}\mathrm{C}_{2}=45。
答 45組
解答
x=X+1,\ y=Y+1,\ z=Z+1(X,Y,Z\ge0)とおくと X+Y+Z=5。
○5個と|2本で {}_{7}\mathrm{C}_{2}=21。
(別解:8個の○の間7か所から仕切り2か所を選ぶ {}_{7}\mathrm{C}_{2}=21)
答 21組
ポイント記号 \mathrm{H} は教科書によっては扱わない。答案では「○と|の並べ方」で説明すれば十分。
確認問題
答え
○6個と|3本で {}_{9}\mathrm{C}_{3}=84 通り
確率の基本
着眼点確率は同様に確からしい根元事象で数える。同じ色の玉・同じさいころもすべて区別する。
P(A)=\frac{\text{A の起こる場合の数}}{\text{起こりうるすべての場合の数}}
分母と分子は同じ数え方(順番を考えるなら両方順番あり、同時に取り出すなら両方 C)で揃える。
例題
12個のさいころを投げるとき、目の和が7になる確率を求めよ。
解答
全体 36 通り。和が7は (1,6),(2,5),(3,4),(4,3),(5,2),(6,1) の6通り。
\dfrac{6}{36}=\dfrac16。答 \dfrac16
2赤玉3個・白玉2個の入った袋から同時に2個取り出す。(1) 2個とも赤 (2) 赤と白が1個ずつ、の確率を求めよ。
解答
玉をすべて区別して全体 {}_{5}\mathrm{C}_{2}=10 通り。
(1) {}_{3}\mathrm{C}_{2}=3 通りで \dfrac{3}{10}。
(2) 3\times2=6 通りで \dfrac{6}{10}=\dfrac35。
答 (1) \dfrac{3}{10} (2) \dfrac35
注意「和が7になるのは(1,6),(2,5),(3,4)の3通り、全体21通り」のように区別せずに数えると、根元事象が同様に確からしくなく誤り。
着眼点「少なくとも1つ」は余事象(1つもない)から。「最大値が k」は「すべて k 以下」−「すべて k-1 以下」。
P(\overline{A})=1-P(A)
P(\text{最大値}=k)=\left(\frac{k}{6}\right)^n-\left(\frac{k-1}{6}\right)^n\quad(\text{さいころ }n\text{ 個})
最小値が k なら「すべて k 以上」−「すべて k+1 以上」。
例題
1さいころを3回投げるとき、少なくとも1回6の目が出る確率を求めよ。
解答
1回も6が出ない確率は \left(\dfrac56\right)^3=\dfrac{125}{216}。
1-\dfrac{125}{216}=\dfrac{91}{216}。答 \dfrac{91}{216}
2さいころを3回投げるとき、(1) 目の積が偶数 (2) 出た目の最大値が5 となる確率をそれぞれ求めよ。
解答
(1) 積が奇数=3回とも奇数で \left(\dfrac12\right)^3=\dfrac18。よって 1-\dfrac18=\dfrac78。
(2) すべて5以下 \left(\dfrac56\right)^3=\dfrac{125}{216} から、すべて4以下 \left(\dfrac46\right)^3=\dfrac{64}{216} を引いて \dfrac{61}{216}。
答 (1) \dfrac78 (2) \dfrac{61}{216}
3さいころを3回投げるとき、最大値が5かつ最小値が2である確率を求めよ。
解答
「すべて2〜5」から「すべて3〜5」と「すべて2〜4」を引き、両方で引いた「すべて3〜4」を足し戻す。
\dfrac{4^3-3^3-3^3+2^3}{216}=\dfrac{64-27-27+8}{216}=\dfrac{18}{216}=\dfrac{1}{12}。
(検算:目の組が {2,5,3}・{2,5,4} で各 3!=6 通り、{2,2,5}・{2,5,5} で各3通り、計18通り)
答 \dfrac{1}{12}
注意「最大値が5」を「少なくとも1つ5」とだけ考えて6を除き忘れるミス。
着眼点確率 p の試行を n 回やってちょうど r 回起こる確率は「何回目に起こるかの選び方 C」×「確率の積」。
{}_{n}\mathrm{C}_{r}\,p^r(1-p)^{n-r}
「先に3勝した方が勝ち」型は、最後の試合で決まるので「最終試合の前までに2勝 k 敗」×「最終試合に勝つ」で数える。
例題
1さいころを5回投げるとき、1または2の目がちょうど2回出る確率を求めよ。
解答
1回の確率 \dfrac13。
{}_{5}\mathrm{C}_{2}\left(\dfrac13\right)^2\left(\dfrac23\right)^3=10\cdot\dfrac19\cdot\dfrac{8}{27}=\dfrac{80}{243}。
答 \dfrac{80}{243}
2A,Bが試合をし、各試合でAが勝つ確率は \dfrac23(引き分けなし)。先に3勝した方を優勝とする。Aが優勝する確率を求めよ。
解答
Aが優勝するのは、最終試合でAが勝ち、それまでにAが2勝・Bが k 勝 (k=0,1,2) のとき。
k=0:\left(\dfrac23\right)^3=\dfrac{8}{27}
k=1:{}_{3}\mathrm{C}_{1}\left(\dfrac23\right)^2\dfrac13\cdot\dfrac23=3\cdot\dfrac{8}{81}=\dfrac{8}{27}
k=2:{}_{4}\mathrm{C}_{2}\left(\dfrac23\right)^2\left(\dfrac13\right)^2\cdot\dfrac23=6\cdot\dfrac{8}{243}=\dfrac{16}{81}
合計 \dfrac{24}{81}+\dfrac{24}{81}+\dfrac{16}{81}=\dfrac{64}{81}。
答 \dfrac{64}{81}
注意優勝決定型で単純に {}_{5}\mathrm{C}_{3}p^3q^2 とすると、4試合目までに優勝が決まった後も試合を続けた場合を含んでしまう。
確認問題
1数直線上の原点にある点が、硬貨の表で +1、裏で -1 動く。6回投げた後に座標2にいる確率は?
答え
表 h 回で h-(6-h)=2 より h=4。{}_{6}\mathrm{C}_{4}\left(\frac12\right)^6=\frac{15}{64}
着眼点「Aが起きたとわかっているとき」は分母をAに取り替える。原因を逆にたどる(検査・どの袋から来たか)型も同じ式。
P_A(B)=\frac{P(A\cap B)}{P(A)},\qquad P(A\cap B)=P(A)\,P_A(B)
表(原因 × 結果の4マス)か樹形図で P(A\cap B) を全部並べてから割ると間違えない。
例題
1赤玉4個・白玉3個の袋から1個ずつ2回、もとに戻さずに取り出す。(1) 2回目が赤である確率 (2) 2回目が赤であったとき、1回目も赤である確率
解答
(1) 赤赤 \dfrac47\cdot\dfrac36=\dfrac{12}{42}、白赤 \dfrac37\cdot\dfrac46=\dfrac{12}{42}。和 \dfrac{24}{42}=\dfrac47。
(2) \dfrac{12/42}{24/42}=\dfrac12。
答 (1) \dfrac47 (2) \dfrac12
2ある病気の人は全体の1%。検査は、病気の人を90%の確率で陽性と判定し、病気でない人も5%の確率で陽性と判定する。陽性と判定された人が実際に病気である確率を求めよ。
解答
病気かつ陽性 0.01\times0.9=0.009。
病気でなく陽性 0.99\times0.05=0.0495。
陽性の確率 0.009+0.0495=0.0585。
\dfrac{0.009}{0.0585}=\dfrac{90}{585}=\dfrac{2}{13}(約15%)。
答 \dfrac{2}{13}
注意P_A(B) と P_B(A) の取り違えが最頻出ミス。「〜であったとき」の〜が分母。
着眼点「値 × その確率」の和。確率の合計が1になるか必ず確認してから掛ける。
E=x_1p_1+x_2p_2+\cdots+x_np_n\qquad(p_1+\cdots+p_n=1)
和の期待値は期待値の和(例:さいころ2個の和の期待値 =3.5+3.5=7)。
例題
1さいころを1回投げ、1の目なら100円、2か3の目なら50円、それ以外は0円もらえる。もらえる金額の期待値を求めよ。
解答
100\cdot\dfrac16+50\cdot\dfrac26+0\cdot\dfrac36=\dfrac{100+100}{6}=\dfrac{100}{3}。
答 \dfrac{100}{3} 円(約33円)
2赤玉3個・白玉2個の袋から同時に2個取り出す。取り出した赤玉の個数の期待値を求めよ。
解答
全体 {}_{5}\mathrm{C}_{2}=10。
赤0個:{}_{2}\mathrm{C}_{2}=1、赤1個:3\times2=6、赤2個:{}_{3}\mathrm{C}_{2}=3(計10)。
E=0\cdot\dfrac{1}{10}+1\cdot\dfrac{6}{10}+2\cdot\dfrac{3}{10}=\dfrac{12}{10}=\dfrac65。
(検算:1個あたり赤の確率 \frac35、2個で \frac65)
答 \dfrac65 個
ポイント「ゲームに参加すべきか」は「期待値と参加費の比較」で答える。
推移の確率(漸化式で解く型)
着眼点「n 回後の状態」から「n+1 回後」への1ステップだけを考える。状態が2つなら一方の確率 p_n、もう一方は 1-p_n。
- 状態を2つに決める(晴れ/雨、偶数/奇数、Aにいる/いない など)
- n 回後 → n+1 回後の遷移を樹形図で書き、p_{n+1}=\alpha p_n+\beta(1-p_n) を立てる
- p_{n+1}=ap_n+b を、特性方程式 c=ac+b の解 c を使って p_{n+1}-c=a(p_n-c) と変形
- p_n=c+(p_1-c)a^{n-1}
例題
1ある町では、晴れの日の翌日が晴れる確率は \dfrac23、雨の日の翌日が晴れる確率は \dfrac14 である(天気は晴れか雨のみ)。1日目が晴れのとき、n 日目が晴れである確率 p_n を求めよ。
解答
p_{n+1}=\dfrac23p_n+\dfrac14(1-p_n)=\dfrac{5}{12}p_n+\dfrac14。
c=\dfrac{5}{12}c+\dfrac14 より c=\dfrac37。
p_{n+1}-\dfrac37=\dfrac{5}{12}\left(p_n-\dfrac37\right)、p_1-\dfrac37=\dfrac47。
p_n=\frac37+\frac47\left(\frac{5}{12}\right)^{n-1}
(検算:p_2=\frac37+\frac47\cdot\frac{5}{12}=\frac{9+5}{21}=\frac23。直接計算と一致)
2さいころを n 回投げるとき、1の目が出た回数が偶数(0回を含む)である確率 p_n を求めよ。
解答
n+1 回目で偶数回になるのは「n 回で偶数回 → 1以外」か「n 回で奇数回 → 1」。
p_{n+1}=\dfrac56p_n+\dfrac16(1-p_n)=\dfrac23p_n+\dfrac16。
c=\dfrac23c+\dfrac16 より c=\dfrac12。p_1=\dfrac56 なので p_1-\dfrac12=\dfrac13。
p_n-\dfrac12=\dfrac13\left(\dfrac23\right)^{n-1}=\dfrac12\left(\dfrac23\right)^{n}。
p_n=\frac12+\frac12\left(\frac23\right)^n
(検算:n=1 で \frac12+\frac13=\frac56 ✓。n=2 で \frac12+\frac29=\frac{13}{18}、直接 \left(\frac56\right)^2+\left(\frac16\right)^2=\frac{26}{36}=\frac{13}{18} ✓)
ポイント最後に n=1,2 を代入して直接計算と照合する検算を習慣にする(指数のずれ n と n-1 をここで見つける)。
注意初項を p_0 で考えるか p_1 で考えるかで指数が1ずれる。問題文の「最初」が何回目かを確認。
差がつく3状態以上の推移(対称性で1本の漸化式に)
着眼点状態が3つ以上でも、確率の和=1と対称性(BとCは同じ立場)を使えば、変数は1つに減ることが多い。
- 各状態の確率を a_n,b_n,c_n とおき、a_n+b_n+c_n=1 を書く
- 対称な状態は等しい(例:Aから出発すれば b_n=c_n)
- 知りたい状態について a_{n+1}=(\text{他の状態からAへ来る確率}) の式を立て、2状態型に帰着
対称性が使えないときは、a_{n+1},b_{n+1} の連立漸化式を立て、和や差を取って解く。
例題
1正三角形ABCの頂点Aに点Pがある。1秒ごとに、Pは今いる頂点以外の2頂点のどちらかへ確率 \dfrac12 ずつで移る。n 秒後にPがAにいる確率 p_n、Bにいる確率 q_n を求めよ。
解答
n+1 秒後にAにいるのは、n 秒後にA以外(確率 1-p_n)にいて、Aへ移る(\frac12)とき。
p_{n+1}=\dfrac12(1-p_n)、p_0=1。
c=\dfrac12(1-c) より c=\dfrac13。p_n-\dfrac13=\left(-\dfrac12\right)^n\left(1-\dfrac13\right)。
p_n=\frac13+\frac23\left(-\frac12\right)^n
対称性から q_n=\dfrac{1-p_n}{2}=\dfrac13-\dfrac13\left(-\dfrac12\right)^n。
(検算:p_1=0,\ p_2=\frac12、q_1=\frac12。直接考えても一致)
2正四面体ABCDの頂点Aに点Pがある。1秒ごとに、Pは他の3頂点のどれかへ確率 \dfrac13 ずつで移る。n 秒後にPがAにいる確率 p_n を求めよ。
解答
p_{n+1}=\dfrac13(1-p_n)、p_0=1。
c=\dfrac13(1-c) より c=\dfrac14。
p_n=\frac14+\frac34\left(-\frac13\right)^n
(検算:p_1=\frac14-\frac14=0 ✓、p_2=\frac14+\frac{3}{4}\cdot\frac19=\frac13。Aを出て他の頂点にいれば次にAへ戻る確率は \frac13 なので一致 ✓)
ポイントn\to\infty で p_n\to\frac13(三角形)、\frac14(四面体)。「長時間たつと均等になる」と意味で確かめられる。
注意「Aにいる → 次もA」の項を入れ忘れない(この例では0だが、とどまる確率がある問題では必要)。
着眼点n 人のプレゼント交換で誰も自分のものを受け取らない並べ方 W_n。小さい n なら書き出しで十分。
W_1=0,\ W_2=1,\ W_{n}=(n-1)(W_{n-1}+W_{n-2})
W_3=2,\ W_4=9,\ W_5=44。
例題
14人がプレゼントを持ち寄り、無作為に1つずつ受け取る。全員が他人のプレゼントを受け取る確率を求めよ。
解答
全体 4!=24、完全順列 W_4=3(W_3+W_2)=3(2+1)=9。
\dfrac{9}{24}=\dfrac38。答 \dfrac38
ポイント不要の理由:教科書の本文にはなく、出ても4人程度なら書き出し(樹形図)で数えられる。例外:難関大志望なら漸化式の立て方まで練習しておく。
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整数の性質
素因数分解・互除法・不定方程式・余りの分類を軸に、「積の形」「範囲を絞る」で整数問題を料理する。
約数と倍数
着眼点まず素因数分解。約数は「各素数を何個使うか」の選び方なので、指数+1を掛ける。
N=p^a q^b r^c のとき
\text{約数の個数}=(a+1)(b+1)(c+1)
\text{約数の総和}=(1+p+\cdots+p^a)(1+q+\cdots+q^b)(1+r+\cdots+r^c)
\sqrt{kN} が自然数 ⇔ kN の素因数の指数がすべて偶数。
例題
解答
360=2^3\cdot3^2\cdot5。
個数 (3+1)(2+1)(1+1)=24。
総和 (1+2+4+8)(1+3+9)(1+5)=15\cdot13\cdot6=1170。
答 24個、1170
2正の約数がちょうど6個である最小の自然数を求めよ。
解答
個数 6=6 または 3\times2 なので、形は p^5 か p^2q(p,q は異なる素数)。
p^5 の最小は 2^5=32。p^2q の最小は 2^2\cdot3=12。
答 12(約数 1,2,3,4,6,12)
確認問題
1\sqrt{540n} が自然数になる最小の自然数 n は?
答え
540=2^2\cdot3^3\cdot5。指数を偶数にするため n=3\cdot5=15(\sqrt{8100}=90)
着眼点G が分かったら a=Ga',\ b=Gb'(a',b' は互いに素)とおく。これが整数問題の基本の置き方。
a,\ b の最大公約数を G、最小公倍数を L とし、a=Ga',\ b=Gb'(a',b' は互いに素)とすると
L=Ga'b',\qquad ab=GL例題
1最大公約数が6、最小公倍数が72である2つの自然数 a,\ b\ (a < b) を求めよ。
解答
a=6a',\ b=6b'(a'<b'、互いに素)とおくと L=6a'b'=72 より a'b'=12。
互いに素な組は (a',b')=(1,12),(3,4)((2,6) は互いに素でない)。
答 (a,b)=(6,72),(18,24)
注意「互いに素」の条件を落として (a',b')=(2,6) を入れると、最大公約数が12になってしまう。
着眼点a=bq+r なら \gcd(a,b)=\gcd(b,r)。割り算を余りが0になるまで続け、最後の割る数が最大公約数。
a=bq+r\ \Longrightarrow\ \gcd(a,b)=\gcd(b,r)
計算の過程を逆にたどると、ax+by=\gcd(a,b) の整数解が1組見つかる(不定方程式の特殊解)。
例題
解答
391=299\cdot1+92
299=92\cdot3+23
92=23\cdot4
割り切れたので最大公約数は 23。
(検算:391=23\cdot17,\ 299=23\cdot13)
答 23
2互除法を用いて、37x+13y=1 を満たす整数の組 (x,y) を1つ求めよ。
解答
37=13\cdot2+11、13=11\cdot1+2、11=2\cdot5+1。
逆にたどる:
1=11-2\cdot5
\ \ =11-(13-11)\cdot5=11\cdot6-13\cdot5
\ \ =(37-13\cdot2)\cdot6-13\cdot5=37\cdot6-13\cdot17。
答 (x,y)=(6,-17)(検算:222-221=1)
ポイント係数が小さいときは互除法を使わず、x=1,2,3,\dots と代入して見つける方が速い。
着眼点特殊解を1つ見つけて引き算し、「a(\cdots)=b(\cdots) で a,b が互いに素」から一般解を出す。
- 特殊解 (x_0,y_0) を見つける(代入 or 互除法)
- 元の式と引いて a(x-x_0)=-b(y-y_0)
- a,b が互いに素なので x-x_0 は b の倍数:x=x_0+bk,\ y=y_0-ak(k は整数)
c が \gcd(a,b) の倍数でなければ整数解はない。
例題
解答
11\cdot2+7\cdot(-3)=1 なので特殊解 (2,-3)。
引いて 11(x-2)=-7(y+3)。11と7は互いに素なので x-2=7k。このとき y+3=-11k。
答 x=7k+2,\ y=-11k-3(k は整数)
23x+5y=40 を満たす正の整数の組 (x,y) をすべて求めよ。
解答
特殊解 (5,5)。3(x-5)=-5(y-5) より x=5k+5,\ y=-3k+5。
x>0 より k>-1、y>0 より k<\dfrac53。よって k=0,1。
答 (x,y)=(5,5),(10,2)
注意一般解の x と y で k の係数の符号を逆にし忘れるミス。最後に k=1 を代入して元の式を満たすか確かめる。
確認問題
答え
特殊解 (3,-4)(33-28=5)。x=7k+3,\ y=-11k-4
余りと整数の式
必須余りで分類する(n=3k,\ 3k+1,\ 3k+2)
着眼点「すべての整数 n について〜を示せ」は、割る数で n を分類して全部調べる。
m で割った余りで n=mk,\ mk+1,\ \dots,\ mk+(m-1) と分ける。mk-1 のように負の余りで書くと計算が楽になる。
連続する m 個の整数の積は m! の倍数(特に連続2整数の積は2の倍数、連続3整数の積は6の倍数)。
例題
1整数 n について、n^2 を3で割った余りは2にならないことを示せ。
解答
n=3k のとき n^2=9k^2、余り0。
n=3k\pm1 のとき n^2=9k^2\pm6k+1=3(3k^2\pm2k)+1、余り1。
よって余りは0か1で、2にはならない。■
2整数 n について、n^3-n は6の倍数であることを示せ。
解答
n^3-n=(n-1)n(n+1) は連続する3整数の積。
連続2整数を含むので2の倍数、連続3整数を含むので3の倍数。
2と3は互いに素なので6の倍数。■
ポイント平方数の余り:3で割ると0,1/4で割ると0,1/8で割ると(奇数なら)1。不定方程式の「解なし」の証明で使う。
着眼点a\equiv b\pmod m は足す・引く・掛ける・累乗してよい。1(または -1)になる累乗を見つけて指数を小さくする。
a\equiv b,\ c\equiv d\pmod m\ \Longrightarrow\ a\pm c\equiv b\pm d,\quad ac\equiv bd,\quad a^n\equiv b^n
割り算は自由にはできない(m と互いに素な数で割るときのみ可)。
例題
解答
3^3=27\equiv-1\pmod 7 より 3^6\equiv1。
100=6\cdot16+4 なので 3^{100}=(3^6)^{16}\cdot3^4\equiv3^4=81\equiv4。
答 4
解答
一の位は10で割った余り。2,4,8,6,2,4,\dots と周期4で繰り返す(2^{n+4}\equiv2^n\pmod{10}、n\ge1)。
50=4\cdot12+2 なので 2^{50} の一の位は 2^2 と同じ 4。
答 4
注意記述答案で合同式を使う場合、記号の意味を一言添えておくと安全(採点者に誤解されない)。
確認問題
答え
7\equiv2、2^4=16\equiv1。2026=4\cdot506+2 より 2^2=4
差がつく式の最大公約数 \gcd(2n+1,\ n+3)
着眼点互除法の考え方を文字式に使う。一方から他方の何倍かを引いて、定数にする。
\gcd(a,b)=\gcd(b,\ a-kb)\quad(k\text{ は整数})
連続する2整数 n,\ n+1 は互いに素(\gcd(n,n+1)=\gcd(n,1)=1)。
例題
11\le n\le30 の整数 n で、2n+1 と n+3 の最大公約数が5になるものは何個あるか。
解答
\gcd(2n+1,\ n+3)=\gcd(n+3,\ (2n+1)-2(n+3))=\gcd(n+3,\ 5)。
これが5 ⇔ n+3 が5の倍数 ⇔ n\equiv2\pmod5。
n=2,7,12,17,22,27。
(検算:n=7 で \gcd(15,10)=5)
答 6個
着眼点xy と x,\ y の1次の項がある式は、因数分解できるように定数を足して「整数 × 整数 = 定数」にする。
xy+ax+by=c\ \Longleftrightarrow\ (x+b)(y+a)=c+ab
あとは定数の約数の組を全部書き、条件(正・大小・偶奇)でふるう。
例題
1x^2-y^2=12 を満たす自然数の組 (x,y) を求めよ。
解答
(x-y)(x+y)=12。0<x-y<x+y で、x-y と x+y は和が 2x(偶数)なので偶奇が一致。
12=1\cdot12=2\cdot6=3\cdot4 のうち両方偶数は (2,6)。
x-y=2,\ x+y=6 より x=4,\ y=2。
答 (4,2)
2xy=2x+3y を満たす正の整数の組 (x,y) をすべて求めよ。
解答
xy-2x-3y=0 より (x-3)(y-2)=6。
x\ge1,\ y\ge1 なので x-3\ge-2,\ y-2\ge-1。
負×負の組 (-1,-6),(-2,-3),(-3,-2),(-6,-1) はいずれも範囲外。
正の組 (1,6),(2,3),(3,2),(6,1) より
答 (x,y)=(4,8),(5,5),(6,4),(9,3)(検算:4\cdot8=32=8+24)
注意負の約数の組を検討せずに捨てるのは減点対象。範囲から外れることを1行で書く。
着眼点対称な式は x\le y\le z と仮定し、一番小さい文字の範囲を不等式で有限個に絞る。
例:\dfrac1x+\dfrac1y+\dfrac1z=1,\ x\le y\le z なら \dfrac1x\ge\dfrac1y\ge\dfrac1z より 1\le\dfrac3x、つまり x\le3。
例題
1abc=a+b+c を満たす正の整数 a\le b\le c を求めよ。
解答
a+b+c\le3c より abc\le3c、ab\le3。
(a,b)=(1,1):c=2+c で不成立。
(a,b)=(1,2):2c=3+c より c=3(b\le c を満たす)。
(a,b)=(1,3):3c=4+c より c=2 で b\le c に反する。
答 (a,b,c)=(1,2,3)
2\dfrac1x+\dfrac1y+\dfrac1z=1 を満たす正の整数 x\le y\le z を求めよ。
解答
1\le\dfrac3x より x\le3。x=1 だと左辺 >1 なので x=2,3。
x=2:\dfrac1y+\dfrac1z=\dfrac12、\dfrac12\le\dfrac2y より y\le4、また \dfrac1y<\dfrac12 より y\ge3。y=3 で z=6、y=4 で z=4。
x=3:\dfrac1y+\dfrac1z=\dfrac23、y\ge3 かつ \dfrac23\le\dfrac2y より y=3,\ z=3。
答 (2,3,6),(2,4,4),(3,3,3)
ポイント最後に「大小の仮定を外すなら並べ替えも解」と一言書く(問題が順序を指定していない場合)。
着眼点p の倍数、p^2 の倍数、p^3 の倍数…の個数を足す。末尾の0の個数は5の個数で決まる。
n!\text{ に含まれる素因数 }p\text{ の個数}=\left\lfloor\frac{n}{p}\right\rfloor+\left\lfloor\frac{n}{p^2}\right\rfloor+\left\lfloor\frac{n}{p^3}\right\rfloor+\cdots
(\lfloor x\rfloor は x を超えない最大の整数)
例題
解答
10=2\cdot5 で、2は5より多く含まれるので5の個数を数える。
\left\lfloor\dfrac{100}{5}\right\rfloor+\left\lfloor\dfrac{100}{25}\right\rfloor=20+4=24。
答 24個
解答
25+12+6+3+1=47(50\div2,\ 4,\ 8,\ 16,\ 32 の商の整数部分)。
答 47回
記数法
着眼点n 進法 → 10進法は「位の重み n^k を掛けて足す」。10進法 → n 進法は整数部分は n で割り続けて余りを下から読む、小数部分は n を掛け続けて整数部分を上から読む。
abc_{(n)}=a\cdot n^2+b\cdot n+c,\qquad 0.ab_{(n)}=\frac{a}{n}+\frac{b}{n^2}
例題
11011_{(2)} を10進法で表せ。また、25 を3進法で表せ。
解答
1\cdot8+0\cdot4+1\cdot2+1=11。
25\div3=8 余り1、8\div3=2 余り2、2\div3=0 余り2。下から読んで 221_{(3)}。
(検算:2\cdot9+2\cdot3+1=25)
答 11、221_{(3)}
20.101_{(2)} を10進法の小数で表せ。また、10進法の 0.375 を2進法で表せ。
解答
\dfrac12+\dfrac18=0.625。
0.375\times2=0.75(整数部分0)、0.75\times2=1.5(1)、0.5\times2=1(1)で終了。上から読んで 0.011_{(2)}。
答 0.625、0.011_{(2)}
注意割り算の余りを上から読んでしまうミス(整数は下から、小数は上から)。
確認問題
答え
100_{(3)}=9 から 222_{(3)}=26 まで。26-9+1=18 個
着眼点p が素数で a が p の倍数でないとき a^{p-1}\equiv1\pmod p。大きな累乗の余りの周期がすぐ分かる。
a^{p-1}\equiv1\pmod p\quad(p\text{ は素数},\ a\text{ は }p\text{ と互いに素})
例題
解答
2^{12}\equiv1\pmod{13}。100=12\cdot8+4 より 2^{100}\equiv2^4=16\equiv3。
(確認:2^6=64=13\cdot5-1\equiv-1 なので 2^{12}\equiv1)
答 3
ポイント不要の理由:教科書の範囲外(発展扱い)で、地方国公立レベルなら小さい累乗を書き出して周期を見つければ足りる。例外:難関大志望や合同式の証明問題が多い大学なら証明ごと覚える。
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図形の性質
三角形の比(角の二等分線・チェバ・メネラウス・面積比)と円(円周角・接弦定理・方べき)を、図にどう書き込むかまで型にする。
三角形と比
着眼点「何の交点か」と「その点の性質(等距離・比・角)」をセットで言えるようにする。
| 点 | 何の交点か | 使う性質 |
|---|
| 重心 G | 3本の中線 | 中線を頂点から 2:1 に内分 |
| 内心 I | 3つの内角の二等分線 | 3辺から等距離(内接円の中心)、\angle BIC=90^\circ+\frac12\angle A |
| 外心 O | 3辺の垂直二等分線 | 3頂点から等距離(外接円の中心)、鋭角三角形なら \angle BOC=2\angle A |
| 垂心 H | 3頂点から対辺への垂線 | 鋭角三角形なら \angle BHC=180^\circ-\angle A |
例題
1\triangle ABC の重心を G、辺 BC の中点を M とする。AM=9 のとき AG を求めよ。
解答
G は中線 AM を 2:1 に内分するので AG=9\times\dfrac23=6。答 6
2\angle A=70^\circ の鋭角三角形 ABC の内心を I、外心を O、垂心を H とする。\angle BIC,\ \angle BOC,\ \angle BHC を求めよ。
解答
内心:\angle IBC+\angle ICB=\dfrac12(\angle B+\angle C)=\dfrac12(180^\circ-70^\circ)=55^\circ より \angle BIC=125^\circ。
外心:中心角は円周角の2倍で \angle BOC=140^\circ。
垂心:B,C からの垂線の足を E,F とすると四角形 AFHE は \angle AFH=\angle AEH=90^\circ より \angle FHE=180^\circ-70^\circ=110^\circ、対頂角で \angle BHC=110^\circ。
答 125^\circ,\ 140^\circ,\ 110^\circ
注意内心と外心の取り違えが多い。内心=内接円=角の二等分線、外心=外接円=垂直二等分線。
着眼点\angle A の二等分線は対辺 BC を隣の2辺の比 AB:AC に分ける(外角の二等分線なら外分)。
\angle A の二等分線と BC の交点を D とすると
BD:DC=AB:AC
内心 I について AI:ID=(AB+AC):BC(\triangle ABD で \angle B の二等分線を使う)。
例題
1AB=6,\ BC=5,\ CA=4 の \triangle ABC で、\angle A の二等分線と BC の交点を D とする。BD, DC を求めよ。
解答
BD:DC=6:4=3:2。BD=5\times\dfrac35=3,\ DC=2。答 BD=3,\ DC=2
2前問の三角形の内心を I とするとき、AI:ID を求めよ。
解答
\triangle ABD で BI は \angle B の二等分線なので AI:ID=BA:BD=6:3=2:1。
(公式 (AB+AC):BC=10:5=2:1 とも一致)答 2:1
確認問題
1前問で \angle A の外角の二等分線と直線 BC の交点を E とする。BE, EC は?
答え
BE:EC=6:4=3:2(外分)。BE-EC=5 より EC=10,\ BE=15
着眼点3本の線が1点で交わる図で、各辺の分け方の比を求める。頂点→分点→頂点…と一周する順に比を掛ける。
\triangle ABC の内部の点 O と各頂点を結ぶ直線が対辺と P(AB上)、R(BC上)、Q(CA上)で交わるとき
\frac{AP}{PB}\cdot\frac{BR}{RC}\cdot\frac{CQ}{QA}=1
A → P → B → R → C → Q → A と、頂点と分点を交互に一周する。
例題
1\triangle ABC の辺 AB を 2:3 に内分する点を P、辺 AC を 4:1 に内分する点を Q とし、BQ と CP の交点を O、直線 AO と BC の交点を R とする。BR:RC を求めよ。
解答
チェバの定理より \dfrac{AP}{PB}\cdot\dfrac{BR}{RC}\cdot\dfrac{CQ}{QA}=\dfrac23\cdot\dfrac{BR}{RC}\cdot\dfrac14=1。
\dfrac{BR}{RC}=6。答 BR:RC=6:1
ポイント検算には「てんびん(重み)」が便利:A に3、B に2 を置くと P で釣り合い、A に3 なら C に12 で Q で釣り合う。BR:RC は重みの逆比 12:2=6:1。
注意比を一周させる順番を崩すと逆数になる。紙の図に矢印で一周を書いてから式にする。
着眼点三角形1つと、それを横切る直線1本を見つける。三角形の頂点から出発し、直線との交点と頂点を交互にたどって一周。
直線が \triangle ABC の辺(またはその延長)AB, BC, CA と P, Q, R で交わるとき
\frac{AP}{PB}\cdot\frac{BQ}{QC}\cdot\frac{CR}{RA}=1
線分の長さは延長上でも同じように「頂点から交点まで」を測る。
例題
1\triangle ABC の辺 AB を 3:2 に内分する点を P、辺 BC の中点を M とする。直線 PM と直線 AC の交点を Q とするとき、AC:CQ を求めよ。
解答
\triangle ABC と直線 PMQ にメネラウスの定理:\dfrac{AP}{PB}\cdot\dfrac{BM}{MC}\cdot\dfrac{CQ}{QA}=\dfrac32\cdot1\cdot\dfrac{CQ}{QA}=1。
CQ:QA=2:3。Q は C の外側にあり AC=QA-CQ なので AC:CQ=1:2。
答 1:2(座標 A(0,0),B(5,0),C(0,5) で確認:Q(0,15))
解答
\triangle ABR と直線 P-O-C にメネラウスの定理:\dfrac{AP}{PB}\cdot\dfrac{BC}{CR}\cdot\dfrac{RO}{OA}=1。
BR:RC=6:1 より BC:CR=7:1。
\dfrac23\cdot7\cdot\dfrac{RO}{OA}=1 より \dfrac{RO}{OA}=\dfrac{3}{14}。
答 AO:OR=14:3(てんびんで検算:重み A3, B2, C12 より AO:OR=(2+12):3)
注意「どの三角形」と「どの直線」かを答案に明記する。三角形の選び方を間違えると比が1つ足りなくなる。
着眼点高さが共通なら底辺の比。1つの角を共有するなら「その角をはさむ2辺の積」の比。
- 底辺が同一直線上で頂点が共通 → 面積比=底辺の比
- \angle A を共有:\dfrac{\triangle APQ}{\triangle ABC}=\dfrac{AP}{AB}\cdot\dfrac{AQ}{AC}
- 相似比 m:n → 面積比 m^2:n^2
例題
1\triangle ABC で AB 上に AP:PB=2:3、AC 上に AQ:QC=4:1 となる点 P, Q をとる。\triangle APQ の面積は \triangle ABC の何倍か。
解答
\dfrac{AP}{AB}\cdot\dfrac{AQ}{AC}=\dfrac25\cdot\dfrac45=\dfrac{8}{25}。答 \dfrac{8}{25} 倍
2チェバ・メネラウスの例の図(AO:OR=14:3)で、\triangle OBC の面積は \triangle ABC の何倍か。
解答
\triangle OBC と \triangle ABC は底辺 BC が共通で、高さの比は OR:AR=3:17。
答 \dfrac{3}{17} 倍
ポイントチェバ・メネラウスで比を出したら、面積比まで聞かれる流れが定番。比はすべて図に書き込んでおく。
着眼点3辺 a,b,c で三角形ができる ⇔ 最大辺 < 他の2辺の和。大きい辺の向かいに大きい角。
|b-c|<a<b+c
最大辺が分かっているなら「最大辺 < 残り2辺の和」の1本だけでよい。a>b\Leftrightarrow\angle A>\angle B。
例題
13辺の長さが x,\ x+1,\ x+3 である三角形が存在するような x の範囲を求めよ。
解答
x>0 のもとで最大辺は x+3。
x+3<x+(x+1) より x>2。
答 x>2
2a=5,\ b=7,\ c=6 の \triangle ABC で、最も大きい角はどれか。
解答
最大辺は b=7 なので、その向かいの角 \angle B。答 \angle B
円
着眼点同じ弧に対する円周角は等しい。内接四角形は対角の和 180^\circ、外角=内対角。
- 円周角は中心角の半分。直径に対する円周角は 90^\circ
- 四角形が円に内接 ⇔ 対角の和が 180^\circ ⇔ 1つの外角がその内対角に等しい
- 2点 C, D が直線 AB の同じ側にあり \angle ACB=\angle ADB ⇒ A, B, C, D は同一円周上
例題
1円に内接する四角形 ABCD で \angle A=100^\circ のとき、\angle C と、頂点 C における外角を求めよ。
解答
対角の和が 180^\circ より \angle C=80^\circ。外角は 180^\circ-80^\circ=100^\circ(内対角 \angle A に等しい)。
答 80^\circ,\ 100^\circ
2円に内接する四角形 ABCD で \angle ABD=30^\circ,\ \angle DBC=45^\circ,\ \angle BDC=60^\circ のとき、\angle BAD と \angle ADB を求めよ。
解答
\triangle BCD で \angle BCD=180^\circ-45^\circ-60^\circ=75^\circ。
対角の和より \angle BAD=180^\circ-75^\circ=105^\circ。
\triangle ABD で \angle ADB=180^\circ-105^\circ-30^\circ=45^\circ。
(検算:弧ABの円周角で \angle ADB=\angle ACB=\angle BCD-\angle ACD=75^\circ-30^\circ=45^\circ。\angle ACD=\angle ABD は弧ADの円周角)
答 105^\circ,\ 45^\circ
注意「同じ弧」かどうかは、角の両端の2点が同じかで確かめる。弧の反対側の円周角は 180^\circ- になる。
着眼点接線と弦のなす角は、その角の内側にある弧に対する円周角に等しい。円外の点から引いた2本の接線の長さは等しい。
- 接弦定理:A で接する接線と弦 AB のなす角 = 弧 AB に対する(反対側の)円周角 \angle ACB
- 接線の長さ:円外の点から引いた2接線の長さは等しい
- 内接円の接点で分けた長さ:s=\dfrac{a+b+c}{2} とすると頂点 A からの接線の長さは s-a
例題
1円 O の周上の点 A における接線を l とする。l と弦 AB のなす角(弧 AB 側の角)が 50^\circ のとき、弧 AB を含まない側の円周上の点 C について \angle ACB を求めよ。
解答
接弦定理より \angle ACB=50^\circ。答 50^\circ
2AB=7,\ BC=8,\ CA=9 の \triangle ABC の内接円が辺 AB, BC, CA と接する点を P, Q, R とする。AP, BQ, CR を求めよ。
解答
AP=AR=x,\ BP=BQ=y,\ CQ=CR=z とおくと x+y=7,\ y+z=8,\ z+x=9。
3式を足して x+y+z=12。
x=12-8=4,\ y=12-9=3,\ z=12-7=5。
答 AP=4,\ BQ=3,\ CR=5
着眼点点 P を通る2本の直線と円の交点で、P から2つの交点までの長さの積が一定。接線なら接線の長さの2乗。
点 P を通る2直線が円と A, B および C, D で交わるとき(P は円の内部でも外部でもよい)
PA\cdot PB=PC\cdot PD
P から引いた接線の接点を T とすると PA\cdot PB=PT^2。
例題
1円の2つの弦 AB, CD が円の内部の点 P で交わる。PA=4,\ PB=3,\ PC=2 のとき PD を求めよ。
解答
4\cdot3=2\cdot PD より PD=6。答 6
2円外の点 P を通る直線が円と2点 A, B で交わり(P, A, B の順)、PA=3,\ AB=5 である。P から円に引いた接線の長さ PT を求めよ。
解答
PB=3+5=8。PT^2=PA\cdot PB=24 より PT=2\sqrt6。答 2\sqrt6
注意外部の点の場合、PB を「AB の長さ」と取り違えるミスが最多。必ず P から測る。
確認問題
1円外の点 P から2本の割線を引き、PA=2,\ PB=6,\ PC=3 のとき PD は?
答え
2\cdot6=3\cdot PD より PD=4
着眼点中心間距離 d と半径 r_1>r_2 の大小で位置関係が決まる。共通接線の長さは、直角三角形を作って三平方。
接点間の長さ:共通外接線 \sqrt{d^2-(r_1-r_2)^2}、共通内接線 \sqrt{d^2-(r_1+r_2)^2}
| 位置関係 | 条件 | 共通接線の本数 |
|---|
| 離れている | d>r_1+r_2 | 4 |
| 外接 | d=r_1+r_2 | 3 |
| 2点で交わる | r_1-r_2<d<r_1+r_2 | 2 |
| 内接 | d=r_1-r_2 | 1 |
| 内側にある | d<r_1-r_2 | 0 |
例題
1半径5と2の2円の中心間距離が9である。位置関係と、共通外接線・共通内接線の接点間の長さを求めよ。
解答
9>5+2 なので離れている(共通接線4本)。
外接線:\sqrt{81-3^2}=\sqrt{72}=6\sqrt2。
内接線:\sqrt{81-7^2}=\sqrt{32}=4\sqrt2。
答 離れている、6\sqrt2、4\sqrt2
ポイント公式を忘れたら、小さい円の中心から接線に平行な線を引き、斜辺 d・一辺 r_1\mp r_2 の直角三角形を作る。
着眼点円に内接する四角形で「対角線の積=2組の対辺の積の和」。
AC\cdot BD=AB\cdot CD+AD\cdot BC
例題
11辺の長さ1の正五角形の対角線の長さ d を求めよ。
解答
正五角形 ABCDE の4頂点 A, B, C, D は同一円周上。AB=BC=CD=1,\ AC=BD=AD=d。
トレミーの定理 AC\cdot BD=AB\cdot CD+AD\cdot BC より d^2=1+d。
d>0 より d=\dfrac{1+\sqrt5}{2}。答 \dfrac{1+\sqrt5}{2}
ポイント不要の理由:教科書の範囲外で、同じ問題は余弦定理や相似でも解ける。例外:難関大志望で図形の計算を速くしたいなら知っておくと得。
空間図形・作図
着眼点頂点・辺・面の数は「面の辺を全部数えて、1本の辺は2つの面で共有」で数える。
v-e+f=2\quad(v:\text{頂点数},\ e:\text{辺数},\ f:\text{面数})
正多面体は正四面体・正六面体・正八面体・正十二面体・正二十面体の5種類のみ。
例題
1正八面体の頂点・辺・面の数を求め、オイラーの多面体定理を確かめよ。
解答
面8(正三角形)、辺 8\times3\div2=12、頂点 8\times3\div4=6(1頂点に4面が集まる)。
6-12+8=2。✓
2正五角形12枚と正六角形20枚でできた多面体(サッカーボール型)の辺の数と頂点の数を求めよ。
解答
辺:(5\cdot12+6\cdot20)\div2=180\div2=90。
面 f=32。オイラーの定理より v=2-f+e=2-32+90=60。
(検算:各頂点に3面が集まるので 180\div3=60)
答 辺90、頂点60
着眼点長さ \sqrt a は「長さ1と a をつないだ線分を直径とする半円」で、つなぎ目に立てた垂線の長さ。
- 直線上に AC=1,\ CB=a となるよう A, C, B をとる
- AB を直径とする半円を描く
- C で AB に垂線を立て、半円との交点を D とすると CD=\sqrt a(\triangle ACD\sim\triangle DCB より CD^2=AC\cdot CB)
例題
1長さ1の線分が与えられたとき、長さ \sqrt3 の線分の作図手順を述べよ。
解答
直線上に AC=1,\ CB=3 をとり、AB(長さ4)の中点を中心に半径2の半円を描く。C で AB に垂線を立て、半円との交点を D とすると CD^2=1\cdot3 より CD=\sqrt3。
ポイント不要の理由:共通テスト・地方国公立の記述でも作図そのものを書かせる問題は少ない。例外:志望校の過去問に作図があれば、手順と根拠(相似・方べき)を書く練習をする。
🧮
式と証明
二項定理・整式の割り算・恒等式・剰余の定理から、等式/不等式の証明と相加相乗平均まで。
二項定理
着眼点展開しきらず「一般項」を書き、指数の条件から r を決める。
(a+b)^n=\sum_{r=0}^{n}{}_{n}\mathrm{C}_{r}\,a^{n-r}b^{r}一般項(第 r+1 項): {}_{n}\mathrm{C}_{r}\,a^{n-r}b^{r}
- 一般項を書く(係数・符号も a,b に含めたまま)
- x の指数を r の式にする
- 欲しい指数と等しいとおいて r を出し、係数を計算
例題
1(2x-1)^5 の展開式における x^3 の係数を求めよ。
解答
一般項は {}_{5}\mathrm{C}_{r}(2x)^{5-r}(-1)^r={}_{5}\mathrm{C}_{r}\,2^{5-r}(-1)^r x^{5-r}
5-r=3 より r=2
係数 ={}_{5}\mathrm{C}_{2}\cdot 2^3\cdot(-1)^2=10\cdot 8=80
答 80
2\left(x^2+\dfrac{1}{x}\right)^6 の展開式における定数項を求めよ。
解答
一般項は {}_{6}\mathrm{C}_{r}(x^2)^{6-r}\left(\dfrac{1}{x}\right)^r={}_{6}\mathrm{C}_{r}\,x^{12-2r-r}={}_{6}\mathrm{C}_{r}\,x^{12-3r}
12-3r=0 より r=4
定数項 ={}_{6}\mathrm{C}_{4}=15
答 15
注意(2x-1)^5 の 2 や -1 を一般項から外し忘れて {}_{5}\mathrm{C}_{2}=10 と答えるミスが最多。符号 (-1)^r も忘れない。
確認問題
答え
60(r=2: {}_{6}\mathrm{C}_{2}\cdot 2^2=15\cdot4)
着眼点「どの項を何個選ぶか」の組を全部書き出し、それぞれ \dfrac{n!}{p!\,q!\,r!} を足す。
(a+b+c)^n \text{ の } a^p b^q c^r \text{ の係数}=\frac{n!}{p!\,q!\,r!}\quad(p+q+r=n)
例題
1(x+y+z)^5 の展開式における x^2yz^2 の係数を求めよ。
解答
p=2,\ q=1,\ r=2(和 5)
\dfrac{5!}{2!\,1!\,2!}=\dfrac{120}{4}=30
答 30
2(1+x+x^2)^4 の展開式における x^3 の係数を求めよ。
解答
1 を p 個、x を q 個、x^2 を r 個選ぶとして
p+q+r=4,\ q+2r=3
・r=0,\ q=3,\ p=1: \dfrac{4!}{1!\,3!\,0!}=4
・r=1,\ q=1,\ p=2: \dfrac{4!}{2!\,1!\,1!}=12
合計 4+12=16
(検算: (1+x+x^2)^2=1+2x+3x^2+2x^3+x^4 を2乗した x^3 の係数は 2\cdot(1\cdot2+2\cdot3)=16)
答 16
ポイント組の書き出しは「指数の大きい項の個数 r」で場合分けすると漏れない。
着眼点(1+x)^n の x に 1 や -1 を代入する。余りは「割る数の近く」で二項展開。
(1+x)^n={}_{n}\mathrm{C}_{0}+{}_{n}\mathrm{C}_{1}x+\cdots+{}_{n}\mathrm{C}_{n}x^n- x=1: {}_{n}\mathrm{C}_{0}+{}_{n}\mathrm{C}_{1}+\cdots+{}_{n}\mathrm{C}_{n}=2^n
- x=-1: {}_{n}\mathrm{C}_{0}-{}_{n}\mathrm{C}_{1}+{}_{n}\mathrm{C}_{2}-\cdots=0
例題
1{}_{10}\mathrm{C}_{0}+{}_{10}\mathrm{C}_{2}+{}_{10}\mathrm{C}_{4}+\cdots+{}_{10}\mathrm{C}_{10} の値を求めよ。
解答
偶数番目の和を E、奇数番目の和を O とすると
E+O=2^{10},\ E-O=0
よって E=2^9=512
答 512
211^{10} を 100 で割った余りを求めよ。
解答
11^{10}=(1+10)^{10}=1+{}_{10}\mathrm{C}_{1}\cdot10+{}_{10}\mathrm{C}_{2}\cdot10^2+\cdots
第3項以降はすべて 100 の倍数。
1+100=101 を 100 で割った余りは 1
答 1
整式の割り算と分数式
着眼点割り算の結果は必ず「A=BQ+R(R の次数 < B の次数)」の形で書く。剰余の定理・恒等式の出発点。
A=BQ+R,\qquad (R\text{ の次数})<(B\text{ の次数})筆算は次数の高い順に並べ、抜けている次数は 0 で埋めてから行う。
例題
12x^3-3x^2+4x-5 を x^2-x+1 で割った商と余りを求めよ。
解答
2x(x^2-x+1)=2x^3-2x^2+2x を引くと -x^2+2x-5
-1\cdot(x^2-x+1)=-x^2+x-1 を引くと x-4
商 2x-1、余り x-4
(検算: (x^2-x+1)(2x-1)+x-4=2x^3-3x^2+3x-1+x-4=2x^3-3x^2+4x-5)
2整式 A を x^2+1 で割ると、商が x-2、余りが 3x+1 である。A を求めよ。
解答
A=(x^2+1)(x-2)+3x+1
=x^3-2x^2+x-2+3x+1
=x^3-2x^2+4x-1
注意x^3+1 を割るときなどに x^2,\ x の欄を空けずに詰めて書くと桁がずれる。
着眼点分母は先に因数分解。連続する積の和は部分分数 \dfrac{1}{k(k+1)}=\dfrac{1}{k}-\dfrac{1}{k+1} で消える。
\frac{1}{(x+a)(x+b)}=\frac{1}{b-a}\left(\frac{1}{x+a}-\frac{1}{x+b}\right)\quad(a\neq b)
例題
1\dfrac{1}{x-1}-\dfrac{1}{x+1} を計算せよ。
解答
\dfrac{(x+1)-(x-1)}{(x-1)(x+1)}=\dfrac{2}{x^2-1}
2\dfrac{1}{x(x+1)}+\dfrac{1}{(x+1)(x+2)}+\dfrac{1}{(x+2)(x+3)} を計算せよ。
解答
各項を部分分数に分けると
\left(\dfrac{1}{x}-\dfrac{1}{x+1}\right)+\left(\dfrac{1}{x+1}-\dfrac{1}{x+2}\right)+\left(\dfrac{1}{x+2}-\dfrac{1}{x+3}\right)
=\dfrac{1}{x}-\dfrac{1}{x+3}=\dfrac{3}{x(x+3)}
ポイント部分分数は数列の和(数学B)でもそのまま使う。
剰余の定理・因数定理
着眼点割り算をせずに余りが出せる。余りの次数は「割る式の次数 − 1」以下とおく。
整式 P(x) を x-a で割った余りは P(a)。ax-b で割った余りは P\!\left(\dfrac{b}{a}\right)。
2次式で割った余りは px+q とおき、P(x)=(\text{割る式})Q(x)+px+q に割る式が 0 になる x を代入する。
例題
1P(x)=x^3-2x+5 を x+2 で割った余りを求めよ。
解答
P(-2)=-8+4+5=1
答 1
2整式 P(x) を x-1 で割ると 3 余り、x+2 で割ると -3 余る。P(x) を (x-1)(x+2) で割った余りを求めよ。
解答
P(x)=(x-1)(x+2)Q(x)+ax+b とおく。
P(1)=a+b=3、P(-2)=-2a+b=-3
引いて 3a=6、a=2,\ b=1
答 2x+1
注意x+2 で割るときに代入するのは x=-2。符号の取り違えに注意。
着眼点定数項の約数(÷最高次係数の約数)を順に代入して 0 になるものを探す。
P(a)=0 \iff P(x) は x-a を因数にもつ。
代入候補: \pm\dfrac{\text{定数項の約数}}{\text{最高次係数の約数}}
見つかったら組立除法で割り、残りの2次式を因数分解する。
例題
解答
P(-1)=-1-4-1+6=0 より x+1 が因数。
割ると x^3-4x^2+x+6=(x+1)(x^2-5x+6)
=(x+1)(x-2)(x-3)
22x^3-3x^2-11x+6 を因数分解せよ。
解答
P(3)=54-27-33+6=0 より x-3 が因数。
割ると (x-3)(2x^2+3x-2)
=(x-3)(2x-1)(x+2)
(検算: (x-3)(2x^2+3x-2)=2x^3+3x^2-2x-6x^2-9x+6=2x^3-3x^2-11x+6)
ポイント係数の和が 0 なら x=1、偶数次と奇数次の係数和が等しければ x=-1 が解。まずこの2つを試す。
確認問題
答え
(x-1)^2(x+2)(P(1)=0、割ると x^2+x-2)
着眼点(x-a)^2 を含む式で割るときは、余りを「k(x-a)^2+(\text{既知の余り})」とおくと未知数が1つで済む。
P(x) を (x-a)^2(x-b) で割った余りを R(x)(2次以下)とすると、
R(x) を (x-a)^2 で割った余り= P(x) を (x-a)^2 で割った余り。
よって R(x)=k(x-a)^2+(\text{その余り}) とおける。
例題
1x^{10} を x^2-1 で割った余りを求めよ。
解答
x^{10}=(x^2-1)Q(x)+ax+b とおく。
x=1: 1=a+b、x=-1: 1=-a+b
a=0,\ b=1
答 1
2整式 P(x) を (x-1)^2 で割ると余りが 2x+1、x-2 で割ると余りが 7 である。P(x) を (x-1)^2(x-2) で割った余りを求めよ。
解答
P(x)=(x-1)^2(x-2)Q(x)+k(x-1)^2+2x+1 とおける。
P(2)=k+5=7 より k=2
余り =2(x-1)^2+2x+1=2x^2-2x+3
(検算: x=2 で 8-4+3=7。2x^2-2x+3-2(x-1)^2=2x+1)
答 2x^2-2x+3
恒等式
着眼点「すべての x について成り立つ」→ 係数比較か、都合のよい値の代入。
- 係数比較法: 両辺を展開・整理して同じ次数の係数を等しくおく
- 数値代入法: 計算が楽になる x を代入して連立(必要条件)→ 最後に恒等式になることを確認
例題
1x^2+3x+4=a(x-1)^2+b(x-1)+c が x についての恒等式となるよう a,b,c を定めよ。
解答
t=x-1(x=t+1)とおくと左辺は
(t+1)^2+3(t+1)+4=t^2+5t+8
よって a=1,\ b=5,\ c=8
2\dfrac{3x+1}{(x-1)(x+1)}=\dfrac{a}{x-1}+\dfrac{b}{x+1} が恒等式となるよう a,b を定めよ。
解答
分母を払って 3x+1=a(x+1)+b(x-1)
x=1: 4=2a、a=2
x=-1: -2=-2b、b=1
逆に 2(x+1)+(x-1)=3x+1 で恒等式になる。
答 a=2,\ b=1
注意数値代入法だけで終わると「必要条件」しか示していない。代入した値の個数が次数+1以上でないときは逆の確認を書く。
等式・不等式の証明
着眼点条件式で文字を1つ消す。比例式は =k とおく。
- a+b+c=0 型: c=-a-b を代入して両辺を同じ式にする
- \dfrac{a}{b}=\dfrac{c}{d} 型: =k とおき a=bk,\ c=dk を代入
例題
1a+b+c=0 のとき、a^2-bc=b^2-ca を証明せよ。
解答
c=-a-b を代入する。
左辺 =a^2+b(a+b)=a^2+ab+b^2
右辺 =b^2+a(a+b)=a^2+ab+b^2
よって 左辺=右辺(証明終)
2\dfrac{a}{b}=\dfrac{c}{d} のとき、\dfrac{a^2+c^2}{b^2+d^2}=\dfrac{ac}{bd} を証明せよ。
解答
\dfrac{a}{b}=\dfrac{c}{d}=k とおくと a=bk,\ c=dk
左辺 =\dfrac{k^2(b^2+d^2)}{b^2+d^2}=k^2
右辺 =\dfrac{bk\cdot dk}{bd}=k^2
よって 左辺=右辺(証明終)
必須不等式の証明(差をとる・平方完成・2乗して比較)
着眼点基本は「左辺−右辺 \ge 0」。\sqrt{\ } や絶対値は、両辺が正(0以上)を確認してから2乗の差をとる。
- 差 A-B をつくる
- 因数分解か平方完成で (\ )^2+(\ )^2 の形へ
- 等号成立条件を書く
A\ge0,\ B\ge0 のとき A\ge B \iff A^2\ge B^2
例題
1実数 a,b に対して a^2+b^2\ge 2(a+b-1) を証明せよ。等号成立条件も答えよ。
解答
左辺−右辺 =a^2-2a+1+b^2-2b+1=(a-1)^2+(b-1)^2\ge0
等号は a=b=1 のとき(証明終)
2a>0,\ b>0 のとき \sqrt{a}+\sqrt{b}>\sqrt{a+b} を証明せよ。
解答
両辺とも正なので、2乗の差を考える。
(\sqrt{a}+\sqrt{b})^2-(\sqrt{a+b})^2=a+2\sqrt{ab}+b-(a+b)=2\sqrt{ab}>0
よって \sqrt{a}+\sqrt{b}>\sqrt{a+b}(証明終)
ポイント絶対値の不等式 |a|+|b|\ge|a+b| も「両辺 0 以上 → 2乗の差 =2(|ab|-ab)\ge0」で示せる。
確認問題
答え
\left(x-\dfrac{y}{2}\right)^2+\dfrac{3}{4}y^2\ge0(x について平方完成)
着眼点「正の数」「積が一定」の2つがそろったら使う。等号成立条件が実際に満たせるかを必ず確認。
a>0,\ b>0 \text{ のとき }\ \frac{a+b}{2}\ge\sqrt{ab}\quad(\text{等号は } a=b)よく使う形: x>0 のとき x+\dfrac{k}{x}\ge 2\sqrt{k}
例題
1x>0 のとき、x+\dfrac{9}{x} の最小値を求めよ。
解答
x>0,\ \dfrac{9}{x}>0 より x+\dfrac{9}{x}\ge2\sqrt{x\cdot\dfrac{9}{x}}=6
等号は x=\dfrac{9}{x}、すなわち x=3 のとき。
答 最小値 6(x=3)
2x>0,\ y>0 のとき、\left(x+\dfrac{1}{y}\right)\left(y+\dfrac{4}{x}\right) の最小値を求めよ。
解答
展開すると xy+4+1+\dfrac{4}{xy}=xy+\dfrac{4}{xy}+5
xy>0 より xy+\dfrac{4}{xy}\ge2\sqrt{4}=4
よって 与式 \ge 9。等号は xy=2(例えば x=1,\ y=2)のとき。
答 最小値 9
注意例題2で各かっこに別々に使うと 2\sqrt{\dfrac{x}{y}}\cdot2\sqrt{\dfrac{4y}{x}}=8 となるが、等号条件 xy=1 と xy=4 が同時に成り立たないので誤り。まず展開。
確認問題
1x>1 のとき x+\dfrac{1}{x-1} の最小値
答え
3(=(x-1)+\dfrac{1}{x-1}+1\ge2+1、等号 x=2)
着眼点(a^2+b^2)(x^2+y^2)\ge(ax+by)^2。1次式の最大最小を一発で出せる。
(a^2+b^2)(x^2+y^2)-(ax+by)^2=(ay-bx)^2\ge0等号は ay=bx(a:b=x:y)のとき。
例題
1x^2+y^2=1 のとき、3x+4y の最大値を求めよ。
解答
(3^2+4^2)(x^2+y^2)\ge(3x+4y)^2 より (3x+4y)^2\le25、3x+4y\le5
等号は \dfrac{x}{3}=\dfrac{y}{4} かつ x^2+y^2=1、x,y>0 より x=\dfrac{3}{5},\ y=\dfrac{4}{5}
答 最大値 5
ポイント不要の理由: 共通テスト〜埼玉大レベルでは、同じ問題が三角関数の合成や「=k とおいて直線と円が共有点をもつ条件」で解ける。例外: 難関大・理系で「証明せよ」と誘導つきで出るときは、差が完全平方になることだけ覚えておけば足りる。
🔢
複素数と方程式
複素数の計算、判別式と解と係数の関係、因数定理による高次方程式の解法。
複素数
着眼点i を文字として計算し、i^2 が出たら -1 に置き換える。割り算は分母の共役複素数を掛ける。
i^2=-1、a+bi(a,b は実数)の共役複素数は a-bi。
\frac{c+di}{a+bi}=\frac{(c+di)(a-bi)}{a^2+b^2}i の累乗は i,\ -1,\ -i,\ 1 の4つ周期。
例題
2\dfrac{3+i}{1-2i} を a+bi の形にせよ。
解答
分母・分子に 1+2i を掛ける。
\dfrac{(3+i)(1+2i)}{(1-2i)(1+2i)}=\dfrac{3+6i+i+2i^2}{1+4}=\dfrac{1+7i}{5}
答 \dfrac{1}{5}+\dfrac{7}{5}i
確認問題
答え
-1(2026=4\cdot506+2 なので i^2 と同じ)
着眼点\sqrt{-a} は計算の前に必ず \sqrt{a}\,i に直す。
a>0 のとき \sqrt{-a}=\sqrt{a}\,i
\sqrt{A}\sqrt{B}=\sqrt{AB} は A,B がともに負のときは成り立たない。
例題
1\sqrt{-2}\times\sqrt{-8} を計算せよ。
解答
\sqrt{2}\,i\times2\sqrt{2}\,i=4i^2=-4
2\dfrac{\sqrt{12}}{\sqrt{-3}} を計算せよ。
解答
\dfrac{2\sqrt{3}}{\sqrt{3}\,i}=\dfrac{2}{i}=\dfrac{2i}{i^2}=-2i
注意\sqrt{-2}\sqrt{-8}=\sqrt{16}=4 は誤り(正しくは -4)。
着眼点「a,b は実数」を確認してから、実部と虚部を別々に等しくおく。
a,b,c,d が実数のとき
a+bi=c+di\iff a=c \text{ かつ } b=d特に a+bi=0\iff a=b=0
例題
1実数 x,y が (1+i)x+(2-i)y=4+i を満たすとき、x,y を求めよ。
解答
左辺を整理: (x+2y)+(x-y)i=4+i
x+2y=4,\ x-y=1
引いて 3y=3、y=1,\ x=2
答 x=2,\ y=1
解答
z=a+bi(a,b 実数)とおくと z^2=a^2-b^2+2abi=8i
a^2-b^2=0,\ 2ab=8
ab=4>0 より a=b、a^2=4、a=\pm2
答 z=2+2i,\ -2-2i(検算: (2+2i)^2=4+8i-4=8i)
注意虚数には大小関係がない。2i>i のような比較はできない。
2次方程式と解と係数の関係
着眼点D<0 でも解は求まる(虚数解)。「実数解」「虚数解」「異なる2つの解」の言い分けに注意。
ax^2+bx+c=0 の判別式 D=b^2-4ac(b=2b' なら \dfrac{D}{4}=b'^2-ac)
| D の符号 | 解 |
|---|
| D>0 | 異なる2つの実数解 |
| D=0 | 重解(実数) |
| D<0 | 異なる2つの虚数解(互いに共役) |
例題
解答
x=1\pm\sqrt{1-5}=1\pm\sqrt{-4}=1\pm2i
2x^2+2(k-1)x+k+5=0 が虚数解をもつような実数 k の値の範囲を求めよ。
解答
\dfrac{D}{4}=(k-1)^2-(k+5)=k^2-3k-4=(k-4)(k+1)<0
答 -1<k<4
着眼点解そのものを求めず、\alpha+\beta と \alpha\beta だけで表して代入する。
ax^2+bx+c=0 \text{ の2解 } \alpha,\beta:\quad \alpha+\beta=-\frac{b}{a},\quad \alpha\beta=\frac{c}{a}- \alpha^2+\beta^2=(\alpha+\beta)^2-2\alpha\beta
- \alpha^3+\beta^3=(\alpha+\beta)^3-3\alpha\beta(\alpha+\beta)
- (\alpha-\beta)^2=(\alpha+\beta)^2-4\alpha\beta
例題
1x^2-3x+5=0 の2解を \alpha,\beta とするとき、\alpha^2+\beta^2、\alpha^3+\beta^3 の値を求めよ。
解答
\alpha+\beta=3,\ \alpha\beta=5
\alpha^2+\beta^2=9-10=-1
\alpha^3+\beta^3=27-3\cdot5\cdot3=27-45=-18
2同じ \alpha,\beta について \dfrac{\beta^2}{\alpha}+\dfrac{\alpha^2}{\beta} の値を求めよ。
解答
通分して \dfrac{\alpha^3+\beta^3}{\alpha\beta}=\dfrac{-18}{5}
答 -\dfrac{18}{5}
注意\alpha+\beta=-\dfrac{b}{a} のマイナスを落とすミスが多い。\alpha^2+\beta^2 が負になることもある(虚数解だから)。
確認問題
1x^2+4x+2=0 の2解 \alpha,\beta で (\alpha-\beta)^2
答え
8(16-4\cdot2)
着眼点新しい2解の「和」と「積」を出せば方程式は決まる。
\alpha,\beta \text{ を解とする2次方程式}:\ x^2-(\alpha+\beta)x+\alpha\beta=02次式の因数分解: ax^2+bx+c=a(x-\alpha)(x-\beta)(\alpha,\beta は2解。虚数でもよい)
例題
1x^2-3x+5=0 の2解を \alpha,\beta とする。\alpha+1,\ \beta+1 を解とする2次方程式を1つ作れ。
解答
和 =(\alpha+\beta)+2=5
積 =\alpha\beta+(\alpha+\beta)+1=5+3+1=9
答 x^2-5x+9=0
2同じ \alpha,\beta について、\alpha^2,\ \beta^2 を解とする2次方程式を1つ作れ。
解答
和 =\alpha^2+\beta^2=9-10=-1
積 =(\alpha\beta)^2=25
答 x^2+x+25=0
着眼点「2つの正の解」は判別式・和・積の3条件。「異符号」は積だけでよい。
| 条件 | 必要十分条件 |
|---|
| 異なる2つの正の解 | D>0,\ \alpha+\beta>0,\ \alpha\beta>0 |
| 異なる2つの負の解 | D>0,\ \alpha+\beta<0,\ \alpha\beta>0 |
| 異符号の解 | \alpha\beta<0(このとき D>0 は自動的に成立) |
例題
1x^2-2mx+m+6=0 が異なる2つの正の解をもつような m の範囲を求めよ。
解答
\dfrac{D}{4}=m^2-m-6=(m-3)(m+2)>0 より m<-2,\ 3<m
和 2m>0 より m>0
積 m+6>0 より m>-6
共通部分 答 m>3
2x^2+(m-1)x+m-3=0 が異符号の2つの解をもつような m の範囲を求めよ。
解答
積 m-3<0
答 m<3
ポイント2次関数のグラフ(軸・端点の値)で解いても同じ答えになる。生徒が得意なほうでよい。
高次方程式
着眼点解を1つ見つけて割り、2次方程式に帰着。x^4 と x^2 だけなら X=x^2 とおく。
- 因数定理で P(a)=0 となる a を探す
- 組立除法で (x-a)\times(\text{2次式}) に
- 2次式は因数分解か解の公式(虚数解も答える)
例題
解答
x=1 を代入すると 1-7+6=0
(x-1)(x^2+x-6)=0
(x-1)(x-2)(x+3)=0
答 x=1,\ 2,\ -3
解答
x=1 を代入すると 1-2+3-2=0
(x-1)(x^2-x+2)=0
x^2-x+2=0 より x=\dfrac{1\pm\sqrt{1-8}}{2}=\dfrac{1\pm\sqrt{7}\,i}{2}
答 x=1,\ \dfrac{1\pm\sqrt{7}\,i}{2}
確認問題
答え
x=\pm\sqrt{2},\ \pm\sqrt{3}\,i((x^2-2)(x^2+3)=0)
着眼点実数係数なら共役も解。2解から2次式の因数を作り、割り算か係数比較。
実数係数の方程式が p+qi を解にもつ \Rightarrow p-qi も解。
このとき x^2-2px+(p^2+q^2) が因数になる。
例題
1実数 a,b について、x^2+ax+b=0 が 2-i を解にもつとき a,b を求めよ。
解答
2+i も解。和 4、積 4+1=5
x^2-4x+5=0 と一致するので 答 a=-4,\ b=5
2実数 a,b について、x^3+ax^2+bx+10=0 が 1+2i を解にもつ。a,b と他の解を求めよ。
解答
1-2i も解なので、和 2、積 5 より x^2-2x+5 が因数。
x^3+ax^2+bx+10=(x^2-2x+5)(x+c) とおくと定数項より 5c=10、c=2
(x^2-2x+5)(x+2)=x^3+x+10
答 a=0,\ b=1、他の解 x=1-2i,\ -2
(検算: (1+2i)^3=-11-2i、-11-2i+(1+2i)+10=0)
ポイント別解: x=1+2i を直接代入して実部・虚部=0 の連立でもよい。3次以上は因数で攻めるほうが速い。
着眼点ax^3+bx^2+cx+d=(x-\alpha)(x-\beta)(x-\gamma)\times a を展開して比べたもの。
\alpha+\beta+\gamma=-\frac{b}{a},\quad \alpha\beta+\beta\gamma+\gamma\alpha=\frac{c}{a},\quad \alpha\beta\gamma=-\frac{d}{a}
例題
1x^3-2x^2+3x-4=0 の3解を \alpha,\beta,\gamma とするとき、\alpha^2+\beta^2+\gamma^2 を求めよ。
解答
\alpha+\beta+\gamma=2,\ \alpha\beta+\beta\gamma+\gamma\alpha=3
\alpha^2+\beta^2+\gamma^2=2^2-2\cdot3=-2
2同じ方程式で (1+\alpha)(1+\beta)(1+\gamma) を求めよ。
解答
P(x)=x^3-2x^2+3x-4=(x-\alpha)(x-\beta)(x-\gamma)
x=-1 を代入: P(-1)=-(1+\alpha)(1+\beta)(1+\gamma)
P(-1)=-1-2-3-4=-10 より 答 10
(検算: 1+2+3+4=10 と展開しても一致)
着眼点使う性質は2つだけ: \omega^3=1 と \omega^2+\omega+1=0。
x^3=1 \iff (x-1)(x^2+x+1)=0。虚数解の1つを \omega とすると
\omega^3=1,\quad \omega^2+\omega+1=0,\quad \overline{\omega}=\omega^2例題
1\omega^{10}+\omega^5+1 の値を求めよ。
解答
\omega^{10}=(\omega^3)^3\omega=\omega、\omega^5=\omega^3\omega^2=\omega^2
与式 =\omega+\omega^2+1=0
解答
1+\omega=-\omega^2 より (1+\omega)^6=(-\omega^2)^6=\omega^{12}=(\omega^3)^4=1
ポイント指数は「3で割った余り」に置き換える。
不要相反方程式(t=x+\dfrac{1}{x} 置換)
着眼点係数が左右対称な4次方程式は x^2 で割って t=x+\dfrac{1}{x} とおく。
x^2+\dfrac{1}{x^2}=t^2-2 を使って t の2次方程式にする。
例題
1x^4-5x^3+8x^2-5x+1=0 を解け。
解答
x=0 は解でないので x^2 で割る: x^2+\dfrac{1}{x^2}-5\left(x+\dfrac{1}{x}\right)+8=0
t=x+\dfrac{1}{x} とおくと t^2-2-5t+8=0、(t-2)(t-3)=0
t=2: x^2-2x+1=0 より x=1
t=3: x^2-3x+1=0 より x=\dfrac{3\pm\sqrt{5}}{2}
答 x=1,\ \dfrac{3\pm\sqrt{5}}{2}
ポイント不要の理由: 共通テスト〜埼玉大(教育・経済)レベルでは誘導なしで出ることは稀で、出ても問題文で置き換えが指示される。例外: 理系や難関大志望なら一度は解いておく。
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図形と方程式
点・直線・円を式で扱い、軌跡と領域(線形計画)まで。図をかいてから式にする。
点と直線
着眼点内分は「遠いほうの点に近いほうの比」をかける(たすき掛け)。外分は n を -n にするだけ。
A(x_1,y_1),\ B(x_2,y_2) のとき
AB=\sqrt{(x_2-x_1)^2+(y_2-y_1)^2}m:n \text{ に内分}:\left(\frac{nx_1+mx_2}{m+n},\ \frac{ny_1+my_2}{m+n}\right)m:n \text{ に外分}:\left(\frac{-nx_1+mx_2}{m-n},\ \frac{-ny_1+my_2}{m-n}\right)重心: 3頂点の座標の平均 \left(\dfrac{x_1+x_2+x_3}{3},\ \dfrac{y_1+y_2+y_3}{3}\right)
例題
1A(1,2),\ B(7,-4) について、AB の長さ、AB を 2:1 に内分する点、外分する点を求めよ。
解答
AB=\sqrt{6^2+(-6)^2}=6\sqrt{2}
内分点: \left(\dfrac{1\cdot1+2\cdot7}{3},\ \dfrac{1\cdot2+2\cdot(-4)}{3}\right)=(5,\ -2)
外分点: \left(\dfrac{-1+14}{1},\ \dfrac{-2-8}{1}\right)=(13,\ -10)
(検算: A と (13,-10) の中点が B(7,-4) になり、2:1 の外分と合う)
2A(1,2),\ B(7,-4),\ C(-2,5) を頂点とする三角形の重心を求めよ。
解答
\left(\dfrac{1+7-2}{3},\ \dfrac{2-4+5}{3}\right)=(2,\ 1)
着眼点「通る1点+傾き」で y-y_1=m(x-x_1)。垂直は傾きの積 -1。
- 点 (x_1,y_1) を通り傾き m: y-y_1=m(x-x_1)
- 2点を通る: 傾き \dfrac{y_2-y_1}{x_2-x_1} を求めて上の式へ(x_1=x_2 なら x=x_1)
- 平行: m_1=m_2、垂直: m_1m_2=-1
- 一般形 a_1x+b_1y+c_1=0,\ a_2x+b_2y+c_2=0 では 平行 a_1b_2-a_2b_1=0、垂直 a_1a_2+b_1b_2=0
例題
1点 (1,4) と点 (3,-2) を通る直線の方程式を求めよ。
解答
傾き \dfrac{-2-4}{3-1}=-3
y-4=-3(x-1) より 答 y=-3x+7((3,-2) を代入して -9+7=-2 で確認)
2点 (2,3) を通り、直線 2x-y+1=0 に垂直な直線の方程式を求めよ。
解答
2x-y+1=0 の傾きは 2 なので、垂直な直線の傾きは -\dfrac{1}{2}
y-3=-\dfrac{1}{2}(x-2)
答 x+2y-8=0
着眼点直線は必ず ax+by+c=0 の形にしてから使う。円と直線・三角形の面積で頻繁に登場。
\text{点 }(x_0,y_0)\text{ と直線 } ax+by+c=0 \text{ の距離}:\ d=\frac{|ax_0+by_0+c|}{\sqrt{a^2+b^2}}参考: O(0,0),\ A(x_1,y_1),\ B(x_2,y_2) の三角形の面積 =\dfrac{1}{2}|x_1y_2-x_2y_1|
例題
1点 (3,1) と直線 4x+3y-5=0 の距離を求めよ。
解答
\dfrac{|12+3-5|}{\sqrt{16+9}}=\dfrac{10}{5}=2
2O(0,0),\ A(4,1),\ B(1,3) を頂点とする三角形の面積を求めよ。
解答
直線 OA: x-4y=0、OA=\sqrt{17}
B と直線 OA の距離 =\dfrac{|1-12|}{\sqrt{17}}=\dfrac{11}{\sqrt{17}}
面積 =\dfrac{1}{2}\cdot\sqrt{17}\cdot\dfrac{11}{\sqrt{17}}=\dfrac{11}{2}
(検算: \dfrac{1}{2}|4\cdot3-1\cdot1|=\dfrac{11}{2})
注意y=2x+1 のまま a=2,\ b=1 としない。2x-y+1=0 に直して b=-1。
着眼点対称点は「中点が直線上」「結ぶ線分が直線に垂直」の2式。折れ線の最短は片方を折り返して一直線に。
点 A の直線 \ell に関する対称点 B(p,q):
- AB の中点が \ell 上
- AB\perp\ell(傾きの積 -1)
例題
1直線 \ell: x+2y-4=0 に関して、点 A(3,3) と対称な点 B を求めよ。
解答
B(p,q) とする。
垂直: \ell の傾き -\dfrac{1}{2} より \dfrac{q-3}{p-3}=2、q=2p-3
中点 \left(\dfrac{p+3}{2},\dfrac{q+3}{2}\right) が \ell 上: \dfrac{p+3}{2}+(q+3)-4=0、p+2q=-1
代入して p+4p-6=-1、p=1,\ q=-1
答 B(1,\ -1)(中点 (2,1) が \ell 上にある)
2A(1,3),\ B(5,1) と x 軸上の点 P について、AP+PB の最小値とそのときの P を求めよ。
解答
A の x 軸に関する対称点 A'(1,-3)。AP=A'P より AP+PB=A'P+PB\ge A'B
A'B=\sqrt{4^2+4^2}=4\sqrt{2}
直線 A'B: 傾き 1、y=x-4。x 軸との交点 P(4,0)
答 最小値 4\sqrt{2}、P(4,0)(検算: AP=3\sqrt{2},\ PB=\sqrt{2})
着眼点k を含む式は「k についての恒等式」と見て k(\ )+(\ )=0 に整理する。
2直線 f=0,\ g=0 の交点を通る直線(g=0 自身を除く):
f+kg=0例題
1直線 (k+1)x+(2k-1)y-3k=0 が k の値によらず通る定点を求めよ。
解答
k で整理: k(x+2y-3)+(x-y)=0
すべての k で成り立つ条件は x+2y-3=0,\ x-y=0
答 (1,\ 1)
22直線 x+y-3=0,\ 2x-y=0 の交点と点 (3,2) を通る直線の方程式を求めよ。
解答
求める直線を (x+y-3)+k(2x-y)=0 とおく。
(3,2) を代入: 2+4k=0、k=-\dfrac{1}{2}
(x+y-3)-\dfrac{1}{2}(2x-y)=0 を整理して \dfrac{3}{2}y-3=0
答 y=2(交点は (1,2) なので確かに y=2 上)
ポイント交点が簡単に求まるなら、交点を出して2点を通る直線にしても同じ。
円
着眼点一般形は平方完成して中心と半径を読む。3点を通る円は一般形で連立。
\text{標準形}: (x-a)^2+(y-b)^2=r^2\qquad \text{一般形}: x^2+y^2+lx+my+n=0中心・半径が分かる → 標準形 / 通る3点が分かる → 一般形
例題
1x^2+y^2-4x+6y-3=0 の中心と半径を求めよ。
解答
(x-2)^2-4+(y+3)^2-9-3=0
(x-2)^2+(y+3)^2=16
答 中心 (2,-3)、半径 4
23点 (0,0),\ (4,0),\ (0,2) を通る円の方程式を求めよ。
解答
x^2+y^2+lx+my+n=0 に代入
(0,0): n=0 (4,0): 16+4l=0、l=-4 (0,2): 4+2m=0、m=-2
x^2+y^2-4x-2y=0、すなわち 答 (x-2)^2+(y-1)^2=5
注意平方完成した後、右辺に r^2>0 が残るか確認。\le 0 なら円を表さない。
着眼点判別式より「中心と直線の距離 d と半径 r の比較」が速い。弦の長さは三平方。
\text{弦の長さ}=2\sqrt{r^2-d^2}
| d と r | 位置関係 |
|---|
| d<r | 2点で交わる |
| d=r | 接する |
| d>r | 共有点なし |
例題
1円 x^2+y^2=5 と直線 y=2x+k が接するような k を求めよ。
解答
直線は 2x-y+k=0。中心 (0,0) との距離 \dfrac{|k|}{\sqrt{5}}=\sqrt{5}
|k|=5
答 k=\pm5
2円 x^2+y^2=10 が直線 x+y=2 から切り取る弦の長さを求めよ。
解答
d=\dfrac{|0+0-2|}{\sqrt{2}}=\sqrt{2}
弦 =2\sqrt{10-2}=4\sqrt{2}
(検算: 交点は (3,-1),\ (-1,3)、距離 \sqrt{16+16}=4\sqrt{2})
ポイント交点の座標そのものが必要なときだけ連立して判別式・解の公式に進む。
着眼点円上の点なら公式1本。円外の点からは「接点を (x_1,y_1) とおく」が確実。
x^2+y^2=r^2 \text{ 上の点 }(x_1,y_1)\text{ における接線}: x_1x+y_1y=r^2円外の点 (p,q) から引く接線: 接点 (x_1,y_1) とおき、
①x_1p+y_1q=r^2(接線が (p,q) を通る) ②x_1^2+y_1^2=r^2 を連立。
例題
1円 x^2+y^2=25 上の点 (3,-4) における接線の方程式を求めよ。
解答
答 3x-4y=25
2点 (3,1) から円 x^2+y^2=5 に引いた接線の方程式を求めよ。
解答
接点 (x_1,y_1) とすると接線 x_1x+y_1y=5 が (3,1) を通るので 3x_1+y_1=5
y_1=5-3x_1 を x_1^2+y_1^2=5 に代入: 10x_1^2-30x_1+20=0、(x_1-1)(x_1-2)=0
接点 (1,2),\ (2,-1)
答 x+2y=5,\ 2x-y=5
注意中心が原点でない円は公式が変わる: (x-a)^2+(y-b)^2=r^2 上の点 (x_1,y_1) での接線は (x_1-a)(x-a)+(y_1-b)(y-b)=r^2。
着眼点中心間の距離 d と r_1+r_2,\ |r_1-r_2| を比べる。2円の式を引くと共通弦の直線。
| 条件 | 位置関係 |
|---|
| d>r_1+r_2 | 離れている |
| d=r_1+r_2 | 外接 |
| |r_1-r_2|<d<r_1+r_2 | 2点で交わる |
| d=|r_1-r_2| | 内接 |
| d<|r_1-r_2| | 一方が他方の内部 |
例題
1円 x^2+y^2=4 と円 (x-3)^2+(y-4)^2=r^2(r>0)が接するような r を求めよ。
解答
中心間の距離 d=5
外接: r+2=5 より r=3
内接: |r-2|=5 より r=7
答 r=3,\ 7
22円 x^2+y^2=10,\ x^2+y^2-4x-2y=0 の交点を通る直線の方程式と、交点の座標を求めよ。
解答
辺々引くと 4x+2y=10、直線 2x+y=5
y=5-2x を x^2+y^2=10 に代入: 5x^2-20x+15=0、x=1,\ 3
交点 (1,3),\ (3,-1)(2つ目の円にも代入して 0 を確認)
ポイント一般に f+kg=0(f=0,\ g=0 は2円)は交点を通る円(k=-1 のとき直線)。
軌跡と領域
着眼点求める点を (x,y) とおき、条件を x,y の式に。動く点が別にあるときは、その座標を x,y で表して代入(つなぎの文字を消す)。
- 軌跡を求める点を P(x,y) とおく
- 条件を式にし、他の文字を消去して x,y の関係式にする
- 図形を答える(除外点・範囲があれば書く)
例題
12点 A(-2,0),\ B(4,0) に対して PA:PB=2:1 を満たす点 P の軌跡を求めよ。
解答
P(x,y) とすると PA=2PB、PA^2=4PB^2
(x+2)^2+y^2=4\{(x-4)^2+y^2\}
x^2+4x+4+y^2=4x^2-32x+64+4y^2
3x^2-36x+3y^2+60=0、x^2-12x+y^2+20=0
答 中心 (6,0)、半径 4 の円 (x-6)^2+y^2=16
(検算: AB を 2:1 に内分する点 (2,0)、外分する点 (10,0) がともに円上)
2点 Q が円 x^2+y^2=4 上を動くとき、点 A(4,0) と Q を結ぶ線分の中点 P の軌跡を求めよ。
解答
Q(s,t)、P(x,y) とすると x=\dfrac{s+4}{2},\ y=\dfrac{t}{2}
s=2x-4,\ t=2y を s^2+t^2=4 に代入
(2x-4)^2+4y^2=4、(x-2)^2+y^2=1
答 中心 (2,0)、半径 1 の円
注意答えは「方程式」ではなく「図形」で書く(中心・半径まで)。媒介変数に範囲があると軌跡も一部だけになる。
確認問題
答え
放物線 y=-x^2+2x(頂点 (t,\ -t^2+2t) で t=x を代入)
着眼点境界線をかき、「y> なら上側」「円の式 <r^2 なら内部」。積 AB<0 は「A,B が異符号」で2通りに分ける。
| 不等式 | 領域 |
|---|
| y>f(x) | y=f(x) のグラフの上側 |
| y<f(x) | 下側 |
| (x-a)^2+(y-b)^2<r^2 | 円の内部 |
| (x-a)^2+(y-b)^2>r^2 | 円の外部 |
| AB<0 | 「A>0 かつ B<0」または「A<0 かつ B>0」 |
例題
1連立不等式 y\ge x^2-2,\ y\le x の表す領域を図示する手順を述べよ。
解答
境界の交点: x^2-2=x より x=-1,\ 2、交点 (-1,-1),\ (2,2)
放物線 y=x^2-2 の上側、かつ直線 y=x の下側。
すなわち -1\le x\le2 で放物線と直線にはさまれた部分(境界を含む)
2(y-x)(x^2+y^2-4)\le0 の表す領域を述べよ。
解答
「y\ge x かつ x^2+y^2\le4」または「y\le x かつ x^2+y^2\ge4」
直線 y=x の上側では円の内部、下側では円の外部(境界を含む)
ポイント迷ったら境界上にない点(原点など)を代入して、その点を含む側かどうかで判定する。
注意境界を「含む/含まない」を必ず書き添える。
着眼点求めたい式を =k とおき、その図形(直線・円)が領域と共有点をもつ範囲で k を動かす。
- 領域を図示し、頂点の座標を求める
- ax+by=k とおく(傾き -\dfrac{a}{b} の直線)
- 直線を平行移動し、領域と共有点をもつ範囲で k が最大・最小になる位置を探す(頂点か接点)
例題
1x\ge0,\ y\ge0,\ x+2y\le8,\ 3x+y\le9 のとき、x+y の最大値を求めよ。
解答
頂点: (0,0),\ (3,0),\ (0,4) と x+2y=8,\ 3x+y=9 の交点 (2,3)
x+y=k(傾き -1)は、境界の傾き -\dfrac{1}{2} と -3 の間なので頂点 (2,3) を通るとき最大。
答 最大値 5(x=2,\ y=3)
2x^2+y^2\le5 のとき、2x+y の最大値を求めよ。
解答
2x+y=k が円と共有点をもつ条件: \dfrac{|k|}{\sqrt{5}}\le\sqrt{5}、-5\le k\le5
接点は直線 y=\dfrac{x}{2} 上で (2,1)
答 最大値 5(x=2,\ y=1)
ポイント\dfrac{y}{x} や \dfrac{y-b}{x-a} の最大最小は「点 (a,b) と結ぶ直線の傾き」、x^2+y^2 は「原点からの距離の2乗」と読み替える。
着眼点直線の式を「パラメータ t の方程式」と見て、実数解 t が存在する条件を出す。
点 (x,y) を直線が通る \iff その (x,y) に対して t の方程式が実数解をもつ
例題
1t がすべての実数を動くとき、直線 y=2tx-t^2 が通過する領域を求めよ。
解答
t について整理: t^2-2xt+y=0
実数解 t をもつ条件: \dfrac{D}{4}=x^2-y\ge0
答 y\le x^2(放物線 y=x^2 とその下側)
ポイント不要の理由: 「逆像法」の発想が必要で、共通テストや埼玉大(教育・経済)レベルではほとんど見ない。例外: 難関大・理系二次志望なら、t の範囲が制限された版(解の配置に帰着)まで練習する。
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三角関数
弧度法と単位円から、加法定理・倍角・合成、方程式・不等式・最大最小まで。
弧度法と単位円
着眼点180^\circ=\pi だけ覚えれば変換できる。扇形の公式は弧度法でしか使えない。
180^\circ=\pi \text{ ラジアン},\qquad 1^\circ=\frac{\pi}{180}半径 r、中心角 \theta(ラジアン)の扇形:
\text{弧の長さ } l=r\theta,\qquad \text{面積 } S=\frac{1}{2}r^2\theta=\frac{1}{2}rl 例題
1150^\circ を弧度法で、\dfrac{7}{4}\pi を度数法で表せ。
解答
150\times\dfrac{\pi}{180}=\dfrac{5}{6}\pi
\dfrac{7}{4}\times180^\circ=315^\circ
2半径 6、中心角 \dfrac{\pi}{3} の扇形の弧の長さと面積を求めよ。
解答
l=6\cdot\dfrac{\pi}{3}=2\pi
S=\dfrac{1}{2}\cdot6^2\cdot\dfrac{\pi}{3}=6\pi
着眼点単位円上の点の x 座標が \cos、y 座標が \sin、傾きが \tan。値は覚えるより単位円で読む。
動径と単位円の交点を (x,y) とすると \cos\theta=x,\ \sin\theta=y,\ \tan\theta=\dfrac{y}{x}
\sin^2\theta+\cos^2\theta=1,\qquad 1+\tan^2\theta=\frac{1}{\cos^2\theta}- \sin(-\theta)=-\sin\theta,\ \cos(-\theta)=\cos\theta
- \sin(\theta+\pi)=-\sin\theta,\ \cos(\theta+\pi)=-\cos\theta
- \sin\left(\dfrac{\pi}{2}-\theta\right)=\cos\theta,\ \cos\left(\dfrac{\pi}{2}-\theta\right)=\sin\theta
| \theta | 0 | \frac{\pi}{6} | \frac{\pi}{4} | \frac{\pi}{3} | \frac{\pi}{2} | \frac{2}{3}\pi | \frac{3}{4}\pi | \frac{5}{6}\pi | \pi |
|---|
| \sin | 0 | \frac{1}{2} | \frac{\sqrt{2}}{2} | \frac{\sqrt{3}}{2} | 1 | \frac{\sqrt{3}}{2} | \frac{\sqrt{2}}{2} | \frac{1}{2} | 0 |
| \cos | 1 | \frac{\sqrt{3}}{2} | \frac{\sqrt{2}}{2} | \frac{1}{2} | 0 | -\frac{1}{2} | -\frac{\sqrt{2}}{2} | -\frac{\sqrt{3}}{2} | -1 |
| \tan | 0 | \frac{1}{\sqrt{3}} | 1 | \sqrt{3} | なし | -\sqrt{3} | -1 | -\frac{1}{\sqrt{3}} | 0 |
例題
1\sin\dfrac{11}{6}\pi,\ \cos\dfrac{4}{3}\pi,\ \tan\left(-\dfrac{\pi}{3}\right) の値を求めよ。
解答
\dfrac{11}{6}\pi は第4象限で基準角 \dfrac{\pi}{6}: \sin\dfrac{11}{6}\pi=-\dfrac{1}{2}
\dfrac{4}{3}\pi は第3象限で基準角 \dfrac{\pi}{3}: \cos\dfrac{4}{3}\pi=-\dfrac{1}{2}
\tan\left(-\dfrac{\pi}{3}\right)=-\tan\dfrac{\pi}{3}=-\sqrt{3}
2\dfrac{\pi}{2}<\theta<\pi、\sin\theta=\dfrac{3}{5} のとき \cos\theta,\ \tan\theta を求めよ。
解答
\cos^2\theta=1-\dfrac{9}{25}=\dfrac{16}{25}。第2象限なので \cos\theta<0
\cos\theta=-\dfrac{4}{5}、\tan\theta=\dfrac{3/5}{-4/5}=-\dfrac{3}{4}
注意\cos^2\theta から \cos\theta を出すとき、象限で符号を決めるのを忘れない。
着眼点y=a\sin(b\theta-c) は必ず a\sin b\left(\theta-\dfrac{c}{b}\right) とくくって平行移動量を読む。
- y=\sin\theta,\ y=\cos\theta の周期 2\pi、y=\tan\theta の周期 \pi
- y=a\sin b\theta: 振幅 |a|、周期 \dfrac{2\pi}{|b|}
- y=\sin b(\theta-p): y=\sin b\theta を \theta 軸方向に p 平行移動
例題
1y=2\sin\left(2\theta-\dfrac{\pi}{3}\right) の周期と振幅を答え、y=2\sin2\theta のグラフをどう移動したものか述べよ。
解答
y=2\sin2\left(\theta-\dfrac{\pi}{6}\right)
周期 \dfrac{2\pi}{2}=\pi、振幅 2
y=2\sin2\theta を \theta 軸方向に \dfrac{\pi}{6} 平行移動したもの
2y=\tan\dfrac{\theta}{2} の周期を求めよ。
解答
\tan の周期 \pi を \dfrac{1}{2} で割って 2\pi
注意2\theta-\dfrac{\pi}{3} を見て「\dfrac{\pi}{3} 移動」とするミスが多い。くくり出してから読む。
加法定理とその応用
着眼点\sin は「サインコス・コスサイン」で符号そのまま、\cos は「コスコス・サインサイン」で符号逆。
\sin(\alpha\pm\beta)=\sin\alpha\cos\beta\pm\cos\alpha\sin\beta\cos(\alpha\pm\beta)=\cos\alpha\cos\beta\mp\sin\alpha\sin\beta\tan(\alpha\pm\beta)=\frac{\tan\alpha\pm\tan\beta}{1\mp\tan\alpha\tan\beta}
例題
1\sin75^\circ と \tan15^\circ の値を求めよ。
解答
\sin75^\circ=\sin(45^\circ+30^\circ)=\dfrac{\sqrt{2}}{2}\cdot\dfrac{\sqrt{3}}{2}+\dfrac{\sqrt{2}}{2}\cdot\dfrac{1}{2}=\dfrac{\sqrt{6}+\sqrt{2}}{4}
\tan15^\circ=\tan(45^\circ-30^\circ)=\dfrac{1-\frac{1}{\sqrt{3}}}{1+\frac{1}{\sqrt{3}}}=\dfrac{\sqrt{3}-1}{\sqrt{3}+1}=\dfrac{(\sqrt{3}-1)^2}{2}=2-\sqrt{3}
2\alpha,\beta は鋭角で \sin\alpha=\dfrac{3}{5},\ \cos\beta=\dfrac{5}{13} のとき、\sin(\alpha+\beta),\ \cos(\alpha+\beta) を求めよ。
解答
鋭角なので \cos\alpha=\dfrac{4}{5},\ \sin\beta=\dfrac{12}{13}
\sin(\alpha+\beta)=\dfrac{3}{5}\cdot\dfrac{5}{13}+\dfrac{4}{5}\cdot\dfrac{12}{13}=\dfrac{15+48}{65}=\dfrac{63}{65}
\cos(\alpha+\beta)=\dfrac{4}{5}\cdot\dfrac{5}{13}-\dfrac{3}{5}\cdot\dfrac{12}{13}=\dfrac{20-36}{65}=-\dfrac{16}{65}
(検算: 63^2+16^2=3969+256=4225=65^2)
着眼点傾き m=\tan\theta と読み替え、\tan の加法定理で角の差を出す。
傾き m_1,m_2 の2直線のなす鋭角 \theta:
\tan\theta=\left|\frac{m_1-m_2}{1+m_1m_2}\right|\quad(m_1m_2\neq-1)例題
12直線 y=3x,\ y=\dfrac{1}{2}x のなす鋭角を求めよ。
解答
\tan\theta=\left|\dfrac{3-\frac{1}{2}}{1+\frac{3}{2}}\right|=\dfrac{5/2}{5/2}=1
答 \dfrac{\pi}{4}
2直線 y=2x と \dfrac{\pi}{4} の角をなす直線の傾き m を求めよ。
解答
\left|\dfrac{m-2}{1+2m}\right|=1 より m-2=\pm(1+2m)
m-2=1+2m のとき m=-3
m-2=-1-2m のとき m=\dfrac{1}{3}
答 m=-3,\ \dfrac{1}{3}
着眼点\cos2\alpha は3通りの形を使い分ける(\sin だけにしたい・\cos だけにしたい)。半角は \cos2\alpha の式の変形。
\sin2\alpha=2\sin\alpha\cos\alpha\cos2\alpha=\cos^2\alpha-\sin^2\alpha=1-2\sin^2\alpha=2\cos^2\alpha-1\sin^2\frac{\alpha}{2}=\frac{1-\cos\alpha}{2},\qquad \cos^2\frac{\alpha}{2}=\frac{1+\cos\alpha}{2}
例題
10<\alpha<\dfrac{\pi}{2}、\sin\alpha=\dfrac{1}{3} のとき、\sin2\alpha,\ \cos2\alpha を求めよ。
解答
\cos\alpha=\sqrt{1-\dfrac{1}{9}}=\dfrac{2\sqrt{2}}{3}
\sin2\alpha=2\cdot\dfrac{1}{3}\cdot\dfrac{2\sqrt{2}}{3}=\dfrac{4\sqrt{2}}{9}
\cos2\alpha=1-2\cdot\dfrac{1}{9}=\dfrac{7}{9}
(検算: \dfrac{32}{81}+\dfrac{49}{81}=1)
2\sin\dfrac{\pi}{8} の値を求めよ。
解答
\sin^2\dfrac{\pi}{8}=\dfrac{1-\cos\frac{\pi}{4}}{2}=\dfrac{2-\sqrt{2}}{4}
\sin\dfrac{\pi}{8}>0 より \sin\dfrac{\pi}{8}=\dfrac{\sqrt{2-\sqrt{2}}}{2}
ポイント3倍角は加法定理+2倍角で作れる: \sin3\alpha=3\sin\alpha-4\sin^3\alpha、\cos3\alpha=4\cos^3\alpha-3\cos\alpha。
着眼点(a,b) を座標とみて、原点からの距離 \sqrt{a^2+b^2} と角 \alpha を読む。最大最小は角の範囲を必ず書き出す。
a\sin\theta+b\cos\theta=\sqrt{a^2+b^2}\,\sin(\theta+\alpha)ただし \cos\alpha=\dfrac{a}{\sqrt{a^2+b^2}},\ \sin\alpha=\dfrac{b}{\sqrt{a^2+b^2}}(点 (a,b) の偏角が \alpha)
例題
1\sin\theta+\sqrt{3}\cos\theta を r\sin(\theta+\alpha) の形にせよ(r>0,\ -\pi<\alpha\le\pi)。
解答
点 (1,\sqrt{3}): 距離 2、偏角 \dfrac{\pi}{3}
答 2\sin\left(\theta+\dfrac{\pi}{3}\right)
20\le\theta\le\pi のとき、y=\sin\theta-\sqrt{3}\cos\theta の最大値・最小値を求めよ。
解答
点 (1,-\sqrt{3}): 距離 2、偏角 -\dfrac{\pi}{3} より y=2\sin\left(\theta-\dfrac{\pi}{3}\right)
-\dfrac{\pi}{3}\le\theta-\dfrac{\pi}{3}\le\dfrac{2}{3}\pi より -\dfrac{\sqrt{3}}{2}\le\sin\left(\theta-\dfrac{\pi}{3}\right)\le1
答 最大値 2(\theta=\dfrac{5}{6}\pi)、最小値 -\sqrt{3}(\theta=0)
注意範囲を書かずに「最小値 -2」とするミスが多い。\theta+\alpha の範囲を単位円にかいて確認。
着眼点加法定理の2式を足し引きして作る。覚えずに導けばよい。
\sin\alpha\cos\beta=\frac{1}{2}\{\sin(\alpha+\beta)+\sin(\alpha-\beta)\}\sin A+\sin B=2\sin\frac{A+B}{2}\cos\frac{A-B}{2}
例題
1\sin75^\circ\cos15^\circ の値を求めよ。
解答
\dfrac{1}{2}\{\sin90^\circ+\sin60^\circ\}=\dfrac{1}{2}\left(1+\dfrac{\sqrt{3}}{2}\right)=\dfrac{2+\sqrt{3}}{4}
(検算: \sin75^\circ=\cos15^\circ=\dfrac{\sqrt{6}+\sqrt{2}}{4} の2乗 =\dfrac{8+4\sqrt{3}}{16} と一致)
ポイント不要の理由: 教科書では発展扱いのことが多く、文系の共通テスト〜埼玉大(教育・経済)レベルでは加法定理・合成で足りる。例外: 理系は数学Ⅲの積分(\sin mx\cos nx など)で積→和が必須。
方程式・不等式・最大最小
着眼点単位円で角を読む。2\theta+\alpha などは置き換えて範囲も変換してから解く。
- \sin\theta=k → 直線 y=k と単位円の交点、\cos\theta=k → 直線 x=k との交点
- t=b\theta+c とおいたら t の範囲を出す
- 範囲内の t をすべて挙げ、\theta に戻す
例題
10\le\theta<2\pi のとき、2\cos\theta+\sqrt{3}=0 を解け。
解答
\cos\theta=-\dfrac{\sqrt{3}}{2}
答 \theta=\dfrac{5}{6}\pi,\ \dfrac{7}{6}\pi
20\le\theta<\pi のとき、\sin\left(2\theta+\dfrac{\pi}{3}\right)=\dfrac{1}{2} を解け。
解答
t=2\theta+\dfrac{\pi}{3} とおくと \dfrac{\pi}{3}\le t<\dfrac{7}{3}\pi
\sin t=\dfrac{1}{2} より t=\dfrac{5}{6}\pi,\ \dfrac{13}{6}\pi(\dfrac{\pi}{6} は範囲外)
2\theta=t-\dfrac{\pi}{3}=\dfrac{\pi}{2},\ \dfrac{11}{6}\pi
答 \theta=\dfrac{\pi}{4},\ \dfrac{11}{12}\pi
注意範囲が1周を超える(例題2は \dfrac{\pi}{3} から \dfrac{7}{3}\pi まで)と、2周目の解 \dfrac{13}{6}\pi を落としやすい。
着眼点等号で解いて境界の角を出し、単位円で「どちら側か」を読む。2次式なら先に \sin\theta の範囲を出す。
例題
10\le\theta<2\pi のとき、\sin\theta>\dfrac{1}{2} を解け。
解答
\sin\theta=\dfrac{1}{2} となるのは \theta=\dfrac{\pi}{6},\ \dfrac{5}{6}\pi
直線 y=\dfrac{1}{2} より上の弧なので 答 \dfrac{\pi}{6}<\theta<\dfrac{5}{6}\pi
20\le\theta<2\pi のとき、2\cos^2\theta+3\sin\theta-3<0 を解け。
解答
\cos^2\theta=1-\sin^2\theta より -2\sin^2\theta+3\sin\theta-1<0
2\sin^2\theta-3\sin\theta+1>0、(2\sin\theta-1)(\sin\theta-1)>0
\sin\theta<\dfrac{1}{2} または \sin\theta>1(後者は不適)
答 0\le\theta<\dfrac{\pi}{6},\ \dfrac{5}{6}\pi<\theta<2\pi
注意0\le\theta<2\pi で下側の弧を答えるとき、\theta=0 をまたぐので2つの区間に分かれる。
着眼点\sin か \cos の1種類にそろえて t とおく。t の範囲(-1\le t\le1 など)を書いてから2次関数の最大最小。
- \cos^2\theta と \sin\theta の混在 → \cos^2\theta=1-\sin^2\theta
- \cos2\theta と \cos\theta の混在 → \cos2\theta=2\cos^2\theta-1
- \cos2\theta と \sin\theta の混在 → \cos2\theta=1-2\sin^2\theta
例題
10\le\theta<2\pi のとき、y=\cos^2\theta+2\sin\theta の最大値・最小値を求めよ。
解答
t=\sin\theta(-1\le t\le1)とおくと y=1-t^2+2t=-(t-1)^2+2
t=1 で最大 2、t=-1 で最小 -2
答 最大値 2(\theta=\dfrac{\pi}{2})、最小値 -2(\theta=\dfrac{3}{2}\pi)
20\le\theta<2\pi のとき、y=\cos2\theta+2\cos\theta の最大値・最小値を求めよ。
解答
t=\cos\theta(-1\le t\le1)とおくと y=2t^2-1+2t=2\left(t+\dfrac{1}{2}\right)^2-\dfrac{3}{2}
最小: t=-\dfrac{1}{2} で -\dfrac{3}{2}(\theta=\dfrac{2}{3}\pi,\ \dfrac{4}{3}\pi)
最大: 軸から遠い t=1 で 2+2-1=3(\theta=0)
答 最大値 3、最小値 -\dfrac{3}{2}
注意最後に \theta の値まで答える問題が多い。t のままで止めない。
差がつくt=\sin\theta+\cos\theta の置き換え
着眼点\sin\theta+\cos\theta と \sin\theta\cos\theta が両方あったらこの置換。t の範囲は合成で出す。
t=\sin\theta+\cos\theta=\sqrt{2}\sin\left(\theta+\frac{\pi}{4}\right),\qquad \sin\theta\cos\theta=\frac{t^2-1}{2}\theta に制限がなければ -\sqrt{2}\le t\le\sqrt{2}
例題
1t=\sin\theta+\cos\theta のとき、\sin\theta\cos\theta を t で表せ。
解答
t^2=\sin^2\theta+2\sin\theta\cos\theta+\cos^2\theta=1+2\sin\theta\cos\theta
答 \sin\theta\cos\theta=\dfrac{t^2-1}{2}
20\le\theta<2\pi のとき、y=\sin\theta+\cos\theta+\sin\theta\cos\theta の最大値・最小値を求めよ。
解答
y=t+\dfrac{t^2-1}{2}=\dfrac{1}{2}(t+1)^2-1、-\sqrt{2}\le t\le\sqrt{2}
最小: t=-1 で -1
最大: t=\sqrt{2} で \dfrac{1}{2}(\sqrt{2}+1)^2-1=\dfrac{1+2\sqrt{2}}{2}(\theta=\dfrac{\pi}{4})
答 最大値 \dfrac{1}{2}+\sqrt{2}、最小値 -1
(検算: \theta=\dfrac{\pi}{4} で \sqrt{2}+\dfrac{1}{2}、\theta=\pi で -1)
着眼点\sin^2,\ \sin\cos,\ \cos^2 だけの式は、半角の公式で 2\theta の1次式にしてから合成。
\sin^2\theta=\frac{1-\cos2\theta}{2},\quad \sin\theta\cos\theta=\frac{\sin2\theta}{2},\quad \cos^2\theta=\frac{1+\cos2\theta}{2}
例題
1y=\sin^2\theta+2\sin\theta\cos\theta+3\cos^2\theta を 2\theta の式で表せ。
解答
y=\dfrac{1-\cos2\theta}{2}+\sin2\theta+\dfrac{3(1+\cos2\theta)}{2}
=2+\sin2\theta+\cos2\theta
2上の y の最大値・最小値を求めよ(\theta は任意の実数)。
解答
y=2+\sqrt{2}\sin\left(2\theta+\dfrac{\pi}{4}\right)
答 最大値 2+\sqrt{2}(\theta=\dfrac{\pi}{8} など)、最小値 2-\sqrt{2}
(検算: \theta=\dfrac{\pi}{8} で \sin^2+3\cos^2=1+2\cos^2\dfrac{\pi}{8}=2+\dfrac{\sqrt{2}}{2}、これに 2\sin\dfrac{\pi}{8}\cos\dfrac{\pi}{8}=\dfrac{\sqrt{2}}{2} を足して 2+\sqrt{2})
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指数・対数関数
底をそろえる・置き換えたら範囲・真数条件。この3つで指数対数の計算問題はほぼ片づく。
指数の拡張
着眼点累乗根はすべて分数の指数に直し、底を素数にそろえてから指数の足し引きで計算する。
a>0,\ b>0、r,s は有理数のとき
a^r a^s=a^{r+s},\quad (a^r)^s=a^{rs},\quad (ab)^r=a^r b^r
a^0=1,\quad a^{-n}=\frac{1}{a^n},\quad a^{\frac{m}{n}}=\sqrt[n]{a^m}例題
1\sqrt[3]{4}\times\sqrt[6]{16}\div\sqrt{2} を計算せよ。
解答
底を2にそろえる。\sqrt[3]{4}=2^{\frac{2}{3}}、\sqrt[6]{16}=2^{\frac{4}{6}}=2^{\frac{2}{3}}、\sqrt{2}=2^{\frac{1}{2}}。
2^{\frac{2}{3}+\frac{2}{3}-\frac{1}{2}}=2^{\frac{5}{6}}
答 \sqrt[6]{32}(=2^{\frac{5}{6}})
2x^{\frac{1}{2}}+x^{-\frac{1}{2}}=3 のとき、x+x^{-1} と x^{\frac{3}{2}}+x^{-\frac{3}{2}} の値を求めよ。
解答
a=x^{\frac{1}{2}},\ b=x^{-\frac{1}{2}} とおくと a+b=3,\ ab=1。
x+x^{-1}=a^2+b^2=(a+b)^2-2ab=9-2=7
x^{\frac{3}{2}}+x^{-\frac{3}{2}}=a^3+b^3=(a+b)^3-3ab(a+b)=27-9=18
答 7,\ 18
ポイント「和と積が分かる2数」に見えたら対称式の公式(a^2+b^2、a^3+b^3)に持ち込む。
注意\sqrt[n]{a^m} は a^{\frac{m}{n}}。分母と分子を逆にする誤りが多い。(a^r)^s と a^{r^s} も別物。
確認問題
答え
(3^3)^{\frac{2}{3}}=3^2=9
2\left(\frac{1}{8}\right)^{-\frac{1}{3}}
答え
(2^{-3})^{-\frac{1}{3}}=2^1=2
着眼点底がそろうなら指数で比べる。そろわないなら、全部を同じ回数だけ累乗して根号を外す。
- a>1 のとき p<q \iff a^p<a^q(増加)
- 0<a<1 のとき p<q \iff a^p>a^q(減少・向きが逆)
- 根号の次数がばらばらなら、最小公倍数乗する。
例題
12^{-1},\ \left(\frac{1}{2}\right)^{3},\ 4^{\frac{1}{3}} を小さい順に並べよ。
解答
底を2に:2^{-1},\ 2^{-3},\ 2^{\frac{2}{3}}。底 2>1 なので指数の小さい順。
答 \left(\frac{1}{2}\right)^{3}<2^{-1}<4^{\frac{1}{3}}
2\sqrt{3},\ \sqrt[3]{5},\ \sqrt[6]{26} を小さい順に並べよ。
解答
どれも正なので6乗して比べる。
(\sqrt{3})^6=27,\ (\sqrt[3]{5})^6=25,\ (\sqrt[6]{26})^6=26
答 \sqrt[3]{5}<\sqrt[6]{26}<\sqrt{3}
注意累乗して比べてよいのは全部正のときだけ。負の数が混じったら先に符号で分ける。
確認問題
12^{30} と 3^{20} はどちらが大きいか。
答え
2^{30}=8^{10}、3^{20}=9^{10} なので 3^{20} が大きい(指数を10でくくってそろえる)。
指数関数の方程式・不等式
着眼点両辺を同じ底の累乗にして、指数どうしを比べる。底が1より小さいときは不等号の向きが逆。
a^p=a^q \iff p=q
a>1:\ a^p<a^q \iff p<q \qquad 0<a<1:\ a^p<a^q \iff p>q
例題
解答
2^{3x}=2^{2(x+1)} より 3x=2x+2。
答 x=2
2不等式 \left(\frac{1}{3}\right)^{x}>9 を解け。
解答
3^{-x}>3^{2}。底 3>1 なので -x>2。
答 x<-2
(底 \frac{1}{3} のまま解くなら \left(\frac{1}{3}\right)^x>\left(\frac{1}{3}\right)^{-2} より x<-2。向きが逆になる。)
ポイント迷ったら底を1より大きい数(2、3など)にそろえると、不等号の向きを変えずに済む。
確認問題
2\left(\frac{1}{2}\right)^{x-1}\le 4
答え
2^{1-x}\le 2^2 より 1-x\le 2、x\ge -1
着眼点4^x と 2^x が混ざっていたら t=2^x。置いた瞬間に「t>0」と書く。
4^x=(2^x)^2=t^2、2^{x+1}=2t、2^{-x}=\frac{1}{t}。
2次方程式の解のうち t\le 0 のものは捨てる。
例題
1方程式 4^x-3\cdot 2^{x+1}+8=0 を解け。
解答
t=2^x\ (t>0) とおくと t^2-6t+8=0、(t-2)(t-4)=0。
t=2,4(どちらも t>0 を満たす)。2^x=2 より x=1、2^x=4 より x=2。
答 x=1,2
2不等式 9^x-4\cdot 3^x+3<0 を解け。
解答
t=3^x\ (t>0) とおくと t^2-4t+3<0、(t-1)(t-3)<0 より 1<t<3。
3^0<3^x<3^1、底 3>1 なので
答 0<x<1
注意t>0 を書き忘れると、負の解 t から存在しない x を作ってしまう。
確認問題
答え
t^2-t-2=0、t=2,-1。t>0 より t=2、x=1
差がつくa^x+a^{-x} を置き換える最大・最小
着眼点t=a^x+a^{-x} と置くと相加相乗平均で t\ge 2。a^{2x}+a^{-2x}=t^2-2 で2次関数になる。
t=a^x+a^{-x}\ge 2\sqrt{a^x\cdot a^{-x}}=2\quad(\text{等号は } x=0)
a^{2x}+a^{-2x}=t^2-2
例題
1y=4^x+4^{-x}-2(2^x+2^{-x}) の最小値と、そのときの x を求めよ。
解答
t=2^x+2^{-x} とおくと、相加相乗平均より t\ge 2(等号は x=0)。
4^x+4^{-x}=t^2-2 なので
y=t^2-2-2t=(t-1)^2-3
t\ge 2 の範囲では t が大きいほど y は大きいので、t=2 で最小。y=1-3=-2。
答 最小値 -2(x=0)
注意t の範囲を t>0 としてしまうと、軸 t=1 で最小と誤る。必ず t\ge 2。
差がつく底が文字のときは a>1 と 0<a<1 で場合分け
着眼点底が文字なら、不等式の向きが決まらない。必ず2通りに分けて答える。
例題
1a>0,\ a\ne 1 とする。不等式 a^{2x-1}<a^{x+2} を解け。
解答
a>1 のとき:2x-1<x+2 より x<3。
0<a<1 のとき:向きが逆で 2x-1>x+2 より x>3。
答 a>1 なら x<3、0<a<1 なら x>3
2a>0,\ a\ne 1 とする。不等式 \log_a(x-1)<\log_a(5-x) を解け。
解答
真数条件:x>1 かつ x<5 より 1<x<5。
a>1 のとき:x-1<5-x より x<3。条件と合わせて 1<x<3。
0<a<1 のとき:x-1>5-x より x>3。条件と合わせて 3<x<5。
答 a>1 なら 1<x<3、0<a<1 なら 3<x<5
対数
着眼点定義は「a^p=M \iff p=\log_a M」。底がばらばらなら底の変換公式で1つにそろえる。
a>0,\ a\ne1,\ M>0,\ N>0 のとき
\log_a MN=\log_a M+\log_a N,\quad \log_a\frac{M}{N}=\log_a M-\log_a N,\quad \log_a M^k=k\log_a M
\log_a b=\frac{\log_c b}{\log_c a}\ (\text{底の変換}),\qquad \log_a b\cdot\log_b a=1
\log_a 1=0,\quad \log_a a=1,\quad a^{\log_a M}=M例題
12\log_3 6-\log_3 4 を計算せよ。
解答
\log_3 36-\log_3 4=\log_3\frac{36}{4}=\log_3 9
答 2
2\log_4 9\cdot\log_3 8 を計算せよ。
解答
底を2にそろえる。\log_4 9=\frac{\log_2 9}{\log_2 4}=\frac{2\log_2 3}{2}=\log_2 3、\log_3 8=\frac{3}{\log_2 3}。
積は \log_2 3\cdot\frac{3}{\log_2 3}
答 3
注意\log_a(M+N) は分解できない。(\log_a M)^2 と \log_a M^2 も別物。
確認問題
答え
\log_3 3^{\frac{3}{2}}=\frac{3}{2}
答え
\frac{\log_2 4}{\log_2 8}=\frac{2}{3}
着眼点最初の1行で真数条件を書く。左辺を1つの \log にまとめ、底をそろえて真数どうしを比べる。
- 真数条件(真数 >0、底が文字なら底の条件も)
- \log_a(\ \ )=\log_a(\ \ ) の形にまとめる(定数 c は \log_a a^c)
- 真数を比べる。底 <1 なら不等号は逆
- 真数条件と合わせる
例題
1方程式 \log_2(x-1)+\log_2(x+2)=2 を解け。
解答
真数条件:x>1。
\log_2(x-1)(x+2)=\log_2 4 より (x-1)(x+2)=4、x^2+x-6=0、(x+3)(x-2)=0。
x>1 より
答 x=2
2不等式 \log_{\frac{1}{2}}(x-1)>\log_{\frac{1}{2}}(3-x) を解け。
解答
真数条件:x>1 かつ x<3。
底 \frac{1}{2}<1 なので向きが逆:x-1<3-x より x<2。
答 1<x<2
注意真数条件を後回しにすると、まとめた後の式 (x-1)(x+2)>0 のようなゆるい条件で判断してしまい、余計な解が残る。
確認問題
答え
真数条件 x>2。x(x-2)=3、x=3,-1。答 x=3
着眼点(\log_2 x)^2 が見えたら t=\log_2 x。x の範囲を t の範囲に直してから2次関数として扱う。
例題
11\le x\le 16 のとき、y=(\log_2 x)^2-\log_2 x^4+1 の最大値・最小値を求めよ。
解答
t=\log_2 x とおくと 0\le t\le 4。\log_2 x^4=4t なので
y=t^2-4t+1=(t-2)^2-3
最小:t=2(x=4)で -3。
最大:t=0,4 で 1(x=1,16)。
答 最大値 1(x=1,16)、最小値 -3(x=4)
注意\log_2 x^4 は 4\log_2 x、(\log_2 x)^4 ではない。答えは t でなく x で書く。
差がつくa^x=b^y=c^z 型は全体の対数をとる
着眼点「=k」とおいて各辺の対数をとり、x,y,z を \log で表してから代入する。
例題
12^x=3^y=6^z\ (xyz\ne 0) のとき、\frac{1}{x}+\frac{1}{y}=\frac{1}{z} を示せ。
解答
2^x=3^y=6^z=k とおく。xyz\ne0 より k\ne1、また k>0。
常用対数をとると x\log_{10}2=y\log_{10}3=z\log_{10}6=\log_{10}k\ (\ne 0)。
\frac{1}{x}+\frac{1}{y}=\frac{\log_{10}2+\log_{10}3}{\log_{10}k}=\frac{\log_{10}6}{\log_{10}k}=\frac{1}{z}
(証明終)
確認問題
12^x=5^y=100 のとき \frac{1}{x}+\frac{1}{y}
答え
x=\frac{2}{\log_{10}2}、y=\frac{2}{\log_{10}5} より \frac{\log_{10}2+\log_{10}5}{2}=\frac{1}{2}
常用対数
着眼点\log_{10}N の整数部分で桁数、小数部分で最高位の数字が決まる。
- N が n 桁 \iff 10^{n-1}\le N<10^n \iff n-1\le\log_{10}N<n
- 0<N<1 が小数第 n 位に初めて0でない数字 \iff 10^{-n}\le N<10^{-n+1}
- 最高位:\log_{10}N の小数部分を \log_{10}2,\log_{10}3,\dots と比べる
| 数 | 常用対数(近似値) |
|---|
| \log_{10}2 | 0.3010 |
| \log_{10}3 | 0.4771 |
| \log_{10}4 | 0.6020 |
| \log_{10}5=1-\log_{10}2 | 0.6990 |
| \log_{10}6 | 0.7781 |
| \log_{10}7 | 0.8451 |
例題
1\log_{10}2=0.3010,\ \log_{10}3=0.4771 とする。6^{20} は何桁の数か。また最高位の数字を求めよ。
解答
\log_{10}6^{20}=20(0.3010+0.4771)=15.562
15\le 15.562<16 より16桁。
6^{20}=10^{15}\times10^{0.562}。\log_{10}3=0.4771<0.562<0.6020=\log_{10}4 より 3<10^{0.562}<4。
答 16桁、最高位の数字は 3
2同じ条件で、\left(\frac{1}{3}\right)^{30} は小数第何位に初めて0でない数字が現れるか。
解答
\log_{10}\left(\frac{1}{3}\right)^{30}=-30\times0.4771=-14.313
-15\le -14.313<-14 より 10^{-15}\le\left(\frac{1}{3}\right)^{30}<10^{-14}。
答 小数第15位
注意負のとき「-14.313 だから14位」としがち。10^{-15}\le N<10^{-14} の形に直して判断する。
確認問題
12^{50} の桁数(\log_{10}2=0.3010)
答え
50\times0.3010=15.05 より16桁
着眼点両辺の常用対数をとって1次不等式にする。\log_{10}(\text{1未満の数})<0 で割るときは向きが逆。
例題
11.5^n>100 となる最小の自然数 n を求めよ(\log_{10}2=0.3010,\ \log_{10}3=0.4771)。
解答
\log_{10}1.5=\log_{10}\frac{3}{2}=0.4771-0.3010=0.1761。
0.1761n>2 より n>11.35\cdots。
答 n=12
2同じ条件で、0.9^n<0.1 となる最小の自然数 n を求めよ。
解答
\log_{10}0.9=2\log_{10}3-1=-0.0458。
-0.0458n<-1 より(負で割るので向きが逆)n>21.8\cdots。
答 n=22
ポイント1.5=\frac{3}{2}、0.9=\frac{9}{10}、1.2=\frac{12}{10} のように、2・3・5・10 の積と商に直すのが第一手。
着眼点「0.3<\log_{10}2<\frac{1}{3} を示せ」のように、近似値を与えずに評価させる問題。
例:2^{10}=1024>10^3 から \log_{10}2>0.3、2^3=8<10 から \log_{10}2<\frac{1}{3}。
ポイント後回しでよい理由:共通テスト〜地方国公立では近似値が与えられるのが普通。例外:旧帝大・難関国立(理系)志望なら一度は触れておく。
📉
微分法(数Ⅱ)
導関数→増減表→グラフ。接線・最大最小・実数解の個数・不等式の証明は、すべて増減表の読み方の違い。
導関数
着眼点x^n は「指数を前に出して1つ下げる」。展開しにくい (ax+b)^n はそのまま微分してよい。
(x^n)'=nx^{n-1},\quad (c)'=0,\quad \{kf(x)+lg(x)\}'=kf'(x)+lg'(x)
\{(ax+b)^n\}'=na(ax+b)^{n-1}
f'(a) は「導関数 f'(x) に x=a を代入」したもの(x=a における微分係数)。
例題
1f(x)=2x^3-3x^2+5x-1 のとき、f'(x) と f'(1) を求めよ。
解答
f'(x)=6x^2-6x+5
f'(1)=6-6+5=5
答 f'(x)=6x^2-6x+5,\ f'(1)=5
2f(x)=x^3+ax^2+bx が f(1)=0,\ f'(1)=-2 を満たすとき、a,b を求めよ。
解答
f'(x)=3x^2+2ax+b。
f(1)=1+a+b=0、f'(1)=3+2a+b=-2。
辺々引いて 2+a=-2 より a=-4、b=3。
答 a=-4,\ b=3
注意定数項の微分は 0。(x^3)'=3x^2 を 3x^3 と書く写し間違いが多い。
確認問題
答え
3\cdot2(2x-1)^2=6(2x-1)^2(展開して 24x^2-24x+6 と一致)
着眼点\frac{f(a+\square)-f(a)}{\square} の形(\square がそろう形)を作れば f'(a) に置き換えられる。
f'(a)=\lim_{h\to0}\frac{f(a+h)-f(a)}{h}=\lim_{x\to a}\frac{f(x)-f(a)}{x-a}
例題
1定義に従って、f(x)=x^2 の導関数を求めよ。
解答
\lim_{h\to0}\frac{(x+h)^2-x^2}{h}=\lim_{h\to0}\frac{2xh+h^2}{h}=\lim_{h\to0}(2x+h)=2x答 f'(x)=2x
2\displaystyle\lim_{h\to0}\frac{f(a+3h)-f(a-h)}{h} を f'(a) で表せ。
解答
間に f(a) を引いて足す。
\frac{f(a+3h)-f(a)}{3h}\cdot3+\frac{f(a-h)-f(a)}{-h}\cdot1\ \to\ 3f'(a)+f'(a)
答 4f'(a)
注意「定義に従って」と言われたら公式 (x^n)'=nx^{n-1} で答えると0点になりうる。極限の計算を書く。
接線
着眼点接点の x 座標が分かっているなら、f(a) と f'(a) を出して公式に入れるだけ。
y=f(x) 上の点 (a,f(a)) における
\text{接線}:\ y-f(a)=f'(a)(x-a)
\text{法線}:\ y-f(a)=-\frac{1}{f'(a)}(x-a)\quad (f'(a)\ne0)例題
1曲線 y=x^3-3x 上の点 (2,2) における接線の方程式を求めよ。
解答
y'=3x^2-3 より f'(2)=9。
y-2=9(x-2)
答 y=9x-16
確認問題
答え
f(1)=-3,\ f'(1)=-2。法線の傾き \frac{1}{2}。y=\frac{1}{2}x-\frac{7}{2}
着眼点通る点しか分からないときは、接点を (t,f(t)) とおいて接線を作り、通る点を代入して t を決める。
- 接点 (t,f(t)) での接線 y=f'(t)(x-t)+f(t) を書く
- 通る点 (p,q) を代入して t の方程式を解く
- t を戻して接線を答える
例題
1点 (1,-3) から放物線 y=x^2 に引いた接線の方程式を求めよ。
解答
接点を (t,t^2) とすると接線は y=2t(x-t)+t^2=2tx-t^2。
(1,-3) を通るので -3=2t-t^2、t^2-2t-3=0、(t-3)(t+1)=0。
t=3 のとき y=6x-9、t=-1 のとき y=-2x-1。
答 y=6x-9,\ y=-2x-1
2点 (0,2) から曲線 y=x^3-x に引いた接線の方程式を求めよ。
解答
接点 (t,t^3-t) での接線は y=(3t^2-1)(x-t)+t^3-t=(3t^2-1)x-2t^3。
(0,2) を通るので -2t^3=2、t=-1。
答 y=2x+2
ポイント3次関数では「接線の本数=t の方程式の異なる実数解の個数」。これが実数解の個数の問題(増減表)につながる。
注意点が曲線上にあっても、その点以外で接する接線がありうる。「点 A を通る接線」と「点 A における接線」は別物。
着眼点片方の曲線の接線を接点 s で作り、もう片方とは「連立して重解(判別式 =0)」で接する条件を立てる。
例題
12つの放物線 y=x^2 と y=x^2-4x+8 の共通接線の方程式を求めよ。
解答
y=x^2 上の点 (s,s^2) での接線は y=2sx-s^2。
これが y=x^2-4x+8 に接する:x^2-4x+8=2sx-s^2、すなわち x^2-(2s+4)x+s^2+8=0 が重解。
\frac{D}{4}=(s+2)^2-(s^2+8)=4s-4=0
より s=1。
答 y=2x-1(y=x^2-4x+8 とは x=3 で接する)
ポイント両方とも接点をおいて「傾きが等しい」「y切片が等しい」の連立でもよい。3次関数がからむときはこちらが確実。
増減・極値・グラフ
着眼点f'(x) を因数分解 → 符号を表に → 符号が「+→−」で極大、「−→+」で極小。
- f'(x) を求めて因数分解し、f'(x)=0 の x を出す
- 表に x,\ f'(x),\ f(x) の3段を作り、f'(x) の符号を書く(3次関数なら「x^3 の係数の符号」が右端の符号)
- 極値の y 座標を計算して書き込む
例題
1f(x)=x^3-3x^2-9x+2 の極値を求めよ。
解答
f'(x)=3x^2-6x-9=3(x+1)(x-3)
増減:x<-1 で+、-1<x<3 で−、x>3 で+。
f(-1)=-1-3+9+2=7、f(3)=27-27-27+2=-25
答 極大値 7(x=-1)、極小値 -25(x=3)
解答
f'(x)=4x^3-4x=4x(x+1)(x-1)
符号:x<-1 で−、-1<x<0 で+、0<x<1 で−、x>1 で+。
答 極小値 -1(x=\pm1)、極大値 0(x=0)
注意f'(a)=0 でも符号が変わらなければ極値ではない(例:f(x)=x^3 の x=0)。
着眼点3次関数が極値をもつ \iff f'(x)=0 が異なる2実数解(D>0)。極値から係数を決めたら、最後に増減表で十分性を確認。
- 極値をもつ:f'(x)=0 の判別式 D>0
- 極値をもたない(つねに増加など):D\le0(等号を含む)
- x=a で極値 \Rightarrow f'(a)=0(逆は言えないので確認が要る)
例題
1f(x)=x^3+ax^2+bx+1 が x=1 で極小値 -2 をとるとき、a,b を求めよ。
解答
f'(x)=3x^2+2ax+b。
必要条件:f'(1)=3+2a+b=0、f(1)=2+a+b=-2。
辺々引いて 1+a=2 より a=1、b=-5。
十分性:f'(x)=3x^2+2x-5=(3x+5)(x-1)。x=1 の前後で−から+に変わるので確かに極小で、f(1)=1+1-5+1=-2。
答 a=1,\ b=-5
2f(x)=x^3+ax^2+ax が常に増加するような a の範囲を求めよ。
解答
f'(x)=3x^2+2ax+a\ge0 がすべての x で成り立てばよい。
\frac{D}{4}=a^2-3a\le0 より
答 0\le a\le3
注意「常に増加」は D\le0(D<0 ではない)。D=0 のとき f'(x)=0 になる点は1点だけで、増加は保たれる。
確認問題
1f(x)=x^3+ax^2+3x が極値をもつ a の範囲
答え
\frac{D}{4}=a^2-9>0 より a<-3,\ 3<a
着眼点極値・y切片・(分かれば)x軸との交点の3つを打って、増減表どおりにつなぐ。
- 増減表を書いて極大・極小の点を打つ
- y切片 (0,f(0)) を打つ
- f(x)=0 が因数分解できれば x軸との交点も打つ(極値の x で重解になっていれば、そこで x軸に接する)
| f'(x)=0 の解 | グラフの形(x^3 の係数が正のとき) |
|---|
| 異なる2実数解(D>0) | 山と谷が1つずつ(極大・極小あり) |
| 重解(D=0) | 途中で一瞬水平になるが、ずっと増加 |
| 実数解なし(D<0) | ずっと増加(極値なし) |
例題
1y=-x^3+3x+2 のグラフの概形をかくための情報をそろえよ。
解答
y'=-3x^2+3=-3(x+1)(x-1)。
増減:x<-1 で−、-1<x<1 で+、x>1 で−。
極小 (-1,0)、極大 (1,4)、y切片 (0,2)。
-x^3+3x+2=-(x+1)^2(x-2) より、x=-1 で x軸に接し、x=2 で交わる。
答 極小 (-1,0)・極大 (1,4)・y切片 2・x軸と x=-1(接する)、x=2 で交わる
着眼点極値の差は、極値をとる x の差 \beta-\alpha だけで決まる。解と係数の関係と組むと計算が短い。
f(x)=ax^3+\cdots が x=\alpha,\beta\ (\alpha<\beta) で極値をとるとき
|f(\alpha)-f(\beta)|=\frac{|a|}{2}(\beta-\alpha)^3
理由:f(\alpha)-f(\beta)=-\int_\alpha^\beta f'(x)dx=-3a\int_\alpha^\beta(x-\alpha)(x-\beta)dx=\frac{a}{2}(\beta-\alpha)^3。
また3次関数のグラフは、x=\frac{\alpha+\beta}{2} の点(極大点と極小点の中点)について点対称。
例題
1f(x)=x^3-3x^2-9x+2 の極大値と極小値の差を、公式で求めよ。
解答
f'(x)=3(x+1)(x-3) より \alpha=-1,\ \beta=3。
差は \frac{1}{2}\cdot4^3=32。
(検算:7-(-25)=32)答 32
2f(x)=x^3-3ax^2\ (a>0) の極大値と極小値の差が 4 のとき、a を求めよ。
解答
f'(x)=3x(x-2a) より \alpha=0,\ \beta=2a。
差は \frac{1}{2}(2a)^3=4a^3=4 より
答 a=1
(検算:f(0)=0,\ f(2)=8-12=-4、差 4)
注意記述式では公式だけ書かず、積分で示すか、直接 f(\alpha)-f(\beta) を計算する。
最大・最小
着眼点候補は「区間の両端」と「区間内の極値」だけ。全部の値を出して比べる。
例題
1f(x)=x^3-3x^2-9x+2\ (-2\le x\le4) の最大値・最小値を求めよ。
解答
極値:f(-1)=7(極大)、f(3)=-25(極小)。
端:f(-2)=-8-12+18+2=0、f(4)=64-48-36+2=-18。
答 最大値 7(x=-1)、最小値 -25(x=3)
2a>0 とする。f(x)=x^3-3x\ (0\le x\le a) の最大値を求めよ。
解答
f'(x)=3(x+1)(x-1)。x\ge0 では x=1 で極小 -2、その後増加。
f(x)=f(0)=0 となるのは x^3-3x=0 より x=\sqrt3。
0<a<\sqrt3 のとき:f(a)<0 なので最大値 0(x=0)
a=\sqrt3 のとき:最大値 0(x=0,\sqrt3)
a>\sqrt3 のとき:最大値 a^3-3a(x=a)
ポイント区間に文字があるときは「最大値を与える候補と同じ高さになる x」を先に求めると、場合分けの境目が見える。
着眼点変数を1つ決めて量を式にし、変数の範囲を必ず書く。範囲内の極値が答えになることが多い。
例題
11辺 12 の正方形の厚紙の四隅から1辺 x の正方形を切り取り、ふたのない箱を作る。容積の最大値を求めよ。
解答
底面は1辺 12-2x、高さ x。範囲は 0<x<6。
V=x(12-2x)^2
V'=(12-2x)^2-4x(12-2x)=(12-2x)(12-6x)
0<x<6 で V'=0 は x=2。x<2 で+、x>2 で−なので極大かつ最大。
V(2)=2\cdot8^2=128
答 最大値 128(x=2)
差がつく置き換えて3次関数にする(三角関数・指数など)
着眼点\sin\theta=t などと置いたら、t の範囲を先に書く。そのうえで t の3次関数の最大最小。
例題
10\le\theta<2\pi のとき、y=2\sin^3\theta+3\cos^2\theta の最大値・最小値を求めよ。
解答
t=\sin\theta とおくと -1\le t\le1。\cos^2\theta=1-t^2 より
y=2t^3-3t^2+3,\quad y'=6t(t-1)
t=-1:-2、t=0:3(極大)、t=1:2。
答 最大値 3(\theta=0,\pi)、最小値 -2(\theta=\frac{3}{2}\pi)
注意t の範囲を書かないと、端の値 t=-1 を見落とす。
方程式・不等式への応用
必須実数解の個数(定数を分離してグラフと直線の交点)
着眼点f(x)=a の形に分けられたら、y=f(x) のグラフと水平線 y=a の交点の個数を数える。
- 文字定数 a を右辺に分離:f(x)=a
- y=f(x) の増減表・グラフ
- 水平線 y=a を上下に動かして交点を数える(極値の高さが境目)
例題
1方程式 x^3-3x^2-9x+2-a=0 の異なる実数解の個数を、a の値で分類せよ。
解答
x^3-3x^2-9x+2=a と分ける。左辺は極大値 7(x=-1)、極小値 -25(x=3)。
答 a<-25,\ 7<a のとき1個、a=-25,7 のとき2個、-25<a<7 のとき3個
2同じ方程式が、異なる2つの正の解と1つの負の解をもつ a の範囲を求めよ。
解答
f(x)=x^3-3x^2-9x+2 とおくと f(0)=2。グラフは (0,2) を通り、-1<x<3 では減少している。
水平線 y=a が「x<-1 の部分」「0<x<3 の部分」「x>3 の部分」と交わればよい。
そのためには -25<a<2(a=2 では x=0 が解になり正でない)。
答 -25<a<2
ポイント正の解・負の解を問われたら、y切片 f(0) の高さも境目に加える。
確認問題
12x^3-3x^2-12x-a=0 が異なる3つの実数解をもつ a の範囲
答え
f(x)=2x^3-3x^2-12x、f'=6(x+1)(x-2)、極大 f(-1)=7、極小 f(2)=-20。-20<a<7
差がつく文字が分離できないとき:極大値と極小値の符号
着眼点3次方程式 f(x)=0 が異なる3実数解 \iff 極値が存在して(極大値)\times(極小値)<0。
例題
1a を実数とする。x^3-3ax+2=0 が異なる3つの実数解をもつ a の範囲を求めよ。
解答
f(x)=x^3-3ax+2、f'(x)=3(x^2-a)。
極値をもつには a>0 が必要。このとき x=\pm\sqrt a で極値。
f(-\sqrt a)=2a\sqrt a+2>0(極大)、f(\sqrt a)=2-2a\sqrt a(極小)。
極小値 <0 が条件:a\sqrt a>1 より a>1。
答 a>1
ポイントこの問題は x\ne0 で割って 3a=x^2+\frac{2}{x} と分離する解き方もあるが、数Ⅱの範囲では極値の符号で解くのが標準。
着眼点「左辺−右辺 =f(x)」とおき、指定範囲での最小値が 0 以上であることを増減表で示す。
- f(x)=(\text{左辺})-(\text{右辺}) とおく
- 指定範囲で増減表を書き、最小値を求める
- 最小値 \ge0 を示し、等号成立条件も書く
例題
1x\ge0 のとき、x^3+16\ge12x を証明せよ。
解答
f(x)=x^3-12x+16 とおく。f'(x)=3x^2-12=3(x+2)(x-2)。
x\ge0 では 0\le x<2 で減少、x>2 で増加。最小値は f(2)=8-24+16=0。
よって x\ge0 で f(x)\ge0、すなわち x^3+16\ge12x。等号は x=2。(証明終)
(検算:x^3-12x+16=(x-2)^2(x+4))
2x\ge0 のすべての x で x^3-3x+a\ge0 となる a の範囲を求めよ。
解答
g(x)=x^3-3x+a、g'(x)=3(x+1)(x-1)。
x\ge0 での最小値は g(1)=a-2。
a-2\ge0 より
答 a\ge2
注意範囲が「x\ge0」なのに x<0 側の極値まで比べたり、逆に端 x=0 を見落としたりしない。
後回しでよいもの
着眼点「点 (p,q) から y=x^3-x に3本の接線が引ける (p,q) の範囲を図示」の型。t の3次方程式が異なる3実数解をもつ条件を p,q の不等式にする。
ポイント後回しでよい理由:考え方は「接線の本数=t の方程式の実数解の個数」と「極値の符号」の組み合わせで、まずそれぞれを固めるのが先。例外:旧帝大・難関国立(理系)や医学部志望なら演習しておく。
📏
積分法(数Ⅱ)
面積は「上−下」を積分。1/6公式で計算を短くし、定積分で表された関数は「定数とおく」「微分する」の2択で処理する。
不定積分・定積分
必須不定積分(f'(x) から f(x) を求める)
着眼点指数を1つ上げて、その数で割る。積分定数 C は条件(f(a)=b など)で決める。
\int x^n dx=\frac{x^{n+1}}{n+1}+C\quad(n=0,1,2,\dots)
\int(ax+b)^n dx=\frac{(ax+b)^{n+1}}{a(n+1)}+C
例題
解答
答 x^3-2x^2+x+C(C は積分定数)
2f'(x)=6x^2-2x,\ f(1)=3 を満たす f(x) を求めよ。
解答
f(x)=\int(6x^2-2x)dx=2x^3-x^2+C。
f(1)=2-1+C=3 より C=2。
答 f(x)=2x^3-x^2+2
注意「C は積分定数」の一言を書く。\int x^2dx を \frac{x^3}{2} とする(割る数のずれ)ミスが多い。
着眼点[F(x)]_a^b=F(b)-F(a)。区間が -a から a なら、奇数次は消えて偶数次は2倍。
\int_a^b f(x)dx=\Big[F(x)\Big]_a^b=F(b)-F(a)
\int_{-a}^{a}x^{\text{偶数}}dx=2\int_0^a x^{\text{偶数}}dx,\qquad \int_{-a}^{a}x^{\text{奇数}}dx=0
\int_a^b f(x)dx+\int_b^c f(x)dx=\int_a^c f(x)dx,\qquad \int_a^a f(x)dx=0
例題
1\int_1^3(x^2-2x+3)dx を計算せよ。
解答
\Big[\frac{x^3}{3}-x^2+3x\Big]_1^3=(9-9+9)-\Big(\frac13-1+3\Big)=9-\frac73答 \frac{20}{3}
2\int_{-2}^{2}(x^3+3x^2-x+1)dx を計算せよ。
解答
奇数次 x^3,\ -x は消える。
2\int_0^2(3x^2+1)dx=2\Big[x^3+x\Big]_0^2=2\cdot10答 20
注意F(b)-F(a) の引き算でカッコを付け忘れ、符号を誤るのが最多のミス。下端の値は必ずカッコでくくる。
確認問題
答え
\Big[\frac{(x+1)^3}{3}\Big]_0^2=\frac{27-1}{3}=\frac{26}{3}
着眼点中身の符号が変わる点で区間を分け、絶対値を外してから積分する。グラフを描けば「x軸より下を折り返した面積」。
例題
1\int_0^3|x^2-2x|dx を計算せよ。
解答
x^2-2x=x(x-2) は 0\le x\le2 で \le0、2\le x\le3 で \ge0。
\int_0^2(2x-x^2)dx+\int_2^3(x^2-2x)dx
前半 =\Big[x^2-\frac{x^3}{3}\Big]_0^2=4-\frac83=\frac43
後半 =\Big[\frac{x^3}{3}-x^2\Big]_2^3=0-\Big(\frac83-4\Big)=\frac43
答 \frac{8}{3}
注意\left|\int f(x)dx\right| と \int|f(x)|dx は別物。積分してから絶対値をとってはいけない。
着眼点積分すると文字 a の関数になる。あとは2次関数の最小、または場合分け。
例題
1I(a)=\int_0^1(x^2-ax)^2dx の最小値と、そのときの a を求めよ。
解答
I(a)=\int_0^1(x^4-2ax^3+a^2x^2)dx=\frac15-\frac{a}{2}+\frac{a^2}{3}
=\frac13\Big(a-\frac34\Big)^2+\frac15-\frac{3}{16}=\frac13\Big(a-\frac34\Big)^2+\frac{1}{80}
答 最小値 \frac{1}{80}(a=\frac34)
2S(a)=\int_0^1|x-a|dx を a の式で表し、最小値を求めよ。
解答
a\le0:\int_0^1(x-a)dx=\frac12-a
a\ge1:\int_0^1(a-x)dx=a-\frac12
0<a<1:\int_0^a(a-x)dx+\int_a^1(x-a)dx=\frac{a^2}{2}+\frac{(1-a)^2}{2}=a^2-a+\frac12
最小は 0<a<1 の範囲の a=\frac12 で \frac14。
答 最小値 \frac14(a=\frac12)
ポイント|x-a| の積分は「2つの直角三角形の面積の和」とみると、計算の検算になる。
面積
着眼点交点の x 座標で区間を決め、上下を確認してから \int(\text{上}-\text{下})dx。x軸の下にある部分は符号に注意。
S=\int_a^b\{f(x)-g(x)\}dx\quad(a\le x\le b \text{ で } f(x)\ge g(x))
手順:①交点を出す ②区間内の1点を代入して上下を判定 ③積分。上下が入れ替わるなら区間を分ける。
例題
1放物線 y=x^2-2x と x軸で囲まれた部分の面積を求めよ。
解答
交点 x=0,2。0<x<2 で y<0(x軸が上)。
S=\int_0^2\{0-(x^2-2x)\}dx=\Big[x^2-\frac{x^3}{3}\Big]_0^2答 \frac43
2放物線 y=x^2 と直線 y=x+2 で囲まれた部分の面積を求めよ。
解答
x^2=x+2 より x=-1,2。間では直線が上。
S=\int_{-1}^2(x+2-x^2)dx=\Big[\frac{x^2}{2}+2x-\frac{x^3}{3}\Big]_{-1}^2=\frac{10}{3}-\Big(-\frac76\Big)答 \frac92
着眼点放物線と直線(または2つの放物線)で囲まれた面積は、交点の差 \beta-\alpha と x^2 の係数の差だけで決まる。
\int_\alpha^\beta(x-\alpha)(x-\beta)dx=-\frac{(\beta-\alpha)^3}{6}
面積 =\dfrac{|a|}{6}(\beta-\alpha)^3(a は「上−下」の x^2 の係数)。
証明:(x-\alpha)(x-\beta)=(x-\alpha)^2-(\beta-\alpha)(x-\alpha) と変形して
\int_\alpha^\beta=\frac{(\beta-\alpha)^3}{3}-\frac{(\beta-\alpha)^3}{2}=-\frac{(\beta-\alpha)^3}{6}。
例題
1放物線 y=x^2-4x+1 と直線 y=x-3 で囲まれた部分の面積を求めよ。
解答
x^2-4x+1=x-3 より x^2-5x+4=0、x=1,4。x^2 の係数の差は 1。
S=\frac16(4-1)^3
答 \frac92
22つの放物線 y=x^2 と y=-x^2+2x+4 で囲まれた部分の面積を求めよ。
解答
x^2=-x^2+2x+4 より 2x^2-2x-4=0、x^2-x-2=0、x=-1,2。
上−下 =-2x^2+2x+4=-2(x+1)(x-2)。係数の差は 2。
S=\frac26\cdot3^3
答 9
ポイント交点が無理数(\frac{1\pm\sqrt5}{2} など)のときこそ威力を発揮する。\beta-\alpha=\frac{\sqrt D}{|a|} を使えば交点そのものを求めなくてよい。
注意記述式では「\int_\alpha^\beta(x-\alpha)(x-\beta)dx=-\frac16(\beta-\alpha)^3 を用いて」と式の形を書いてから使う。答えだけ公式で出すと減点されうる。
着眼点接線との差は a(x-\alpha)^2 の形になる。\int(x-\alpha)^2dx=\frac{(x-\alpha)^3}{3} で一発。
\int_\alpha^\beta(x-\alpha)^2dx=\frac{(\beta-\alpha)^3}{3}
2本の接線と放物線で囲まれた面積:接点の x 座標を \alpha,\beta とすると、接線の交点の x 座標は \frac{\alpha+\beta}{2}(真ん中)、面積は \frac{|a|}{12}(\beta-\alpha)^3。
例題
1放物線 y=x^2、x=1 における接線、y軸で囲まれた部分の面積を求めよ。
解答
接線は y=2x-1。差は x^2-(2x-1)=(x-1)^2。
S=\int_0^1(x-1)^2dx=\Big[\frac{(x-1)^3}{3}\Big]_0^1=0-\Big(-\frac13\Big)答 \frac13
2放物線 y=x^2 の x=-1,\ x=3 における2本の接線と、放物線で囲まれた部分の面積を求めよ。
解答
接線は y=-2x-1 と y=6x-9。交点は -2x-1=6x-9 より x=1。
S=\int_{-1}^1(x+1)^2dx+\int_1^3(x-3)^2dx=\frac83+\frac83答 \frac{16}{3}(\frac{1}{12}\cdot4^3 と一致)
着眼点3次関数と接線の差は a(x-\alpha)^2(x-\beta) に因数分解できる(接点 \alpha が重解)。
\int_\alpha^\beta(x-\alpha)^2(x-\beta)dx=-\frac{(\beta-\alpha)^4}{12}
面積 =\dfrac{|a|}{12}(\beta-\alpha)^4(\alpha:接点、\beta:もう1つの交点)。
例題
1曲線 y=x^3-3x と、その上の点 (-1,2) における接線で囲まれた部分の面積を求めよ。
解答
y'=3x^2-3 より x=-1 で傾き 0、接線は y=2。
x^3-3x-2=(x+1)^2(x-2) より他の交点は x=2。-1<x<2 では接線が上。
S=\int_{-1}^{2}\{2-(x^3-3x)\}dx=\Big[-\frac{x^4}{4}+\frac{3x^2}{2}+2x\Big]_{-1}^2=6-\Big(-\frac34\Big)
答 \frac{27}{4}(\frac{1}{12}\cdot3^4=\frac{81}{12} と一致)
着眼点小さい方の面積を1/6公式で文字のまま出し、「全体の半分」とおいて方程式を解く。
例題
1放物線 y=2x-x^2 と x軸で囲まれた部分の面積を、直線 y=ax\ (0<a<2) が2等分するとき、a を求めよ。
解答
全体:x=0,2 の間で \frac16\cdot2^3=\frac43。
2x-x^2=ax より x=0,\ 2-a。直線と放物線で囲まれた部分は \frac16(2-a)^3。
\frac16(2-a)^3=\frac23 より (2-a)^3=4、2-a=\sqrt[3]4。
答 a=2-\sqrt[3]{4}
定積分で表された関数
着眼点\int_0^1 f(t)dt は「ただの数」。k とおいて f(x) を表し、もう一度その定義式に戻して k の方程式を作る。
- k=\int_a^b f(t)dt とおく
- f(x) を k を使って表す
- それを k=\int_a^b f(t)dt に代入して k を求める
\int_a^b x f(t)dt のように積分変数でない x は定数として外に出す:x\int_a^b f(t)dt。
例題
1f(x)=x^2+2\int_0^1 f(t)dt を満たす f(x) を求めよ。
解答
k=\int_0^1 f(t)dt とおくと f(x)=x^2+2k。
k=\int_0^1(t^2+2k)dt=\frac13+2k より k=-\frac13。
答 f(x)=x^2-\frac23
2f(x)=3x^2-\int_0^1 x f(t)dt を満たす f(x) を求めよ。
解答
\int_0^1 xf(t)dt=x\int_0^1 f(t)dt。k=\int_0^1 f(t)dt とおくと f(x)=3x^2-kx。
k=\int_0^1(3t^2-kt)dt=1-\frac{k}{2} より k=\frac23。
答 f(x)=3x^2-\frac23x
注意k を求めた後、f(x) に戻して答える(k の値で止めない)。
着眼点\frac{d}{dx}\int_a^x f(t)dt=f(x)。定数(下端の a など)は「x=a を代入すると左辺が 0」で決める。
\frac{d}{dx}\int_a^x f(t)dt=f(x),\qquad \int_a^a f(t)dt=0
例題
1\int_1^x f(t)dt=x^2-3x+a を満たす f(x) と定数 a を求めよ。
解答
両辺を x で微分して f(x)=2x-3。
x=1 を代入すると左辺 =0 なので 0=1-3+a。
答 f(x)=2x-3,\ a=2
2\int_a^x f(t)dt=x^3-2x^2+x-2 を満たす f(x) と定数 a を求めよ。
解答
微分して f(x)=3x^2-4x+1。
x=a を代入:a^3-2a^2+a-2=0、a^2(a-2)+(a-2)=(a-2)(a^2+1)=0。a は実数なので a=2。
答 f(x)=3x^2-4x+1,\ a=2
注意微分だけで終えると定数の情報が失われる。「微分」と「代入」はいつもセット。
差がつく積分の中に x がある \int_0^x(x-t)f(t)dt
着眼点中の x を積分の外に出してから微分する。積の微分を使う。
\int_0^x(x-t)f(t)dt=x\int_0^x f(t)dt-\int_0^x tf(t)dt
\frac{d}{dx}(\text{上式})=\int_0^x f(t)dt+xf(x)-xf(x)=\int_0^x f(t)dt
例題
1\int_0^x(x-t)f(t)dt=x^4 を満たす f(x) を求めよ。
解答
左辺を x で1回微分すると \int_0^x f(t)dt、右辺は 4x^3。
もう1回微分して f(x)=12x^2。
(検算:\int_0^x(x-t)12t^2dt=12\Big(\frac{x^4}{3}-\frac{x^4}{4}\Big)=x^4)
答 f(x)=12x^2
注意x を外に出さずに「f(x) を代入して (x-x)f(x)=0」とするのは誤り。
差がつくF(x)=\int_a^x f(t)dt の極値・最大最小
着眼点F'(x)=f(x) なので、被積分関数の符号がそのまま増減表になる。値は積分して出す。
例題
1F(x)=\int_0^x(t^2-4t+3)dt の極値を求めよ。
解答
F'(x)=x^2-4x+3=(x-1)(x-3)。x=1 で極大、x=3 で極小。
F(x)=\frac{x^3}{3}-2x^2+3x より F(1)=\frac13-2+3=\frac43、F(3)=9-18+9=0。
答 極大値 \frac43(x=1)、極小値 0(x=3)
証明
必須面積の証明問題(1/6公式を自分で示す・面積が一定を示す)
着眼点交点を \alpha,\beta と文字のままおき、「上−下 =a(x-\alpha)(x-\beta)」と因数分解した形で積分する。
- 交点の x 座標を \alpha,\beta\ (\alpha<\beta) とおき、解と係数の関係を書く
- 上−下を -a(x-\alpha)(x-\beta) の形にする
- \int_\alpha^\beta(x-\alpha)(x-\beta)dx=-\frac{(\beta-\alpha)^3}{6} を証明つきで使う
- (\beta-\alpha)^2=(\alpha+\beta)^2-4\alpha\beta で係数の式に直す
例題
1放物線 y=x^2 上の2点 A(\alpha,\alpha^2),\ B(\beta,\beta^2)\ (\alpha<\beta) について、線分 AB と放物線で囲まれた部分の面積は \frac{(\beta-\alpha)^3}{6} であることを証明せよ。
解答
直線 AB の傾きは \frac{\beta^2-\alpha^2}{\beta-\alpha}=\alpha+\beta なので AB:\ y=(\alpha+\beta)x-\alpha\beta。
\alpha<x<\beta で直線が上にあり、差は (\alpha+\beta)x-\alpha\beta-x^2=-(x-\alpha)(x-\beta)。
(x-\alpha)(x-\beta)=(x-\alpha)^2-(\beta-\alpha)(x-\alpha) より
\int_\alpha^\beta(x-\alpha)(x-\beta)dx=\Big[\frac{(x-\alpha)^3}{3}-(\beta-\alpha)\frac{(x-\alpha)^2}{2}\Big]_\alpha^\beta=-\frac{(\beta-\alpha)^3}{6}
よって面積は \frac{(\beta-\alpha)^3}{6}。(証明終)
2点 (0,1) を通る直線 y=mx+1 と放物線 y=x^2 で囲まれた部分の面積 S(m) の最小値を求めよ。
解答
x^2-mx-1=0 の判別式 m^2+4>0 なので、常に2点で交わる。2解を \alpha<\beta とすると、解と係数の関係より \alpha+\beta=m,\ \alpha\beta=-1。
(\beta-\alpha)^2=m^2+4。
上の結果から S(m)=\frac{(\beta-\alpha)^3}{6}=\frac{(m^2+4)^{\frac32}}{6}。
m=0 で最小:\frac{8}{6}。
答 最小値 \frac43(m=0)
ポイント「面積が \beta-\alpha だけで決まる」ことが見えると、「面積が一定 \iff 交点の間隔が一定」と言い換えられる。
後回しでよいもの
着眼点\int_\alpha^\beta(x-\alpha)^2(x-\beta)^2dx=\frac{(\beta-\alpha)^5}{30}。4次関数とその複接線(2点で接する直線)で囲まれた面積に使う。
ポイント後回しでよい理由:4次関数の複接線は数Ⅱの標準的な出題範囲からやや外れ、出ても誘導がつく。1/6・1/3・1/12公式が先。例外:難関国立・医学部志望なら、置換 u=x-\alpha で導けるようにしておく。
🔢
数列
等差・等比・Σの公式を道具に、階差・漸化式・帰納法へ。漸化式は「どの型か」を見抜けば解き方が決まる。
等差数列・等比数列
着眼点初項 a と公差 d の2つを決めれば全部決まる。和は「(初項+末項)×項数÷2」。
a_n=a+(n-1)d
S_n=\frac{n(a+a_n)}{2}=\frac{n\{2a+(n-1)d\}}{2}
例題
1第5項が 17、第12項が 45 の等差数列の一般項と、初項から第20項までの和を求めよ。
解答
a+4d=17,\ a+11d=45 より 7d=28、d=4,\ a=1。
a_n=4n-3。a_{20}=77 なので S_{20}=\frac{20(1+77)}{2}=780。
答 a_n=4n-3、和 780
2初項 50、公差 -3 の等差数列の、初項から第 n 項までの和の最大値を求めよ。
解答
a_n=50-3(n-1)=53-3n。a_n>0 \iff n<\frac{53}{3}=17.6\cdots なので第17項まで正(a_{17}=2,\ a_{18}=-1)。
正の項をすべて足したところで最大:S_{17}=\frac{17(50+2)}{2}=442。
答 442(n=17)
ポイント和の最大・最小は「項の符号が変わるところ」を探すのが速い。S_n を2次関数として平方完成してもよい。
着眼点和の公式は r\ne1 のときだけ。r=1 の可能性があれば必ず分ける。
a_n=ar^{n-1}
S_n=\frac{a(r^n-1)}{r-1}=\frac{a(1-r^n)}{1-r}\ (r\ne1),\qquad S_n=na\ (r=1)
例題
1第2項が 6、第5項が 162 の等比数列(公比は実数)の一般項と、初項から第 n 項までの和を求めよ。
解答
ar=6,\ ar^4=162 より r^3=27、r=3,\ a=2。
a_n=2\cdot3^{n-1}、S_n=\frac{2(3^n-1)}{3-1}=3^n-1
答 a_n=2\cdot3^{n-1}、S_n=3^n-1
2公比が実数の等比数列で、初項から第3項までの和が 7、第6項までの和が 63 のとき、初項と公比を求めよ。
解答
r=1 なら S_6=2S_3=14\ne63 なので r\ne1。
S_6=S_3+r^3S_3=(1+r^3)S_3 より 1+r^3=9、r=2。
a(1+2+4)=7 より a=1。
答 初項 1、公比 2
注意r が文字のまま和を求めるときに r=1 の場合を忘れるのが典型的な減点。
差がつく3数が等差・等比になる条件(等差中項・等比中項)
着眼点3数 a,b,c が等差なら 2b=a+c、等比なら b^2=ac。3数は b-d,\ b,\ b+d とおくと計算が楽。
例題
1等差数列をなす3数の和が 15、積が 105 のとき、3数を求めよ。
解答
3数を 5-d,\ 5,\ 5+d とおく(和 =15 から中央は 5)。
積:5(25-d^2)=105 より d^2=4、d=\pm2。
答 3,5,7
確認問題
12,\ x,\ 18 がこの順に等比数列のとき x
答え
x^2=36 より x=\pm6
Σの計算
着眼点\sum は展開して k^2,\ k,\ 1 ごとに分け、公式に入れる。最後は n でくくって因数分解。
\sum_{k=1}^n c=nc,\quad \sum_{k=1}^n k=\frac{n(n+1)}{2},\quad \sum_{k=1}^n k^2=\frac{n(n+1)(2n+1)}{6},\quad \sum_{k=1}^n k^3=\Big\{\frac{n(n+1)}{2}\Big\}^2
\sum_{k=1}^n r^{k-1}=\frac{r^n-1}{r-1}\ (r\ne1)
例題
1\sum_{k=1}^n(2k-1)^2 を求めよ。
解答
\sum(4k^2-4k+1)=4\cdot\frac{n(n+1)(2n+1)}{6}-4\cdot\frac{n(n+1)}{2}+n
=\frac{n}{3}\{2(n+1)(2n+1)-6(n+1)+3\}=\frac{n}{3}(4n^2-1)
答 \frac{n(2n-1)(2n+1)}{3}
(検算 n=2:1+9=10、\frac{2\cdot3\cdot5}{3}=10)
2\sum_{k=1}^n k(k+1) を求めよ。
解答
\sum(k^2+k)=\frac{n(n+1)(2n+1)}{6}+\frac{n(n+1)}{2}=\frac{n(n+1)}{6}(2n+1+3)
答 \frac{n(n+1)(n+2)}{3}
(検算 n=2:2+6=8、\frac{2\cdot3\cdot4}{3}=8)
ポイント答えが出たら n=1,2 を代入して元の和と比べる。10秒でできる最強の検算。
注意\sum_{k=1}^{n-1} のときは公式の n を n-1 に置き換える。\sum_{k=1}^n 3 は 3 ではなく 3n。
着眼点\frac{1}{(\text{積})} の和は「差」に分けて、隣どうしを打ち消させる。残る項を初めと終わりで確認。
\frac{1}{k(k+1)}=\frac1k-\frac{1}{k+1},\qquad \frac{1}{(2k-1)(2k+1)}=\frac12\Big(\frac{1}{2k-1}-\frac{1}{2k+1}\Big)
一般に \frac{1}{AB}=\frac{1}{B-A}\Big(\frac1A-\frac1B\Big)。
例題
1\sum_{k=1}^n\frac{1}{(2k-1)(2k+1)} を求めよ。
解答
\frac12\Big\{\Big(1-\frac13\Big)+\Big(\frac13-\frac15\Big)+\cdots+\Big(\frac{1}{2n-1}-\frac{1}{2n+1}\Big)\Big\}=\frac12\Big(1-\frac{1}{2n+1}\Big)
答 \frac{n}{2n+1}
2\sum_{k=1}^n\frac{1}{\sqrt{k}+\sqrt{k+1}} を求めよ。
解答
有理化:\frac{1}{\sqrt k+\sqrt{k+1}}=\sqrt{k+1}-\sqrt k。
和は (\sqrt2-1)+(\sqrt3-\sqrt2)+\cdots+(\sqrt{n+1}-\sqrt n)
答 \sqrt{n+1}-1
注意\frac{1}{(2k-1)(2k+1)} の分解で係数 \frac12 を忘れやすい。分けた後に通分して元に戻るか確認。
着眼点\sum k\cdot r^{k-1} の形は、S と rS を1つずらして並べて引く。等比数列の和が現れる。
例題
1S=\sum_{k=1}^n k\cdot2^{k-1} を求めよ。
解答
S=1+2\cdot2+3\cdot2^2+\cdots+n\cdot2^{n-1}
2S=\quad\ \ 1\cdot2+2\cdot2^2+\cdots+(n-1)2^{n-1}+n\cdot2^n
引くと
-S=1+2+2^2+\cdots+2^{n-1}-n\cdot2^n=2^n-1-n\cdot2^n
答 S=(n-1)2^n+1
(検算 n=3:1+4+12=17、2\cdot8+1=17)
注意引き算の最後の項 -n\cdot2^n を落としやすい。ずらして縦にそろえて書く。
着眼点階差から戻すときも、S_n から戻すときも、式は n\ge2 でしか使えない。最後に n=1 を確認。
a_n=a_1+\sum_{k=1}^{n-1}b_k\quad(n\ge2,\ b_n=a_{n+1}-a_n)
a_1=S_1,\qquad a_n=S_n-S_{n-1}\quad(n\ge2)
例題
1数列 1,\ 2,\ 5,\ 10,\ 17,\ \dots の一般項を求めよ。
解答
階差は 1,3,5,7,\dots で b_k=2k-1。
n\ge2 のとき a_n=1+\sum_{k=1}^{n-1}(2k-1)=1+(n-1)^2。
n=1 でも 1 となり成り立つ。
答 a_n=n^2-2n+2
2初項から第 n 項までの和が S_n=n^2+2n+3 である数列の一般項を求めよ。
解答
a_1=S_1=6。
n\ge2 のとき a_n=S_n-S_{n-1}=(n^2+2n+3)-\{(n-1)^2+2(n-1)+3\}=2n+1。
n=1 を代入すると 3\ne6 なので、まとめられない。
答 a_1=6、n\ge2 のとき a_n=2n+1
注意\sum_{k=1}^{n-1} の上端は n-1。公式の n を n-1 にするのを忘れると1ずれる。
漸化式
着眼点\alpha=p\alpha+q を解いて a_{n+1}-\alpha=p(a_n-\alpha) と変形。\{a_n-\alpha\} が等比数列になる。
- p=1:等差数列(a_{n+1}=a_n+q)
- q=0:等比数列
- a_{n+1}=a_n+f(n):階差数列(a_n=a_1+\sum_{k=1}^{n-1}f(k))
- a_{n+1}=pa_n+q\ (p\ne1):a_n-\alpha=(a_1-\alpha)p^{n-1}
例題
1a_1=1,\ a_{n+1}=3a_n-4 で定まる数列の一般項を求めよ。
解答
\alpha=3\alpha-4 より \alpha=2。a_{n+1}-2=3(a_n-2)。
\{a_n-2\} は初項 -1、公比 3 の等比数列:a_n-2=-3^{n-1}。
答 a_n=2-3^{n-1}
(検算:a_2=3-4=-1、式で 2-3=-1)
2a_1=1,\ a_{n+1}=2a_n+3 で定まる数列の一般項を求めよ。
解答
\alpha=2\alpha+3 より \alpha=-3。a_{n+1}+3=2(a_n+3)。
a_n+3=4\cdot2^{n-1}=2^{n+1}。
答 a_n=2^{n+1}-3
注意特性方程式は「変形のための計算メモ」。記述式では a_{n+1}-\alpha=p(a_n-\alpha) の変形の方を書く。
差がつくa_{n+1}=pa_n+(n\text{ の式})、a_{n+1}=pa_n+r^n
着眼点r^n がつくなら両辺を r^{n+1} で割る。n の1次式がつくなら「a_n+(\text{1次式})」が等比になるようにくっつける。
例題
1a_1=2,\ a_{n+1}=2a_n+3^n の一般項を求めよ。
解答
両辺を 3^{n+1} で割る。b_n=\frac{a_n}{3^n} とおくと b_{n+1}=\frac23b_n+\frac13。
\alpha=\frac23\alpha+\frac13 より \alpha=1:b_{n+1}-1=\frac23(b_n-1)。
b_1=\frac23 なので b_n-1=-\frac13\Big(\frac23\Big)^{n-1}。
a_n=3^nb_n=3^n-3^{n-1}\Big(\frac23\Big)^{n-1}
答 a_n=3^n-2^{n-1}
(検算:a_2=4+3=7=9-2、a_3=14+9=23=27-4)
2a_1=1,\ a_{n+1}=2a_n+n の一般項を求めよ。
解答
a_{n+1}+(n+1)+1=2(a_n+n+1) と変形できる(右辺を展開すると 2a_n+2n+2、左辺は 2a_n+n+n+2 で一致)。
\{a_n+n+1\} は初項 3、公比 2 の等比数列:a_n+n+1=3\cdot2^{n-1}。
答 a_n=3\cdot2^{n-1}-n-1
(検算:a_2=3、a_3=8 と一致)
ポイント1次式の係数が分からなければ a_{n+1}+s(n+1)+t=2(a_n+sn+t) とおいて係数比較(s=1,\ t=1 が出る)。階差をとって a_{n+2}-a_{n+1}=2(a_{n+1}-a_n)+1 にする方法もある。
着眼点a_{n+1}=\frac{a_n}{pa_n+q} の形は、逆数 b_n=\frac{1}{a_n} で1次の漸化式になる。
例題
1a_1=1,\ a_{n+1}=\frac{a_n}{2a_n+1} の一般項を求めよ。
解答
a_n>0(帰納的に明らか)なので逆数をとれる。\frac{1}{a_{n+1}}=2+\frac{1}{a_n}。
\{\frac{1}{a_n}\} は初項 1、公差 2 の等差数列:\frac{1}{a_n}=2n-1。
答 a_n=\frac{1}{2n-1}
注意逆数をとる前に a_n\ne0 を一言述べる。
必須3項間漸化式 a_{n+2}=pa_{n+1}+qa_n
着眼点x^2=px+q の2解 \alpha,\beta を使い、a_{n+2}-\alpha a_{n+1}=\beta(a_{n+1}-\alpha a_n) と変形。2通り作って引けば a_n が出る。
- \alpha\ne\beta:a_{n+1}-\alpha a_n=(a_2-\alpha a_1)\beta^{n-1} と a_{n+1}-\beta a_n=(a_2-\beta a_1)\alpha^{n-1} を引く
- 解の1つが 1:a_{n+1}-a_n が等比数列 → 階差で戻す
- 重解 \alpha:a_{n+1}-\alpha a_n=(a_2-\alpha a_1)\alpha^{n-1} を \alpha^{n+1} で割る
例題
1a_1=1,\ a_2=4,\ a_{n+2}=5a_{n+1}-6a_n の一般項を求めよ。
解答
x^2=5x-6 より x=2,3。
a_{n+2}-2a_{n+1}=3(a_{n+1}-2a_n) より a_{n+1}-2a_n=(4-2)3^{n-1}=2\cdot3^{n-1} …①
a_{n+2}-3a_{n+1}=2(a_{n+1}-3a_n) より a_{n+1}-3a_n=(4-3)2^{n-1}=2^{n-1} …②
①−②:a_n=2\cdot3^{n-1}-2^{n-1}
答 a_n=2\cdot3^{n-1}-2^{n-1}(検算:a_3=20-6=14、式で 18-4=14)
2a_1=1,\ a_2=4,\ a_{n+2}=4a_{n+1}-4a_n の一般項を求めよ。
解答
x^2=4x-4 より x=2(重解)。a_{n+1}-2a_n=(4-2)2^{n-1}=2^n。
両辺を 2^{n+1} で割ると \frac{a_{n+1}}{2^{n+1}}-\frac{a_n}{2^n}=\frac12。
\{\frac{a_n}{2^n}\} は初項 \frac12、公差 \frac12 の等差数列:\frac{a_n}{2^n}=\frac n2。
答 a_n=n\cdot2^{n-1}(検算:a_3=16-4=12=3\cdot4)
注意①②の右辺の初項は a_2-\alpha a_1(a_1 ではない)。ここで a_1 を使うミスが多い。
着眼点n を n+1 にずらした式と引いて S_n を消す(S_{n+1}-S_n=a_{n+1})。a_1 は n=1 を代入して別に出す。
例題
1S_n=2a_n-n を満たす数列 \{a_n\} の一般項を求めよ。
解答
n=1:a_1=2a_1-1 より a_1=1。
S_{n+1}=2a_{n+1}-(n+1) との差:a_{n+1}=2a_{n+1}-2a_n-1、すなわち a_{n+1}=2a_n+1。
a_{n+1}+1=2(a_n+1)、a_1+1=2 より a_n+1=2^n。
答 a_n=2^n-1(検算:S_2=1+3=4、2a_2-2=4)
群数列・数学的帰納法
着眼点「第 n 群の最後の項は、もとの数列の第何項か」を最初に求める。そこから何群の何番目かを挟み撃ちで決める。
第 k 群に k 個ずつ入るなら、第 n 群の最後は第 \frac{n(n+1)}{2} 項、最初は第 \frac{n(n-1)}{2}+1 項。
例題
1自然数を 1\,|\,2,3\,|\,4,5,6\,|\,7,\dots と第 n 群に n 個入るように分ける。100 は第何群の何番目か。また第 n 群の数の和を求めよ。
解答
第 n 群の最後の数は \frac{n(n+1)}{2}。\frac{13\cdot14}{2}=91<100\le105=\frac{14\cdot15}{2} より第14群。
第14群の最初は 92 なので 100 は 9 番目。
第 n 群は初項 \frac{n(n-1)}{2}+1、末項 \frac{n(n+1)}{2}、n 個の等差数列なので和は \frac{n}{2}\Big\{\frac{n(n-1)}{2}+1+\frac{n(n+1)}{2}\Big\}=\frac{n(n^2+1)}{2}。
答 第14群の9番目、和 \frac{n(n^2+1)}{2}(検算 n=2:2+3=5)
確認問題
1\frac11,\ \frac12,\frac22,\ \frac13,\frac23,\frac33,\dots の第50項
答え
第9群までで 45 項。第10群の5番目なので \frac{5}{10}
着眼点「n=1 で成立」「n=k で成立を仮定 → n=k+1 で成立」の2段。仮定の式をどこで使ったかが見える答案にする。
- [I] n=1(不等式などで n\ge2 なら n=2)のとき成り立つことを示す
- [II] n=k のとき成り立つと仮定し、それを使って n=k+1 のときを示す
- [I][II] より、すべての自然数 n で成り立つ
例題
1すべての自然数 n について、n^3+2n は 3 の倍数であることを証明せよ。
解答
[I] n=1:1+2=3 で成立。
[II] n=k で k^3+2k=3m(m は整数)と仮定する。
(k+1)^3+2(k+1)=k^3+3k^2+3k+1+2k+2=(k^3+2k)+3(k^2+k+1)=3(m+k^2+k+1)
よって n=k+1 でも 3 の倍数。
[I][II] よりすべての自然数 n で成り立つ。(証明終)
2n\ge2 の自然数について、3^n>2n+1 を証明せよ。
解答
[I] n=2:9>5 で成立。
[II] k\ge2 で 3^k>2k+1 と仮定する。
3^{k+1}=3\cdot3^k>3(2k+1)=6k+3
(6k+3)-(2k+3)=4k>0 より 3^{k+1}>2(k+1)+1。
[I][II] より n\ge2 で成り立つ。(証明終)
ポイント漸化式で a_1,a_2,a_3 を計算して一般項を推測 → 帰納法で証明、という流れでも使う。
注意[II] で、示したい n=k+1 の式を最初から正しいものとして変形しない。仮定の式から出発する。
後回しでよいもの
不要一般の分数型 a_{n+1}=\frac{pa_n+q}{ra_n+s}・連立漸化式
着眼点不動点(x=\frac{px+q}{rx+s} の解)を使って \frac{a_n-\alpha}{a_n-\beta} を等比数列にする型や、a_{n+1},b_{n+1} を連立させる型。
ポイント後回しでよい理由:地方国公立では誘導(「b_n=\frac{1}{a_n-1} とおく」など)がつくことが多く、誘導に乗れれば基本の型で解ける。例外:難関国立・医学部志望なら誘導なしの型として一度練習する。
着眼点(k+1)^5-k^5 の和をとる方法で導けるが、覚える必要はない。
ポイント後回しでよい理由:教科書の公式は k^3 まで。k^4 が要る問題はまず出ない。例外:「\sum k^2 の公式を導け」型の証明が出る大学なら、同じ方法(恒等式 (k+1)^3-k^3=3k^2+3k+1 の和)を練習しておく。
📊
統計的な推測
確率変数の期待値・分散から、二項分布・正規分布、標本平均を使った推定と検定まで。
確率変数と期待値・分散
着眼点まず「X がとる値」と「その確率」の表を書く。確率の合計が1になるかで検算する。
X が値 x_1,\dots,x_n をとり、その確率が p_1,\dots,p_n のとき(p_1+\dots+p_n=1)
E(X)=x_1p_1+x_2p_2+\cdots+x_np_n=\sum_{k=1}^{n}x_kp_k期待値は「平均」と同じもの。E(X) を m と書くこともある。
例題
11個のさいころを投げ、出た目を3で割った余りを X とする。X の確率分布と E(X) を求めよ。
解答
余り0:目が3, 6 → \frac{2}{6}=\frac13
余り1:目が1, 4 → \frac13
余り2:目が2, 5 → \frac13
(合計1で検算OK)E(X)=0\cdot\frac13+1\cdot\frac13+2\cdot\frac13=1
2赤玉3個・白玉2個の袋から2個同時に取り出す。赤玉の個数を X とするとき E(X) を求めよ。
解答
全体は {}_5\mathrm{C}_2=10 通り。
X=0:{}_2\mathrm{C}_2=1 → \frac{1}{10}
X=1:3\times2=6 → \frac{6}{10}
X=2:{}_3\mathrm{C}_2=3 → \frac{3}{10}
(1+6+3=10 で検算OK)E(X)=0\cdot\frac{1}{10}+1\cdot\frac{6}{10}+2\cdot\frac{3}{10}=\frac{12}{10}=\frac65
注意表を作らずに期待値を出そうとして、確率の合計が1にならないまま計算してしまうミスが多い。
必須分散 V(X) と標準偏差 \sigma(X)
着眼点計算は「2乗の平均 − 平均の2乗」で。定義式(偏差の2乗の平均)は値が整数のとき以外は遠回り。
V(X)=E\big((X-m)^2\big)=E(X^2)-\{E(X)\}^2\sigma(X)=\sqrt{V(X)}
例題
11個のさいころを投げ、出た目を3で割った余りを X とする(X=0,1,2 がそれぞれ確率 \frac13)。V(X) と \sigma(X) を求めよ。
解答
E(X)=1。E(X^2)=0^2\cdot\frac13+1^2\cdot\frac13+2^2\cdot\frac13=\frac53V(X)=\frac53-1^2=\frac23,\quad \sigma(X)=\sqrt{\frac23}=\frac{\sqrt6}{3}
2赤玉3個・白玉2個から2個同時に取り出したときの赤玉の個数 X(P(X=0)=\frac1{10},\ P(X=1)=\frac6{10},\ P(X=2)=\frac3{10})の分散と標準偏差を求めよ。
解答
E(X)=\frac65。E(X^2)=0\cdot\frac1{10}+1\cdot\frac6{10}+4\cdot\frac3{10}=\frac{18}{10}=\frac95V(X)=\frac95-\left(\frac65\right)^2=\frac{45}{25}-\frac{36}{25}=\frac{9}{25},\quad \sigma(X)=\frac35
注意\{E(X)\}^2 と E(X^2) の取り違え。分散が負になったら必ずどこかが間違っている。
確認問題
1X が 1,\,3 をそれぞれ確率 \frac12 でとるとき、V(X) は?
答え
E(X)=2,\ E(X^2)=5 より V(X)=5-4=1。
着眼点足した定数 b は分散に効かない。かけた a は分散では2乗になる。
E(aX+b)=aE(X)+bV(aX+b)=a^2V(X),\quad \sigma(aX+b)=|a|\,\sigma(X)特に Z=\dfrac{X-m}{\sigma}(標準化)とすると E(Z)=0,\ V(Z)=1。
例題
1E(X)=3,\ V(X)=4 のとき、Y=-2X+5 の期待値・分散・標準偏差を求めよ。
解答
E(Y)=-2\cdot3+5=-1V(Y)=(-2)^2\cdot4=16,\quad \sigma(Y)=|-2|\cdot2=4
2あるテストの得点 X は E(X)=60,\ \sigma(X)=15 である。T=aX+b\ (a>0) の平均を50、標準偏差を10にしたい。a,\,b を求めよ。
解答
\sigma(T)=a\cdot15=10 より a=\frac23。
E(T)=\frac23\cdot60+b=40+b=50 より b=10。
答え a=\frac23,\ b=10
注意V(-2X)=-4V(X) や \sigma(-2X)=-2\sigma(X) と書くミス。分散・標準偏差は負にならない。
着眼点和の期待値はいつでも足せる。分散を足せるのは「独立」のときだけ。
E(X+Y)=E(X)+E(Y)\quad(\text{常に成り立つ})X,\,Y が独立なら
E(XY)=E(X)E(Y),\quad V(X+Y)=V(X)+V(Y)aX+bY なら E=aE(X)+bE(Y)、独立のとき V=a^2V(X)+b^2V(Y)。
例題
11個のさいころの目 X について E(X)=\frac72,\ V(X)=\frac{35}{12} である。2個のさいころの目の和 S の期待値と分散を求めよ。
解答
2個の目 X_1,\,X_2 は独立。E(S)=\frac72+\frac72=7,\quad V(S)=\frac{35}{12}+\frac{35}{12}=\frac{35}{6}
2独立な X,\,Y について E(X)=2,\ V(X)=1,\ E(Y)=-1,\ V(Y)=3。W=3X-2Y の期待値と分散、および E(XY) を求めよ。
解答
E(W)=3\cdot2-2\cdot(-1)=8V(W)=9\cdot1+4\cdot3=21(-2Y の分散は (-2)^2V(Y) なので足し算になる)E(XY)=2\cdot(-1)=-2
注意V(X-Y)=V(X)-V(Y) は誤り。独立なら V(X-Y)=V(X)+V(Y)。
二項分布と正規分布
着眼点「1回の確率が p の試行を n 回独立にくり返したときの回数」なら二項分布。平均・分散は公式で一発。
P(X=r)={}_n\mathrm{C}_r\,p^r q^{n-r}\quad(q=1-p)E(X)=np,\quad V(X)=npq,\quad \sigma(X)=\sqrt{npq}
例題
11枚の硬貨を4回投げ、表の出る回数を X とする。P(X=3) と E(X),\ V(X) を求めよ。
解答
X は B\left(4,\,\frac12\right) に従う。P(X=3)={}_4\mathrm{C}_3\left(\frac12\right)^3\left(\frac12\right)^1=\frac{4}{16}=\frac14E(X)=4\cdot\frac12=2,\quad V(X)=4\cdot\frac12\cdot\frac12=1
2さいころを180回投げ、1の目が出る回数を X とする。Y=2X-10 の期待値と標準偏差を求めよ。
解答
X は B\left(180,\,\frac16\right) に従う。E(X)=180\cdot\frac16=30,\quad V(X)=180\cdot\frac16\cdot\frac56=25,\quad \sigma(X)=5E(Y)=2\cdot30-10=50,\quad \sigma(Y)=2\cdot5=10
ポイントE=np は、1回ごとに「起これば1・起こらなければ0」の確率変数を n 個足したもの、と説明すると納得しやすい。
着眼点N(m,\,\sigma^2) は必ず Z=\dfrac{X-m}{\sigma} で標準化してから表を引く。表は「0から z まで」の面積。
X \sim N(m,\,\sigma^2) \ \Longrightarrow\ Z=\frac{X-m}{\sigma}\sim N(0,\,1)よく使う値 p(z)=P(0\le Z\le z):
| z | 0.5 | 1 | 1.5 | 1.96 | 2 | 2.58 |
|---|
| p(z) | 0.1915 | 0.3413 | 0.4332 | 0.4750 | 0.4772 | 0.4951 |
例題
1X が N(50,\,10^2) に従うとき、P(40\le X\le70) を求めよ。
解答
Z=\frac{X-50}{10}。X=40\to Z=-1、X=70\to Z=2。P(-1\le Z\le2)=p(1)+p(2)=0.3413+0.4772=0.8185
2X が N(50,\,10^2) に従うとき、P(X\ge65) を求めよ。
解答
X=65\to Z=1.5。P(Z\ge1.5)=0.5-p(1.5)=0.5-0.4332=0.0668
ポイント必ずベル型の図を描き、求める部分に斜線を引いてから「0.5から引く/足す」を決める。
注意分散 \sigma^2 と標準偏差 \sigma の取り違え。N(50,\,100) なら割るのは10。
着眼点n が大きい二項分布の確率は、平均 np・分散 npq の正規分布とみなして計算する。
B(n,\,p)\ \approx\ N(np,\,npq)\quad(n\ \text{が大きいとき})手順:m=np,\ \sigma=\sqrt{npq} を出す → 標準化 → 表を引く。
例題
1硬貨を400回投げるとき、表が220回以上出る確率を求めよ。
解答
X\sim B\left(400,\,\frac12\right)。m=200,\ \sigma=\sqrt{400\cdot\frac12\cdot\frac12}=10。
近似的に N(200,\,10^2)。X=220\to Z=2。P(X\ge220)\approx P(Z\ge2)=0.5-0.4772=0.0228
2ある種子の発芽率は0.8である。100粒まいたとき、発芽数が74以上86以下となる確率を求めよ。
解答
m=100\cdot0.8=80、\sigma=\sqrt{100\cdot0.8\cdot0.2}=\sqrt{16}=4。
74\to Z=-1.5、86\to Z=1.5。P(-1.5\le Z\le1.5)=2\times0.4332=0.8664
注意高校の範囲では半整数補正(±0.5)はしないのが標準。問題文の指示に従う。
推定と検定
着眼点標本平均 \overline{X} は、平均は母平均のまま、標準偏差は \sqrt{n} 分の1になる。
母平均 m、母標準偏差 \sigma の母集団から大きさ n の無作為標本をとると
E(\overline{X})=m,\quad \sigma(\overline{X})=\frac{\sigma}{\sqrt n}n が大きいとき \overline{X} は近似的に N\left(m,\,\dfrac{\sigma^2}{n}\right) に従う。
例題
1母平均60、母標準偏差12の母集団から大きさ36の標本をとる。標本平均 \overline{X} の期待値と標準偏差を求めよ。
解答
E(\overline{X})=60,\quad \sigma(\overline{X})=\frac{12}{\sqrt{36}}=2
2上の標本で P(\overline{X}\ge63) を求めよ。
解答
\overline{X} は近似的に N(60,\,2^2)。63\to Z=\frac{63-60}{2}=1.5。P(Z\ge1.5)=0.5-0.4332=0.0668
注意割るのは n ではなく \sqrt n。分散で考えるなら \dfrac{\sigma^2}{n}。
着眼点「標本平均 ± 1.96 × 標準偏差 ÷ √n」。母標準偏差が分からなければ標本標準偏差で代用してよい(n が大きいとき)。
信頼度95%の信頼区間
\left[\ \overline{X}-1.96\cdot\frac{\sigma}{\sqrt n},\ \ \overline{X}+1.96\cdot\frac{\sigma}{\sqrt n}\ \right]信頼度99%なら1.96を2.58に替える。
例題
1ある製品100個を無作為に抽出し重さを測ると、平均が52.0g、標準偏差が5gであった。母平均を信頼度95%で推定せよ。
解答
1.96\cdot\frac{5}{\sqrt{100}}=1.96\times0.5=0.98。[\,52.0-0.98,\ 52.0+0.98\,]=[\,51.02,\ 52.98\,]\ (\text{g})
2母標準偏差が5のとき、信頼度95%の信頼区間の幅を1以下にするには、標本の大きさ n を最低いくつにすればよいか。
解答
幅は 2\times1.96\cdot\frac{5}{\sqrt n}=\frac{19.6}{\sqrt n}。\frac{19.6}{\sqrt n}\le1 \iff \sqrt n\ge19.6 \iff n\ge384.16よって n=385。
注意「母平均が95%の確率でこの区間に入る」は厳密には不正確。「このやり方で作った区間の約95%が母平均を含む」という意味。記述で問われたら注意。
着眼点①帰無仮説を立てる ②その仮説のもとでの分布を出す ③標準化した値が棄却域(有意水準5%両側なら |Z|\ge1.96)に入るかを見る。
- 帰無仮説 H_0(例:p=\frac12)と対立仮説を立てる
- H_0 のもとで X の分布(正規近似)を求める
- Z=\dfrac{X-m}{\sigma} を計算
- |Z|\ge1.96 なら H_0 を棄却、そうでなければ棄却しない
例題
1硬貨を100回投げたら表が61回出た。この硬貨は表と裏の出やすさに偏りがあるといえるか。有意水準5%で検定せよ。
解答
H_0:表の出る確率は \frac12。
H_0 のもとで X\sim B\left(100,\frac12\right)、m=50,\ \sigma=5、近似的に N(50,\,5^2)。Z=\frac{61-50}{5}=2.2|Z|=2.2\ge1.96 なので H_0 は棄却される。
答え:偏りがあると判断してよい。
2同じ硬貨で100回中58回表が出た場合はどうか(有意水準5%)。
解答
Z=\frac{58-50}{5}=1.6。|Z|<1.96 なので H_0 は棄却されない。
答え:偏りがあるとは判断できない。
注意棄却されないとき「偏りがない(公平だ)と証明された」とは書かない。「偏りがあるとはいえない」と書く。
着眼点標本比率 R を使い、標準偏差を \sqrt{\dfrac{R(1-R)}{n}} として母平均の推定と同じ形で区間を作る。
\left[\ R-1.96\sqrt{\frac{R(1-R)}{n}},\ \ R+1.96\sqrt{\frac{R(1-R)}{n}}\ \right]
例題
1400人に調査したら160人が「好き」と答えた。「好き」と答える母比率を信頼度95%で推定せよ(小数第3位まで)。
解答
R=\frac{160}{400}=0.4。\sqrt{\frac{0.4\times0.6}{400}}=\sqrt{0.0006}\approx0.02451.96\times0.0245\approx0.048。答え [\,0.352,\ 0.448\,]
ポイント後回しでよい理由:母平均の推定の型を覚えれば、標準偏差の式を差し替えるだけで解ける。例外:共通テストで統計を選ぶ人は一度は手を動かしておく。
着眼点確率は面積(積分)。全体の面積が1。
P(a\le X\le b)=\int_a^b f(x)\,dx,\quad E(X)=\int x f(x)\,dx
例題
1確率密度関数が f(x)=2x\ (0\le x\le1) の X について、P\left(0\le X\le\frac12\right) と E(X) を求めよ。
解答
P=\int_0^{1/2}2x\,dx=\left[x^2\right]_0^{1/2}=\frac14E(X)=\int_0^1 2x^2\,dx=\left[\frac{2x^3}{3}\right]_0^1=\frac23(全体 \int_0^1 2x\,dx=1 で検算OK)
ポイント後回しでよい理由:正規分布表を使う問題では、この定義を直接計算する場面がほとんどない。例外:統計を積分と絡めて出す理系の個別試験を受ける人。
着眼点標本の大きさ n を大きくすると、標本平均(標本比率)は母平均(母比率)に近づく。
理由は \sigma(\overline{X})=\dfrac{\sigma}{\sqrt n}\to0 だから、と一言で説明できれば十分。
例題
1標本平均の標準偏差を半分にするには、標本の大きさを何倍にすればよいか。
解答
\frac{\sigma}{\sqrt n} を \frac12 倍にするには \sqrt n を2倍、つまり n を4倍。
ポイント後回しでよい理由:計算問題として単独で問われることはまれで、上の「n を4倍」の感覚があれば足りる。例外:共通テストの文章選択肢で問われることがあるので、統計選択者は意味だけ押さえる。
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ベクトル
成分・内積・位置ベクトルで図形を計算に置きかえる。平面で型を作り、空間へそのまま持ち上げる。
平面ベクトルの基本と内積
着眼点平行は「一方が他方の実数倍」。成分なら a_1b_2-a_2b_1=0 で一発。
\vec a=(a_1,a_2)\ \text{のとき}\ |\vec a|=\sqrt{a_1^2+a_2^2}\vec a\parallel\vec b \iff \vec b=k\vec a \iff a_1b_2-a_2b_1=0\quad(\vec a,\vec b\ne\vec0)
例題
1\vec a=(2,-1),\ \vec b=(x,3) が平行になるような x を求めよ。
解答
2\cdot3-(-1)\cdot x=0 より 6+x=0。答え x=-6
(検算:\vec b=(-6,3)=-3\vec a)
2\vec a=(1,2),\ \vec b=(1,-1) のとき、|\vec a+t\vec b| の最小値とそのときの t を求めよ。
解答
\vec a+t\vec b=(1+t,\,2-t)。|\vec a+t\vec b|^2=(1+t)^2+(2-t)^2=2t^2-2t+5=2\left(t-\frac12\right)^2+\frac92t=\frac12 のとき最小値 \sqrt{\frac92}=\frac{3\sqrt2}{2}
ポイント|\ \ | の最小は「2乗して2次関数」が定石。
着眼点大きさと角が分かっていれば定義、成分が分かっていれば成分の式。角を求めるなら両方を等号でつなぐ。
\vec a\cdot\vec b=|\vec a||\vec b|\cos\theta=a_1b_1+a_2b_2\quad(0\le\theta\le\pi)\cos\theta=\frac{\vec a\cdot\vec b}{|\vec a||\vec b|}
例題
1\vec a=(1,\sqrt3),\ \vec b=(\sqrt3,1) のなす角 \theta を求めよ。
解答
\vec a\cdot\vec b=\sqrt3+\sqrt3=2\sqrt3、|\vec a|=|\vec b|=2。\cos\theta=\frac{2\sqrt3}{2\cdot2}=\frac{\sqrt3}{2}答え \theta=\frac{\pi}{6}
2|\vec a|=2,\ |\vec b|=3,\ |\vec a-\vec b|=\sqrt7 のとき、\vec a\cdot\vec b と \vec a,\vec b のなす角を求めよ。
解答
|\vec a-\vec b|^2=|\vec a|^2-2\vec a\cdot\vec b+|\vec b|^2 より 7=4-2\vec a\cdot\vec b+9\quad\therefore\ \vec a\cdot\vec b=3\cos\theta=\frac{3}{2\cdot3}=\frac12。答え \theta=\frac{\pi}{3}
注意|\vec a-\vec b| が与えられたら「2乗して展開」。|\vec a-\vec b|=|\vec a|-|\vec b| とはできない。
着眼点「垂直」と書いてあったら即「内積 = 0」の式を立てる。
\vec a\perp\vec b \iff \vec a\cdot\vec b=0\quad(\vec a,\vec b\ne\vec0)
例題
1\vec a=(2,1),\ \vec b=(x,-4) が垂直になる x を求めよ。
解答
2x+1\cdot(-4)=0 より x=2
2|\vec a|=1,\ |\vec b|=2、なす角 60^\circ のとき、\vec a+t\vec b と \vec a が垂直になる t を求めよ。
解答
\vec a\cdot\vec b=1\cdot2\cdot\cos60^\circ=1。(\vec a+t\vec b)\cdot\vec a=|\vec a|^2+t\,\vec a\cdot\vec b=1+t=0答え t=-1
確認問題
1\vec a=(3,4) に垂直な単位ベクトルは?
答え
\pm\left(\frac45,\,-\frac35\right)((4,-3) が垂直、大きさ5で割る)
着眼点\sin を経由せず、内積と大きさから直接出す。成分なら「たすき掛けの差」の半分。
S=\frac12\sqrt{|\vec a|^2|\vec b|^2-(\vec a\cdot\vec b)^2}\vec a=(a_1,a_2),\ \vec b=(b_1,b_2)\ \text{なら}\ S=\frac12|a_1b_2-a_2b_1|
例題
1\overrightarrow{\mathrm{OA}}=(3,1),\ \overrightarrow{\mathrm{OB}}=(1,2) のとき \triangle\mathrm{OAB} の面積を求めよ。
解答
S=\frac12|3\cdot2-1\cdot1|=\frac52
2|\vec a|=3,\ |\vec b|=4,\ \vec a\cdot\vec b=6 のとき、\vec a,\vec b の張る三角形の面積を求めよ。
解答
S=\frac12\sqrt{9\cdot16-6^2}=\frac12\sqrt{108}=\frac12\cdot6\sqrt3=3\sqrt3(検算:\cos\theta=\frac{6}{12}=\frac12 → \frac12\cdot3\cdot4\sin60^\circ=3\sqrt3)
注意3点 A, B, C の座標が与えられたら、まず \overrightarrow{\mathrm{AB}},\ \overrightarrow{\mathrm{AC}} を作ってから公式に入れる。
位置ベクトルと図形
着眼点内分は「たすき掛け」:m:n に内分なら \vec a に n、\vec b に m。外分は n をマイナスにするだけ。
\mathrm{A}(\vec a),\ \mathrm{B}(\vec b) を
m:n\ \text{に内分}:\ \frac{n\vec a+m\vec b}{m+n},\qquad m:n\ \text{に外分}:\ \frac{-n\vec a+m\vec b}{m-n}\text{重心}:\ \frac{\vec a+\vec b+\vec c}{3}例題
1\mathrm{A}(\vec a),\ \mathrm{B}(\vec b) について、線分ABを 2:1 に内分する点Pと外分する点Qの位置ベクトルを求めよ。
解答
\vec p=\frac{1\cdot\vec a+2\vec b}{3}=\frac{\vec a+2\vec b}{3}\vec q=\frac{-1\cdot\vec a+2\vec b}{2-1}=-\vec a+2\vec b
2\triangle\mathrm{ABC} で、辺BCを 1:2 に内分する点をD、線分ADの中点をEとする。\overrightarrow{\mathrm{AB}}=\vec b,\ \overrightarrow{\mathrm{AC}}=\vec c として \overrightarrow{\mathrm{AE}} を表せ。
解答
\overrightarrow{\mathrm{AD}}=\frac{2\vec b+1\cdot\vec c}{3}\overrightarrow{\mathrm{AE}}=\frac12\overrightarrow{\mathrm{AD}}=\frac{2\vec b+\vec c}{6}=\frac13\vec b+\frac16\vec c
注意内分の係数を逆にするミスが最多。「近い方の点ほど係数が大きい」で確認する。
着眼点交点を「直線1の上」「直線2の上」の2通りで表し、\vec a,\vec b の係数を比べる。最後に「\vec a,\vec b は一次独立」と一言書く。
点Pが直線AB上 \iff \overrightarrow{\mathrm{OP}}=(1-t)\vec a+t\vec b(係数の和が1)
\vec a,\vec b が \vec0 でなく平行でない(一次独立)とき
s\vec a+t\vec b=s'\vec a+t'\vec b \implies s=s',\ t=t'例題
1\triangle\mathrm{OAB} で \overrightarrow{\mathrm{OA}}=\vec a,\ \overrightarrow{\mathrm{OB}}=\vec b とする。辺OAを 2:1 に内分する点をC、辺OBの中点をDとし、線分ADとBCの交点をPとする。\overrightarrow{\mathrm{OP}} を求めよ。
解答
\overrightarrow{\mathrm{OC}}=\frac23\vec a,\ \overrightarrow{\mathrm{OD}}=\frac12\vec b。
PはAD上:\overrightarrow{\mathrm{OP}}=(1-s)\vec a+\frac{s}{2}\vec b
PはBC上:\overrightarrow{\mathrm{OP}}=\frac{2t}{3}\vec a+(1-t)\vec b
\vec a,\vec b は一次独立なので 1-s=\frac{2t}{3},\quad \frac s2=1-t第2式より s=2-2t。第1式に代入:-1+2t=\frac{2t}{3} より t=\frac34,\ s=\frac12。\overrightarrow{\mathrm{OP}}=\frac12\vec a+\frac14\vec b(検算:t=\frac34 で \frac{2t}{3}=\frac12,\ 1-t=\frac14 と一致)
2上の点Pについて、直線OPと辺ABの交点をQとする。\overrightarrow{\mathrm{OQ}} と \mathrm{AQ}:\mathrm{QB} を求めよ。
解答
QはOP上なので \overrightarrow{\mathrm{OQ}}=k\overrightarrow{\mathrm{OP}}=\frac k2\vec a+\frac k4\vec b。
QはAB上なので係数の和が1:\frac k2+\frac k4=1 より k=\frac43。\overrightarrow{\mathrm{OQ}}=\frac23\vec a+\frac13\vec b=\frac{2\vec a+1\cdot\vec b}{1+2}答え \mathrm{AQ}:\mathrm{QB}=1:2
ポイントメネラウスの定理でも解けるが、ベクトルの問題として出たら係数比較で書くのが安全。
注意一次独立の断り書きを忘れると記述で減点されやすい。
必須内積で長さ・角を求める(|\ |^2 を展開)
着眼点長さは「2乗して展開」、角は「内積を出して cos」。必要な材料は |\vec a|,\ |\vec b|,\ \vec a\cdot\vec b の3つだけ。
|s\vec a+t\vec b|^2=s^2|\vec a|^2+2st\,\vec a\cdot\vec b+t^2|\vec b|^2
例題
1\triangle\mathrm{OAB} で |\vec a|=3,\ |\vec b|=2,\ \vec a\cdot\vec b=2 のとき、辺ABの中点をMとして OM の長さを求めよ。
解答
\overrightarrow{\mathrm{OM}}=\frac{\vec a+\vec b}{2}。|\vec a+\vec b|^2=9+2\cdot2+4=17答え \mathrm{OM}=\frac{\sqrt{17}}{2}
2同じ三角形で、\overrightarrow{\mathrm{OP}}=\vec a+2\vec b と \overrightarrow{\mathrm{AB}} の内積を求めよ。
解答
\overrightarrow{\mathrm{AB}}=\vec b-\vec a。(\vec a+2\vec b)\cdot(\vec b-\vec a)=\vec a\cdot\vec b-|\vec a|^2+2|\vec b|^2-2\vec a\cdot\vec b=2-9+8-4=-3
差がつく終点の存在範囲(s\vec a+t\vec b の係数条件)
着眼点条件式を「右辺 = 1」の形に割り、係数の和が1になるようにベクトルを作り直す。
| 条件 | 点Pの存在範囲 |
|---|
| s+t=1 | 直線AB |
| s+t=1,\ s\ge0,\ t\ge0 | 線分AB |
| s+t\le1,\ s\ge0,\ t\ge0 | \triangle\mathrm{OAB} の周と内部 |
| 0\le s\le1,\ 0\le t\le1 | OA, OBを2辺とする平行四辺形の周と内部 |
例題
1\overrightarrow{\mathrm{OP}}=s\vec a+t\vec b で s+t\le1,\ s\ge0,\ t\ge0 のとき、点Pの存在範囲を答えよ。
解答
表のとおり、\triangle\mathrm{OAB} の周と内部。
2\overrightarrow{\mathrm{OP}}=s\vec a+t\vec b で s+2t=2,\ s\ge0,\ t\ge0 のとき、点Pの存在範囲を答えよ。
解答
両辺を2で割ると \frac s2+t=1。\overrightarrow{\mathrm{OP}}=\frac s2\,(2\vec a)+t\,\vec bs'=\frac s2,\ t'=t とおくと s'+t'=1,\ s'\ge0,\ t'\ge0。
答え:\overrightarrow{\mathrm{OA'}}=2\vec a となる点A'と点Bを結ぶ線分A'B
着眼点直線は「通る点+方向」か「通る点+法線」、円は「中心からの距離一定」。
- 点Aを通り方向 \vec d:\vec p=\vec a+t\vec d
- 点Aを通り法線 \vec n=(a,b):\vec n\cdot(\vec p-\vec a)=0 → a(x-x_1)+b(y-y_1)=0
- 中心C、半径 r の円:|\vec p-\vec c|=r
- ABを直径とする円:(\vec p-\vec a)\cdot(\vec p-\vec b)=0
例題
1点 (1,2) を通り、\vec n=(3,-1) に垂直な直線の方程式を求めよ。
解答
3(x-1)-1\cdot(y-2)=0 より 3x-y-1=0
2|3\vec p-\vec a-2\vec b|=6 はどんな図形を表すか(A, B は定点)。
解答
3で割って \left|\vec p-\frac{\vec a+2\vec b}{3}\right|=2答え:線分ABを 2:1 に内分する点を中心とする半径2の円
注意|3\vec p-\cdots|=6 を3で割るとき、右辺も3で割るのを忘れない。
空間ベクトル
着眼点平面の公式に z 成分を足すだけ。両方に垂直なベクトルは、内積 = 0 を2本立てて比を出す。
|\vec a|=\sqrt{a_1^2+a_2^2+a_3^2},\quad \vec a\cdot\vec b=a_1b_1+a_2b_2+a_3b_3
例題
1\vec a=(1,2,-2),\ \vec b=(2,0,1) のとき、|\vec a| と \vec a\cdot\vec b を求めよ。
解答
|\vec a|=\sqrt{1+4+4}=3、\vec a\cdot\vec b=2+0-2=0(つまり \vec a\perp\vec b)
2\vec a=(1,1,0),\ \vec b=(0,1,1) の両方に垂直な単位ベクトルを求めよ。
解答
求めるベクトルを (x,y,z) とおく。x+y=0,\ y+z=0 より (x,y,z)=(x,-x,x)。
大きさ1:3x^2=1 より x=\pm\frac{1}{\sqrt3}。\pm\left(\frac{1}{\sqrt3},\,-\frac{1}{\sqrt3},\,\frac{1}{\sqrt3}\right)(検算:(1,-1,1)\cdot(1,1,0)=0,\ (1,-1,1)\cdot(0,1,1)=0)
注意単位ベクトルは \pm の2つ。片方だけ答えるミスが多い。
着眼点点Pが平面ABC上 \iff \overrightarrow{\mathrm{OP}}=s\overrightarrow{\mathrm{OA}}+t\overrightarrow{\mathrm{OB}}+u\overrightarrow{\mathrm{OC}} で係数の和が1。平面の「係数和=1」版。
\mathrm{P}\ \text{が平面ABC上}\iff \overrightarrow{\mathrm{OP}}=s\vec a+t\vec b+u\vec c,\ \ s+t+u=1(\vec a,\vec b,\vec c は同一平面上にない=一次独立)
例題
1四面体OABCで \overrightarrow{\mathrm{OA}}=\vec a,\ \overrightarrow{\mathrm{OB}}=\vec b,\ \overrightarrow{\mathrm{OC}}=\vec c とする。辺OAの中点L、辺OBを 2:1 に内分する点M、辺OCの中点Nをとる。\triangle\mathrm{ABC} の重心をGとし、直線OGと平面LMNの交点をPとする。\overrightarrow{\mathrm{OP}} を求めよ。
解答
\overrightarrow{\mathrm{OL}}=\frac12\vec a,\ \overrightarrow{\mathrm{OM}}=\frac23\vec b,\ \overrightarrow{\mathrm{ON}}=\frac12\vec c。
PはOG上:\overrightarrow{\mathrm{OP}}=\frac k3(\vec a+\vec b+\vec c)。L, M, N で書き直すと \overrightarrow{\mathrm{OP}}=\frac{2k}{3}\overrightarrow{\mathrm{OL}}+\frac{k}{2}\overrightarrow{\mathrm{OM}}+\frac{2k}{3}\overrightarrow{\mathrm{ON}}Pは平面LMN上なので \frac{2k}3+\frac k2+\frac{2k}3=\frac{11k}{6}=1、k=\frac{6}{11}。\overrightarrow{\mathrm{OP}}=\frac{2}{11}(\vec a+\vec b+\vec c)
注意係数の和を見るのは「L, M, N を基準に書き直した後」。\vec a,\vec b,\vec c の係数のまま和を1にしても意味がない。
着眼点直線は \vec p=\vec a+t\vec d を成分で書き、条件(z=0 など)から t を決める。球面と平面の交わりは円。
- 2点A, Bを通る直線:\vec p=\vec a+t(\vec b-\vec a)
- 中心 (a,b,c)、半径 r の球面:(x-a)^2+(y-b)^2+(z-c)^2=r^2
例題
12点 \mathrm{A}(1,0,2),\ \mathrm{B}(3,2,1) を通る直線と xy 平面の交点を求めよ。
解答
\vec p=(1,0,2)+t(2,2,-1)=(1+2t,\,2t,\,2-t)。
z=0 より t=2。答え (5,4,0)
2球面 (x-1)^2+(y+2)^2+(z-3)^2=25 と xy 平面の交わりを求めよ。
解答
z=0 を代入:(x-1)^2+(y+2)^2+9=25 より (x-1)^2+(y+2)^2=16,\ z=0答え:xy 平面上の中心 (1,-2,0)、半径4の円
ポイント交わりの円の半径は「球の半径」と「中心から平面までの距離」で三平方:\sqrt{5^2-3^2}=4 と検算できる。
着眼点法線 (a,b,c) の平面は ax+by+cz+d=0。点と直線の距離の公式の空間版。
\text{点}(x_0,y_0,z_0)\ \text{と平面}\ ax+by+cz+d=0\ \text{の距離}=\frac{|ax_0+by_0+cz_0+d|}{\sqrt{a^2+b^2+c^2}}
例題
1点 (1,0,1) を通り \vec n=(1,-1,2) に垂直な平面の方程式と、原点からその平面までの距離を求めよ。
解答
1(x-1)-1\cdot y+2(z-1)=0 より x-y+2z-3=0。\text{距離}=\frac{|-3|}{\sqrt{1+1+4}}=\frac{3}{\sqrt6}=\frac{\sqrt6}{2}
ポイント後回しでよい理由:現行の教科書では発展扱いで、共通テスト〜地方国公立は位置ベクトルと内積だけで解ける形で出す。例外:空間図形を座標で処理させる理系の個別試験(難関大や医学部)を受ける人は使えると速い。
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複素数平面
複素数を点として扱う。かけ算=回転と拡大、という見方ひとつで図形問題まで通す。
複素数平面と極形式
必須共役複素数と絶対値(|z|^2=z\overline{z})
着眼点絶対値は2乗して z\overline z に直す。実数・純虚数の判定は共役で書く。
z=a+bi\ \text{のとき}\ \overline z=a-bi,\quad |z|=\sqrt{a^2+b^2},\quad |z|^2=z\overline z- z が実数 \iff \overline z=z
- z が純虚数 \iff \overline z=-z,\ z\ne0
- \overline{z+w}=\overline z+\overline w,\ \ \overline{zw}=\overline z\,\overline w,\ \ |zw|=|z||w|
- 2点間の距離:|\beta-\alpha|
例題
1z=3-4i のとき |z| と \dfrac1z を求めよ。
解答
|z|=\sqrt{9+16}=5。\frac1z=\frac{\overline z}{|z|^2}=\frac{3+4i}{25}
2|z|=2 のとき、z+\dfrac{4}{\overline z} を z で表せ。
解答
|z|^2=z\overline z=4 より \frac{4}{\overline z}=\frac{z\overline z}{\overline z}=z。
答え z+\frac{4}{\overline z}=2z
注意|z|^2=z^2 ではない(z^2 は一般に複素数)。必ず z\overline z。
着眼点かけ算は「絶対値はかけ、偏角は足す」。割り算は「絶対値は割り、偏角は引く」。
z=r(\cos\theta+i\sin\theta)\quad(r=|z|,\ \theta=\arg z)z_1z_2=r_1r_2\{\cos(\theta_1+\theta_2)+i\sin(\theta_1+\theta_2)\}\frac{z_1}{z_2}=\frac{r_1}{r_2}\{\cos(\theta_1-\theta_2)+i\sin(\theta_1-\theta_2)\}
例題
11+\sqrt3\,i と -1+i を極形式で表せ(0\le\theta<2\pi)。
解答
1+\sqrt3\,i=2\left(\cos\frac{\pi}{3}+i\sin\frac{\pi}{3}\right)-1+i=\sqrt2\left(\cos\frac{3\pi}{4}+i\sin\frac{3\pi}{4}\right)
2(1+\sqrt3\,i)(-1+i) の絶対値と偏角を求めよ(0\le\theta<2\pi)。
解答
絶対値 2\cdot\sqrt2=2\sqrt2、偏角 \frac{\pi}{3}+\frac{3\pi}{4}=\frac{13\pi}{12}。
(検算:展開すると -1-\sqrt3+(1-\sqrt3)i、絶対値の2乗は (1+\sqrt3)^2+(1-\sqrt3)^2=8)
注意偏角は \tan だけで決めず、点がどの象限にあるかを図で確かめる。
着眼点\theta 回転は \cos\theta+i\sin\theta をかける。中心が原点でなければ「中心を原点に移してから回して戻す」。
\text{原点まわりに}\ \theta\ \text{回転}:\ w=(\cos\theta+i\sin\theta)z\text{点}\ \alpha\ \text{まわりに}\ \theta\ \text{回転}:\ w-\alpha=(\cos\theta+i\sin\theta)(z-\alpha)\frac{\pi}{2} 回転は i をかけるだけ。
例題
1点 2+i を原点のまわりに \frac{\pi}{2} 回転した点を求めよ。
解答
i(2+i)=2i+i^2=-1+2i
2点 z=3+i を点 \alpha=1+i のまわりに \frac{\pi}{3} 回転した点 w を求めよ。
解答
z-\alpha=2。w-\alpha=2\left(\frac12+\frac{\sqrt3}{2}i\right)=1+\sqrt3\,i答え w=2+(1+\sqrt3)\,i
(検算:|w-\alpha|=2=|z-\alpha|)
確認問題
1原点O、点 2 と正三角形をつくる点(上半平面)は?
答え
2 を \frac{\pi}{3} 回転:2\left(\frac12+\frac{\sqrt3}2i\right)=1+\sqrt3\,i
着眼点累乗は極形式にしてから。n 乗は「絶対値を n 乗、偏角を n 倍」。
(\cos\theta+i\sin\theta)^n=\cos n\theta+i\sin n\theta\quad(n\ \text{は整数})
例題
解答
1+i=\sqrt2\left(\cos\frac{\pi}{4}+i\sin\frac{\pi}{4}\right)。(1+i)^8=(\sqrt2)^8(\cos2\pi+i\sin2\pi)=16
2\left(\dfrac{1+\sqrt3\,i}{1+i}\right)^{12} を計算せよ。
解答
商は絶対値 \frac{2}{\sqrt2}=\sqrt2、偏角 \frac{\pi}{3}-\frac{\pi}{4}=\frac{\pi}{12}。\left(\sqrt2\right)^{12}\left(\cos\pi+i\sin\pi\right)=64\cdot(-1)=-64
確認問題
1(1+\sqrt3\,i)^n が正の実数となる最小の自然数 n は?
答え
偏角 \frac{n\pi}{3} が 2\pi の整数倍 → n=6(値は 64)
着眼点z=r(\cos\theta+i\sin\theta) とおき、絶対値と偏角を比べる。偏角は「+2k\pi」を付けて k=0,1,\dots,n-1。
- 右辺を極形式に:\alpha=R(\cos\varphi+i\sin\varphi)
- r^n=R、n\theta=\varphi+2k\pi
- k=0,1,\dots,n-1 を代入(解は単位円を n 等分した正 n 角形の頂点)
例題
解答
-16=16(\cos\pi+i\sin\pi)。r^4=16 より r=2、4\theta=\pi+2k\pi より \theta=\frac{\pi}{4}+\frac{k\pi}{2}。
k=0,1,2,3 で \theta=\frac{\pi}4,\frac{3\pi}4,\frac{5\pi}4,\frac{7\pi}4。z=\pm\sqrt2\pm\sqrt2\,i\ (\text{複号任意の4つ})
解答
8i=8\left(\cos\frac{\pi}{2}+i\sin\frac{\pi}{2}\right)。r=2、3\theta=\frac{\pi}{2}+2k\pi より \theta=\frac{\pi}{6},\ \frac{5\pi}{6},\ \frac{3\pi}{2}。z=\sqrt3+i,\ \ -\sqrt3+i,\ \ -2i(検算:(-2i)^3=-8i^3=8i)
注意k を 0 だけで止めて解を1つしか書かないミス。n 乗根は必ず n 個。
図形への応用
着眼点|z-\alpha| は「点 \alpha との距離」と読む。比の形(アポロニウス)は2乗して z\overline z でまとめる。
- |z-\alpha|=r:中心 \alpha、半径 r の円
- |z-\alpha|=|z-\beta|:2点 \alpha,\beta を結ぶ線分の垂直二等分線
- |z-\alpha|=k|z-\beta|\ (k\ne1):円(2乗して整理)
例題
1|z-2i|=3 を満たす点 z 全体はどんな図形か。また |z+2|=|z-4i| はどうか。
解答
前者:中心 2i、半径3の円。
後者:2点 -2 と 4i を結ぶ線分の垂直二等分線。
2|z-1|=2|z+2| を満たす点 z 全体はどんな図形か。
解答
両辺を2乗:(z-1)(\overline z-1)=4(z+2)(\overline z+2)。z\overline z-z-\overline z+1=4z\overline z+8z+8\overline z+163z\overline z+9z+9\overline z+15=0 \ \Rightarrow\ z\overline z+3z+3\overline z+5=0(z+3)(\overline z+3)=9-5=4 \ \Rightarrow\ |z+3|=2答え:中心 -3、半径2の円
(検算:z=-1 で |{-2}|=2,\ 2|1|=2)
確認問題
1|z-(3+4i)|=2 のとき |z| の最大値・最小値は?
答え
原点と中心の距離は5。最大 5+2=7、最小 5-2=3。
差がつく3点の位置関係(\dfrac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha} を見る)
着眼点\dfrac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha} の絶対値は辺の比 \dfrac{\mathrm{AC}}{\mathrm{AB}}、偏角は \angle\mathrm{BAC}。
- 3点が一直線上 \iff \dfrac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha} が実数
- \mathrm{AB}\perp\mathrm{AC} \iff \dfrac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha} が純虚数
例題
1\alpha=0,\ \beta=1+2i,\ \gamma=x+i(x は実数)とする。(1) 3点が一直線上にある x、(2) \mathrm{OB}\perp\mathrm{OC} となる x を求めよ。
解答
\frac{\gamma}{\beta}=\frac{(x+i)(1-2i)}{5}=\frac{x+2}{5}+\frac{1-2x}{5}i(1) 虚部 =0 より x=\frac12
(2) 実部 =0(虚部 \ne0)より x=-2
(検算:(2) は (1,2)\cdot(-2,1)=0)
2異なる3点 \mathrm{A}(\alpha),\mathrm{B}(\beta),\mathrm{C}(\gamma) が \gamma-\alpha=(1+\sqrt3\,i)(\beta-\alpha) を満たす。\triangle\mathrm{ABC} の3つの角を求めよ。
解答
1+\sqrt3\,i=2\left(\cos\frac\pi3+i\sin\frac\pi3\right) より \mathrm{AC}=2\mathrm{AB}、\angle\mathrm{BAC}=\frac\pi3。
\mathrm{AB}=1,\ \mathrm{AC}=2 とすると余弦定理で \mathrm{BC}^2=1+4-2=3、\mathrm{AB}^2+\mathrm{BC}^2=4=\mathrm{AC}^2。
答え \angle\mathrm A=\frac\pi3,\ \angle\mathrm B=\frac\pi2,\ \angle\mathrm C=\frac\pi6
注意分母と分子の順番に注意。\dfrac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha} の偏角は「ABからACへ」回る角。
差がつく|z|=1 のときは \overline z=\dfrac1z
着眼点単位円上の点なら共役を \dfrac1z に置きかえられる。z+\dfrac1z は実数 2\cos\theta。
|z|=1 \iff z\overline z=1 \iff \overline z=\frac1zz=\cos\theta+i\sin\theta\ \text{なら}\ z+\frac1z=2\cos\theta
例題
1|z|=1 のとき、w=z+\dfrac1z がとりうる値の範囲を求めよ。
解答
z=\cos\theta+i\sin\theta とおくと \frac1z=\cos\theta-i\sin\theta。w=2\cos\theta。
答え:w は実数で -2\le w\le2
2z=\cos\frac{2\pi}{5}+i\sin\frac{2\pi}{5} について、t=z+\dfrac1z の値を求め、\cos\frac{2\pi}{5} の値を求めよ。
解答
z^5=1,\ z\ne1 より 1+z+z^2+z^3+z^4=0。z^2 で割ると z^2+\frac1{z^2}+z+\frac1z+1=0z^2+\frac1{z^2}=t^2-2 なので t^2+t-1=0。
t=2\cos\frac{2\pi}5>0 より t=\frac{-1+\sqrt5}{2}。\cos\frac{2\pi}{5}=\frac{\sqrt5-1}{4}(検算:\approx0.309=\cos72^\circ)
着眼点z を w で表して(逆に解いて)、z の条件式に代入する。
- w=f(z) を z=g(w) に直す
- z が満たす式(|z-\alpha|=r など)に代入
- w の式として図形を読む
例題
1点 z が |z|=1 上を動くとき、w=(1+i)z+2 が描く図形を求めよ。
解答
z=\frac{w-2}{1+i}。|z|=1 に代入:\frac{|w-2|}{|1+i|}=1 より |w-2|=\sqrt2。
答え:中心2、半径 \sqrt2 の円
2点 z が円 |z-1|=1 上(ただし z\ne0)を動くとき、w=\dfrac1z が描く図形を求めよ。
解答
z=\frac1w を代入:\left|\frac1w-1\right|=1 より \frac{|1-w|}{|w|}=1、|w-1|=|w|。
答え:2点 0,\ 1 を結ぶ線分の垂直二等分線(実部が \frac12 の直線)
(検算:z=2\to w=\frac12、z=1+i\to w=\frac{1-i}{2}、どちらも実部 \frac12)
注意z\ne0 のような除外点があるときは、像からも対応する点を除く(上の例は z\to0 に対応する点がないので除外なし)。
着眼点z^n=1,\ z\ne1 なら 1+z+\cdots+z^{n-1}=0。実部を取ると \cos の和が出る。
\sum_{k=0}^{n-1}\cos\frac{2k\pi}{n}=0\quad(n\ge2)
例題
1\cos\frac{2\pi}{5}+\cos\frac{4\pi}{5} の値を求めよ。
解答
\sum_{k=0}^{4}\cos\frac{2k\pi}5=0 で、\cos\frac{8\pi}5=\cos\frac{2\pi}5,\ \cos\frac{6\pi}5=\cos\frac{4\pi}5。
1+2\left(\cos\frac{2\pi}5+\cos\frac{4\pi}5\right)=0。答え -\frac12
ポイント後回しでよい理由:上の「|z|=1 なら \overline z=\frac1z」の項目ができれば必要な場面で導ける。例外:難関理系の個別試験では誘導つきで出ることがある。
不要正三角形の条件 \alpha^2+\beta^2+\gamma^2=\alpha\beta+\beta\gamma+\gamma\alpha
着眼点3点が正三角形の頂点 \iff この対称式が成り立つ。暗記より「回転で示す」方が応用が利く。
例題
1\alpha=0,\ \beta=1,\ \gamma=\frac{1+\sqrt3\,i}{2} で上の等式が成り立つことを確かめよ。
解答
\gamma^2=\frac{1+2\sqrt3\,i-3}{4}=-\frac12+\frac{\sqrt3}{2}i。
左辺 =0+1+\gamma^2=\frac12+\frac{\sqrt3}2i
右辺 =0+\gamma+0=\frac12+\frac{\sqrt3}2i。一致する。
ポイント後回しでよい理由:地方国公立では「\frac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha} を計算して形を判定」で足りる。例外:この式の証明そのものが誘導問題として出る難関大の対策をする人。
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平面上の曲線
放物線・楕円・双曲線の標準形と焦点、媒介変数表示、極座標と極方程式。
2次曲線
着眼点y^2=4px の形に合わせて p を読む。焦点 (p,0)、準線 x=-p。x^2=4py なら x,y の役割を入れかえる。
定義:焦点Fからの距離と準線 \ell からの距離が等しい点の軌跡。
| 方程式 | 焦点 | 準線 |
|---|
| y^2=4px | (p,\,0) | x=-p |
| x^2=4py | (0,\,p) | y=-p |
例題
解答
8=4p より p=2。焦点 (2,0)、準線 x=-2
2放物線 x^2=-12y の焦点と準線を求めよ。また焦点 (0,1)、準線 y=-1 の放物線の方程式を求めよ。
解答
-12=4p より p=-3。焦点 (0,-3)、準線 y=3。
後半:p=1 なので x^2=4y
(検算:点 (2,1) は焦点まで2、準線まで2)
注意y=ax^2 の形で与えられたら x^2=\frac1a y に直してから 4p=\frac1a。
必須楕円 \dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1
着眼点焦点は「大きい方 − 小さい方」の平方根:c=\sqrt{a^2-b^2}。焦点からの距離の和は長軸の長さ 2a。
a>b>0 のとき
\text{焦点}\ (\pm\sqrt{a^2-b^2},\ 0),\quad \mathrm{PF}+\mathrm{PF'}=2a長軸の長さ 2a、短軸の長さ 2b。b>a なら焦点は y 軸上 (0,\pm\sqrt{b^2-a^2})。
例題
1楕円 \dfrac{x^2}{25}+\dfrac{y^2}{9}=1 の焦点と、楕円上の点から2焦点までの距離の和を求めよ。
解答
c=\sqrt{25-9}=4。焦点 (\pm4,\,0)、距離の和 2\cdot5=10
2焦点が (0,\pm2)、長軸の長さが6の楕円の方程式を求めよ。
解答
焦点が y 軸上なので \frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}=1\ (b>a)、2b=6 より b=3。
b^2-a^2=4 より a^2=5。答え \dfrac{x^2}{5}+\dfrac{y^2}{9}=1
注意双曲線と混ぜて c=\sqrt{a^2+b^2} にしてしまうミス。楕円は「引く」。
必須双曲線 \dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=1
着眼点焦点は c=\sqrt{a^2+b^2}(足す)。漸近線は右辺を0にして y=\pm\dfrac ba x。
\text{焦点}\ (\pm\sqrt{a^2+b^2},\ 0),\quad |\mathrm{PF}-\mathrm{PF'}|=2a,\quad \text{漸近線}\ y=\pm\frac bax\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=-1 なら焦点は y 軸上 (0,\pm\sqrt{a^2+b^2})。
例題
1双曲線 \dfrac{x^2}{16}-\dfrac{y^2}{9}=1 の焦点と漸近線を求めよ。
解答
c=\sqrt{16+9}=5。焦点 (\pm5,\,0)、漸近線 y=\pm\frac34x
2頂点が (\pm1,\,0)、漸近線が y=\pm2x の双曲線の方程式と焦点を求めよ。
解答
a=1、\frac ba=2 より b=2。答え x^2-\dfrac{y^2}{4}=1、焦点 (\pm\sqrt5,\,0)
ポイントグラフを描くときは、まず x=\pm a,\ y=\pm b の長方形を描き、その対角線を漸近線にする。
着眼点x,\ y それぞれ平方完成して標準形に。中心(頂点)がずれた分だけ焦点もずらす。
F(x,y)=0 を x 方向に p、y 方向に q 平行移動 → F(x-p,\,y-q)=0
例題
14x^2+9y^2-16x+18y-11=0 はどんな曲線か。中心と焦点を求めよ。
解答
4(x^2-4x)+9(y^2+2y)=11
4(x-2)^2-16+9(y+1)^2-9=11
4(x-2)^2+9(y+1)^2=36 \frac{(x-2)^2}{9}+\frac{(y+1)^2}{4}=1楕円 \frac{x^2}9+\frac{y^2}4=1(焦点 (\pm\sqrt5,0))を (2,-1) 平行移動したもの。
答え:中心 (2,-1)、焦点 (2\pm\sqrt5,\,-1)
2y^2-4y-8x+12=0 の頂点・焦点・準線を求めよ。
解答
(y-2)^2-4=8x-12 より (y-2)^2=8(x-1)。
y^2=8x(p=2、焦点 (2,0)、準線 x=-2)を (1,2) 平行移動。
答え:頂点 (1,2)、焦点 (3,2)、準線 x=-1
注意平方完成で引く定数に係数をかけ忘れる(4(x-2)^2 なら -4\cdot4=-16)。
着眼点「x^2\to x_1x、y^2\to y_1y、x\to\dfrac{x+x_1}{2}」と置きかえるだけ。
| 曲線 | 点 (x_1,y_1) における接線 |
|---|
| \dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1 | \dfrac{x_1x}{a^2}+\dfrac{y_1y}{b^2}=1 |
| \dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=1 | \dfrac{x_1x}{a^2}-\dfrac{y_1y}{b^2}=1 |
| y^2=4px | y_1y=2p(x+x_1) |
例題
1楕円 \dfrac{x^2}{4}+y^2=1 上の点 \left(\sqrt3,\,\frac12\right) における接線を求めよ。
解答
\frac{\sqrt3\,x}{4}+\frac{1}{2}y=1(点が楕円上にあるかの確認:\frac34+\frac14=1)
2放物線 y^2=4x 上の点 (1,2) における接線を求めよ。
解答
p=1 なので 2y=2(x+1)、答え y=x+1
(検算:y^2=4x に代入すると (x-1)^2=0 で重解)
注意接点が曲線上にあることを先に確かめる。曲線外の点から引く接線はこの公式を直接使えない(接点を (x_1,y_1) とおいて解く)。
着眼点直線の式を代入して x の2次方程式に。接する ⇔ 判別式 =0。弦の中点は解と係数の関係。
例題
1楕円 \dfrac{x^2}{4}+y^2=1 と直線 y=x+k が接するときの k を求めよ。
解答
代入して4倍:x^2+4(x+k)^2=4、5x^2+8kx+4k^2-4=0。\frac D4=16k^2-5(4k^2-4)=-4k^2+20=0答え k=\pm\sqrt5
2楕円 \dfrac{x^2}{4}+y^2=1 と直線 y=x+1 の2交点を結ぶ線分の中点を求めよ。
解答
k=1 を上の式に代入:5x^2+8x=0。
解と係数の関係より x_1+x_2=-\frac85、中点の x 座標は -\frac45、y=-\frac45+1=\frac15。
答え \left(-\frac45,\,\frac15\right)
(検算:交点は (0,1),\ \left(-\frac85,-\frac35\right))
着眼点「距離の和が一定」→楕円、「距離の差が一定」→双曲線、「点と直線から等距離」→放物線。気づけば計算なしで書ける。
例題
1点 (0,2) からの距離と直線 y=-2 からの距離が等しい点の軌跡を求めよ。
解答
焦点 (0,2)、準線 y=-2 の放物線で p=2。答え x^2=8y
(検算:\sqrt{x^2+(y-2)^2}=|y+2| を2乗すると x^2-4y=4y)
22点 (\pm3,\,0) からの距離の差の絶対値が4である点の軌跡を求めよ。
解答
双曲線で 2a=4 より a=2、c=3 より b^2=9-4=5。答え \dfrac{x^2}{4}-\dfrac{y^2}{5}=1
注意楕円は b^2=a^2-c^2、双曲線は b^2=c^2-a^2。どちらも c は中心から焦点までの距離。
媒介変数表示と極座標
着眼点\cos\theta,\ \sin\theta が出たら \cos^2\theta+\sin^2\theta=1 で消す。逆に楕円上の点は (a\cos\theta,\,b\sin\theta) とおくと1変数になる。
| 曲線 | 媒介変数表示 |
|---|
| x^2+y^2=r^2 | x=r\cos\theta,\ y=r\sin\theta |
| \dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1 | x=a\cos\theta,\ y=b\sin\theta |
| \dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=1 | x=\dfrac{a}{\cos\theta},\ y=b\tan\theta |
例題
1x=2\cos\theta+1,\ y=3\sin\theta の表す曲線を求めよ。
解答
\cos\theta=\frac{x-1}{2},\ \sin\theta=\frac y3 を \cos^2\theta+\sin^2\theta=1 へ。\frac{(x-1)^2}{4}+\frac{y^2}{9}=1
2楕円 \dfrac{x^2}{9}+\dfrac{y^2}{4}=1 上の点 (x,y) について、x+y の最大値を求めよ。
解答
x=3\cos\theta,\ y=2\sin\theta とおく。x+y=2\sin\theta+3\cos\theta=\sqrt{13}\sin(\theta+\alpha)(\alpha は \cos\alpha=\frac2{\sqrt{13}},\ \sin\alpha=\frac3{\sqrt{13}} を満たす角)
答え:最大値 \sqrt{13}
注意\theta や t の範囲が制限されていると、曲線の一部だけになる。範囲があれば x,\ y の範囲も書く。
確認問題
1x=t+\dfrac1t,\ y=t-\dfrac1t を消去すると?
答え
x^2-y^2=\left(t+\frac1t\right)^2-\left(t-\frac1t\right)^2=4。双曲線 x^2-y^2=4。
着眼点x=r\cos\theta,\ y=r\sin\theta,\ r^2=x^2+y^2 の3本だけ。極方程式は両辺に r をかけて r^2,\ r\cos\theta を作る。
x=r\cos\theta,\quad y=r\sin\theta,\quad r^2=x^2+y^2
例題
1極座標 \left(2,\,\frac{2\pi}{3}\right) を直交座標に、直交座標 (1,-1) を極座標(0\le\theta<2\pi)に直せ。
解答
x=2\cos\frac{2\pi}3=-1,\ y=2\sin\frac{2\pi}3=\sqrt3 → (-1,\,\sqrt3)
r=\sqrt2、第4象限で \theta=\frac{7\pi}4 → \left(\sqrt2,\,\frac{7\pi}{4}\right)
2極方程式 r=4\cos\theta を直交座標の方程式に直せ。
解答
両辺に r をかける:r^2=4r\cos\theta。x^2+y^2=4x \ \Rightarrow\ (x-2)^2+y^2=4答え:中心 (2,0)、半径2の円
着眼点加法定理でばらしてから x,\ y に置きかえる。r=\dfrac{\cdots}{1-\cos\theta} の形は「分母を払って r=\cdots」にしてから2乗。
- r\cos(\theta-\alpha)=p:原点からの距離 p の直線(法線の向き \alpha)
- r=2a\cos\theta:中心 (a,0)、半径 a の円
例題
1極方程式 r\cos\left(\theta-\dfrac{\pi}{3}\right)=2 を直交座標の方程式に直せ。
解答
r\left(\frac12\cos\theta+\frac{\sqrt3}{2}\sin\theta\right)=2 より \frac12x+\frac{\sqrt3}2y=2。
答え x+\sqrt3\,y=4
2極方程式 r=\dfrac{1}{1-\cos\theta} を直交座標の方程式に直せ。
解答
r-r\cos\theta=1 より r=1+x。2乗して x^2+y^2=(1+x)^2。
答え y^2=2x+1(放物線)
(検算:\theta=\frac\pi2 で r=1、点 (0,1) は 1=0+1 を満たす)
後回しでよい発展
着眼点焦点までの距離 ÷ 準線までの距離 =e。e<1 楕円、e=1 放物線、e>1 双曲線。
例題
1焦点 (1,0)、準線 x=4、離心率 e=\frac12 の曲線の方程式を求めよ。
解答
\sqrt{(x-1)^2+y^2}=\frac12|x-4|。2乗して4倍:4(x^2-2x+1+y^2)=x^2-8x+16。
3x^2+4y^2=12 より \frac{x^2}{4}+\frac{y^2}{3}=1(検算:a=2,\ c=1 で e=\frac ca=\frac12)
ポイント後回しでよい理由:教科書では発展・参考扱いが多く、地方国公立では定義が問題文で与えられる。例外:極方程式と組み合わせて出す理系の個別試験を受ける人。
着眼点半径 a の円が転がるとき、円周上の点は x=a(\theta-\sin\theta),\ y=a(1-\cos\theta)。
例題
1x=\theta-\sin\theta,\ y=1-\cos\theta\ (0\le\theta\le2\pi) で、y が最大になる点を求めよ。
解答
y=1-\cos\theta は \theta=\pi で最大値2。x=\pi-0=\pi。答え (\pi,\,2)
ポイント後回しでよい理由:数学Cでは式の形を知っていれば足り、面積・長さの計算は数学Ⅲの積分の範囲。例外:数学Ⅲまで受験する理系は、積分の題材として一度は扱う。
🎯
極限
数列・関数の極限と無限級数。不定形の崩し方と、はさみうち・\dfrac{\sin x}{x}・e の3つの道具が核。数Ⅲは主に理系の入試で使う(文系の受験科目に入ることはまれ)。
数列の極限
必須不定形 \frac{\infty}{\infty}・\infty-\infty の崩し方
着眼点まず代入して形を見る。\frac{\infty}{\infty} なら分母の最高次で割る、\infty-\infty で根号があれば有理化。
- \frac{\infty}{\infty}:分母・分子を分母の最高次の項で割る(\frac{1}{n}\to0 を作る)。
- \infty-\infty(根号あり):\sqrt{A}-B=\dfrac{A-B^2}{\sqrt{A}+B} と有理化。
- \infty-\infty(多項式):最高次でくくる。n^3-n^2=n^3\left(1-\frac1n\right)\to\infty
例題
1\displaystyle\lim_{n\to\infty}\frac{3n^2-n+1}{2n^2+5} を求めよ。
解答
分母・分子を n^2 で割る。\frac{3-\frac1n+\frac1{n^2}}{2+\frac5{n^2}}\to\frac{3}{2}答え \dfrac32
2\displaystyle\lim_{n\to\infty}\left(\sqrt{n^2+3n}-n\right) を求めよ。
解答
有理化する。\sqrt{n^2+3n}-n=\frac{(n^2+3n)-n^2}{\sqrt{n^2+3n}+n}=\frac{3n}{\sqrt{n^2+3n}+n}分母・分子を n で割って \frac{3}{\sqrt{1+\frac3n}+1}\to\frac{3}{2}答え \dfrac32
注意「\infty-\infty=0」「\frac{\infty}{\infty}=1」としない。不定形は形を変えるまで値が決まらない。
確認問題
1\displaystyle\lim_{n\to\infty}\frac{2n+1}{n^2}
答え
0(n^2 で割ると \frac{2/n+1/n^2}{1}\to0)
2\displaystyle\lim_{n\to\infty}\left(\sqrt{n+1}-\sqrt{n}\right)
答え
0(有理化で \frac{1}{\sqrt{n+1}+\sqrt n}\to0)
着眼点r^n を含む式は、|r| と 1 の大小で場合分け。|r|>1 のときは r^n(いちばん大きい底)で割る。
| r の範囲 | \displaystyle\lim_{n\to\infty} r^n |
|---|
| r>1 | \infty(発散) |
| r=1 | 1 |
| -1<r<1 | 0 |
| r\le -1 | 振動(極限なし) |
例題
1\displaystyle\lim_{n\to\infty}\frac{3^n-2^n}{3^n+2^n} を求めよ。
解答
分母・分子を 3^n で割る。\frac{1-\left(\frac23\right)^n}{1+\left(\frac23\right)^n}\to\frac{1-0}{1+0}=1答え 1
2r\ne-1 のとき \displaystyle\lim_{n\to\infty}\frac{r^{n+1}}{r^n+1} を求めよ。
解答
(i) |r|<1:r^n\to0 より \frac{0}{0+1}=0
(ii) r=1:\frac{1}{1+1}=\frac12
(iii) |r|>1:r^n で割ると \dfrac{r}{1+\frac{1}{r^n}}、\frac1{r^n}\to0 より r
答え |r|<1 で 0、r=1 で \frac12、|r|>1 で r
注意r=1 と r=-1 を場合分けから落としやすい。r=-1 は (-1)^n が振動するので別扱い。
確認問題
1\displaystyle\lim_{n\to\infty}\frac{2^{n+1}+5^n}{5^{n+1}}
答え
\frac15(5^{n} で割ると \frac{2(2/5)^n+1}{5}\to\frac15)
着眼点\sin n、(-1)^n、[x]、n乗根など「直接計算できないもの」が出たら、上下から同じ値に収束する式ではさむ。
a_n\le c_n\le b_n かつ \lim a_n=\lim b_n=\alpha ならば \lim c_n=\alpha
よく使う評価:-1\le\sin n\le1、x-1<[x]\le x
例題
1\displaystyle\lim_{n\to\infty}\frac{\sin n}{n} を求めよ。
解答
-1\le\sin n\le1 より -\frac1n\le\frac{\sin n}{n}\le\frac1n両端 \to0 なので、はさみうちの原理より答え 0
2\displaystyle\lim_{n\to\infty}\left(2^n+3^n\right)^{\frac1n} を求めよ。
解答
3^n< 2^n+3^n< 3^n+3^n=2\cdot3^n より 3< \left(2^n+3^n\right)^{\frac1n}< 2^{\frac1n}\cdot32^{\frac1n}\to1 なので右端 \to3。はさみうちの原理より答え 3
ポイントはさむ式は「一番大きい項だけ残す(下)」「全部を一番大きい項に置き換える(上)」で作ると速い。
注意答案には「はさみうちの原理より」と必ず書く。両端の極限が一致しないとはさめていない。
着眼点a_{n+1}=pa_n+q 型は、極限値の候補 \alpha=p\alpha+q を引いて等比数列にする。一般項が出ないときは |a_{n+1}-\alpha|\le k|a_n-\alpha|(0<k<1)を示す。
a_{n+1}-\alpha=p(a_n-\alpha)\ \Rightarrow\ a_n-\alpha=(a_1-\alpha)p^{n-1}|p|<1 なら a_n\to\alpha
例題
1a_1=1,\ a_{n+1}=\frac12a_n+3 のとき \displaystyle\lim_{n\to\infty}a_n を求めよ。
解答
\alpha=\frac12\alpha+3 より \alpha=6。a_{n+1}-6=\frac12(a_n-6)a_n-6=(1-6)\left(\frac12\right)^{n-1}=-5\left(\frac12\right)^{n-1}\to0
答え 6
2a_1=1,\ a_{n+1}=\sqrt{a_n+2} のとき、|a_{n+1}-2|\le\frac12|a_n-2| を示し、\displaystyle\lim_{n\to\infty}a_n を求めよ。
解答
a_n>0 は明らか。|a_{n+1}-2|=\left|\sqrt{a_n+2}-2\right|=\frac{|a_n-2|}{\sqrt{a_n+2}+2}\le\frac{|a_n-2|}{2}(分母 \ge 2)。繰り返して |a_n-2|\le\left(\frac12\right)^{n-1}|a_1-2|=\left(\frac12\right)^{n-1}\to0。はさみうちの原理より答え 2
注意「極限を \alpha とおいて \alpha=p\alpha+q」だけでは、収束することを示していないので答案として不十分。
無限級数
着眼点収束条件は「初項 =0 または |r|<1」。和の公式の前に必ず収束条件を確認する。
\sum_{n=1}^{\infty}ar^{n-1}=\frac{a}{1-r}\quad(|r|<1)a=0 なら和は 0。a\ne0 かつ |r|\ge1 なら発散。
例題
1循環小数 0.\dot2\dot7 を分数で表せ。
解答
0.2727\cdots=\frac{27}{100}+\frac{27}{100^2}+\cdots は初項 \frac{27}{100}、公比 \frac1{100} の無限等比級数。\frac{\frac{27}{100}}{1-\frac1{100}}=\frac{27}{99}=\frac{3}{11}答え \dfrac3{11}
2無限級数 x+x(1-x)+x(1-x)^2+\cdots が収束する x の範囲と、その和を求めよ。
解答
初項 x、公比 1-x。収束条件は x=0 または |1-x|<1、すなわち 0\le x<2。
x=0 のとき和は 0。
0<x<2 のとき \dfrac{x}{1-(1-x)}=1。
答え 0\le x<2 で収束し、和は x=0 で 0、0<x<2 で 1
注意初項 =0 の場合を忘れやすい(例2の x=0)。和の関数が不連続になる典型。
着眼点等比でない級数は、まず第 n 項までの部分和 S_n を求め、\lim S_n を計算する。分数なら部分分数分解で消し合わせる。
\sum_{k=1}^{\infty}a_k=\lim_{n\to\infty}\sum_{k=1}^{n}a_k\dfrac{1}{k(k+1)}=\dfrac1k-\dfrac1{k+1}
発散の判定:\lim a_n\ne0 なら \sum a_n は発散する。
例題
1\displaystyle\sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{n(n+1)} を求めよ。
解答
S_n=\sum_{k=1}^{n}\left(\frac1k-\frac1{k+1}\right)=1-\frac1{n+1}\to1答え 1
2\displaystyle\sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{(2n-1)(2n+1)} を求めよ。
解答
\dfrac{1}{(2k-1)(2k+1)}=\dfrac12\left(\dfrac1{2k-1}-\dfrac1{2k+1}\right) より S_n=\frac12\left(1-\frac1{2n+1}\right)\to\frac12答え \dfrac12
注意逆は成り立たない:a_n\to0 でも収束するとは限らない(\sum\frac1n は発散)。
確認問題
1\displaystyle\sum_{n=1}^{\infty}\frac{n}{n+1} は収束するか。
答え
発散(第 n 項 \frac{n}{n+1}\to1\ne0)
1-1+1-1+\cdots は部分和が 1,0,1,0,\cdots と振動して発散する。しかし (1-1)+(1-1)+\cdots とかっこを付けると 0 に見える。
→ かっこを勝手に外したり付けたりしてはいけない。部分和 S_{2n},S_{2n-1} を別々に調べる。
ポイント不要の理由:地方国公立では、交互に符号が変わる級数を S_{2n} と S_{2n-1} に分ける程度で十分で、並べ替えの議論までは出にくい。
例外:旧帝大・医学部志望で、符号が交互に変わる級数の収束・発散を論じる問題に備える場合は確認しておく。
関数の極限
必須関数の極限:\frac00 と x\to-\infty
着眼点\frac00 は因数分解か有理化で原因の因数を約分。x\to-\infty は t=-x とおいて t\to\infty に直す。
- まず代入。値が出ればそれが答え。
- \frac00:(x-a) を約分する。
- x\to-\infty で根号:t=-x とおくと \sqrt{x^2}=|x|=t が安全に扱える。
例題
1\displaystyle\lim_{x\to2}\frac{x^2-4}{x^2-3x+2} を求めよ。
解答
\frac{(x-2)(x+2)}{(x-2)(x-1)}=\frac{x+2}{x-1}\to\frac{4}{1}=4答え 4
2\displaystyle\lim_{x\to-\infty}\left(\sqrt{x^2+x}+x\right) を求めよ。
解答
t=-x とおくと t\to\infty。\sqrt{t^2-t}-t=\frac{-t}{\sqrt{t^2-t}+t}=\frac{-1}{\sqrt{1-\frac1t}+1}\to-\frac12答え -\dfrac12
注意x<0 で \sqrt{x^2}=x としてしまうミスが多い(正しくは -x)。置き換えればこのミスが消える。
着眼点分母 \to0 で極限が有限なら、分子 \to0 が必要。これで係数の関係を出し、実際に計算して十分性を確かめる。
例題
1\displaystyle\lim_{x\to1}\frac{x^2+ax+b}{x-1}=3 となる a,b を求めよ。
解答
分母 \to0 なので分子 \to0 が必要:1+a+b=0、b=-1-a。
このとき分子 =x^2+ax-1-a=(x-1)(x+1+a) なので \lim_{x\to1}(x+1+a)=2+a=3答え a=1,\ b=-2
2\displaystyle\lim_{x\to2}\frac{a\sqrt{x+2}-4}{x-2}=b となる a,b を求めよ。
解答
分子 \to0 が必要:2a-4=0 より a=2。
\frac{2\left(\sqrt{x+2}-2\right)}{x-2}=\frac{2(x-2)}{(x-2)\left(\sqrt{x+2}+2\right)}=\frac{2}{\sqrt{x+2}+2}\to\frac24=\frac12答え a=2,\ b=\dfrac12
注意「分子 \to0」は必要条件。その後に極限を計算して条件を満たすことを確認するまでが解答。
必須\displaystyle\lim_{x\to0}\frac{\sin x}{x}=1
着眼点\sin(\text{何か}) には同じ「何か」を分母にそろえる。1-\cos x は 1+\cos x を掛けて \sin^2x にする。
\lim_{x\to0}\frac{\sin x}{x}=1,\quad \lim_{x\to0}\frac{\tan x}{x}=1,\quad \lim_{x\to0}\frac{1-\cos x}{x^2}=\frac12(x は弧度法)
例題
1\displaystyle\lim_{x\to0}\frac{\sin3x}{x} を求めよ。
解答
\frac{\sin3x}{x}=3\cdot\frac{\sin3x}{3x}\to3\cdot1=3答え 3
2\displaystyle\lim_{x\to0}\frac{1-\cos x}{x^2} を求めよ。
解答
\frac{(1-\cos x)(1+\cos x)}{x^2(1+\cos x)}=\frac{\sin^2x}{x^2}\cdot\frac{1}{1+\cos x}\to1\cdot\frac12答え \dfrac12
注意x\to\infty では使えない:\displaystyle\lim_{x\to\infty}\frac{\sin x}{x}=0(はさみうち)。x\to0 の形に直してから使う。
確認問題
1\displaystyle\lim_{x\to0}\frac{\tan2x}{x}
答え
2
2\displaystyle\lim_{x\to\infty}x\sin\frac1x
答え
1(t=\frac1x\to0 とおくと \frac{\sin t}{t})
着眼点(1+\text{小})^{\text{大}} の形は e の定義へ。指数・対数の \frac00 は \frac{e^h-1}{h}\to1、\frac{\log(1+h)}{h}\to1 を使う。
\lim_{h\to0}(1+h)^{\frac1h}=e,\quad \lim_{x\to\pm\infty}\left(1+\frac1x\right)^x=e\lim_{h\to0}\frac{e^h-1}{h}=1,\quad \lim_{h\to0}\frac{\log(1+h)}{h}=1
例題
1\displaystyle\lim_{x\to\infty}\left(1+\frac2x\right)^x を求めよ。
解答
t=\frac{x}{2} とおくと x=2t、t\to\infty。\left(1+\frac1t\right)^{2t}=\left\{\left(1+\frac1t\right)^t\right\}^2\to e^2答え e^2
2\displaystyle\lim_{x\to0}\frac{e^{3x}-1}{x} を求めよ。
解答
\frac{e^{3x}-1}{x}=3\cdot\frac{e^{3x}-1}{3x}\to3\cdot1=3答え 3
注意\left(1+\frac1n\right)^n\to1^\infty=1 としない。1^\infty も不定形。
確認問題
1\displaystyle\lim_{n\to\infty}\left(1-\frac1n\right)^n
答え
\frac1e(\left(1-\frac1n\right)^n=\left\{\left(1+\frac{1}{-n}\right)^{-n}\right\}^{-1}\to e^{-1})
着眼点絶対値・ガウス記号・\frac{1}{x-a} は、右側 x\to a+0 と左側 x\to a-0 を別々に計算する。一致すれば極限あり。
例題
1\displaystyle\lim_{x\to0}\frac{|x|}{x} は存在するか。
解答
x\to+0:\frac{x}{x}=1。x\to-0:\frac{-x}{x}=-1。
右側と左側が一致しないので、極限は存在しない。
2\displaystyle\lim_{x\to1+0}\frac{1}{x-1} と \displaystyle\lim_{x\to1-0}\frac{1}{x-1} を求めよ。
解答
x\to1+0 では x-1\to+0 なので +\infty。
x\to1-0 では x-1\to-0 なので -\infty。
注意\frac{1}{x-1} の x\to1 を「\infty」と書くのは誤り。片側で符号が違うので、極限はない。
着眼点x=a で連続 ⇔ 「左側極限 = 右側極限 = f(a)」。つなぎ目ごとに3つの値をそろえる条件を立てる。
\lim_{x\to a}f(x)=f(a)多項式・分数関数(定義域内)・三角・指数・対数関数は定義域で連続。
例題
1f(x)=\dfrac{x^2-1}{x-1}\ (x\ne1)、f(1)=a が x=1 で連続となる a を求めよ。
解答
x\ne1 で f(x)=x+1 なので \displaystyle\lim_{x\to1}f(x)=2。連続の条件は f(1)=2。答え a=2
2f(x)=\displaystyle\lim_{n\to\infty}\frac{x^{2n+1}+ax+b}{x^{2n}+1} がすべての実数 x で連続となる a,b を求めよ。
解答
|x|<1:x^{2n}\to0 より f(x)=ax+b
|x|>1:x^{2n} で割ると \dfrac{x+\frac{ax+b}{x^{2n}}}{1+\frac1{x^{2n}}}\to x
x=1:f(1)=\dfrac{1+a+b}{2}、x=-1:f(-1)=\dfrac{-1-a+b}{2}
x=1 で連続:a+b=1=\dfrac{1+a+b}{2} → a+b=1
x=-1 で連続:-a+b=-1=\dfrac{-1-a+b}{2} → -a+b=-1
答え a=1,\ b=0(このとき f(x)=x となり確かに連続)
注意|x|=1 のときは x^{2n}=1 なので、|x|<1・|x|>1 の式に入れず別に計算する。
着眼点「解が少なくとも1つある」を示せと言われたら、連続関数の端点の値の符号が逆であることを示す。
f(x) が [a,b] で連続で f(a)f(b)<0 なら、f(c)=0 となる c が a<c<b に少なくとも1つある。
例題
1方程式 x^3+x-1=0 は 0<x<1 に実数解をもつことを示せ。
解答
f(x)=x^3+x-1 は連続。f(0)=-1<0、f(1)=1>0。中間値の定理より 0<x<1 に解をもつ。
2方程式 \cos x=x は 0<x<\frac{\pi}{2} に実数解をもつことを示せ。
解答
g(x)=\cos x-x は連続。g(0)=1>0、g\left(\frac\pi2\right)=-\frac\pi2<0。中間値の定理より 0<x<\frac\pi2 に解をもつ。
注意「連続」の一言を書き忘れない。解が「ちょうど1つ」なら、加えて単調性(微分)が必要。
不要\varepsilon-N 論法による極限の定義
「任意の \varepsilon>0 に対し、ある N があって n>N なら |a_n-\alpha|<\varepsilon」という極限の厳密な定義。
ポイント不要の理由:高校の学習範囲外で、入試は「限りなく近づく」という直観的な定義とはさみうちの原理で解ける。
例外:数学科志望で大学の内容を先取りしたい生徒が質問してきたときだけ扱う。
📉
微分法(数学Ⅲ)
積・商・合成関数の微分と、三角・指数・対数関数の導関数。増減・凹凸からグラフ、最大最小、不等式証明まで。数Ⅲは主に理系の入試で使う(文系の受験科目に入ることはまれ)。
導関数の計算
着眼点「\lim\frac{f(a+\square)-f(a)}{\square}」の形を見たら定義に戻す。\square をそろえるのがコツ。
f'(a)=\lim_{h\to0}\frac{f(a+h)-f(a)}{h}微分可能 ⇒ 連続(逆は成り立たない:|x| は x=0 で連続だが微分不可能)。
例題
1定義に従って (\sqrt x)' を求めよ(x>0)。
解答
\frac{\sqrt{x+h}-\sqrt x}{h}=\frac{(x+h)-x}{h\left(\sqrt{x+h}+\sqrt x\right)}=\frac{1}{\sqrt{x+h}+\sqrt x}\to\frac{1}{2\sqrt x}答え \dfrac{1}{2\sqrt x}
2f(x) が x=a で微分可能のとき、\displaystyle\lim_{h\to0}\frac{f(a+3h)-f(a-h)}{h} を f'(a) で表せ。
解答
f(a) を引いて足す。\frac{f(a+3h)-f(a)}{3h}\cdot3+\frac{f(a-h)-f(a)}{-h}\cdot1\to3f'(a)+f'(a)答え 4f'(a)
確認問題
答え
可能。\frac{f(h)-f(0)}{h}=\frac{h|h|}{h}=|h|\to0 より f'(0)=0
着眼点積は「片方ずつ微分して足す」、商は「分母の2乗、分子は(上'×下 − 上×下')」。符号の順番に注意。
\{f g\}'=f'g+fg',\qquad \left\{\frac{f}{g}\right\}'=\frac{f'g-fg'}{g^2},\qquad \left\{\frac{1}{g}\right\}'=-\frac{g'}{g^2}
例題
解答
y'=2x\cdot e^x+x^2\cdot e^x=(x^2+2x)e^x
2y=\dfrac{x}{x^2+1} を微分せよ。
解答
y'=\frac{1\cdot(x^2+1)-x\cdot2x}{(x^2+1)^2}=\frac{1-x^2}{(x^2+1)^2}
ポイント答えは因数分解した形で残す。増減表で符号を調べるときにそのまま使える。
着眼点「外側を微分 × 中身の微分」。y=f(u),\ u=g(x) と分けて考える。逆関数は \frac{dy}{dx}=1\Big/\frac{dx}{dy}。
\frac{dy}{dx}=\frac{dy}{du}\cdot\frac{du}{dx},\qquad \{f(g(x))\}'=f'(g(x))\,g'(x)\frac{dy}{dx}=\frac{1}{\frac{dx}{dy}}\quad(\text{逆関数})
例題
解答
u=x^2+1 とおくと y=u^{\frac12}。y'=\frac12u^{-\frac12}\cdot2x=\frac{x}{\sqrt{x^2+1}}
2f(x)=x^3+x の逆関数を g(x) とする。g'(2) を求めよ。
解答
f(1)=2 より g(2)=1。f'(x)=3x^2+1、f'(1)=4。g'(2)=\frac{1}{f'(1)}=\frac14答え \dfrac14
注意\{(2x+1)^5\}'=5(2x+1)^4 と中身の微分 \times2 を忘れるのが最多ミス。正しくは 10(2x+1)^4。
着眼点この表は暗記。\log は自然対数(底 e)。底が e 以外なら \log a が付く。
| 関数 | 導関数 | 関数 | 導関数 |
|---|
| x^\alpha | \alpha x^{\alpha-1} | e^x | e^x |
| \sin x | \cos x | a^x | a^x\log a |
| \cos x | -\sin x | \log|x| | \dfrac1x |
| \tan x | \dfrac{1}{\cos^2x} | \log_a|x| | \dfrac{1}{x\log a} |
例題
解答
y'=-e^{-x}\sin x+e^{-x}\cos x=e^{-x}(\cos x-\sin x)
2y=\log\left(x+\sqrt{x^2+1}\right) を微分せよ。
解答
y'=\frac{1+\frac{x}{\sqrt{x^2+1}}}{x+\sqrt{x^2+1}}=\frac{\frac{\sqrt{x^2+1}+x}{\sqrt{x^2+1}}}{x+\sqrt{x^2+1}}=\frac{1}{\sqrt{x^2+1}}
注意(\cos x)'=-\sin x の符号、(\log f(x))'=\dfrac{f'(x)}{f(x)} の分子 f' を落としやすい。
確認問題
1y=\log(\cos x)\ \left(0<x<\frac\pi2\right) を微分せよ。
答え
y'=\dfrac{-\sin x}{\cos x}=-\tan x
着眼点x^x のように底にも指数にも x がある、または積・商・累乗がたくさん重なっている式は、両辺の対数をとってから微分。
\log|y|=\cdots として両辺を x で微分:\dfrac{y'}{y}=\cdots、最後に y を掛ける。
例題
解答
\log y=x\log x。両辺を x で微分:\frac{y'}{y}=\log x+1答え y'=x^x(\log x+1)
2y=\dfrac{(x+1)^2}{(x-2)^3} を微分せよ。
解答
\log|y|=2\log|x+1|-3\log|x-2| より \frac{y'}{y}=\frac{2}{x+1}-\frac{3}{x-2}=\frac{-x-7}{(x+1)(x-2)}y'=\frac{(x+1)^2}{(x-2)^3}\cdot\frac{-(x+7)}{(x+1)(x-2)}=-\frac{(x+1)(x+7)}{(x-2)^4}
注意(x^x)'=x\cdot x^{x-1} は誤り。x^\alpha の公式は指数が定数のときだけ。
着眼点x,y がともに t の式なら、それぞれ t で微分して割る。接線は「t の値 → 点と傾き」の順で出す。
\frac{dy}{dx}=\frac{\ \frac{dy}{dt}\ }{\frac{dx}{dt}}第2次導関数:\dfrac{d^2y}{dx^2}=\dfrac{\frac{d}{dt}\left(\frac{dy}{dx}\right)}{\frac{dx}{dt}}
例題
1x=t^2+1,\ y=t^3-t で表される曲線の、t=2 に対応する点での接線を求めよ。
解答
\dfrac{dy}{dx}=\dfrac{3t^2-1}{2t}。t=2 で点 (5,6)、傾き \dfrac{11}{4}。y-6=\frac{11}{4}(x-5)答え y=\dfrac{11}{4}x-\dfrac{31}{4}
2サイクロイド x=t-\sin t,\ y=1-\cos t について、t=\frac\pi2 での \frac{dy}{dx} を求めよ。
解答
\dfrac{dx}{dt}=1-\cos t、\dfrac{dy}{dt}=\sin t より \dfrac{dy}{dx}=\dfrac{\sin t}{1-\cos t}。
t=\frac\pi2 で \dfrac{1}{1-0}=1。答え 1
注意第2次導関数を \dfrac{(dy/dt)'}{(dx/dt)'} としない。\frac{dy}{dx} を t で微分して、もう一度 \frac{dx}{dt} で割る。
着眼点y について解かずに、両辺を x で微分する。y の式を微分したら y' を掛ける((y^2)'=2yy')。
例題
1円 x^2+y^2=25 上の点 (3,4) における接線を求めよ。
解答
両辺を x で微分:2x+2yy'=0、y'=-\dfrac{x}{y}。点 (3,4) で傾き -\frac34。y-4=-\frac34(x-3)答え 3x+4y=25
2楕円 \dfrac{x^2}{4}+y^2=1 上の点 \left(\sqrt2,\frac{1}{\sqrt2}\right) における接線の傾きを求めよ。
解答
\dfrac{x}{2}+2yy'=0 より y'=-\dfrac{x}{4y}。
代入して -\dfrac{\sqrt2}{4\cdot\frac1{\sqrt2}}=-\dfrac{2}{4}=-\dfrac12。答え -\dfrac12
ポイント2次曲線の接線は公式 \dfrac{x_1x}{a^2}+\dfrac{y_1y}{b^2}=1 でも出せる(数学Cの範囲)。陰関数の微分はその検算になる。
注意y=0 となる点(接線が縦)では y'=-\frac{x}{y} が使えない。別に扱う。
接線・グラフ
着眼点接点がわかっていなければ、接点を (t,f(t)) とおいて接線を作り、通る点の条件で t を決める。
接線:y-f(a)=f'(a)(x-a)
法線:y-f(a)=-\dfrac{1}{f'(a)}(x-a)(f'(a)\ne0)
例題
1曲線 y=\log x 上の点 (e,1) における接線を求めよ。
解答
y'=\frac1x より傾き \frac1e。y-1=\frac1e(x-e)答え y=\dfrac{x}{e}(原点を通る)
2原点から曲線 y=e^x に引いた接線の方程式を求めよ。
解答
接点を (t,e^t) とおくと接線は y-e^t=e^t(x-t)。
原点を通るので -e^t=-te^t、e^t>0 より t=1。
答え y=ex
注意「点 (p,q) における接線」(接点)と「点 (p,q) を通る接線」(接点は未知)を読み分ける。
着眼点f'(x) を因数分解し、符号が変わる点を並べて増減表。e^x や (\ )^2 など常に正の因数は符号に関係しない。
f'(x)>0 の区間で増加、f'(x)<0 で減少。f' の符号が +\to- で極大、-\to+ で極小。
例題
解答
f'(x)=e^{-x}-xe^{-x}=(1-x)e^{-x}。e^{-x}>0 なので符号は 1-x で決まる。
x<1 で f'>0、x>1 で f'<0。
答え x=1 で極大値 \dfrac1e(極小値なし)
2f(x)=x-2\sin x\ (0\le x\le2\pi) の極値を求めよ。
解答
f'(x)=1-2\cos x=0 より \cos x=\frac12、x=\frac\pi3,\frac{5\pi}3。
0<x<\frac\pi3 で f'<0、\frac\pi3<x<\frac{5\pi}3 で f'>0、\frac{5\pi}3<x<2\pi で f'<0。
答え x=\frac\pi3 で極小値 \dfrac\pi3-\sqrt3、x=\frac{5\pi}3 で極大値 \dfrac{5\pi}3+\sqrt3
注意f'(a)=0 でも符号が変わらなければ極値ではない(例:x^3 の x=0)。
着眼点グラフは「定義域 → 対称性 → f'(増減)→ f''(凹凸)→ 端や漸近線での極限」の順に調べて表にまとめる。
f''(x)>0 で下に凸、f''(x)<0 で上に凸。f'' の符号が変わる点が変曲点。
漸近線:\displaystyle\lim_{x\to a}f(x)=\pm\infty なら x=a。\displaystyle\lim_{x\to\pm\infty}\{f(x)-(mx+n)\}=0 なら y=mx+n。
例題
1y=e^{-\frac{x^2}{2}} の変曲点を求めよ。
解答
y'=-xe^{-\frac{x^2}2}、y''=-e^{-\frac{x^2}2}+x^2e^{-\frac{x^2}2}=(x^2-1)e^{-\frac{x^2}2}。
x=\pm1 の前後で y'' の符号が変わる。
答え \left(\pm1,\ \dfrac{1}{\sqrt e}\right)
2y=\dfrac{x^2}{x-1} の漸近線と極値を求めよ。
解答
割り算して y=x+1+\dfrac{1}{x-1}。
漸近線:x=1 と y=x+1(\frac1{x-1}\to0)。
y'=1-\dfrac{1}{(x-1)^2}=\dfrac{x(x-2)}{(x-1)^2}。
x=0 で極大値 0、x=2 で極小値 4
ポイント分数関数は「割り算して 多項式 + 真分数」に直すと、斜めの漸近線と微分が一度に楽になる。
着眼点区間の端点の値と極値を比べる。文章題は「何を変数にするか」「その変数の範囲」を最初に書く。
例題
1f(x)=x^2e^{-x}\ (0\le x\le3) の最大値・最小値を求めよ。
解答
f'(x)=(2x-x^2)e^{-x}=x(2-x)e^{-x}。0<x<2 で増加、2<x<3 で減少。
f(0)=0、f(2)=\frac{4}{e^2}、f(3)=\frac9{e^3}。
f(2) が極大かつ区間内で最大。最小は f(0) と f(3) の小さいほうで f(0)=0。
答え 最大値 \dfrac4{e^2}\ (x=2)、最小値 0\ (x=0)
2半径 1 の球に内接する直円柱の体積の最大値を求めよ。
解答
円柱の高さを 2h、底面の半径を r とすると r^2=1-h^2\ (0<h<1)。V=\pi r^2\cdot2h=2\pi(h-h^3)V'=2\pi(1-3h^2)=0 より h=\frac1{\sqrt3}。この前後で V' は +\to-。V=2\pi\left(\frac1{\sqrt3}-\frac1{3\sqrt3}\right)=\frac{4\pi}{3\sqrt3}=\frac{4\sqrt3}{9}\pi答え \dfrac{4\sqrt3}{9}\pi
注意開区間では端点で値をとらないので、「最大値なし」になることがある。端での極限も調べる。
着眼点「A>B を示せ」は f(x)=A-B とおき、f(\text{端})\ge0 と増加を示す。1回で符号がわからなければ f'' まで微分する。
例題
解答
f(x)=e^x-1-x とおく。f'(x)=e^x-1>0\ (x>0) より f は x\ge0 で増加。f(0)=0 なので x>0 で f(x)>0。
2x>0 のとき \log(1+x)>x-\dfrac{x^2}{2} を示せ。
解答
f(x)=\log(1+x)-x+\dfrac{x^2}2 とおく。f'(x)=\frac{1}{1+x}-1+x=\frac{1-(1+x)+x(1+x)}{1+x}=\frac{x^2}{1+x}>0f(0)=0 なので x>0 で f(x)>0。
ポイントf' の符号がすぐわからないとき:f'' を調べて f' の増減 → f'(0) の値 → f' の符号、と一段ずつ戻る。
着眼点文字定数 a を片側に集めて「a=g(x)」にし、y=g(x) のグラフと横線 y=a の交点の個数を数える。
例題
1方程式 e^x=ax の異なる実数解の個数を、定数 a の値で分類せよ。
解答
x=0 は解でない(1\ne0)ので a=\dfrac{e^x}{x}=g(x) と分離。
g'(x)=\dfrac{e^x(x-1)}{x^2}。
x<0:減少、x\to-\infty で g\to-0、x\to-0 で g\to-\infty。
x>0:x\to+0 で +\infty、x=1 で極小値 e、x\to\infty で +\infty。
答え a<0 で1個、0\le a<e で0個、a=e で1個、a>e で2個
注意分離のとき x で割るなら x=0 を別に確かめる。グラフの端の極限(漸近線)を書かないと個数が数えられない。
着眼点\dfrac{f(b)-f(a)}{b-a}(2点を結ぶ傾き)の形を見たら平均値の定理。c が a<c<b にあることを使って評価する。
f が [a,b] で連続、(a,b) で微分可能なら \frac{f(b)-f(a)}{b-a}=f'(c),\quad a<c<b を満たす c がある。
例題
10<a<b のとき \dfrac{b-a}{b}<\log b-\log a<\dfrac{b-a}{a} を示せ。
解答
f(x)=\log x に平均値の定理:\dfrac{\log b-\log a}{b-a}=\dfrac1c\ (a<c<b)。
\dfrac1b<\dfrac1c<\dfrac1a なので各辺に b-a>0 を掛けて示せた。
ポイント極限の問題でも使える:\lim\frac{f(b)-f(a)}{b-a} で a,b が同じ値に近づくなら、c もはさまれて同じ値に近づく。
着眼点速度は位置の微分、加速度は速度の微分。平面ではベクトルで扱い、速さは大きさ。近似式は「接線で置き換える」と覚える。
平面運動:\vec v=\left(\frac{dx}{dt},\frac{dy}{dt}\right)、\vec\alpha=\left(\frac{d^2x}{dt^2},\frac{d^2y}{dt^2}\right)、速さ |\vec v|
近似式:h が小さいとき f(a+h)\fallingdotseq f(a)+f'(a)h
x が 0 に近いとき (1+x)^p\fallingdotseq1+px、\sin x\fallingdotseq x、e^x\fallingdotseq1+x
例題
1点 P(r\cos\omega t,\ r\sin\omega t)(r,\omega>0)の速さと加速度の大きさを求めよ。
解答
\vec v=(-r\omega\sin\omega t,\ r\omega\cos\omega t) より |\vec v|=r\omega。
\vec\alpha=(-r\omega^2\cos\omega t,\ -r\omega^2\sin\omega t) より |\vec\alpha|=r\omega^2。
2\sin31^\circ の近似値を小数第3位まで求めよ(\sqrt3=1.732,\ \pi=3.142)。
解答
1^\circ=\frac{\pi}{180}。f(x)=\sin x、a=\frac\pi6、h=\frac\pi{180} として \sin31^\circ\fallingdotseq\sin\frac\pi6+\cos\frac\pi6\cdot\frac{\pi}{180}=0.5+0.866\times0.01746\fallingdotseq0.515答え 約 0.515
注意近似式の h は必ず弧度法。度のまま 1 を入れると桁違いになる。
\frac00 や \frac\infty\infty の不定形で \displaystyle\lim\frac{f(x)}{g(x)}=\lim\frac{f'(x)}{g'(x)}(右辺が存在するとき)。
ポイント不要の理由:高校の学習範囲外で、記述答案の根拠に使うと減点されることがある。入試の極限は \frac{\sin x}{x}、e の定義、微分係数の定義、はさみうちで解けるように作られている。
例外:共通テストなどマーク式で、出した答えの検算に使うのは可。
🧮
積分法(数学Ⅲ)
置換積分・部分積分を軸に、三角・分数関数の積分、面積・体積・曲線の長さ、区分求積まで。数Ⅲは主に理系の入試で使う(文系の受験科目に入ることはまれ)。
不定積分の計算
着眼点微分の表を逆に読む。積分する前に「展開・分割・三角の公式」で表の形に崩す。
| 関数 | 不定積分(C は積分定数) |
|---|
| x^\alpha\ (\alpha\ne-1) | \dfrac{x^{\alpha+1}}{\alpha+1}+C |
| \dfrac1x | \log|x|+C |
| e^x、a^x | e^x+C、\dfrac{a^x}{\log a}+C |
| \sin x、\cos x | -\cos x+C、\sin x+C |
| \dfrac{1}{\cos^2x} | \tan x+C |
例題
1\displaystyle\int\frac{(x+1)^2}{x}\,dx を求めよ。
解答
\int\left(x+2+\frac1x\right)dx=\frac{x^2}{2}+2x+\log|x|+C
2\displaystyle\int\tan^2x\,dx を求めよ。
解答
\tan^2x=\dfrac{1}{\cos^2x}-1 より \int\left(\frac1{\cos^2x}-1\right)dx=\tan x-x+C
注意\displaystyle\int\frac1x\,dx の絶対値を落とさない。\displaystyle\int x^{-1}dx=\frac{x^0}{0} とはしない。
着眼点中身が1次式なら、ふつうに積分して \frac1a を掛けるだけ。置換を書かずに済ませてよい。
\int f(ax+b)\,dx=\frac1aF(ax+b)+C\quad(F'=f,\ a\ne0)
例題
1\displaystyle\int e^{3x+1}dx を求めよ。
解答
\frac13e^{3x+1}+C
2\displaystyle\int_0^1\frac{1}{2x+1}dx を求めよ。
解答
\left[\frac12\log|2x+1|\right]_0^1=\frac12\log3
注意中身が2次以上(e^{x^2} など)にはこの公式は使えない。
確認問題
1\displaystyle\int\cos(2x-1)\,dx
答え
\frac12\sin(2x-1)+C
2\displaystyle\int(3x-2)^4dx
答え
\frac{1}{15}(3x-2)^5+C
必須\frac{f'}{f} 型・f^nf' 型(置換を書かない置換)
着眼点被積分関数の中に「ある式」と「その導関数」がペアで見えたら、この型。\tan x=\frac{\sin x}{\cos x} もこれ。
\int\frac{f'(x)}{f(x)}dx=\log|f(x)|+C,\qquad \int\{f(x)\}^nf'(x)\,dx=\frac{\{f(x)\}^{n+1}}{n+1}+C
例題
1\displaystyle\int\tan x\,dx を求めよ。
解答
(\cos x)'=-\sin x なので \int\frac{\sin x}{\cos x}dx=-\int\frac{(\cos x)'}{\cos x}dx=-\log|\cos x|+C
2\displaystyle\int\frac{x}{x^2+1}dx を求めよ。
解答
(x^2+1)'=2x なので係数を合わせて \frac12\int\frac{2x}{x^2+1}dx=\frac12\log(x^2+1)+C(x^2+1>0 なので絶対値は不要)
確認問題
1\displaystyle\int\sin^3x\cos x\,dx
答え
\frac14\sin^4x+C(f=\sin x、f'=\cos x)
2\displaystyle\int\frac{\log x}{x}dx
答え
\frac12(\log x)^2+C(f=\log x、f'=\frac1x)
着眼点「まとまり」を t とおく。\sqrt{a^2-x^2} は x=a\sin\theta、\frac{1}{x^2+a^2} は x=a\tan\theta。
x=g(t) とおくと dx=g'(t)\,dt、\int_a^bf(x)\,dx=\int_\alpha^\beta f(g(t))\,g'(t)\,dt\quad(a=g(\alpha),\ b=g(\beta))
例題
1\displaystyle\int_0^1x\sqrt{1-x}\,dx を求めよ。
解答
t=1-x とおくと x=1-t、dx=-dt、x:0\to1 のとき t:1\to0。\int_1^0(1-t)\sqrt t\,(-dt)=\int_0^1\left(t^{\frac12}-t^{\frac32}\right)dt=\frac23-\frac25=\frac4{15}答え \dfrac4{15}
2\displaystyle\int_0^1\frac{1}{1+x^2}dx を求めよ。
解答
x=\tan\theta とおくと dx=\dfrac{d\theta}{\cos^2\theta}、x:0\to1 のとき \theta:0\to\frac\pi4。1+\tan^2\theta=\dfrac1{\cos^2\theta} より \int_0^{\frac\pi4}\cos^2\theta\cdot\frac{1}{\cos^2\theta}d\theta=\frac\pi4答え \dfrac\pi4
ポイント\displaystyle\int_0^a\sqrt{a^2-x^2}\,dx=\frac{\pi a^2}{4}(四分円の面積)。図形で読めるときは置換しなくてよい。
注意置換したのに積分範囲を x のまま残す、dx を置き換え忘れる、の2つが定番のミス。
着眼点「多項式 × (e^x・\sin・\cos)」は多項式を微分する側に。「多項式 × \log x」は \log x を微分する側に。
\int f(x)g'(x)\,dx=f(x)g(x)-\int f'(x)g(x)\,dx\log x 単独は \log x=(x)'\log x と見る:\displaystyle\int\log x\,dx=x\log x-x+C
例題
1\displaystyle\int xe^x\,dx を求めよ。
解答
xe^x-\int1\cdot e^x\,dx=xe^x-e^x+C=(x-1)e^x+C
2\displaystyle\int e^x\sin x\,dx を求めよ。
解答
I=\int e^x\sin x\,dx とおく。部分積分を2回:I=e^x\sin x-\int e^x\cos x\,dx=e^x\sin x-\left(e^x\cos x+\int e^x\sin x\,dx\right)I=e^x(\sin x-\cos x)-I より I=\frac12e^x(\sin x-\cos x)+C
ポイントe^x\sin x 型は2回で元の積分に戻るので、I とおいて方程式として解く。
確認問題
1\displaystyle\int x\sin x\,dx
答え
-x\cos x+\sin x+C
2\displaystyle\int_1^e\log x\,dx
答え
1([x\log x-x]_1^e=(e-e)-(0-1))
着眼点\sin^2,\cos^2 は半角で次数を下げる。\sin\cdot\cos の積は積和公式。奇数乗は1つ取り出して f^nf' 型。
\sin^2x=\frac{1-\cos2x}{2},\quad \cos^2x=\frac{1+\cos2x}{2}\sin\alpha\cos\beta=\frac12\{\sin(\alpha+\beta)+\sin(\alpha-\beta)\}
例題
1\displaystyle\int_0^\pi\sin^2x\,dx を求めよ。
解答
\int_0^\pi\frac{1-\cos2x}{2}dx=\left[\frac x2-\frac{\sin2x}{4}\right]_0^\pi=\frac\pi2
2\displaystyle\int_0^{\frac\pi2}\sin^3x\,dx を求めよ。
解答
\sin^3x=(1-\cos^2x)\sin x。t=\cos x とおくと dt=-\sin x\,dx、x:0\to\frac\pi2 で t:1\to0。\int_1^0(1-t^2)(-dt)=\int_0^1(1-t^2)\,dt=\frac23
ポイント\displaystyle\int_{-a}^af(x)\,dx は、奇関数部分が 0、偶関数部分は 2\int_0^a。例:\int_{-\pi}^{\pi}(x^3\cos x+x\sin x)\,dx=2\int_0^\pi x\sin x\,dx=2\pi。
確認問題
1\displaystyle\int\sin3x\cos x\,dx
答え
-\frac18\cos4x-\frac14\cos2x+C(積和で \frac12(\sin4x+\sin2x))
着眼点分子の次数 ≥ 分母の次数なら、まず割り算。分母が因数分解できれば部分分数に分ける。分母が x^2+a^2 なら \tan 置換。
例題
1\displaystyle\int\frac{1}{x(x+1)}dx を求めよ。
解答
\int\left(\frac1x-\frac1{x+1}\right)dx=\log|x|-\log|x+1|+C=\log\left|\frac{x}{x+1}\right|+C
2\displaystyle\int\frac{x^2}{x+1}dx を求めよ。
解答
x^2=(x+1)(x-1)+1 より \int\left(x-1+\frac{1}{x+1}\right)dx=\frac{x^2}2-x+\log|x+1|+C
注意部分分数分解は、最後に通分して元に戻るか確かめる。
定積分の応用
着眼点上端に x があれば微分して中身を取り出す。上下端が定数なら「定積分 = 定数 k」とおく。
\frac{d}{dx}\int_a^xf(t)\,dt=f(x),\qquad \frac{d}{dx}\int_a^{g(x)}f(t)\,dt=f(g(x))\,g'(x)
例題
1\displaystyle\frac{d}{dx}\int_0^{x^2}\sin t\,dt を求めよ。
解答
\sin(x^2)\cdot(x^2)'=2x\sin(x^2)
2f(x)=e^x+\displaystyle\int_0^1tf(t)\,dt を満たす f(x) を求めよ。
解答
k=\displaystyle\int_0^1tf(t)\,dt(定数)とおくと f(x)=e^x+k。k=\int_0^1t(e^t+k)\,dt=\left[(t-1)e^t\right]_0^1+\frac k2=1+\frac k2よって k=2。答え f(x)=e^x+2
注意\displaystyle\int_0^x(x-t)f(t)\,dt のように中に x があるときは、x\int_0^xf(t)\,dt-\int_0^xtf(t)\,dt と x を外に出してから微分する。
着眼点\lim\frac1n\sum f\left(\frac kn\right) の形を作る。\frac1n をくくり出し、残りを \frac kn だけの式にする。
\lim_{n\to\infty}\frac1n\sum_{k=1}^{n}f\left(\frac kn\right)=\int_0^1f(x)\,dx(k=0 から n-1 でも同じ)
例題
1\displaystyle\lim_{n\to\infty}\sum_{k=1}^{n}\frac{1}{n+k} を求めよ。
解答
\frac1n\sum_{k=1}^n\frac{1}{1+\frac kn}\to\int_0^1\frac{dx}{1+x}=\log2答え \log2
2\displaystyle\lim_{n\to\infty}\sum_{k=1}^{n}\frac{n}{n^2+k^2} を求めよ。
解答
分母・分子を n^2 で割る。\frac1n\sum_{k=1}^n\frac{1}{1+\left(\frac kn\right)^2}\to\int_0^1\frac{dx}{1+x^2}=\frac\pi4答え \dfrac\pi4
注意k が 1 から 2n まで動くなど、範囲が違えば積分区間も変わる(\frac kn は 0 から 2 → \int_0^2)。
着眼点\sum\frac1k のように和が計算できないときは、長方形の面積と曲線の下の面積を比べる。グラフを描いて大小を決める。
f(x) が減少関数なら k\le x\le k+1 で f(k+1)\le f(x)\le f(k) より f(k+1)<\int_k^{k+1}f(x)\,dx<f(k)
例題
1自然数 n について \displaystyle\sum_{k=1}^n\frac1k>\log(n+1) を示せ。
解答
k\le x\le k+1 で \frac1x\le\frac1k(等号は x=k のみ)より \int_k^{k+1}\frac{dx}{x}<\frac1kk=1,\cdots,n で足すと \sum_{k=1}^n\frac1k>\int_1^{n+1}\frac{dx}x=\log(n+1)
ポイントこの不等式から \sum\frac1k\to\infty(調和級数の発散)も示せる。
着眼点交点を求め、区間ごとに「上 − 下」を積分。x について解きにくい曲線は y で積分(右 − 左)。
S=\int_a^b\{f(x)-g(x)\}\,dx\quad(f\ge g)
例題
1\frac\pi4\le x\le\frac{5\pi}4 で、y=\sin x と y=\cos x で囲まれた部分の面積を求めよ。
解答
この区間では \sin x\ge\cos x。\int_{\frac\pi4}^{\frac{5\pi}4}(\sin x-\cos x)\,dx=\Big[-\cos x-\sin x\Big]_{\frac\pi4}^{\frac{5\pi}4}=\sqrt2-(-\sqrt2)=2\sqrt2答え 2\sqrt2
2曲線 y=\log x、y 軸、直線 y=0、y=1 で囲まれた部分の面積を求めよ。
解答
x=e^y と見て y で積分(右の曲線 − 左の y 軸)。\int_0^1e^y\,dy=e-1答え e-1
注意区間内で上下が入れ替わるなら分けて積分する。そのまま積分すると打ち消し合って小さく出る。
着眼点体積は「断面積を積分」が原理。x 軸回転は断面が円なので \pi y^2。y 軸回転は x=g(y) にして \pi x^2 を y で積分。
V=\int_a^bS(x)\,dx,\qquad V_x=\pi\int_a^b\{f(x)\}^2dx,\qquad V_y=\pi\int_c^d\{g(y)\}^2dy
例題
1曲線 y=\sqrt x\ (0\le x\le4) と x 軸、直線 x=4 で囲まれた部分を x 軸のまわりに1回転させた立体の体積を求めよ。
解答
\pi\int_0^4(\sqrt x)^2dx=\pi\left[\frac{x^2}2\right]_0^4=8\pi
2y=\sin x\ (0\le x\le\pi) と x 軸で囲まれた部分を x 軸のまわりに1回転させた立体の体積を求めよ。
解答
\pi\int_0^\pi\sin^2x\,dx=\pi\cdot\frac\pi2=\frac{\pi^2}2(\int_0^\pi\sin^2x\,dx=\frac\pi2 は三角関数の積分の項目を参照)
注意2曲線の間を回転させるときは \pi\int(f^2-g^2)\,dx。\pi\int(f-g)^2dx は誤り(ドーナツ状の断面)。
着眼点\int y\,dx を t の積分に置換する。x の向きと t の向きの対応(積分範囲)に注意。
S=\int_a^by\,dx=\int_\alpha^\beta y(t)\,\frac{dx}{dt}\,dt
例題
1サイクロイド x=t-\sin t,\ y=1-\cos t\ (0\le t\le2\pi) と x 軸で囲まれた部分の面積を求めよ。
解答
y\ge0、\frac{dx}{dt}=1-\cos t\ge0 で、x:0\to2\pi と t:0\to2\pi が対応。S=\int_0^{2\pi}(1-\cos t)^2dt=\int_0^{2\pi}\left(1-2\cos t+\frac{1+\cos2t}{2}\right)dt=2\pi+\pi=3\pi答え 3\pi
注意t が増えると x が減る区間では、範囲の上下が逆になる。符号で面積が負になったら範囲を確認。
着眼点根号の中が「何かの2乗」になるよう作られていることが多い。1-\cos t=2\sin^2\frac t2 などを使って根号を外す。
L=\int_\alpha^\beta\sqrt{\left(\frac{dx}{dt}\right)^2+\left(\frac{dy}{dt}\right)^2}\,dt,\qquad L=\int_a^b\sqrt{1+\{f'(x)\}^2}\,dx
例題
1曲線 y=\dfrac23x^{\frac32}\ (0\le x\le3) の長さを求めよ。
解答
y'=x^{\frac12} より \sqrt{1+y'^2}=\sqrt{1+x}。\int_0^3(1+x)^{\frac12}dx=\left[\frac23(1+x)^{\frac32}\right]_0^3=\frac23(8-1)=\frac{14}3
2サイクロイド x=t-\sin t,\ y=1-\cos t\ (0\le t\le2\pi) の長さを求めよ。
解答
(1-\cos t)^2+\sin^2t=2-2\cos t=4\sin^2\frac t2。0\le t\le2\pi で \sin\frac t2\ge0 なので L=\int_0^{2\pi}2\sin\frac t2\,dt=\left[-4\cos\frac t2\right]_0^{2\pi}=4+4=8答え 8
注意\sqrt{4\sin^2\frac t2}=2\left|\sin\frac t2\right|。範囲で符号を確認してから絶対値を外す。
0\le a\le x\le b で f(x)\ge0 のとき、y=f(x) と x 軸の間を y 軸のまわりに回転した体積 V=2\pi\int_a^bxf(x)\,dx
ポイント不要の理由:教科書にない公式で、記述答案で証明なしに使うと減点されうる。y 軸回転は x=g(y) に直すか、置換積分で処理すれば教科書の範囲で解ける。
例外:y について解けない曲線の y 軸回転が出る難関大志望なら、導き方とセットで覚える。マーク式の検算には便利。
回転軸に沿った座標 u と、軸までの距離 r を使って V=\pi\int r^2\,du を計算する。
ポイント不要の理由:共通テスト〜地方国公立ではほとんど見られず、計算量の割に他の項目への波及が小さい。
例外:旧帝大・医学部の過去問で回転体が頻出の大学を受ける場合だけ、過去問で練習する。